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遠山の金さん  テレビ朝日/東映

1〜20話

キャスト
遠山金四郎/高橋英樹 お千親分/樹木希林 猫目伝蔵/秋野太作 捨六/小島三児 お竜/美雪花代 虎さん/古代一平 熊さん/北野清治 お光/萩原佐代子 早田彦十郎/宮尾すすむ 常平/金田龍之介


第1話 「新奉行登場!!顔のない人気作家!」 1982  1

 放蕩者の死が炙り出す、当代の人気戯作者の秘密。日陰の身に甘んじてきた、純朴な男を見捨ておかぬ鉄火奉行なのだった。

ロケ地

  • 秋水の死体検分、桂川・松尾橋上手右岸河川敷(中州流れ込み際)
  • 鈴国の弟が経営する料亭・梅暦、不明(入口の脇は細竹編み、料亭か)
  • 金竜散人が鈴国を呼び出す屋形船、広沢池東岸

*お上に筆を折られ作品を表に出せなかった秋水の弟子・金竜散人はなべおさみ。彼から作品を買っていた木々亭鈴国は松橋登、グルだが始末される芸者は黒田福美。秋水の妻子は高田敏江と賀田裕子、版元は芝本正。


第2話 「大追跡!消えた大砲」 1982  48

 罪無くして忌避されたことで世間を恨んだ浪人は、世直しと称する一味に手を貸すが、そやつらは彼を利用し富を得ようとする大悪党なのだった。

ロケ地

  • 商家へ押し入り爆破して逃げた「天誅党」が渡る橋、中ノ島橋。逃げ込んで大筒を出してきやがる「屋敷」は橋たもとに塀あしらいか。このあと橋をドカン、もちろんモデルを爆破。
  • 天誅党が入った屋敷の検分、広沢池東岸に塀あしらい。
  • 捨て子をした浪人のことを聞き込み回る金さん、掃除中の神職に傘張り浪人の情報を貰うのは下鴨神社河合社門前、東側から鳥居越し。
  • その浪人・須藤の素性を猫目同心から聞く町角は大覚寺五社明神
  • 大村塾裏口の船着きに陣取り、大筒が好きだから仲間に入れろと嘯く金さん、広沢池東岸か(水辺に塀あしらい)
  • 塾を出た大村をつけるお竜、浪人らに囲まれ阻まれるのは相国寺宗丹稲荷裏手塀際。その間に、大村が一人でこそこそ入ってゆく蔵奉行・中條定信邸は相国寺林光院。悪企みを話す中條邸の座敷は不明。
  • 天誅党が大筒を構えお城を狙う桜田門外、嵐山公園中州岸(石積み護岸の上)。そこから見遣るお城は書割。
  • 江戸払いとなった須藤一家を見送る街道、下鴨神社参道

*叔父の横領事件のため世間からはじかれ窮する須藤浪人は伊吹吾郎で砲術に堪能な設定、妻女は服部妙子。天誅党を利用し使いこみをごまかしたうえ公金丸取りを企む黒幕の蔵奉行は御木本伸介、グルの塾頭は久高惟晴で配下の強面に出水憲司・五十嵐義弘・小峰隆司などお馴染みメンバー。


第3話 「御意見無用!五人の女スリ」 1982  1

 正体不明の賊が跋扈するが、脅して取らせた蔵の鍵の拓本が掏摸にやられて金さんの知るところとなる。奇しくもその女掏摸の姐御の父は、当の賊に陥れられ遠流の地に客死していたのだった。

ロケ地

  • 女掏摸たちが立花屋の手代の懐から拓本入りの財布を掏る浅草の縁日、仁和寺塔前石畳に露店あしらい。手代や猫目たちの追及をかわしたあと、本日の上がりを皆で出してみるのは九所明神裏手。
  • 番所へ引っ張られた手代を囲み、情報漏れが無いか問い詰める賊の手下たち、大覚寺五社明神裏手。
  • 女掏摸たちが営業していると賊の手下が出て捕えにかかる縁日、仁和寺参道に露店あしらい。女たちが逃げてくるところで金さんが介入の水辺、大覚寺大沢池(池ボチャ)
  • 姐御の弟に罪を着せるため、立花屋の手代を殺して放置してある待乳山、大覚寺五社明神裏手。
  • 弟が殺人で御手配になったと嘆く姐御、話を聞いてやる金さんは大覚寺大沢池畔。
  • 姐御が掏り取った一味のツナギ文を金さんに渡すお竜、大覚寺大沢池畔。
  • 旅の一座を組んで江戸を出てゆく姉弟と女掏摸たち、下鴨神社参道(河合社映り込み)

*掏摸の姐御は三浦真弓、グレた弟は佐瀬陽一。表の顔は俳諧の師匠な賊のかしらは小林昭二、手下は野口貴史や福本清三(クレジットはベタ)。

脚本/掛札昌裕 監督/山下耕作


第4話 「奇々怪々!二度死んだ女」 1982  49

 寄場の女を売り飛ばし私腹を肥やす一味、己が部下の非道に怒り心頭のお奉行から鉄槌が下る。また、罪無くして寄場へ送られた者たちの境遇にも、深く思いを致す金さんなのだった。

ロケ地

  • 寄場の女を仮死状態にして運ぶ御用船、大覚寺大沢池(夜)。上陸は船着き(小)
  • 蘇生に失敗した女が放置されて見つかる回向院墓地、西方寺小谷墓地池端。
  • 猫目の懐から証拠品の元結を掏るお竜、大覚寺護摩堂脇。
  • 石川島寄場、罧原堤下河原に柵あしらい。
  • 常平の話に出る出稼ぎ人たちの惨状、どぶ浚いをする男衆は大覚寺有栖川河床
  • おのぶが高遠を出てくる折に途中まで見送ってくれた恋人、別れた野道は酵素河川敷

*寄場から深川の岡場所へ売られたおのぶは永島暎子。悪党一味はコッテコテ、寄場詰同心は菅貫太郎、人足目付は五味龍太郎、寄場差配は江幡高志、女たちを売り飛ばす口入屋は伊達三郎、協力する医師は近藤宏…濃すぎ。ラス立ち福ちゃん入り・口入屋の下っ端。
*さすがの北のお奉行さまも高みからしか物を見ていないと批判の常平、元結を寄場の紙と見抜いたり、出稼ぎ人の悲哀についてひとくさりぶつ場面も出て、ヒストリーがちらちら。


第5話 「江戸の華!一番纏で一件落着」 1982  49

 わざとらしく証拠をぶら下げての放火、捕まった男はあっさりと罪を認めるが、彼が庇った相手は気持ちに値する者ではなかった。

*ロケ地は「材木置場」がアレっぽい感じなほかはセット撮り。放火犯として捕われる手代は伊吹剛、拾い育ててくれた上総屋に海山の恩を感じ罪を被ろうとする運び。彼を慕う上総屋の娘は山本ゆか里、上総屋は根上淳。福ちゃん二態、上総屋が娘を連れ戻す街頭で騒ぎを見ている通行人(妙にキョドり不審なのが笑える)と、ラス立ちの用心棒。


第6話 「三年かかって帰った男!」 1982  49

 妻子にも会わず過ごす島帰りの男の頑なさは、世間への不信から。彼の無実をあかす過程で、抜け荷で大儲けの悪徳商人が浮かび上がる。

ロケ地

  • 父無し子と苛められる子(弥助の子という「偶然」)を助ける金さん、大覚寺天神島
  • 三年前偽証した元板前の爺さまをおぶって走る金さん、大覚寺放生池堤。告白を聞くのは護摩堂前。弥助の女房が拉致されたと聞き備前屋へ駆けつける段では前を走り抜ける。
  • お裁きのあと晴れて妻子と再会する弥助、下鴨神社参道。導入は瀬見の小川土手越し、走る坊をスローモーションでとらえる。

*冤罪で島送りの弥助は川地民夫、女房は宮井えりな。弥助に罪を着せて抜け荷の元締を殺害した備前屋は外山高士、実行犯の番頭は山本一郎、色仕掛けをセッティングした妾は湖条千秋、偽証を強要された板前の爺さまは河合絃司、備前屋が使うヤクザに平沢彰、ラス立ち用心棒の先生で福ちゃんが出て手拭からめられ。


第7話 「治した患者を殺す医者!」 1982  49

 幼児も平気で見殺しにする医師はトンデモ外道、名医という評判も作り事で、富商乗っ取りに手を貸す始末。しかし企みはとんだ遊び人の知るところとなり、悪党はまるっと裁かれて一巻の終わり。

ロケ地

  • 若先生・竜之進を強請って殺された大工が棄てられる大川、大覚寺大沢池(船上)。検分は天神島、鳥居前の池端。
  • 医師・春日玄斉邸、相国寺大光明寺。門を南から見下ろしのクレーンショットも。左官夫婦が重篤な幼児の診療を求めるも用心棒に力ずくで追い返されるシークエンス。
  • 殺された大工の、別れた女房に話を聞く金さん、今宮神社合祀摂社・稲荷社間の路地。いろんなアングルで映し出される。
  • 奉行所へ訴え出て門前払いされた備中屋の娘と手代が、番頭に連れ去られかける帰り道、相国寺鐘楼脇。

*主に砒素を盛られ乗っ取られかけた備中屋の娘は荒木由美子、主が婿がねとしていた手代は林健樹、乗っ取りを企んだ番頭は川合伸旺。悪徳医師・玄斉は南原宏治で悪事に加担の倅は伊藤高。ラス立ち福ちゃん入り、モミアゲが派手な浪人。


第8話 「黒髪秘話!蛇の目傘の女」 1982  49

 女の命の髷を切る通り魔事件が続発、裏には涙ものの姉弟愛があり、薄汚い金儲けを企む大悪人が跳梁していた。

ロケ地

  • 事件発生後二刻もせずに髷切りを報じるもぐりの瓦版がこっそりと売り子に渡される要津寺、大覚寺五社明神(劇中、捕まった売り子が「ようしんじ」と発音、そこから深川六間掘の禅寺と推測)

*髷切りを強要されていた元小鍛冶の弟は内田喜郎、姉の辰巳芸者は新藤恵美。もぐりの瓦版で大儲けの表向き貸本屋は武藤英司、用心棒は阿波地大輔、手下に木谷邦臣。


第9話 「大江戸最大の誘拐事件!」 1982  50

 米問屋ばかり狙った子供の誘拐には裏、相場を牛耳ろうとした野心家に恩を着せられ追い使われていた男に、遠山奉行の粋な裁きが下される。

ロケ地

  • 解雇されたお清を保護した金さん、翌朝彼女の倅を連れ出し遊んでやる市中は大覚寺天神島の祠前。ここへ知らせが入って猫目のダンナが検分に走ってゆく、さらわれていた加賀屋の子が殺されて見つかる川端は同じ天神島の鳥居下。
  • お清の回想、江戸で一旗上げると越後を出て行った亭主の「仁助」、大覚寺護摩堂
  • 間違えてさらったお清の倅が監禁される遠州屋の寮、中山邸通用門

*お清は鈴鹿景子、亭主だった遠州屋番頭・仁吉は小林稔侍で火傷隠しのアイパッチ着用。誘拐を自作自演の遠州屋主は織本順吉。お清の子を身代わりにするつもりで雇い入れる淀屋は宮口二郎、しかし従業員の子を見捨てては世間体がと言われ萎れるなど悪党に非ず・元々米価吊り上げに反対のいいヒトだし←なのになぜか裏がありそうに見えるから大笑い。


第10話 「高砂や!泣いて笑った花嫁御寮」 1982  1

 病の母のため夜鷹となった娘が、有意の青年医師と結ばれるめでたい話。起こりは夜鷹殺し、母の診察の帰途巻き込まれた医師にすまなく思う娘は、命にかえてもと自訴して出る。

ロケ地

  • 夜鷹たちが屯するくらやみ河岸、広沢池東岸。桜の土手も汀も使用。汀には苫屋があしらわれている。警動やラス立ちなど夜間撮影も。

*母のため身を売ったおしんは千野弘美、法印の息子なのに養生所にいて弱き者に心を寄せる医師は村嶋修。夜鷹たちからショバ代を取り立てて肥え太るヤクザは高野真二、逆らう女を殺す子分は曽根晴美、これに小船秋夫などがくっつき。養生所のガハハ先生は平尾昌晃。


第11話 「鉄火肌!美しき尼僧」 1982  50

 小金をせびって回るせっこい尼僧にはちゃんと訳あり、昔の自分と同じ身の上の孤児らを見捨てておけず、養育していた。彼女が盗っ人から大金をせしめようとしたところへ捜査中の金さん便乗で入り、悪党を指弾して桜吹雪の運び。

ロケ地

  • 春抄庵を覗きに行く金さんとお竜、尼の素読の声に被るイメージの塀は仁和寺北塀(内側、突き当たりに水掛不動脇の塀が見えている)。庵はセット撮り。
  • 春抄尼に強請られた番頭が、ヤクザを連れて押しかけ尼に迫る庵近く、仁和寺金堂脇林間(番頭は小船秋夫、オカマ設定)。金さんが出てヤクザを追っ払ったあと、身の上を聞く茶店は水場下にあしらい、まず塔を映し観音堂の甍を掠め水場脇へパン、背景の大師堂塀沿いは桜満開。
  • 事後、尼からお春に戻り子らと遊ぶ広場、仁和寺九所明神

*春抄尼は鮎川いずみ、「加代」だけに強請りたかりはよく似合う。お裁きは尼に入牢申し渡し、但し墨染の衣を脱がせてそれを牢へ。凶賊は石橋雅史と市川好朗、侍くずれの兄弟。ラス立ち小峰さん入り・浪人。


第12話 「この男、鬼と呼ばれて七百十日!」 1982  1

 無実の男を捕えたばかりか、釈放後二年も追いかけ回す鬼の岡っ引。しかし彼は人を思い陰で肩震わせて泣くような人情家で、つきまといにも深い理由が隠されていたのだった。

ロケ地

  • 坊とかくれんぼをして遊んでやる長次と女房、吉田神社竹中稲荷舞殿脇。彼らを凝視する岡っ引の定吉は本殿脇。気付き逃げる親子は参道重ね鳥居、女房が暴走する大八に当り怪我をするのは大元宮下坂。
  • 坊が定吉に怪我を負わせたことで絶望した長次が、定吉に匕首で切りつける林、吉田山山内の林か。
  • お竜に定吉の真実を話し、人を裁く稼業の辛さを説く金さん、大覚寺大沢池畔と放生池堤(薬盗難の少女の逸話や、座頭の話を間に挿み)
  • 長次釈放後、彼をハメて身内の邪魔者を消すヤクザのくだり、大覚寺五社明神から護摩堂裏、天神島を使い展開。

*定吉は寺田農、長次は宮内洋。長次が当初疑われた事件で殺された薬屋のどら息子は倉石一旺、彼を使嗾したヤクザは山岡徹也で消される手下は林彰太郎。


第13話 「危うし!遠山金四郎お命頂戴!」 1982  50

 父の怨嗟を子守唄に育った青年は、それが苦し紛れの嘘だったとも知らず、父を貶めた金四郎を仇と狙う。ヘタに剣の素質が遺伝してるので、彼の小束は奉行の胸にぐっさり的中、すわお奉行がという緊迫感は早田さまが下手な芝居でメタメタに。

ロケ地

  • 高清水一家の下っ端をおだてて情報を聞きだす金さん、仁和寺金堂脇に茶店あしらい。桜満開、導入は金堂前の大灯籠と甍の見上げから。
  • 矢吹浪人の回想、遠山の駕籠を狙い潜むところを高清水の親分に止められた林間、相国寺仏殿跡林間。駕籠は光源院前を過ぎてゆく。
  • お白州で奉行を狙うべく、捕まるための喧嘩芝居をする矢吹、相国寺法堂南路地に露店あしらい←喧嘩+物損。設定は瑞宝寺(早田談)とも八幡さま(お竜談)とも。

*矢吹は星正人、むかし金四郎の剣友だった片腕をなくした父は北上弥太郎、矢吹を慕い父の世話も見てくれる娘は佐藤万理。矢吹を利用するヤクザの親分は中山昭二、黒幕の元北町奉行は北原義郎で手先をつとめる同心は青山良彦。


第14話 「母恋し!緋牡丹仁義」 1982  50

 女だてらに渡世人に身をやつし、出奔した母を求めて流れ歩く若者。見つかるきっかけが、幼女の難儀を見て己と重ね、思わず助けたことという泣かせる設定。

ロケ地

  • 常盤津師匠宅の下女がお供えを食らい野宿しているのを拾う清太郎、竹中稲荷か。
  • ショバ代を迫られ難儀している老婆を助ける清太郎、吉田神社竹中稲荷参道(呑みっくらに勝って金さんに「兄貴」と呼ばせて悦に入る縁日)〜本殿傍境内(ヤクザと喧嘩)
  • 清太郎が母の背で聞いた相馬の麦搗き唄を口ずさむ夜の葦原、広沢池東岸
  • なぜ名乗らないと、女と知ることも併せて問う金さん、広沢池か(水と木しか映らず)
  • 江戸を売る男とともに行った母を追う清太郎、殺し屋の元締が出て三人とも消そうとするところへ金さんが出る街道筋、広沢池東岸
  • 下女の幼女を入れてお清母子が旅立つ街道、下鴨神社参道。

*清太郎はマッハ文朱、出稼ぎ先で騙され苦界に身を沈めた母は桜町弘子。母の情夫で、仲間の常盤津師匠に制裁を下した殺し屋は杉江廣太郎、元締は江並隆で強面の手下に玉生司朗。


第15話 「水中花!くの一殺法」 1982  1

 色っぽい船宿の女将が狙われる理由は過去の因縁、今また愛する者を殺された女は亡夫の戒めを振り切って忍び衣装に身を包み、憎い仇の屋敷に乗り込んでゆく。

ロケ地

  • 神輿が出る祭礼の神社、上御霊神社本殿前。エキストラ多数。
  • 舟せいの船頭が客に化けた伊賀者に襲われる大川、広沢池東岸。瀕死の船頭が這い上がってくる岸は大覚寺放生池堤、先に金さんが釣りをしていて猫目にからまれている場面が出てくる←水の中から出た手に足をつかまれるのは猫目。
  • 船頭の死後高田村に引っ込んでいた女将と女中が船頭の墓参りにゆく道、広沢池東岸(水面映さず)。墓は不明、大きな五輪塔がある林の中の墓地。
  • 女将が伊賀者をひきつけ戦う大川の中州、広沢池東岸
  • 甲賀へ帰る女将(船上)を見送る金さんとお竜、広沢池東岸

*女将は草笛光子、圧倒的な存在感。彼女の夫と娘を謀殺した徒目付組頭は田中浩、殺された船頭は出水憲司。


第16話 「地獄をのぞいた犬と少年!」 1982  50

 元盗っ人が商売をしてみるものの根性は元のまま、薄汚いやり口で人様のレシピ頂戴を企むが子供に見られて一巻の終わり。この目撃の段にひねりが入ったお話、底に母子の情話を敷いてある。

ロケ地

  • 天下堂が芙蓉丹の番頭を刺す薄原、下鴨神社糺の森。祠や、坊の落ちる井戸あしらい(井桁のみ)。記憶をなくした坊が薄原へ彷徨い出て座り込むシーンは池跡、ラス立ち一部ここで(夜間)。事後、町ゆく金さんに駆け寄ってくる坊は河合社鳥居を奥に見た参道付近、茶店あしらい。

*亭主の死後酒浸りの坊の母は高田美和、元盗っ人の天下堂の主は船戸順で番頭は岩尾正隆・強引極まりない脅迫が笑える。芙蓉丹は化粧品店。


第17話 「花の侠客!国定忠治江戸日記」 1982  2

 国定忠治売り出し前の裏話。コミカルなお話だが、起こる事件はけっこう悲惨。阿漕な金貸しを、村の代官と同じと憤った忠治がそやつをぶっ殺すのを止めて、対決はお白州へ。

ロケ地

  • 江戸まで二里の街道をやって来る忠治、北嵯峨農地農道。
  • 雨宿りした忠治が怪しの旅人を見るお宮さん、大覚寺五社明神
  • その旅人が斬られた筑前屋の見分、大覚寺大沢池(建物あしらい)
  • 銭屋を強請った帰り道に襲われる忠治、相国寺鐘楼裏手。
  • 銭屋を殺すと飛び出した忠治を止める金さん、松尾大社桂川用水石橋(楼門内側、山吹開花)
  • 忠治を見送る街道、北嵯峨農地竹林際。

*イナカくさい忠治はガッツ石松、銭屋は入川保則。ラス立ち福ちゃん・小峰さん入り、浪人の先生方。


第18話 「怪談!幽霊人形怨み節」 1982  51

 獄死した無実の人形師と、後を追った女房が、捕まえた猫目のダンナを恨んで「出る」のは芝居で何の不思議なし、しかし篝火焚いての夜の白州でお礼に出るのはマジもんな不思議テイスト。

ロケ地

  • むささび小僧を追っていた猫目が黒装束の人形師を捕縛した夜の町角、大覚寺五社明神
  • 人形師は獄死ではなく殺人と金さんに報告する早田さま、大覚寺大沢池畔に茶店あしらい。
  • 猫目が人形師の遺品を求めて駆け入る南町奉行所、大覚寺明智門
  • 賊に脅され追い使われていた人形師が残した、賊の正体と所業を記した書付が隠されていた戸越八幡御神木の根元、鳥居本八幡宮広場。一味が掘り当てたところで現れる金さんは石段を下りてきて、立ち回りは鳥居前。

*人形師を脅して使っていた賊で座頭は安井昌二、一味の強面は山本昌平、人形師の女房とその妹は風祭ゆきの二役。


第19話 「水晶呪術!魅せられた女」 1982  51

 荒っぽい手口で飛脚屋をとことんしゃぶり尽くそうとする悪党ども、しかし桜吹雪が舞って事件を解決のあと、親子の絆がしっかりと結び直されるめでたい結果に。

ロケ地

  • 二見屋の飛脚たちが殺され荷物を奪われる街道、下鴨神社河合社脇。
  • 二見屋の娘が店の難儀にあたり稽古事をやめると話しているところへ怪しの占い師が出る神社(お参り中)今宮神社稲荷社。

*行き倒れの女から赤子を託され我が子として育ててきた飛脚屋は犬塚弘、娘は賀田裕子。実父を騙る浪人は遠藤征慈、占い師は伊吹徹。ラス立ち福ちゃん入り、代貸の手下。
*タイトルはちょっと見掛け倒し、水晶とかちらっと出るだけ・別にそれには惑わされてないし。


第20話 「尼寺(秘)迷い込んだ若侍!」 1982  

 心ならずも悪事に加担していた若侍は、足抜きを申し出て消されかかる。傷つき保護された尼寺で心通わせた娘を強請っていたのが己と知った青年は、武士を捨てる覚悟で髷も改めお白州へ。

ロケ地

  • 材木商の女将が縊死した件で聞き込んだ内情を報告するお竜、不明(茶店仕立て)
  • 強請り一味に脱けると宣言した左近次が襲撃される夜道、大覚寺護摩堂前。
  • 金さんの介入で死地を脱した左近次が逃げ込む尼寺、一様院。山門ほか、内部もたっぷり映る。
  • 大和屋の娘が悪党にからまれた起こり、大覚寺大沢池畔。

*伝法な庵主は河内桃子、恐喝に傷つき得度志願の大和屋の娘は香野麻里、彼女を恋してしまう左近次は荒木しげる。恐喝一味のリーダー格の御家人は和崎俊哉、腹心の浪人は宮城健太郎、一味の下っ端浪人で福ちゃん(お白州には出ず)。
*タイトルの(秘)は○の中に「秘」の表記。


→ 遠山の金さん 表紙


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