1935松竹キネマ
キャスト
雪之丞・闇太郎・母/林長二郎 菊之丞/嵐徳三郎 浪路/千早晶子 お初/伏見直江 土部三斎/高堂国典
奸計に落ち憤死した両親の仇を報じるため、満を持して江戸へやってくる遺児は、上方で名を成した人気役者。仇敵・土部三斎の娘で将軍家側室の浪路を籠絡し、父母を死に追いやった者どもを破滅に追いやる壮大な復讐劇。中村座初日から千秋楽までの間に事態が推移する。
みどころ抜粋
- 初日の幕が開く直前、雪之丞は奈落で恨みを訴える父母の幻を見る。
- お初はかなり曲者、様々な妨害を仕掛けてくる。高笑いも怖い悪女、死んでいる侍から刃を抜いて持っているところを町方に見られて一巻の終わり。
- 闇太郎、見せ場はたくさんあるが浪路の亡骸を三斎に届ける際の芝居は見もの。
- 浪路は三斎の手下・門倉兵馬の邪恋に斃れるが、兵馬も浪路に刺されて死ぬ。
- 長崎屋と弘海屋は諍いの果て見苦しく掴み合いの喧嘩の最中、鬼女の格好で現れた雪之丞を松浦屋と誤認し悪夢のうちに互いの首を絞めあい頓死。現場は中村座の奈落で、二人の死を見届けた雪之丞はそのままの姿でセリから舞台へ。
- 三斎との対決は浪路の葬儀の日に。三斎が雪之丞の母に横恋慕していたことが動機など明かされ、わしは負けんと宣言した三斎は雪之丞のいる座敷の吊り天井を落下させる。
- ラストシーンは、無事「大願を果たし」楽の日を迎えた雪之丞の舞台挨拶。
*拝見したのは1952年に作られた総集編、第1篇は1953/6/27、第2篇は10/1、解決篇は翌年1/5に上映。
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