2008.10.17CX、金曜プレステージ・時代劇特別企画
凶賊にがんじがらめの、引き込み女の悲哀を描く。女は潜入先で思いもかけぬ愛をつかみかけるが、首領の酷薄さを恐れひとり出奔する道を選ぶ。しかし舞い戻り全てをあきらめて入水したのは、おまさにもう少し居てくれと子供のようにせがんだあの岸辺なのだった。
ロケ地
- 五郎蔵が駒止めの弥太郎の引き込み女・お元を見かける橋、八幡堀明治橋。五郎蔵は橋上手堀端から橋上・欄干にもたれて物思うお元を見る。原作では見かけるのはおまさ、設定は築地川万年橋。
- 猫どのが張り込み中の沢田に弁当を届ける堀端、八幡堀明治橋下堀端。
- おまさをお元のいる菱屋へ潜入させるため頼みごとをしにゆく井上立泉邸、民家長屋門。原作設定は芝・新銭座。役者出ず、イメージのみ。
- 南品川の弥太郎のアジト、琵琶湖西岸河口州汀に小屋あしらい。後段では沖の釣り船からここを見る図が出てくる(このとき珍妙な「ズーム映像」が登場)。
- 自分も引き込みだと明かしたおまさが、「おかしらの五郎蔵」にお元を会わせる待合、錦水亭東屋。導入に、八条池の石橋越しに見た東屋が出てきて、五郎蔵の背後にいる大物として頭巾被った平蔵がお元に声をかける座敷は東屋の座敷で窓越しに水面などものぞく。
- 平蔵の情に打たれたお元が、おまさと話す水辺、大覚寺天神島・汀の鳥居脇。導入は大沢池南岸から護摩堂や天神島を望む図。原作にないエピソードだが、おまさが心決めてお元に接触する原作の茶店は不忍池南岸の茶店なので、それがイメージとして考慮されているかも。事後、お元が土左ヱ門であがるのもここ天神島の水辺。塩漬けされていた映像なので大沢池に蓮の気配は無し(放送時の大沢池には蓮が繁茂)。
- ひとり出奔したお元が江戸を離れる戸田の渡し、桂川松尾橋下手右岸河川敷。船着は水制に演出、三次郎らが見張っている茶店は河原にあしらい。
- 押し込み当夜、一味の放火で上がった火の手を確認に走る船番所の役人たち、八幡堀堀端。騒ぎに乗じ船を繰り出す一味は白雲橋下掘割をゆく。番所はセットで、堀端のシーンにつないである。
- 芝神明の叶屋を狙う、かしらの弥太郎を含む一味が上陸する堀端、八幡堀新町浜。
*お元は余貴美子、彼女を愛した菱屋の番頭あがりの入婿は羽場裕一、菱屋の女将は佐々木すみ江で家付娘は栗田よう子、朋輩のお民は松金よね子。駒止めの弥太郎は石倉三郎、手下の軽業小僧は井手らっきょ、ツナギ役の萎びた野菜を売る女は左時枝。捕物にも参加する立泉先生の倅は市川染五郎。
→鬼平犯科帳表紙
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