1997-1998 テレビ朝日/東映
キャスト
るい/沢口靖子
神林東吾/村上弘明
お吉/藤田弓子 嘉助/笹野高史
仙之助/松田吉博
とき/丹羽美奈子 まつ/山本容子
畝源三郎/平田満
長助/石倉三郎
天野宗太郎/橋爪淳
麻生七重/小島聖
麻生源右衛門/織本順吉
神林香苗/姿晴香
神林通之進/津川雅彦
第1話 秋の蛍
嵐の川で幼女を助けた船頭は一見して訳あり、しかし人柄を見てかわせみに留め置き。悶着を経て「父子」見送りまで、濃厚な情話が展開される。
ロケ地
- 船に乗っていて流された嘉助の孫を救出に向かう長七のくだり、見守る東吾らの立つ岸辺は一部嵐山か八幡堀か、石積み護岸が見えるが散水凄すぎて判別不能。
- 神林邸、妙心寺聖澤院。塀越しのクレーンショットで前庭の東吾を望むアングルも。
- 長七がかしらの大三に脱退を乞うも通らず、争いとなる深川万年町の法乗寺(福住ランプ前に法乗院という寺はあるが、これを指すか否かは不明)、鳥居本八幡宮。本殿前から舞殿と使い、捕り方が殺到したりるいが長七の娘を伴ってきたりする際に石段を効果的に使う。
- 牢死したはずの長七と娘のお糸を見送る堀端、八幡掘明治橋上手左岸堀端。長七の船は新町浜の方から来て、お糸を乗せて「上流側」へ去ってゆく。
- 長七のことを黙っていたるいにお冠の東吾、二人してゆく大川端は大堰川か。
*船頭の腕を買われ賊に使われていた長七は名古屋章、幼い頃川から助けられ育てられたお糸は小川範子、行徳の実父は芝本正。凶賊・水鳥の大三は遠藤征慈。
第2話 秋色佃島
忍び寄る悪意は過去の因縁、しかしるいの心ばえが積年の怨念を溶かす情話。気強くしていたるいが、来てくれていた東吾の胸にくたくたと顔を埋めるしぐさがいじらしい。
ロケ地
- 三春屋の願ほどきと称し毒入り饅頭が配られる山王御旅所(南茅場町)、上御霊神社境内。東吾が七重に引っ張りまわされているシークエンスでは物・人多すぎて判別不能。後段、宮司に聞き込みの段は舞殿脇。
- 神林邸、妙心寺聖澤院。七重が見舞いに来る段では門のみ、るいがお礼にやって来る段では中庭の石畳上で兄上と会う(門のすぐ内側)。
- 伊之助の手助けをした夜鷹が殺されて見つかる葦原、不明。
- 伊之助にたばかられ船に乗るるい、八幡堀明治橋上手左岸堀端。
- 船を止め正体を現す伊之助、西の湖(船上、葦原脇)。異変に気付き追ってくる東吾たちも西の湖、エンディングでは太鼓橋も映り込んでいる。
- 神林家を訪ねて帰りのるいが渡る橋、流れ橋。休む茶店を橋たもとにあしらい(左岸側)、るいが行った先をかわせみで聞き慌てて駆けてくる東吾(橋上)をここから見る構図。設定は永代橋か、旅人や通行人多数あしらい。
*恋人の死は役人のせいとるいの父(故人)を恨む伊之助は石黒賢、嫂の妹・七重は小島聖。
第3話 卯の花匂う
父を殺し母を奪った憎い仇を求める青年だが、圧倒的な男女の結びつきを目の当たりにし、刃は振るえず終る。そして彼にも、命がけで自分を愛してくれる魂の相手がいた。
ロケ地
- 吉野屋の夫婦がリハビリに励む近所のお宮さん、神護寺金堂下石段。東吾の道場近くという設定、道場は狸穴。
- 神林邸、妙心寺聖澤院。
*仇持ちの青年は坂詰貴之、献身的な侍女は古柴香織、彼を捨てた母は山本陽子で今は筆屋の吉野屋は井川比佐志、東吾は彼に字を習っている設定。
第4話 江戸の子守唄
麻生の当主から東吾に縁談が持ち掛けられ、るいの存在は皆の知るところに。身を引くと言い張っていたるいだが、七重の闖入は二人の心をさらに寄り添わせる。タイトルは、かわせみに置いていかれた幼女にるいが歌ってやる子守唄。
ロケ地
- 麻生邸、妙心寺金牛院。門のほか式台玄関も出てくる。
- 「両親」に置いていかれてしまった幼女を散歩に連れ出するい、大覚寺放生池堤。麻生家から帰りの東吾が護摩堂脇に立っていて軽口を叩く。
- 七重が捜しに来たことを東吾に話す畝同心(るいに気兼ねしてかわせみから連れ出し)、広沢池観音島。
- 父の使いで東吾を迎えに来る七重、神林邸は妙心寺聖澤院、二人で歩く道は涅槃堂前路地。
- 七重が東吾に経緯をぶちまける寺、仁和寺観音堂前(塔や御室桜林映り込み)。東吾が駆け去ったあとるいがお堂西から出てくる。
- 幼女を「母」とともに送り出したあと、るいと東吾が出かけるお祭りの縁日(夜)、上賀茂神社ならの小川畔に露店あしらい。
*古希を迎えた麻生源右衛門は織本順吉、さらわれた子を求め江戸に出てきた天童の紅花屋の内儀は小野沢知子、子の産みの母は小川美那子で情夫の恐喝男は草薙良一。
第5話 美男の医者
かわせみに転がり込んだ医者は男前の青年、東吾はるいのご機嫌な様子が腹立たしい。この医者を巻き込んで、計画倒産でたくさんの人を欺いた悪党どもに計略をしかけるお話。でも、何をしたのかは源さんに言えないのだった。
ロケ地
- 御典医の代診で弟子の寒井千種(本物)がやってくる麻生邸、妙心寺金牛院。イメージに門、見舞って帰る東吾に七重が意味深発言は前庭。
- 店じまいした四条屋の女将と娘が暮らす向島の陋屋、民家。正面や裏手さまざまなアングルで出て、娘が塵芥を埋めにゆくシーンでは橋を渡って対岸の畦に。
- かわせみ泊り客の寒井が釣りの大川端、広沢池観音島。
- 四条屋母子見張りの結果を報告する長助親分、神護寺石段下。
- 四条屋母子が亡き主の墓参に詣でたあと立ち寄る茶店、二尊院門内の茶店。設定は浅草西光寺。るいが注文を取りに来て、あとから東吾と寒井が入ってくる趣向。
*母子は白川和子と有沢妃呂子、グルの番頭は井上高志。実は御典医の息子だった「寒井」は橋爪淳。
*四条屋に品を納めていて代金を踏み倒された職人の兄妹は長助親分の甥姪設定。
第6話 鬼女
呉服屋の入婿は奇妙な二重生活にピリオドを打つが、新生も早々と終る。結果を見て溜息をつく男たちを尻目に、るいは裏切りが鬼女を生んだと述懐する。
ロケ地
- 千駄ヶ谷の瑞園寺、勝持寺。東吾とるいは山門(南門)をくぐり本堂下の石段前へ。お富士さまは不明(小丘の麓に鳥居、ピークに祠があり登り道にステップ。上からの眺めは別撮りと思われる。ここから見える、植木屋の孫が遊ぶ場所には巨岩)。和尚に記帳を調べてもらうのは本堂前、植木屋の婿の死体が運ばれてくるのは参道。観念した呉服屋の女将の告白を聞くのは鐘楼前。
*呉服屋の家つき娘の女将は二宮さよ子、激情をほとばしらせる台詞まわしがさすがの巧者。
*瑞園寺は、劇中あしらわれた看板にあった字をあてた。切絵図には瑞円寺とある。劇中ではもう一つ「富士権現別当寺」の看板がかかっている。お富士さまは鳩森八幡宮にある。
第7話 ぼてふり安
寂しさから悪い女につかまるダメ親爺、見かねた娘は身売りして父の女の身請け金を捻出。知らずに娘の背を押してしまった東吾の落ち込みようを見て、まわりのおかしな江戸っ子たちは奮い立つ。
ロケ地
- 辻斬りにやられたかわせみの泊り客の検分、上賀茂神社ならの小川畔(神事橋下手・石のステップの汀。町方が橋下の川に入っての捜索風景も演出)。
- 頑なな父に出て行けと言われ飛び出したいちが物思う水辺、大覚寺大沢池船着(屋形船を横付け)。兄の言いつけで変装して辻斬り探索に出ていた東吾が来かかり、声をかけ送ってゆく。その後辻斬りが出てやりあうのも同所(辻斬りはドボン)。
- 伊八から金をとると決めた東吾、屋敷を出てくると畝の旦那に内緒で手伝う気満々の長助が待っている門前は妙心寺聖澤院。
- 女衒に女を売ったあとの伊八をつけてゆく東吾、煙とり付き大屋根をバックの一件はぼやけていて不明。伊八が尾行に気付く神社は吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居、逃げる林は三高碑のある丘、伊八が生きていた辻斬りに斬られるのは本殿前・辻斬り兄弟と東吾たちの死闘もここで展開される。
*魚屋の安は左とん平、娘のいちは佐伯日菜子。安に情婦を宛がうワル・伊八は本田博太郎で女は速水典子。辻斬りは福本清三、目のどアップあり。
第8話 息子
父と子の相克、殴り合いの喧嘩もする職人親子だが、底の底では互いを信頼し深く繋がっていた。それを表に出さぬ男たちの思いを、東吾とるいはしっかりと見届ける。
ロケ地
- 青物売りの船がゆく堀、八幡掘。買い求めるおかみさんたちの中にるいの姿もあり、強盗出没の噂が出る。
- 棟梁と息子が殴りあいの大喧嘩をする橋、中ノ島橋。棟梁の通夜から帰る東吾とるいを見送ったあと、表面上明るく振舞っていた倅が人知れず慟哭するのも同所。この橋の名は「おやじ橋」とるいが言う親仁(父)橋は東堀留川に架かる、元吉原の創始者・庄司甚右衛門に因む日本橋北の橋。欄干を叩いて感情を爆発させる小源のシーンは中ノ島橋の上で、るいと東吾がそれを見る段では撮影所のセットにスイッチ(このセットの橋、松竹の橋ではないかいな)。
*棟梁は高松英郎、倅(次男)は東根作寿英で恋人は佐藤友紀。
第9話 冬の月
ひそやかに生きる者の小さな幸せを、口さがない「世間」が奪う。苦労を重ねてきた女がこれからというとき、行く道を理不尽に曲げられた哀れさに、るいの心も重く沈む。
ロケ地
- 東吾が麻生老人に縁談を迫られる神社、上御霊神社境内。麻生の爺さまとは「茶所」でお話。
- おふきがるいに身の上を語る川端、大堰川河川敷(アオサギ等映り込み・多数の鳥の声入り。同録か)。下り船を一艘あしらい。
- 藪入で孫と過ごす嘉助、不明(石垣際、上に玉垣。杉の巨木あり、神社境内か)。
*おふきは大空真弓。おふきに魅かれる癇癪持ちの隠居は梅野泰靖。隠居を刺す悪童は富田樹央、おふきの悪口を触れて回る、当の悪童の父の左官は伊藤達広。
第10話 江戸は雪
新年早々のかわせみで持ち上がった盗難騒ぎは人情解決、頑張るるいには頼もしい「亭主」がついていて幸せなお正月の窓の外は、雪。
ロケ地
- 神林邸、妙心寺聖澤院。用人に東吾の縁談など聞かされたるいが親子(武家)連れを見て物思う帰り道、妙心寺玉鳳院前/衡梅院北東角塀際。
- 河内屋へ掛け合いに行った帰りの、若旦那の暴言を聞き塞ぎこむるいに駆け寄る東吾、大覚寺五社明神。露店あしらい、東吾の背後に心経宝塔映り込み。
- 佐吉が相談を持ちかけた蕎麦屋の親爺に話を聞く町外れ、仁和寺九所明神。話を聞き戻る二人は中門、巡礼一行とすれちがい・寺院境内設定か。
*50両紛失の部屋の隣に泊まっていて50両を所持の青年・佐吉は前田淳、彼の亡父の友人だった蕎麦屋は中田浩二で全くの善人。金を盗られた芝居の夫婦は勝部演之と服部妙子、娘は及森玲子。神林家用人は鶴田忍。成敗されないので視る者のフラストレーションを高める若旦那は井上倫宏。
第11話 水郷から来た女
男と出奔した姉を捜しにやってきた、男装の美剣士・小田ひろは、東吾に敗れた縁でかわせみの客に。ひろの人さがしと、頻発する誘拐事件の捜索が途中で重なってくる運び。
ロケ地
- 板倉屋の子供の誘拐事件で、身代金受け渡しに失敗し死屍累々の現場、吉田神社本宮前(鳥居続きの玉垣も映り込んでいる)。
- 町道場で東吾に敗れたあと、ひろが佇む小川、上賀茂神社ならの小川。
- ひろの回想、小田源太郎が修行の旅に出るくだり、姉のため源太郎を難詰するひろを覗き見て姉が誤解する水戸の街道筋、広沢池東岸。ラストの回想でも登場する。
- ひろに姉の死をどう告げたらと悩む東吾、大堰川河川敷。
- 嘉助の孫が誘拐団にさらわれた件に乗り出す東吾たち、別行動のるいが上がってゆく石段、吉田神社神竜社参道石段。
- るいが嘉助の娘に化けて出向く身代金受け渡し場所に指定の浅草・海禅寺裏、下鴨神社泉川石橋付近。川に入っての立ち回りも。
- 投げ込み寺で姉の遺骨を拾ったひろが骨箱を抱きしめ故郷へ帰ろうと話しかける石畳、不明(芝に敷石埋め込み、形はランダム。西壽寺本堂前のものに形が似る。石塔はあしらいものか)。
*小田ひろは中山忍。姉と逃げた尾形彦三郎は谷口高史、誘拐仲間のあばずれ女は塚本加世子。子を誘拐されるも町方に届けず金を渡し取り返した紀伊国屋は頭師孝雄。
*風邪をひいて寝込んだるいを寝ずに看病する東吾、本人たちは言わずもがな、嘉助やお吉もべったべたの濃い空気を醸しだす。あと、るいの立ち回りがあるが、相手は狂犬なのに行かせるか、フツー。しかも長助親分頼りないし。
第12話 持参嫁
持参金付きの嫁を二度亡くし、いままた大金付きの三人目を貰おうという医師はどうみても怪しげ。ひょんないきさつから転がり込んだ、二度目の妻の妹に引きずられ、るいはじめ一同は渦中に。
ロケ地
- るいと東吾が花嫁行列と土左ヱ門を見る綾瀬川の橋、流れ橋。左岸側たもとに茶店あしらい。入水した女が橋脚の下へ流れてくる。加江が花を手向けにくる場面などで幾度も登場。
- 加江を中津屋の娘に仕立ててお見合いに臨むくだり、宗庵と佐々木が待つ茶店は仁和寺茶店、変装して見張りに来ている東吾と畝は中門をくぐって入ってくる。付き添いのるいと四人、船へ向かうシーンは大覚寺天神島や大沢池畔、屋形船に乗り込み。
- 宗庵宅へ二度目の見合いに行き肝を潰しての帰り道、もうよそうと言うるいに続けさせてと懇願する加江、仁和寺塔下林間。
- るいと加江が宗庵の向島別邸へ向かう船、広沢池か(汀は草深い)。一瞬映るぼやけた塀は大覚寺御殿川沿いの南塀か。佐々木が正体を現す別邸の一室は梅宮大社神苑・参集殿。加江はここから水に落とされる趣向で、覗き込むのに池へ張り出したバルコニーを効果的に使う。建具はガラス戸なので入れ替えてある。
*入水した二度目の妻の妹・加江は長谷川真弓、ただの変人だった宗庵は松澤一之、何もかも仕切っていた代脈の佐々木は中島久之。中津屋のふくよか娘はのぎすみこ、花嫁修業にかわせみへ来ている設定。
第13話 人は見かけに
かわせみに転がり込んですぐ赤子を産んだ女、相手の男は道楽者のうえ彼の父親は贋金作りの大悪党。奇縁めぐって東吾の兄に話が行く筋と、女を助けて宿へ来た謎めいた男の意外な正体が知れる筋と、るいの喜怒哀楽をからめて描く。
ロケ地
- 二人が待ち合わせる神社、上御霊神社。るいが楼門を入って参道石畳をゆくと、舞殿脇で東吾が待っている。政吉が作った帯止めの話は茶所、二人の座る床机は脇に出されているかたち。品物は嫂への貢物になり兄の目にとまる運び。
*男に騙され孕んだ諏訪の湯宿の女中・おていは小林綾子、彼女の世話を焼く自称錺職の政吉は黒田隆哉。丸太に横流しの金を隠していた材木商は小沢象。店の若い衆は福ちゃん入り、立ち回りアリ。
*おていを泊めた部屋の窓から町並みが見える絵が登場、けっこうよくできている。
第14話 師走の月
娘の所業に心痛める父、思う心は同じなのに、驕った心は要らざる一言を発してしまい血を見る事態に。苦悩を一人抱え込んだまま逝った職人を、るいと東吾は悼む。
ロケ地
- 父の墓にお吉を連れて参るるい、二尊院。寺僧の撞く鐘が導入、これは鐘楼を立て札もそのままに使い、お墓は山懐の墓地、お吉が甘味処に誘う帰り道の坂は紅葉の馬場。おたつの茶店はセットで夕日はホリゾント。庄司家菩提寺の原作設定は浅草浄念寺。
- 茶問屋・東竜軒の娘を誑かす船頭の話を聞きにゆく東吾とるい、船宿はセットで船を出す川は大覚寺天神島北辺水路、船を着ける岸は朱橋たもと。
*経師屋の鉄五郎は山本学、男の世話を受け茶店を出している娘は栗田よう子。その旦那で茶問屋の主は津村鷹志、男に貢ぐお嬢様は笹峰愛、相手の船頭は井田州彦。
第15話 女難剣難
畝のダンナに恋焦がれ八丁堀の堀端に立ち尽くす女、その視線はどこか怪しげ。畝の人柄とまわりのサポートで事件は解決、雨雪のようにしっとりと思いは沁みこんでゆく。
ロケ地
- 八丁堀道場のトレーニング風景、ランニングは大覚寺放生池堤、乱取りは五社明神前。
- 使いに出たるいに声をかける東吾、仁和寺鐘楼下石段。色鮮やかな鐘楼と、御影堂の塀が映り込む。
- 大口屋が丁稚に団子を奢ってやった深川不動、清凉寺本堂前に茶店あしらい。主と別れ使いに行く丁稚の段で山門(内側)が映る。
- 大口屋が殺されて見つかる木の下、大覚寺天神島大楠根方。
- 南町与力が酔っての帰り殺される夜道、大覚寺天神島汀。対岸の大沢池北辺並木で通りかかりの老爺が目撃。
- 与力の事件にかからねばならぬ畝が、東吾に大口屋殺害事件の捜査を頼み込む神林家門前、妙心寺聖澤院。
- 畝がおとよに呼び出される屋形船、大覚寺大沢池に係留。駆けつけた東吾は池畔でチャンバラ。
- 大口屋の墓に丁稚と一緒に詣でる畝、不明(低い塀際に墓石、塀越しに甍)。
*獄死した凶悪犯の娘だった「畝を慕う頭巾の女」・おとよは杉本彩、手代に扮していた相棒の「掏摸」は前田晃一。畝が父とも慕っていた大口屋の主は金井大、倅は中嶋俊一。丁稚の子役なかなか良し。
第16話 山茶花は見た
島抜けの賊を警戒し、かわせみへ保護された目撃証言の娘、るいにもどこか突っかかるような態度には、やはり秘密が隠されていた。嘘で塗り固めた盗っ人の情婦が見せたたった一つの真実を、るいは心に刻む。
ロケ地
- 太郎次の弟が刺される林、不明。
- 品川の媽祖廟、萬福寺。山門のほか、境内各所を使用。御開帳の演出には花火が使われている。
- かわせみを出て川端に佇むおきくに声をかける東吾、大覚寺大沢池堤下汀。
- 七化けの太郎次が打ち上げられる浜、琵琶湖湖岸。
*きくは今村恵子、引き込み役できくに誑しこまれた手代は望月栄作。千両盗られた回船問屋の主は河原崎建三。
第17話 宵節句
凶賊の一味と成り果てた、東吾たちのかつての剣友。一方、その妹も偶然るいと再会していた。兄妹それぞれがるいと東吾に向ける思いを、殺伐たる経緯のなかでしっとり描く。
ロケ地
- 神林邸、妙心寺聖澤院。
- 和世と浅草へ出かけるるい、露店が出ていて兄の兵馬と出会うのは上御霊神社本殿脇、兵馬が無言で去ったあと二人が甘酒を飲む茶店は参道石畳際(水場脇)にあしらい、兵馬が「仲間」と話すのは境内摂社の福寿稲荷。
- 捕り方から逃げた兵馬がかわせみにいる和世を呼び出す神社、吉田神社竹中稲荷。舞殿脇から本殿前を使い、捕り方も出て立ち回り。人質にされた子供のため、るいが役人の脇差を引き抜き兵馬に迫る場面も。
*突きの名手・五井兵馬は小木茂光、るいと琴のお仲間だった妹の和世は岩本千春。
*小梅村の丸八は映画村セットだが、セッティングと撮りかたが巧みで酵素と見紛う出来。
*神林の兄がるいに会いに来て東吾との結婚を暗にすすめる一幕あり、もちろんるいは応じず、東吾もニブいまま。
第18話 藍染川
名乗り出て、後から言い出して、まさに奇縁という出会いをする「兄弟」。お店の後継をめぐる争いとはならず、片方は何もかも知ったうえで身を翻し去ってゆく。
ロケ地
- 品川へ調査に出向く東吾たち、市街を眺めやる橋は八幡掘白雲橋。新之助の母・おたねの墓は大覚寺天神島大楠根方に墓石や卒塔婆あしらい(北側からローアングルで)。長助が話す新之助の生い立ちを聞く東吾の脳裏に浮かぶ、水に石を投じる少年、広沢池西岸(水少なし/石が落ちる水面は別撮り)。
- 荒れる新之助の件で町をゆく東吾を呼び止める長助、八幡掘堀端(白雲橋・明治橋間の上下二段の左岸。東吾は上、長助は下の汀から声掛け)。
- 清太郎を呼び出し別れを告げる新之助、上賀茂神社ならの小川。新之助は対岸にいて川を渡ってくる。
- 東吾がるいを連れて赴く神田紺屋町、藍染橋は中ノ島橋。橋標を変えてあるほか、欄干や周囲に山ほどの布が干されている。新之助は中州側の岸に座っていて、二人が寄ってゆく運び。
*新之助は宮下直紀、清太郎は角田英介、父の井筒屋は西田健。
第19話 源三郎祝言
障壁は取り除けないと互いに思い込み、隔てをおくものの思いは募る不器用な二人だが、源さんの縁談は進められてゆく。土壇場で都合よくふってくる「相手の瑕疵」、兄上さまは年の功で、源さんにも相手方にも傷がつかぬかたちに整える詐術を用いる。
ロケ地
- 畝のダンナが本多さまに連れられ赴く見合いの席、白紗村荘。源さんたちは夕佳門をくぐって中へ、新番方組頭・笠原とその娘が待つ茶室は倚翠亭。
- かわせみを辞した畝を追ってゆく千絵、つっかえながら喋る二人は南禅寺三門。その後二人して参る江原屋左兵衛の墓は黒谷墓地、塔や熊谷堂など映り込む。札差の菩提寺は、劇中千絵が「ほうじょうじ」と発音しているが、雑司ヶ谷の宝城寺か、浅草の法成寺でもあろうか・ともに法華。
- 源さんに千絵のことを問い詰め胸倉つかんで迫る東吾、八幡堀堀端。
*千絵は中島ひろ子。笠原の親爺は木村元、縁談をとりもった本多さまは伊藤敏八。祝言当日、畝家の門前を整える職人に福ちゃん(クレジットはベタ)。
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