吸血死美人彫り

大西秀明監督作品  1961.5.28ニュー東映  49


 関ヶ原の戦で神君の命を救った褒美に下されたお墨付きが、子孫をとんだ騒動に巻き込む伝奇ロマン。約束された十万石を狙い、怪しの者どもが徒党を組んで跳梁するところ、友の助けを借りた若武者は陰謀を暴き父母の仇を討ち果たすのだった。

粟生光明寺

ロケ地

  • 弟が井戸に落ちたと騙され志津が連れ出されるくだり、当の弟がかくれんぼをしているお寺の境内、仁和寺五重塔下。露店などあしらわれていて、梯子持って坊を助けに来た花助が落とし穴に。この間芝神明の祭礼の模様が映し出される。
  • 白魔党につかまった友・堀川波太郎を奪還しにゆく竜王寺、粟生光明寺。竜太郎が弾正と対峙する本堂内部からはじまり、脱出のくだりでは銃隊が本堂縁先に現れる。波太郎を駕籠に乗せ追っ手に銃をぶっ放すシーンでは鐘楼や水盤が映り込んでいる。
  • お墨付きを求め旅立つ竜太郎と志津、不明。川堤の地道、堤下に萱葺民家が屋根を接している。二人を凝視する婆は木橋の上(欄干あり)

*お墨付きを狙う一味に父母を殺された遺児・滝沢竜太郎は山城新伍、総髪の切り下げ髪も凛々しい若武者。彼を慕う芸妓・雪奴は扇町景子、実は彫師・東方斎のさらわれた娘で秘密を蔵した「死人彫り」を施されており、悪党の手にかかっての死に際に「二人の役に立てた」と笑って逝く。彼女の妹芸者は笹みゆき、お相手の八丁堀同心・堀川波太郎は品川隆二で、竜さんの幼馴染設定。上司の北町奉行は徳大寺伸、カンテラの合図を受けるのに屋根の台に登る設定がなかなか面白い←この習性で命を狙われたりする。竜さんと結婚すれば十万石の土屋の子孫・志津は水木淳子、北町奉行が彼女に付けてある岩石先生は尾上鯉之助。雪奴姐さんについている幇間・花助は上田寛で機転利かせて悪党の居場所教えたりもする。滝沢家お抱えの彫師・東方斎は明石潮。白魔党一派はせむし婆が泉春子、首謀者の黒塚弾正は香川良介で、竜太郎に仕立てようとしたうすのろの倅は倉丘伸太朗。


→続編 「吸血怪人屋敷」


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