1986.1.2TX/東映
キャスト
加納源六(松平頼方、徳川吉宗)、柳生新六郎/北大路欣也 佐和/かとうかずこ 雲隠れの登畿/松原千明 安藤帯刀/内藤武敏 藪田助八/桜木健一 無明佐平次/木村元 学文路の大伍/伊吹剛 利吉/冷泉公裕 八兵衛/有馬昌彦 細井図書/北町嘉朗 末女/千原しのぶ むささびのお麻/森永奈緒美 藪田助左衛門/岩田直二 加納五郎左衛門/永野辰弥 宮坂覚兵衛/笹木俊志 池田大助/野上哲夫 鬼丸/中沢青六 粉河の小三郎/大須賀昭人 下市の平助/栗原敏 中黒の仁平/高橋利造 大岡忠相/山本學 山内伊賀介/原田芳雄 姉小路三位卿/菅貫太郎 鳥羽大納言/佐藤慶 柳生飛騨守/河合絃司 柳生左馬助/滝譲二 高尾太夫(おしま)/白都真理 木戸監物/玉川伊佐男 横田善左衛門/武内亨 藤井紋太夫/遠藤征慈 助川隼人/片岡五郎 柳沢吉保/神山繁 紀國屋文左衛門/高松英郎 吉良上野介/溝田繁 松前伊豆守/楠年明 槙/相原友子 徳川綱吉/中村嘉葎雄 萩原近江守/中村錦司 佐川市之進/松田明 水戸光圀/市川右太衛門 徳川綱豊(家宣)/林與一 お喜世(月光院)/萩尾みどり 富森助右衛門/長谷川明男 吉田忠左衛門/相馬剛三 お染/宮下順子 角弥源太/石山律雄 天心/徳田興人 柳沢吉里/松田礼司 おゆみ/斉藤絵里 中山備前守/垂水伍郎 おせい/一柳みる 天羽外記/宮内洋 藤林霧太郎/宮口二郎 大峰仁左衛門/近藤宏 お甲/土田早苗 成瀬隼人正/丹波哲郎 徳川吉通/清家三彦 徳川綱教/波多野博 藤堂不折/田中浩 徳川継友/丹波義隆 天一/伊勢将人、高橋一也 お美津/伊藤つかさ 絵島/叶和貴子 歌川雪之丞/梅沢富美男 天英院/岩井友見 宮路/加茂さくら 生島新五郎/並木史郎 徳川綱篠/千葉保 おたか/村上麻代 辰巳屋儀兵衛/福本清三 徳川家継/渡辺慎也 荼利の龍玄/佐藤京一 雲切仁左衛門/原口剛 藤井左京/剣持伴紀 赤川大膳/大下哲矢
原作 柴田錬三郎「徳川太平記」、南原幹雄「御三家の犬たち」
第1話 紀州の虎見参!
忍びに命を狙われたことで、源六は己の出自を知る。人物を見込んだ忠相の付託も受け、和歌山城へ乗り込み道を切り開こうと志す源六に、別の忍びの魔手が迫る。
ロケ地
- 御三家の成り立ちや情勢を語るナレーションに、戦国の世の戦のシーンや、現代の皇居・名古屋城、和歌山城、水戸偕楽園の映像が続く。
- 和歌山城イメージ、本物。市役所方面から見た全景。
- 根来衆の頭領に会いに来る安藤帯刀のくだり、忍びが出る山中の林は不明、イメージに根来寺(山門、仏像、塔)。
- 阿漕浦に立つ源六、マジ海(日本海か、沖に小島)。
- 禁域で漁をして捕われる源六、山田奉行所イメージに青蓮院長屋門。
- 忠相の語る昔話、和歌山城二の丸御門外に捨てられた赤子の源六を拾った五郎左、和歌山城城追廻門。
- 佐和と雨宿りの「お堂」、木島神社舞殿に腰掛け。
- 松坂代官所へ忍んだ根来衆の助八が、甲賀くノ一と鉢合わせして戦う屋敷外の塀際、仁和寺塀際(境内疎林)。
- 佐和を乗せて遠乗りの源六、木津河原。佐和を案じて走ってくるじいの八兵衛は右岸堤上、二人を見遣る甲賀忍びは左岸堤上(上津屋の寺の甍が映り込む)。忠相は船でやって来る。
- 佐和をさらった甲賀忍びが源六を呼び出す妙法寺、神光院中興堂(内部はセット撮り)。
第2話 五月晴れ親子の初名乗り
父藩主に三男と認められる源六、新之丞と名前を貰い捨て扶持も出るが、無為徒食の日々が続く。忠相のアドバイスを受けた新之丞は、財政危機にある紀州藩のため、三万両調達を請け負うと大言壮語するのだった。
ロケ地
- 根来衆の仁平が荼毘に付される河原、罧原堤下河原か。
- 和歌山城イメージ、全景(遠望、南からのアングルも)。
- 尾張柳生の一行がゆく柳生の庄、不明(山道、地蔵あしらい)。柳生の里イメージに芳徳禅寺、一刀石、十兵衛杉、正木道場。左馬助を倒した新六郎が再び旅に出る道、不明(山道)。
- 紀州・九度山麓、母の墓に参る新之丞、不明(山中林間、五輪塔)。戻り道、新之丞の前に立ちはだかる伊賀介、神護寺石段下。伊賀介を制した新之丞が立ち去るのを呼び止める伊賀介、神護寺参道坂。
- 遠乗りの新之丞と忠相、木津河原。
- 新之丞宅を窺っていた登畿を追う助八、不明(塀際、仁和寺グラウンドに似る)。
- 京・御所イメージ、京都御苑建礼門。鳥羽大納言邸イメージ、法然院山門。
- 新之丞が佐和に与えた書付について言及する忠相、不明(石段の際まで塀、石段は巾さほどでもないが長い)。石段下で、新之丞を新六郎と誤認した尾張柳生が襲う。
- 新之丞と新六郎が対峙する夜の町角、仁和寺塔前。
- 参勤交代で江戸へ向かう光貞の行列、渡る橋は河口の橋か(バンク映像か)。新之丞がゆく道、山道〜木津堤。伊賀介たちが乗り込む渡船、広沢池。路傍の湧き水を飲む新六郎、不明(山道)。
第3話 大勝負花の吉原三万両
三万両の調達先に選ばれるのは、お大尽・紀文。機転と度胸で乗り切る新之丞だが、時の人・柳沢吉保は金主を失うことに。柳沢は、姉小路卿や吉良と密かに次期将軍の座について謀を巡らせていた。
ロケ地
- 紀州藩下屋敷、大覚寺大門。内部はセット撮り。
- 姉小路卿が入ってゆく柳沢の向島別邸、中山邸通用門。ここへ忍んだ水戸忍者が見つかり追われ、藤井浪人に助けられ密書を託す水辺、広沢池東岸。
- 病妻のため溜池で鴨を獲る横田浪人、広沢池東岸。
- 横田救済の件で大岡を訪ねる新之丞、相国寺大光明寺。導入は門越し前庭で、小者が掃除中。忠相に相談を持ちかける新之丞は方丈縁先に腰掛け、忠相は庭に。この時点で大岡は普請奉行を勤めている。
- 高尾太夫を自由の身にしてやった紀文、船に乗り込む渡し場は広沢池東岸に設営(西望)。
- 柳沢に隠居する経緯を話し、以降金の調達はできない旨告げる紀文、中山邸無畏庵前。
※柳沢邸で水戸忍を追い立てる家士の一人に福ちゃん。
第4話 血煙り水戸街道
将軍家目通りのため、忠相の示唆で水戸光圀に誼を通じる新之丞。めでたく大名となり、水戸に隠遁する老公からは後事を託されるが、敵もはっきり見えてくる。
ロケ地
- 巡礼に化けた一団が新之丞を襲う町角、南禅寺三門。新六郎が現れ撃退。
- 紀州に献上された三万両を奪った伊賀介、上陸する川端は広沢池東岸。
- 光圀の言動を柳沢に報告する紋太夫、中山邸無畏庵前。
- 江戸城イメージ、皇居富士見櫓。
- 姉小路卿が宿坊に滞在中の寛永寺、金戒光明寺。まず雲水がのぼってゆく石段が映し出され、姉小路に会いにやって来た新之丞がくぐる門に三門、その後石段中ほどで柳沢配下の一団と対峙→伊賀介にチェンジ・しばし会話。石段を横から見たショットも。
- 光圀が水戸へ帰る街道、酵素ダート。馬で追ってきた新之丞が光圀と話す茶店は河川敷に設営、けっこう大がかり。街道筋で待ち伏せの柳沢配下、不明(天王神社に似た石段)。
- 去ってゆく光圀を見送る新之丞、すぐ近くのススキ原で新六郎が敵と戦う野原、美山の萱場か。
※柳沢配下の侍と、伊賀介に始末される船頭で福ちゃん。出番いっぱいで、派手な斬られシーンもあり。
※新之丞は越前丹生に三万石を拝領、松平左近少将頼方に。
第5話 京に散る哀花
国主となる頼方だが、佐和を殺され赤子を奪われてしまう事態に。また、どうしても子のできぬ将軍は「疑惑の子」に執着。いずれの不幸にも、柳沢の黒い意図が染み付いているのだった。
ロケ地
- 馬を駆る将軍綱吉と頼方、下賀茂神社馬場(木の陰から、柳沢と伊賀介が凝視している)。馬をおりた綱吉と頼方が話す城内は姫路城西の丸。
- 初のお国入り、丹生を目指す頼方一行、柳沢の手下が襲う街道、不明(林道、チャンバラは植林杉の木立でも行われる。林はヤナギ混じり)。
- 佐和の消息を聞いた頼方が山科さして馬を駆る山道、不明。訪ね当てる山科の尼寺は普済寺。総門前で馬をおり、境内に入って佐和の名を呼ばわり、出入りの門は鐘楼門。佐和はそのとき墓地にいた設定で、墓地の端っこと六地蔵が映る。佐和が駆けてくるのは総門前の田畦。翌朝、帰る頼方を見送るのは総門、参道は靄に包まれている。
- 佐和を殺し赤子をさらう伊賀介のくだり、寺の居室等はセット撮り、赤子を抱えた登畿が走る川辺は西明寺下の清滝川汀(このとき寺の施設は映らず)。
- 佐和殺害・赤子誘拐を知らされた頼方、山科へ引き返そうとして横田や助八らに阻まれ諌められる山道は大内亀岡道上り坂。
- 丹生・松平頼方邸、枳殻邸園地入口門。この前に、枯れ木と高石垣が映し出される。
- 頼方の寝所に忍び込み暗殺をはかる登畿、失敗し助八らに吊るされるのは大覚寺天神島の大木(あとで新六郎が現れ助けてくれる)。
- 登畿を気にかける助八に苛立ち迫るお麻、枳殻邸遣水〜芝地。
- 美濃、知る辺の和尚にさらった赤子を預ける伊賀介、西明寺。和尚と話す際は鐘楼に腰掛け、待っていた登畿らと話すのは山門前。
- 甲府宰相・綱豊が愛妾を傍らに鯉に餌をやる池泉、彦根城玄宮園池畔(弥源太が柳沢に「綱豊が浜御殿に入った」と報告している)。
- 吉良邸討ち入り後、大目付・仙石伯耆守を訪ねた帰りの富森助右衛門を待ち構え、祝杯を差し出す綱豊、二尊院墓地(石の手すり等に「積雪」演出。一段上から左平次がそのさまを見ており、また頼方もなりゆきを見つめている)。
※富森助右衛門は、綱豊の愛妾・お喜世の方の兄。
※和尚が自分の名の一字をとって「天一」と命名。
※赤穂浪士討ち入りを阻もうとした柳営組の前に新六郎。狙撃され危ないところを登畿に助けられる。追っ手が去るのは陣太鼓を聞いて。
第6話 大爆破!決闘の断崖
綱豊の危機を救うが早いか、今度は頼方自身に火の粉が降りかかる。非情の政治家は、我が子として守り育てた子をも道具に使う。
ロケ地
- 綱豊を次期と定めた綱吉が、彼を西の丸に入れたと語られるくだり、江戸城イメージに姫路城天守。西の丸イメージには姫路城西の丸を、いの門を端っこに掠めて遠望。西の丸池泉イメージは彦根城玄宮園。
- 綱吉が吉里に墨付を与えたという噂が飛び、城へ飛んでゆく頼方、馬を駆る道は下鴨神社参道。騎馬のまま駆け入る城門は姫路城菱の門、駆け入ってくるシーンには内側のロングも。頼方来着を知らされる綱吉、姫路城西の丸で弓のお稽古中。話を聞く野点の席も西の丸、背景に渡櫓。
- リハビリ新六郎、大覚寺護摩堂。石仏前にあしらわれた彼岸花を、怪我した手で取ってみるシーンも。彼を眺めやる登畿と佐平次は茂みに、監禁してある吉里のことを相談に来るおゆみは、天神島朱橋を渡ってやって来る。
- 甲賀者だったおゆみにより頼方邸に監禁されていた吉里を送り届ける道、下鴨神社河合社脇〜馬場。糺の森や瀬見の小川畔から、伊賀介や忍者がわらわら湧いて出る。吉里を抱えて逃げた登畿の前に現れる新六郎、追い詰める断崖は保津峡落合落下岩(登畿ドボン、吉里は崖に引っかかり)。
- 参勤交代で丹生に帰る頼方の行列、湖南アルプス天神川右岸側の山裾の地道。一行が小休止しているところ、仕掛けられた爆薬が炸裂する河原は天神川河床、大堰堤上の砂河原で背景にガレた山。伊賀介と新六郎の死闘はそのガレ場で、伊賀介は斜面を滑落。
※綱吉は柳沢邸訪問時、能を披露していて舞台で卒中を起こしそのまま死去。他の物故者は頼方の家老・横田、柳営組の角弥源太など。
第7話 忍者暗闘!尾張の旋風
家宣に加え世子も病がち、そのことが各方面の野望に火をつける。頼方は黙っておれず、ホットスポットの尾張へ乗り込んでゆく。
ロケ地
- 将軍の病状を探りに城へ侵入する忍者たち、彦根城天秤櫓(セット併用)。
- 江戸城イメージ、姫路城西の丸化粧櫓。堀端で対峙する伊賀介と新六郎、彦根城堀端(佐和口多門櫓前、いろは松際の堀端)。触れ太鼓が鳴り登城してゆく侍たち、彦根城大手橋。
- 尾張藩付家老・成瀬隼人正邸(江戸の個人邸)、相国寺林光院。安藤と中山の屋敷は村のセット。
- 丹生に向け北国街道を走る助八、大内亀岡道か(切り通し一部ガレ)。丹生・頼方邸、枳殻邸高石垣、園地入口門。
- 名古屋城イメージ、本物の天守。鳥羽大納言らを招いて開かれる歌詠の宴、枳殻邸印月池畔芝地(ゲストハウスに幔幕張り、池越しに東側からの絵も)。藩主・吉通に矢を射掛けた忍びを追う藩士たち、下鴨神社池跡。
- 鳥羽大納言らが滞在する熱田神宮、本物をイメージに挿入。
- 飛脚に扮したお麻を呼び止め、頼方へ言伝する新六郎、不明(林道)。
- 頼方邸に忍んだ登畿を追いつめる助八、鳥居本八幡宮鳥居前。
- 尾張さして街道をゆく頼方と助八、不明(山道)。尾張入りし、大峰の頭領と会う城下は上賀茂神社奈良社付近、校倉脇。
- 尾張城下の夜道、頼方を襲う忍び、相国寺碑裏付近。
※御三家付家老の話がひとくさり、野狐・古狸・獺の綽名も出る。
※伊賀介に使われていた、根来衆を陥れる役目の甲賀者に福ちゃん。
第8話 謀略の嵐!藩主暗殺
次期将軍の座をめぐり、御三家間の謀略が激化。それに乗じた伊賀介の企みで、紀州・尾張両藩主が命を落とす事態に。
ロケ地
- 家宣の出府命令を受け江戸へ向かう頼方の行列、不明(山道)。尾張お土居下衆がゆく道、下鴨神社泉川畔。伊賀介がゆく街道、桂川松尾橋下手右岸堤か(土手下から見上げ)。
- 江戸城イメージ、彦根城大手橋、天秤櫓。お土居下衆が露見し逃走するくだりは天秤櫓で夜間撮影、橋から身を躍らせるシーンも。
- 外記が報告を上げる成瀬隼人正江戸屋敷、相国寺林光院。
- 料亭・水月での中山備前守のふるまいを報告しにゆく登畿、常寂光寺石段。
- 成瀬が訪ねてくる中山邸、相国寺光源院。
- 成瀬が中山に誓約書を渡す屋形船、広沢池東岸近くに浮く。
- 大峰党の江戸でのアジト(材木問屋・紀州屋)を訪ねてくる頼方、「材木置場」は奥に蔵・反対側は林→斉宮神社脇か。お甲に、尾張のアジトを放棄させたことを詫びる頼方、上賀茂神社渉渓園。
- 紀州藩主・綱教が暗殺される紀州藩上屋敷の庭、不明(池泉、芝地に植木)。
- 安藤帯刀の厳命で尾張候を暗殺する大峰党、下鴨神社河合社脇〜馬場。
- 家宣に請われ、紀州を継ぐべくお国入りの頼方、海辺の街道は琵琶湖東岸(佐波江浜と思われる)。潅木の陰から新六郎が見ている。
※尾張の家老・成瀬が水戸を抱きこんだことを知った伊賀介は、まず紀州候を暗殺。頼方は止めるが、紀州の敵意は尾張に向く。
※尾張候暗殺時、小三郎とお甲が落命。
第9話 大奥の罠!悲恋夢芝居
家宣逝去、次期は尾張か紀州との遺言が発表されるが、吉宗は嫡子相続を主張、七代は幼君・家継に。権勢が生母・月光院に移ったことで燻る天英院を、尾張の野狐が焚きつける。
ロケ地
- 家宣の訃報を受け続々と登城の御三家以下、江戸城イメージに姫路城天守。
- 吉宗を家継と月光院のもとに案内する絵島、彦根城玄宮園池端。御土居下衆の襲撃を、お麻(腰元姿)と吉宗が防ぐ。しくじった配下を始末するかしら・藤堂不折は仁和寺塀際(内側の草原)。
- 尾張上屋敷、仁和寺本坊表門。町で新六郎を襲ったものの逃げ帰る尾張柳生の一派が駆け入るシーン、屋敷内に尾張柳生の道場がある設定。
- 尾張屋敷に忍んだ儀兵衛のツナギを受け取る助八、仁和寺塀際(西側)。そのメモを仲間に見せるシーンは仁和寺水場。
- 紀州藩上屋敷イメージ、大覚寺式台玄関(唐破風から上のみの絵)。山村座へ行こうとして安藤帯刀に叱られるくだり。
- 天英院の動静と、増上寺参詣の次第について月光院に言上する年寄・宮路、彦根城玄宮園鳳翔台。
- また儀兵衛のツナギを受け取りに来る助八、その背を見ている不折は仁和寺御殿通用門(北側)前。
- 絵島が生島新五郎に口説かれる船宿(?)、建物はセット撮りでイメージに葦原越し水景。
※呉服屋・辰巳屋の主・儀兵衛は根来忍、恋女房のおたかはその事実を知らず。助八は番頭を務めている。
第10話 吉宗決起!尾水の牙城
絵島事件により、吉宗は微妙な立場に。流された血の贖いに、根来衆は決死の覚悟で水戸へ向かう。
ロケ地
- 生島新五郎入りの長持が城へ搬入されるくだり、石畳(仁和寺?)〜彦根城大手橋(橋脚に根来忍が張り付き、犬走りへ上がり城壁に取り付く)。
- 月光院が謹慎を食らったあと、天英院が幼君をいたぶるさまを吉宗に報告する忠相、広沢池東岸(屋形船舫い、夜)。
- 野生児の天一が走る、美濃山中の野、酵素河川敷。魚獲りの川は保津峡落合。
※辰巳屋儀兵衛は不折に見つかり殉職(背中と額に手裏剣ぐっさり)。+後段、助八のしくじりで辰巳屋は皆殺しに。
※登畿と伊賀介の間に齟齬、二人は異母兄妹と明かされる。隙間風表現は、登畿の捨て猫拾いなど。
※新五郎使い捨てに怒った雪之丞、大見得切って不折に逆らい大立ち回り、膾で大わらわ・自刃して果てる。
第11話 大殺陣!地獄谷の襲撃
忍者たちの死闘のすえ、尾水密約の密書は吉宗の手に渡り、次期将軍は決する。晴れて宣下の式に立ち現れた新六郎は、犠牲の大きさを忘れるなと苦言を呈し、掌から滴る血を見せつけて去る。
ロケ地
- 根来衆が水戸へ向かう山道、不明。お土居下衆がゆく道、北嵯峨農地(田)越し広沢池西岸の道。甲賀衆がゆく野、不明。
- 水戸城、彦根城。天秤櫓見上げの図がイメージで出て、不折が送り込んであったくノ一とツナギをとる石垣際や、そのくノ一が密書を盗って逃げる際囲まれ斬られる際には天秤櫓橋上が使われる。鬼門櫓から密書を見つけた根来衆が、助八に向け矢で渡すのは広沢池東岸。密書を持って走る助八をそれと知らず殺してしまう登畿、不明(林)。
- 次期将軍をめぐる協議が持たれるくだり、江戸城イメージに姫路城天守。
- 若頭・助八が密書を携え戻るのを待つ根来衆、仁和寺九所明神裏手。登畿が現れ、お麻に次第を話し密書を渡すのは織部灯篭際。
- 次期将軍に決し、急ぎ帰国する吉宗、わずかな供揃えでゆく中山道は北嵯峨か。
- 不折の檄を受け出立してゆくお土居下衆と尾張柳生の衆、仁和寺本坊表門。
- 伊賀介が立ち寄る美濃の寺、西明寺。伊賀介は山門をくぐり、鐘楼で鐘を突いていた天一と会う。
- 伏兵が吉宗を待ち構える美濃山中の地獄谷、不明(山中の荒野、養生中と思しき段差あり・砕石場か)。
- 尾張付家老の居城・犬山城、本物をイメージに挿入。
- 吉宗に苦言を呈し去ってゆく新六郎、背景に姫路城天守。
※助八殉職、成瀬隼人正は姉小路殺害ののち切腹。
第12話 激震!八代将軍の座
吉宗が将軍位に就いて以来、大火頻発し盗賊横行。それには人為が働いていたが、もっと大きな火種が伊賀介によりもたらされる。
ロケ地
- お庭番に盗賊・雲切仁左衛門を消せと命じる大岡忠相、枳殻邸回棹楼。
- 京、鳥羽大納言別邸、法然院山門。
- 佐和の住んでいた家に立ち寄る登畿、野道は北嵯峨農地農道、空き家の傍に立つ佐和の墓標は酵素木の傍。
- 鳥羽大納言が伊賀介に天一坊を寄越せと持ちかける屋形船、大覚寺大沢池。
- 旅の途にある新六郎、天一に斬りかかられる峠は谷山林道切通し。
- 天一は八日も帰っていないと和尚に聞かされる伊賀介、西明寺(山門、境内)。
- 天一が庄屋の娘と会っていると村人が来てボコる山麓、大覚寺大沢池堤。足を引きずり戻ると伊賀介が待っている竹林、北嵯峨か。
- 京へ上った天一が宿館とする洛北・浄楽院(字は当て字)、一様院山門に「徳川天一坊」の大看板と幔幕等あしらい。
- 尾張家上屋敷、仁和寺本坊表門。継友が御供番頭・赤川大膳に藩籍を捨て天一の側に付けと命じるくだり、イメージのみ。
- 天一はお佐和の子か、と忠相に問う吉宗、枳殻邸印月池畔。
- 京を出立する天一坊の行列、嵐山自転車道。
※根来衆を中心にお庭番が組織され、学文路の大伍が番頭に。甲賀宮飛脚の頭領は荼利の龍玄、お土居下衆や水戸忍も一時協力して動く。鳥羽大納言が天一のもとに遣わす公家侍が藤井左京。
第13話 天下の大勝負
天一坊は遂に江戸入り、親子証拠調べが執り行われるが、吉宗と忠相の腹は決まっていた。
新六郎は伊賀介と決着をつけ、新天地へ羽ばたいてゆく若者たちを見送る。
ロケ地
- 天一坊が宿館とする、品川・八ツ山御殿、中山邸門。中の高楼はセット。
- 役宅から天一が落とされたあと、同じく去った吉宗の駕籠を襲う伊賀介、南禅寺僧堂坂。駕籠の中から新六郎が現れ、殺陣は三門にスイッチ。
- お美津とともに旅立ってゆく僧形の天一を見る新六郎、谷山林道(天一たちは下の切り通し、新六郎が去る道は頂上付近か)。
- 長い闘いだったと忠相に述懐する吉宗、枳殻邸印月池畔。
※新六郎の刃を受けた伊賀介は、駆け寄った登畿を抱き寄せ刺殺。また、佐平次は伊賀介によって京に派遣され、鳥羽大納言を始末。
※新六郎の母は、吉宗の母と同じく十兵衛光厳の孫、二人は従兄弟同士と忠相が明かす。
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