1998年 テレビ朝日/東映
キャスト
遠山金四郎/松方弘樹
奈津/水野真紀
弥寿/草笛光子
脇坂玄之助/津嘉山正種
勘平/前田吟
辰吉/高木延秀
お紺/古手川祐子
第1話 「大奥 妖しい京人形」 1998.3.14
汚職役人と悪徳商人は大奥表使いを取り込もうとして失敗、いきなり殺すという荒技に出るが、死体の始末をねずみ小僧におっつけようとする。怒ったねずみはきっちり出現し、瓦版屋のほうでは悪党どもに捕われたり大騒動、馬鹿な経緯で小判が夜空に撒かれたり。
ロケ地
- 江戸城イメージ、姫路城天守。
- 登城風景、仁和寺参道。賄賂を酒樽に入れて運ぶ商人を暴き揶揄するお紺は茶店に。
- 賄賂受け渡し現場でねずみに金を盗られる役人のくだり、料亭イメージに大覚寺大沢池堤を挿入・桜開花。
- 呉服商・後藤が内覧会を開く築地本願寺、興正寺御影堂前・北望のビュー。お西の御影堂の大屋根も映り込む。
- 後藤の柳橋の寮、中山邸門(お紺が連れ込まれ)。
*強烈に悪い御広敷用人は横内正、配下に石倉英彦、悪徳商人は鶴田忍。一旦彼らに加担するものの土壇場で改心する表使いの添え役は八木小織。ラス立ち福ちゃん峰蘭さん入り。
第2話 「将軍は見た!遠山桜」 1998.4.18
藤堂藩勘定方の奈津の叔父さんは、贋金の気配を嗅ぎつけ江戸藩邸へ。悪事を暴くも最終局面で消されてしまう叔父さんの無念を晴らすため、お奉行は命を賭して上聴裁判(公事上聴)を願い出る。
ロケ地
- 施しについて却って為にならぬとお紺を諭す金さん、中ノ島橋下手河川敷(右岸)。
- 養生所から牢屋敷へ戻される藤造の唐丸を奪還に来る一味、民家裏塀際。
- 武蔵屋の寮から逃げた藤堂藩江戸家老を追って金さんが出てくる門、不明(料亭か)。船で逃げる峯山、ロケかセットか不明。
- 殿様に江戸家老の悪事を告発すべく国元へ急ぐ笹岡を襲う刺客たち、山室。畦道、堤法面の登り道や堤上の道を使い、お奉行が馬で駆けつけるシーンもある。
*奈津の叔父さんの笹岡老人は山田吾一、贋金作り首謀者の江戸家老は石橋蓮司で腹心に内田勝正。つるむ両替商は斉藤暁、錺職の藤造は井上高志でツレに西田良。首席老中追い落としをはかり贋金一味とつるむ老中は亀石征一郎、狙われる首席老中は外山高士。上様(家慶)は石丸謙二郎。ラス立ち(わざと釈放された藤造を始末にかかる一味のくだり)福ちゃん入り。
第3話 「不倫!顔のない誘拐犯」 1998.4.25
娘時代の恋人に心を残し嫁いだ女の悲劇、亭主は内儀の生んだ子を己が種でないと邪推し誘拐の狂言をでっち上げ、放蕩の借金を埋めようとする。
ロケ地
- 音羽界隈の夕景イメージ、八幡掘。遊ぶ子らが順次帰ってゆくお宮さん、上御霊神社本殿裏手(誘拐される子をお紺が目撃)。
- 若松屋の内儀が昔の恋人に会いにゆくくだり、船は八幡掘を下り新町浜へ着き、入る出合茶屋は新町浜に面したお店を使用。
- 金さんに内儀を尾行した成果を報告する勘平、大覚寺放生池畔に茶店あしらい。後段のツナギ場面にも出てくる。誘拐は内儀の芝居かもと推理を話すシーンは大沢池畔。
- 若松屋の内儀に金を届けた帰りの「昔の恋人」が殺される夜道、大覚寺天神島。
- 合図して通った下駄職人にツナギをとりにゆく若松屋の女中、八幡掘堀端(履物屋のくせに下駄屋に歯を入れて貰っている事で、決定的な疑惑を持たれる次第)。
*妻への不信を募らせ元恋人を恨み犯行に至る亭主はベンガル、内儀は有沢妃呂子、不倫なんかしてない元恋人の材木商は木下浩之。亭主が手をつけている女中は大沢さやか、誘拐に噛んでいて分け前で揉め殺される下駄職人は益富信孝。若松屋が雇っている強面は岩尾正隆、白川浩二郎、福本清三などお馴染みの面々。
第4話 「狆が見た密室殺人」 1998.5.2 48
気のいい棒手振り兄ちゃんは、好きだった娘に結婚祝いを贈るため奔走。しかしそのギフトがらみで、青年と娘は手前勝手な不倫男女の秘密を守るため無惨にも殺されてしまい、金さんたちが仇を討つ。
ロケ地
- 不倫男女が走る掘割、大覚寺有栖川河床。その後五社明神で捕り方に囲まれ。
- 大黒屋の後妻が亭主の治癒祈願と称し日参する無量山養名寺、粟生光明寺。まず山門が映り、狆抱いてて住職に犬は本堂ダメと言われる廊下は方丈縁先。浮気相手の寺侍が狆を預かりに降りてくるのはEV付階段脇の庭側石段。祈祷を受けるのは阿弥陀堂内部、この間寺侍は密会の日時を記した文付きの狆を抱いて方丈前の石庭で待つ。後段再び映る際はイメージに参道石段上部越し本堂甍。
- お奉行の御母堂が墓参の寺で狆を拾うくだり、鹿王院。イメージに中門を映し、参道石畳に駕籠があり、住職に挨拶するのは式台玄関。
*お調子者の棒手振り・弥五郎は西山浩司、皆にヤゴと呼ばれ。彼が惚れていた娘は光井みほ。亭主に毒盛り中の浮気後妻は藤田佳子、相手の寺侍は沖田浩之、後妻が連絡に使う狆を盗って弥五郎に売った男は江藤漢。
第5話 「たった一人の忠臣蔵」 1998.5.9
恩ある主人夫婦の仇を討ちに憎き相手に向かう中間、返り討ちにあっても事を世に知らしめるため、彼は赤穂浪士のなりをして乗り込んでゆく。
ロケ地
- ねずみが煙玉で助けた弥七を追って走り出てくる藩士たち、中山邸通用門。
- 弥七のご主人が「呑んでいた」酒肆を出た勘平が「果し合い」の後処理を金さんに話す町角、上賀茂神社ならの小川畔〜神事橋(腰掛け)。
- 紅花問屋の番頭が弥七の「女」・お弓を請け出して運ぶ道、上賀茂神社ならの小川畔。
- お弓を持っていかれたと金さんに報告する勘平、大覚寺護摩堂。
- 弥七の回想、出立前主の内儀にくれぐれもと頼まれた門前、妙心寺衡梅院。江戸さして街道をゆく主従、嵐山自転車道。
- お奉行の命で最上藩へ馬を飛ばす脇坂さま、嵐山自転車道。
- 偽証した酒肆の主が斬られ川へ落ちたのを引き上げる勘平、中ノ島橋下手河川敷(斬られてドボンは映画村日本橋とプール)。
- 討ち入り衣装を着込んだお弓が悪党どもを誘き出し逃げる夜道、大覚寺有栖川畔。
*弥七は尾美としのり、元腰元のお弓は大西結花。酒乱設定もある弥七のご主人は沖田さとし、藩邸門前で面当て自刃の内儀は小嶋ゆか。江戸家老は御木本伸介、つるむ紅花問屋は塙恵介、「果し合い」の相手の藩士は高品剛、偽証した酒肆の主は江幡高志。買ってきた反物がババくさくて気に食わない弥寿が品物をこねくり回すうしろをすーっと通る男女の片割れが福ちゃん、難易度Bのチラリ。
第6話 「瞼の母の犯罪」 1998.5.23 48
まっすぐにお宝を目指す賊が立て続けに出て、火盗改が妙な介入をして、二件の共通点はしつこく間取りを聞く怪しの女占い師。母に会いにやってきた坊の情けが蟻の一穴となり、一味はお縄の運び。
ロケ地
- 判決後、楓を正太に会わせてやる勘平、仁和寺観音堂前。塔や御室桜も映り込む。
*水晶占いの楓は日下由美、賊の首領は鷲生功、彼と通じる火盗同心は上杉祥三、罪を着せられて殺される上司の与力は小沢象。一味の下っぱに福ちゃん、ラス立ちとお白州後列。
第7話 「毒殺!千両富くじの妻」 1998.5.30 48
女郎あがりの職人の女房は、富籤がらみで亭主を殺されてしまいその後も騒動に巻き込まれるが、罪は全て自分に起因として仕置を望む。大事にしてくれた亭主を思う健気さに、お奉行の情けがかけられる。
ロケ地
- 富突きが行われる梅ノ宮、梅宮大社境内。お奉行ファミリーも来ている。富突きは舞殿。
- 錺職が殺された件で引っ張られた女房と出入りの小間物屋たちが腹をさぐりあう帰り道、梅宮大社神苑池端。
- 小間物商たちの早桶の野辺送り、鳥居本八幡宮。野辺送りの列を舞殿の屋根越しに広場見下ろし、死体改めにやって来る脇坂と勘平は小柴垣の道を来て、僧立会いで埋葬の段は広場の隅っこ。
*女郎あがりで皆が口を揃えて悪女という女房は一色彩子、錺職の亭主は草川裕馬。悪い小間物屋三人のうち最も腹黒かった優男はひかる一平。
第8話 「二代目極道の妻」 1998.6.6 48
女房にまで「二代目」と呼ばれる重圧に耐えず、女郎に耽溺する口入屋の「二代目」。鑑札狙いの悪党が差し向けた刺客に襲われ、このとき女郎が巻き添えに。その仇を討とうとする行為は、二代目の名からの解放と新生をもたらすのだった。
ロケ地
- 傷を負った二代目を発見するお紺、八幡掘(鼻歌お紺は堀端、石垣の路地に藤八)。
- 質屋通いの千春が帰り道にお参りする神社、上御霊神社。お参りは本殿、亭主の居所を聞き出そうとする男たちに刃物を突きつけられるのは本殿脇。
- 縋ってきたとんぼを保護する奈津、嬉しげに連れ歩く縁日は上御霊神社境内に露店あしらい。とんぼが藤八の姿を見て駆け出すのは楼門。
- 江戸払いになった藤八がゆく街道(中仙道・浦和へ四里半の道標)、大覚寺放生池堤。千春ととんぼが待っていて「見送る」のは護摩堂前。
*千春は芦川よしみ、先代に見込まれ嫁に来た元芸者。藤八は伊藤洋三郎。殺される女郎は神乃毬絵、可愛がられていたかむろ・とんぼは井上真央。鑑札を狙う代貸は江角英明、中盆は峰蘭太郎、代貸が雇う島帰りは渕野直幸。
第9話 「若き日の奉行を愛した女」 1998.6.13
頻発する御用金盗を追っていた金さんは、家督を継ぐ前のなつかしい顔に出会う。不幸の裡にあるその女は、「武士を捨てた金四郎」との暮らしを夢見ていた。
ロケ地
- 行きがかりで助けた青年を諭し別れる金さん、直後青年の極道親父が現れる町角、妙心寺衡梅院北東角塀際。
- 住職が炊き出しをしている芳泉寺、不明(棟門の向こうにお堂の甍)。
- 花火見物の町衆でごった返す橋から「身投げ」、中ノ島橋。検分は橋下手河川敷、橋越しにのぞく堰堤からの溢水量多し。
- 南町奉行役宅、妙心寺天祥院。
- 親方に博打を咎められ暴れる仙吉を止めに入る金さん、普請場は酵素河川敷で民家セット映り込み。
- 山岡頭巾の武士が用心棒の浪人と出てくる芳泉寺通用門、不明(福ちゃんの足取りを見ると三段ほどステップおりてる模様、門の内側も下がっている感じ)。直後の、金さんの目の前で浪人が口封じされる場所も不明(基壇みたいな石垣、祠など映り込む)。
- 奉行に会いにやってくるも門前で奈津を見て去るお甲、妙心寺天祥院。外出から戻った奈津は寿聖院前を来て門前にいるお甲を見る。
*金さんの桜を彫った職人の娘のお甲は藤吉久美子、賊の一味のDV亭主はでんでん、息子の仙吉は角田英介。賊を追い使う悪徳和尚は和崎俊哉、グルの北町与力は河原さぶ、用心棒は福ちゃん。
第10話 「隠密同心殺人事件」 1998.6.20 48
抜け荷探索中の隠密同心が消され、残されたダイイングメッセージから金さんが容疑者に。手配され追っかけ回されのどたばたを利用し、金さんはうまうまと敵中に入り込む。
ロケ地
- お紺が咬みつき犬の瓦版を売る橋、中ノ島橋。
- 隠密同心・小松の墓、不明(招善寺か/丘の上・遠景は林)。
- 密談を立ち聞いた北海屋の女中が死体で見つかる大川、八幡掘堀端。
- 金次が犯人の瓦版を売り出すお紺、中ノ島橋。お紺を連れ出して話す林は橋近く(嵐山側)の公園(石のベンチ見えてる)。
- 北海屋が荷揚げしているところへ「虚無僧」を追って走りこむ勘平、八幡掘堀端。
*業者と癒着し悪事を働く北町の抜け荷担当与力は寺田農、虚無僧でうろつき。悪徳商人は成瀬正孝、グルの口入屋は中田博久。小松を慕っておりむきになって金さんを追う同心は大橋吾郎、彼付きの岡っ引は松澤一之(殺された女中の兄)。福ちゃん二態、センセイ方の一人と、八幡掘で逃げる金さんに当たられかける左官←動きすげぇシャープ。
第11話 「奉行の母!長崎の秘密」 1998.6.27 48
元長崎奉行の妻だった「金さんの御母堂」がらみで物騒な怪しい話が出てくるが、悪党の秘密は永らくオルゴールの中に蔵されていた。
ロケ地
- 湊屋が絶命するところへ行き合わせるお紺、上賀茂神社神事橋〜ならの小川畔(夜間撮影/千石屋深川寮近く設定)。
- 南町奉行役宅、妙心寺天祥院(門の部分のみイメージカット)。
- 湊屋の最期の言葉に奉行の母が出てきた件を金さんに告げるお紺、仁和寺塔前林間に茶店あしらい。
- 未解決事件の調書を読んだお奉行の想像(お白州のくだりでも出る)、抜け荷常習犯たちが殺されて打ち上げられた野母の浜、琵琶湖か。
- 弥寿がさらわれる市中、不明(背景に枝垂桜やツツジ、仁和寺か)。
- 弥寿が監禁される谷中・隆昌寺、不明(両に大きな狭間の薬医門、前の石段は草ぼうぼう/内部はセット撮りで建具ぼろぼろ・荒れ寺設定)。
*ポーカーで弥寿に負け全財産を失い夫婦で縊死とされていた潮見屋の遺児は岡野進一郎、親切ごかしに育てた富商は川合伸旺で用心棒は岩尾正隆、昔の悪党仲間を強請って殺された湊屋は有川博。
*回想で出る長崎時代の奉行の母はドレス纏い、某人魚亭のマダムに似る。
第12話 「桜吹雪と河童騒動」 1998.7.4 48
哀れな子らと老爺は河童伝説を利用して糊口をしのぎ、いつの日か自分たちの家を持ちたいと夢を見る。曲折を経て子らは新天地へ旅立つが、そこに老爺の姿はなかった。
ロケ地
- 子らが扮した河童が出て出前持ちや屋台引きを脅かす本所おいてけ堀、大覚寺大沢池畔。放生池堤石橋たもとの池端に「塀」あしらい。
- 子と老爺が巣食う本所南割下水御預屋敷(出ると噂の元旗本屋敷)、不明(二尊院唐門や実相院門に似る)。
- 勘平が入船屋に裏帳簿を突き付け迫る浅草御米蔵の河岸、八幡堀新町浜。
- 一旦荒れ屋敷から逃げた子らが爺さまを待つ町角、大覚寺石仏前。
- 勘平とお紺が上総へゆく子らを見送る街道、羽束師堤。
*子らを裏切りかける老爺は高松英郎、闇米相場で巨利を得ていた浅草御蔵米米問屋は橋本功で消される手代は伊藤高、その他手下に谷口高史や福ちゃん。
第13話 「おさわり茶屋殺人事件」 1998.7.11
お紺の瓦版で汚職がバレそうになり証拠隠滅をはかる悪党ども、接待に使われた茶屋女たちの始末の段、間抜けな経緯でお奉行の奥方が関わってタイヘン。
ロケ地
- 接待の茶屋、不明(他作品でもよく出る門、桐院席に似る)。
- 瓦版のことが幕閣でも問題となるくだり、江戸城イメージに皇居巽櫓。
- 賄賂の運び役の部下を消す波多(勘定方役人)、嵐亭。矢をつがえる波多は延命閣前、姿を消せとの命令を断わった部下が頭に矢ボコンで倒れるのは庭園入口の門。
- 米問屋・俵屋の寮(空き屋敷設定、木場・要橋近く)、中山邸通用門。
- 口封じの不始末を協議する波多と俵屋、白沙村荘倚翠亭(問魚亭窓越しアングルで導入)。
*波多は佐藤仁哉で腹心は石倉英彦、俵屋は遠藤太津朗、勘定奉行は南原宏治。茶屋女の一人に坂上香織。
第14話 「恐怖の三味線通り魔」 1998.7.25 48
妻の死に目にも会えなかったワーカホリックな男は、勤め先の若旦那を庇い苦悩の日を過ごすが、変態青年もその親も忠義に報いることはなく敢無く始末されてしまう。
ロケ地
- お志津の弟子の娘が三味の糸で吊り殺される夜道、中ノ島橋上とたもと(娘の家は「この橋を渡ってすぐ」の木挽町)。
- お奉行が瓦版の件で勘定方にクレーム入れられ/老中にハッパかけられの登城イメージに姫路城天守。
- 母の墓に参るお志津、勝持寺桜が丘下の石垣付近か(墓標はあしらいものか)。このあと金さんと話すのは鐘楼付近(こちらは確実、本堂や庫裏も映り込む)。
- 勘平親分が女装して吊り野郎を誘き出す川端、八幡堀堀端。欄干を支点に糸がかけられるのは明治橋。
*お志津は蜷川有紀、父の大坂屋通い番頭は木村元。大坂屋父子は石山律雄と佐野圭亮、つるむ勘定吟味役は原口剛、用心棒で福ちゃん・クレジットはベタなれど判決の際「滝川」と呼ばれ。
*吊り技はほぼ「勇次」のパロ、でも動機は変態さん。
第15話 「花のお江戸の結婚サギ」 1998.8.1 48
娘を傷物にして脅す極悪集団、壊滅の決め手はお白州でレイパーを名指した娘の、勇気ある決断だった。
ロケ地
- 石州屋が脅迫者たちと斬り結び嬲り殺しにされる「中の島」、大覚寺天神島(雷雨の夜演出)。検分の際駆けつけた手代に勘平が事情を聞く水辺は大沢池畔、瓦版では「河原」と表現。
- 石州屋の婿がねだった建具屋の三男坊に話を聞く勘平たち、大覚寺護摩堂。
- 三男坊をつけていて見破られナンパされたあと、そのことを金さんにボヤくお紺、大覚寺放生池堤。
- 父の墓に参る石州屋の娘、くろ谷か(生垣の向こうに方形のお堂の甍がのぞく)。
*とんだ色悪の婿がねは田中隆三、グルの口入屋は片桐竜次、手引き役の手代は円谷浩。石州屋の娘は鈴木由香。
第16話 「復讐!絵ローソクの謎」 1998.8.15 48
過去の悪行を覆い隠そうとした悪党だが、却って事は明るみに。悲惨な記憶は、処刑から見逃された子供の心の奥に眠っていた。
ロケ地
- 三春屋の荷が襲われ御用の品が奪われた道、北嵯峨の竹林か。
- 三春屋夫婦が子も連れて白装束で直訴におよんだ道、仁和寺参道か。
- 巽浪人に邪魔者殺しをおっつけて逃げる乾、大覚寺大沢池堤。「邪魔者」は金を貰い江戸を売る矢先、街道筋設定。
*三春屋の遺児は落合瞳、彼女を土壇場で匿い今まで育ててきた元処刑人の巽は高岡健二。彼をハメる元朋輩は伊吹剛、雇い主の三春屋を追い落とした悪徳商人は穂積隆信、黒幕の一橋の家老は江見俊太郎。金に目がくらみ三春屋を裏切った職人はコロムビア・トップ。
第17話 「美しい娘白浪の涙」 1998.8.22 48
若い男女二人組のはぐれ者が、寂しい老人と出会い共に転機を迎える情話。身寄りの無い金持ちの老人を狙うとんでもねー悪党が暗躍、白浪気取りの若者たちなどまるで敵わないのだった。
ロケ地
- 天夢の向島隠宅、イメージに広沢池北東岸の萱葺き。大根を洗うお涼は東岸。隠宅入口に東岸料理屋跡?の門。
- 気の毒な婆さんが火葬された東雲寺、不明(門の前に祠、前シリーズ19話と同所)。
- 一旦江戸をフケかけるものの天夢が気になると踵を返すお涼、大覚寺五社明神。
- 江戸を発ち伊豆へ向かう天夢とお涼たち、大覚寺大沢池畔。
*お涼は佐藤友紀、弟分は菅原加織。元漬物名人の隠居・天夢は桂小金治で、金に群がる者どもに嫌気がさしている頑固爺設定。年寄り狙いの悪党どもは松井紀美江に浜田晃、伊吹聰太朗。
第18話 「いじめられた息子!父の復讐」 1998.8.29
愛した女とその子を失った男は、倅同然だった青年を死に追いやった者どもに刃を向ける。一党の首魁はしたたかで復讐鬼となった男と同時に足手まといの仲間も消そうとはかるが、そも因を作った馬鹿息子は常人の考えもつかぬ行動に出る。
ロケ地
- 吾市と金四郎がかつて鍛錬を積んだ剣心館道場(廃墟)、民家長屋門(破れ戸あしらいの室内はセット)。
- 佐倉領、蘭方医・橋田弘庵邸、走田神社社務所。篝火を焚いての撮影も。
- 佐倉入りした吾市の前に立ちはだかり阻止しようとするお紺、広沢池西岸(これに先立ち、南岸から北望の絵が出る)。
- 吾市の回想、橋田の息子らに苛められ追い回される仙太、大堰川河床か。仙太とその母の急を聞き駆けつける吾市、民家南路地塀際。
- 橋田邸警護のための兵が出てゆく佐倉城、二条城本丸櫓門。
- 橋田邸の警戒ぶりを見た金さんが脇坂と話すのは走田神社境内。
- お紺に助けられ逃げた吾市、関所および脇坂が立ちはだかる領境、酵素河川敷(水量多し)。脇坂の立ち位置は竹林。
- 南町奉行役宅、妙心寺天祥院門。
*江藤吾市は江原真二郎、橋田弘庵は大林丈史。
*橋田家のご子息はミリタリーオタクでちょっと意識が彼岸行っちゃってる設定、お裁きでは同期生とおんなじふうに扱われてるのがむしろおかしいヤバいキャラクターで、両親とかフツーに殺しててもはや苛めとか関係ないアレな奴だが、お奉行のお説教は被害者加害者双方にひとしなみに降ってくる。
第19話 「観音様は見た!慈善富のからくり」 1998.9.5 49
富突きに不正を働き大儲けの悪党ども、というよくある話。寺の尼僧に深く帰依する実直な老爺が、秘密を見てしまう。
ロケ地
- 慈善富の愛宕山日照寺、粟生光明寺。続々とやってくる町衆は参道坂、与兵衛爺さんの茶店が本堂脇にしつらえられるほか、回廊や鐘楼など各所が映り込む。富突きは阿弥陀堂縁先で行われ、華やかな天蓋がのぞく。事後与兵衛の観音様を厨子におさめ祈るくだりでは内部で撮影・座敷から表を見る図も出る。
- 与兵衛の死体が見つかる愛宕山中の崖下、酵素ダート下か。
- 与兵衛の死に不審ありとして情報提供を呼びかける瓦版を撒くお紺に「苦情申し立て」の与兵衛の娘、広沢池観音島。
- 与兵衛が観音様を祀っていた愛宕山中の祠、酵素か(崖の中腹)。
*不正を働く寺の執事は遠藤憲一、グルの勧進元は大河内浩。与兵衛の娘は古柴香織。
第20話 「罠!帰ってきた婚約者」 1998.9.12 49
船宿乗っ取りの手口は、五年前に回船問屋がされたのと同じ。金さんらの奔走で親切面の旧悪も暴かれ、父を亡くした娘のもとには恋人が戻りメデタシな展開。
ロケ地
- 船宿の親爺が「縊死」して見つかる水天宮境内、仁和寺林間。新吉の回想シーンでは九所明神も映り込む。
- 町名主が経営する回船問屋・長崎屋、八幡堀新町浜(荷揚げ風景演出)。
- 駿河屋らの悪事を書き立てたお紺がやげん堀一家に凄まれる茶店、仁和寺水場下にあしらい。お紺お団子でおやつ中。
- 一味とグルの悪辣な瓦版屋・萬字堂が殺されて見つかる明神裏の雑木林、下鴨神社河合社裏手。
- 恋人は無事・すぐ戻ると墓参のお妙に告げにくる勘平、仁和寺塔下〜塀際(卒塔婆や墓石多数あしらい墓地に仕立て)。
*船宿の主は中田浩二、娘・お妙は小林綾子、父親に拒否られ去った元板前の恋人・新吉は沢向要士。善人面の町名主は入川保則、グルの両替商は小林勝彦、パシリのヤクザは高峰圭二、萬字堂は草薙良一。中田浩二の検屍を覗き込む大工に福ちゃん。
第21話 「子連れ鬼女面盗賊」 1998.10.17 49
手下に裏切られ殺された義賊、残された女たちが仇を討ちに江戸へ。金さんやねずみの働きもあり、一人も殺していなかった女たちは所払いとなり帰ってゆく。
ロケ地
- 一年前の大坂、賊を追って走る捕り方、大覚寺放生池堤〜池畔。追っ手をやり過ごし金箱を開ける段で殺される首領の耳蔵、五社明神祠脇。刺され大沢池へ池ボチャ、回想シーンで引き上げられる様子も出る。設定淀川べり。
- 久兵衛が女たちのことを伊勢屋に報告する屋形船、広沢池東岸。お紋が池畔の木陰からそのさまを凝視。
- 弥寿と奈津がお参りの子安神社、上御霊神社。楼門からはじまり露店を多数あしらった参道、本殿でお参りのあと舞殿前で久兵衛にさらわれかけたお紋の娘・お光を助ける運び。あとで金さんが出てお光を「家」へ送ってゆく。
- お紋たちが潜む荒れ寺、大覚寺聖天堂。前景に崩れ塀あしらい、外観のみで内部はセット撮り。
- 牢から出された怒り心頭のお紺を宥める金さん、大覚寺放生池堤。
*耳蔵の女房・お紋は松本留美、あとは彼女の娘二人(一人は幼女)と耳蔵の妹。ふくろうの耳蔵は有川正治。裏切者の手下は田口計、柴田p彦、野口貴史で用心棒は藤沢徹夫。福ちゃん二態、上御霊さんで騒ぎを見ている町衆と、ラス立ちの先生方でお白州は後列に。
第22話 「危うし勘平!殺しの獅子舞」 1998.10.31
獅子頭を被った殺し屋にやられたのは、密かに送り込まれたスパイ。悪を暴く過程で様々な人間模様が浮かび上がる趣向、奉行やお紺は若者の苦悩を見据えていた。
ロケ地
- 町で無体を繰り返したあとの若様たちが降りてくる石段、常寂光寺本堂下石段。菊江が出て嫁ぐことを告げるのは石段を降りきったところ、追いかけろと口を出すお紺のくだりは仁王門下。
- 殺された丸屋手代・清次の墓、二尊院墓地に卒塔婆あしらい。参りに来た三島屋親子から金さんが事情を聞く。
*部屋住みの若様たちのリーダー格は竹本孝之、その兄で汚職常習犯の御納戸頭は中丸新将、隠居は芝本正。悪徳商人は久富惟晴。
*勘平親分の危機に、女ねずみの衣装のまま長屋に駆け込むお紺という逸話が入っている。
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