この項目は書き換えました。新しい記事へは表紙から。

遠山の金さん  テレビ朝日/東映

41〜52話

キャスト
遠山金四郎/高橋英樹 お千親分/樹木希林 猫目伝蔵/秋野太作 捨六/小島三児 お竜/伊藤美由紀 虎さん/古代一平 熊さん/北野清治 早田彦十郎/宮尾すすむ お志津/あべ静江 利助/鳳啓介 おかつ/京唄子


第41話 「俺は見た!料亭”水月”殺人事件」 1983  54

 女にふられての殺しの罪を、旗本の名を出して逃れようとする男。しかし、目撃者の魚屋を消そうとした段で金さんに阻まれ、旗本には「お奉行」が膝詰談判してナシつけてて、一巻の終わり。

ロケ地

  • 水月の女中が殺されて見つかる水辺、大覚寺大沢池畔。
  • 魚屋の新吉が逡巡ののち入ってゆく南町奉行所、大覚寺明智門
  • 話を聞くどころか叱りつけられ出てきた新吉に声をかけ、甘言を用いたすえ殺しにかかる兄貴分、大覚寺大沢池畔に塀をあしらい(岸と直角に)
  • 新吉の始末に失敗した兄貴分が殺されて見つかる汀、大覚寺放生池源頭部
  • お奉行が談判にゆく旗本・服部邸、相国寺林光院
  • 新吉の女房をさらい呼び出す悪党ども、指定場所の長命寺鐘楼裏は相国寺鐘楼裏手。

*新吉は津山栄一、女房は岐邑美沙子。言い寄った女になじられかっとなって殺す尾張屋は織本順吉、彼が娘を妾に差し出し取り入っている旗本は川合伸旺(白州には呼ばれず断罪はなし、遠くへ飛ばされたと駕籠舁きの与太話に出る)。
*織本順吉、かっとなってやらかすのは白州でもアリ。桜出し見て頭に血が上り、見聞役の目に砂かけて刀を奪いお奉行に向かってくるという、妙なガッツ。見聞役はあとでお奉行に刀返してもらってて、なんか士道不覚悟くさい。


第42話 「殺しを見たのは失明の美女!」 1983  55

 妹の目を治したい兄は長崎で医学を学び戻るが、五分五分の成功率に手術を躊躇。彼の背を押すのは、犯人を捕らえたい妹の願い。手術室の外で金さん大暴れとか、お白州で包帯取るとか乱暴な次第が繰り広げられる。

ロケ地

  • おちさが揉み療治に出向く宗久の隠宅、大覚寺望雲亭
  • 兵馬が目撃したジャンキーの岡場所女が死体で見つかる川端、広沢池東岸
  • 阿片を持ち出した売人が消される川べり、大覚寺有栖川(河床から見上げ)
  • おちさの回想、麻薬密売組織に爆薬を投げつけられた、父と野遊びに出た野原、酵素河川敷
  • 手術を躊躇う兵馬を鼓舞する金さん、罧原堰堤下中州流れ込み汀

*殉職した南町同心の遺児、兄・兵馬は金田賢一、妹のおちさは臼井眞紀。元堺奉行所船手頭だった茶匠・宗久は佐竹明夫、おちさ狙ってた設定。


第43話 「おんな牢 般若彫りの女!」 1983  55

 柳橋の売れっ子芸者が求めるのは、親の仇。幼い彼女の目に焼きついた賊一味の女の腕の刺青、それを求めてわざと罪を犯し牢に入る姐さんの健気さに、金さんが介入してゆく。

ロケ地

  • 牢名主のお甲の前歴は不明と報告する早田、下鴨神社河合社脇。これを受けて金さんはお竜に牢潜入を指示。

*染奴は小林かおり、復讐を忘れろと諭す漁師の兄は伊庭剛。腕に般若の刺青をした牢名主・お甲は中島葵、凶賊のかしらは松本朝夫で強面の乾分は石倉英彦。


第44話 「悪女にされた深川芸者!」 1983  56

 兄を殺したと思い込んだ女は、悪党に脅され言われるまま悪事の手先をつとめてしまう。しかしそも事の起こりから仕込み、最初の現場を見た金さんはお見通し、結果悪徳商人は二つとも消滅するのだった。

ロケ地

  • 金を持ち出して妹に責められ、はずみで博打兄が橋から川ボチャ(セットの橋)→這い上がってきたところを丹波屋の手先に薪ざっぽでボコられ再び水落ちの川端、大覚寺天神島。死体検分も同所。
  • お咲の調査結果を金さんに報告するお竜、茶店は大覚寺にあしらい?
  • お咲が山城屋を誘い出す屋形船、不明。
  • 山城屋の土左衛門が上がる川端、広沢池東岸

*お咲は松本留美、恋人の板前は剣持伴紀、ライバル消しにお咲を利用した両替商は山岡徹也で手下に小峰さん入り。お白州では悪徳商人が町人ながらお奉行に匕首かざして手向かい。


第45話 「十年間寝られなかった男!」 1983  56

 贖罪と供養のため孤児を養育する男だが、犯行を見ていた賊が現れ、押し込みの手伝いを強要。しかし的の屋敷には、男の密告状で計画を知った金さんが入り込んでいた。

ロケ地

  • 植木職の松五郎の仕事先の三河屋別邸、大覚寺望雲亭。松五郎を脅す賊の手下がいる茶店は、門口を望む有栖川畔にしつらえ。
  • 松五郎の子らが遊ぶ坂、二尊院紅葉の馬場。松五郎の亡妻の墓は二尊院墓地。金さんに亡妻のことを語る松五郎、大覚寺大沢池船着(大、屋形船繋留)

*十年前、阿漕な金貸しをはずみで殺してしまった松五郎は川地民夫、帰ると妻が子を産んで死んでいる悲劇←長女はこのときの子で実子。金貸しは有川正治。駕籠屋を営み情報収集する賊は福山象三、松五郎の殺しを見た手下は伊吹徹。


第46話 「炎の恋情!殺人者はおんな魔術師」 1983  56

 女手妻使い一座で起きた不幸な事故は、悪党の仕込み。「犯人」を見た女は愛する人への障りを恐れてはじめ黙すが、お白州で暴かれた不甲斐の無さに、きっぱりと男を見限る。

ロケ地

  • 抱き込んだ一座の男衆に後金を渡して殺す浪人、大覚寺五社明神本殿。設定は「第六天」と劇中語られる。第六天神社の意か、場所は不明。
  • 山形屋が若旦那にあらぬことを吹き込む町外れ、不明(起伏ある林、足もとに大きな切石が乱雑に置かれている。奥に見えるのは瓦練り込み塀か)
  • 若旦那がおこうと会う屋形船、広沢池か。
  • 太夫に襲撃者の得物(芸人だったおこうの父の形見のうんすんカルタ)を見せる金さん、大覚寺放生池畔。
  • 浪人が山形屋とツナギをとる茶店、大覚寺護摩堂裏手にあしらい。
  • 座頭を消しにかかる山形屋たち、大覚寺大沢池堤。金さんが出て手下を土手下に突き落とす場面も。

*座頭は三浦真弓、一座の花形の女手妻使い・おこうは引田天功。おこうに惚れた若旦那を利用し悪事を企む口入屋・山形屋は武藤英司、手下の浪人は山本昌平。
*出しものの目玉は箱抜けの脱出マジック。


第47話 「悪女おらんの甘い罠!」 1983  56

 事件は阿片抜け荷の摘発、珍しく猫目のダンナのお手柄で一味を一人捕えるが、彼を熱愛する情婦はお静をさらい釈放を要求する。薄幸の女の情がお話の要諦。

ロケ地

  • 抜け荷摘発の水辺、大覚寺大沢池。早田さまはじめ南北合同の捕り方は船着(小)付近に伏せる。早田さま水落ち→風邪引きで話が進む。
  • お静が監禁される小屋、赤山禅院か円山公園か、起伏のある丘。中はセット撮りであばら家設定。
  • 捕われた銀次とツナギをとるためわざと捕縛される一味の男、喧嘩芝居は仁和寺観音堂前、塔映り込み。
  • タレコミの船頭に話を聞く金さん、大覚寺大沢池畔に漁具等あしらい。船頭を始末する銃弾は五社明神から。
  • 阿片窟、円山公園料亭か(坂の下)。設定は薬種問屋・越前屋寮。
  • 事後、おらんのことを語る金さんとお静、大覚寺天神島朱橋

*おらんは新藤恵美、猫目に捕まる情夫の銀次郎は内田勝正。黒幕の儀兵衛は山岡徹也、タレコミ船頭は福本清三で名のみクレジット。


第48話 「化け狐が喰べた九人の遊女!」 1983  57

 連続遊女誘拐の裏には人身売買組織、黒幕の浦賀奉行は役職を利して悪事をはたらくほか、得た資金を猟官運動に注ぎ込もうとしていた。悪党の言いなりになって手先をつとめた青年には、彼を思う妹の心を承知のお奉行が大甘の処置。

ロケ地

  • 蜆採りのお幸、罧原堰堤下川中
  • かどわかされた遊女が死体で見つかる大川、罧原堰堤下河原
  • かどわかし男を追う金さんとお竜、日本堤は大沢池堤か(ぼんぼりあしらい、夜間)

*兄妹は内田喜郎と松村和美、彼らの隣に住む元吉原の大工は堀田真三。浦賀奉行は北原義郎、腹心は成瀬正、雇われ浪人は高並功や阿波地大輔に小峰隆司。


第49話 「大逆転!泥棒になった遠山桜」 1983  3

 お竜の父登場、盗っ人だった彼は江戸払いの身だが、娘会いたさに期限を破り舞い戻り。正義漢の元義賊は、目の前で起こる不正を許せず立ち回り、盗み装束で大屋根にいるところをお竜に見られて一騒動なのだった。

ロケ地

  • 太郎吉がシャボン玉売りをしているのを見かけ追う金さん、見失う町角は河合社脇か。
  • 太郎吉が病の子を抱えて駆け込む村井信道の本所の診療所、広沢池北東岸に塀しつらえ。
  • 虚無僧姿の早田が金さんに村井が近々御目見得医師にと報告の茶店、下鴨神社参道にあしらい。奥に二の鳥居映り込み。

*太郎吉は坂上二郎、村井医師は天田俊明。村井のライバルは小野進也、これに通じる村井の助手は高峰圭二、黒幕の奥医師は南原宏治。ラス立ち福ちゃんや小峰さん入り(こちらはお白州にも)。


第50話 「魔性の女!ギヤマンおゆき」 1983  57

 外道を愛した女は地獄を見て生きてきたが、男への思慕は消えずにあった。長崎から江戸へ流れ、お偉方相手の高級娼婦をつとめる彼女の前に接待相手としてやって来た男は、忘れもせぬ彼女を遊郭に追いやった恋人だった。

ロケ地

  • 美濃屋の墓に参るおゆき、二尊院墓地か。しつこく迫る板見から引き剥がしたあとで話を聞く茶店は二尊院門内の茶店。
  • 板見が美濃守を案内してくる茶室(?)白沙村荘倚翠亭。中に若返りの妙薬・ギヤマンおゆきという趣向。

*おゆきはジュディ・オング、長崎弁の情の濃い女で、べつに魔性とか出てこない健気な騙され女。勘定組頭の板見は清川新吉、腹心は中田博久。おゆきを囲っていて受け渡し拒否して板見に斬られる美濃屋は高野真二、接待される美濃守は溝田繁。


第51話 「夜霧のめぐり逢い 犯罪河岸の尼僧!」 1983  3

 町方の支配及ばぬスラムに足繁く通い、慈悲を施す尼。潜入した金さんが見かねて助けようとした青年は、尼僧と深いえにしで繋がっていた。

ロケ地

  • 寺社地の暗闇河岸、大覚寺大沢池畔に演出。放生池堤の切石橋に手すりを付けたり、護摩堂脇に蓆小屋をあしらったり。
  • 妙心尼の寺、山門は一様院山門。内部は不明。

*妙心尼は三ッ矢歌子、息子だった青年は岡本早生、彼の父だった札差は川合伸旺で悪事の黒幕。グルの小検使は牧冬吉、はじめ元締と見えた船宿の主は伊達三郎、手下に笹木俊志。


第52話 「愛の十字路 暗黒街の女!」 1983  57

 その昔、闇の世界の顔役をつとめた男は、一人娘のため身を引き、縁も断って暮らしてきたが、十年余を経て片腕だった男が悪心を抱く。脅迫に苦しむ者、手向かって殺される者と凄惨な事件が続くのに業を煮やし立ち上がるのは、父のはからいで堅気として生きてきた男勝りの娘だった。

ロケ地

  • 一連の心中事件の一つ、油屋夫婦が縊れて見つかる木、大覚寺天神島。寺の境内らしく、和尚が役人に事情説明。
  • 早田が金さんに報告を上げる町角、大覚寺有栖川(木のカバー状の覆い付き)五社明神
  • 元闇の顔役だった六兵衛が殺されて見つかる川べり、上賀茂神社ならの小川水場。

*顔役の娘は松尾嘉代、父の六兵衛は岩田直二、六兵衛が娘の婚家まで遣わした「番頭」は吉田豊明。元六兵衛の片腕だった男は菅貫太郎、お白州でのとぼけぶりが絶品。スガカンの手下の脅迫者は西田良と岩尾正隆、彼らに逆らって返り討ちに遭った上州屋は坂口徹郎。


→ 遠山の金さん 表紙


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ