1973年4月-9月 フジ/東映
キャスト
隊士
近藤勇/鶴田浩二 土方歳三/栗塚旭 沖田総司/有川博 井上源三郎/田崎潤 山南敬助/日下武史 原田左之助/河原崎長一郎 斎藤一/左右田一平 藤堂平助/中山克巳 永倉新八/伊吹吾郎 山崎蒸/山城新伍 藤田精一郎/藤岡弘 大石鍬次郎/待田京介 島田魁/楠本健二 川島勝司/北十学 河合耆三郎/北野拓也 北原健介/石田信之 柴田直人/太田博之
野村佐兵衛(会津藩公用方)/田村高廣 中村半三郎(会津藩目付役)/島田順司 浅井又兵衛(所司代与力)/小田部通麿 小山田千蔵(京都町奉行所同心)/田中弘史 富五郎(目明し)/西田良 佐々木唯三郎(見廻組)/中丸忠雄
源助(屯所向い饂飩屋主)/北村英三 おみよ(源助の娘)/大川栄子 勘吉(屯所小者)/田渕岩夫
幾松/中村英子 桂小五郎/菅原文太
脚本/結束信二 音楽/渡辺岳夫
オープニング出動風景ロケ地 知恩院北門〜黒門道(隊士に福ちゃん入り)
第1話 「芹沢鴨死す 豪雨止まず」
日々隊士増えゆく勃興期の新選組、創始に功あった芹沢だが放埓つのり駆逐される。鴨一派の言動に激昂する土方や山崎を宥めていた近藤だが、罪もない女の哀れな死にざまを見て刃をかざす。
ロケ地
- 巡察中の「壬生浪」から逃げる町衆、今宮神社東参道(東門越し、かざりや前)。
- 8.18政変時出動イメージ、会津本陣に金戒光明寺三門。
- 隊士・藤田精一郎の恋人が勤める祇園の茶屋、八坂神社南参道・二軒茶屋。通りかかった近藤について行く精一郎のくだり、南楼門〜境内、本殿脇から絵馬舎へ通じる石段を降りるところまで。
*芹沢鴨は遠藤太津朗、新見錦は成田三樹夫。鴨に無体を働かれ絞殺される精一郎の恋人は鮎川いづみ。鴨の取り巻き連に福ちゃんや平沢彰、小峰さんなどチラリ。
第2話 「池田屋にきらめく白刃」
諸方に侮りを受けるなか、新選組に面目を施させた池田屋事件。粛々と己がつとめを果たす近藤だが、事件当日最後に斬った若侍の正体を後日聞かされ忸怩。
ロケ地
- 仲間に会津本陣から出る「的」について報告に走る「不逞浪士」、金戒光明寺永運院下坂〜長安院下坂(坂の下に仲間が待つ茶店をあしらい)。
- 守護職に招集された治安責任者たちが続々と出てくる会津本陣、相国寺庫裏。近藤が見回組の佐々木に挨拶し別れる石段、金戒光明寺石段。近藤を襲う浪士たちが潜む町角は相国寺湯屋脇、気付いていた近藤が迎えうつのは大光明寺前。
*近藤に道を聞いた旅の女は堀越光恵、彼女の「男」の金沢浪人は松山省二でその後桂に接触し「同志」になって「運悪く」池田屋へ。桂小五郎は菅原文太、幾松は中村英子。宮部鼎蔵は北原義郎、池田屋で最初に近藤に斬られて階段落ちの浪士は福ちゃん・クレジットはベタなれど検分の役人の言からするとどうやら北添佶麿の模様。
第3話 「沖田総司を狙う刺客たち」
池田屋このかた、過激派の憎悪の的となる新選組。新入りを装った間者が入り込むが、平隊士の自分に頭を下げて総司の護衛を頼む近藤を見て、倒幕浪士は惑う。
ロケ地
- 新選組の巡察隊がゆく市中、八坂神社本殿脇から絵馬舎へ通じる石段(白川女や舞妓が行き交う)。新選組を見て身を隠す浪人たち、祇園・白川沿い石畳。手応えが無いと感じた永倉が一計を案じ一人で隊から離れるくだり、白川巽橋〜辰巳大明神裏手。
- 永倉が自らを囮にして不逞浪士を誘き出す真葛ヶ原の茶店、上賀茂神社ならの小川畔に建物しつらえ。襲ってきた浪士たちとのチャンバラは川中に及び、沖田ら隊士が駆けつけてくるのは神事橋、逃げた浪士を追っていった隊士たちが戻ってくる際には北神饌所も映り込む。
- 沖田が医者へ行く道、金戒光明寺永運院下坂。医師・高野玄庵宅、不明(塔頭ふう)。医師宅を出た沖田が浪士に襲われる石段、金戒光明寺石段(三浦が出て浪士を斬り、咳き込んでいた沖田を助ける)。
- 屯所を出た三浦を尾行する山崎と島田、三浦が渡る橋は白川巽橋、訪ねる「女」の家はセット。
*間者だった新入隊士の三浦は林隆三、彼の女は田村奈巳。三浦に疑いを持ち女の家へ押しかけてくる「同志」は蜷川幸雄。
第4話 「千本通りに消えた銃声」
年を偽って入隊した少年の哀話。皆の気遣いも空回り、稚気は彼を黄泉路へ引きずり込む。
*ロケなしセット撮り。少年は中村光輝、連れ戻しに来た姉は本阿弥周子。新選組の巡察隊を狙撃する一味の浪人に福ちゃん(スナイパーではなく、捕まり組)。
第5話 「桂小五郎襲撃の夜」
時勢にも我欲にも流されず、己が「漢」を貫く近藤局長。桂を匿う幾松を見逃し、僻目から嫌味垂れるライバルの危機にも毅然、しかしその美学には滅びの予兆。
ロケ地
- 伏見イメージ、宇治川派流沿い酒蔵、松本酒造前東高瀬川堤。
- 友禅流しの川、不明(浅瀬、擬宝珠越し「橋上」から覗き込み/追っ手をやり過ごし桂が戻っている京イメージ)。
- 呼ばれた座敷へ向かう幾松が渡る橋、白川巽橋。幾松に別れを告げ料亭を出た桂があたりを見回し去る町角、辰巳大明神裏手。
- 見回組に新選組への協力について苦情を言われた浅井又兵衛が奉行所役人にボヤきつつ行く道、二条城外濠端。設定は現地か。
- 三本木の幾松の「家」、不明(狭い路地)。ここへツナギに来る「雲水」は巽橋を渡り。
- 桂が密かに幾松と会う料亭、永倉らが裏を固める土手、不明。
*同志の仇を討ちに佐々木に殺到する浪士の一人に福ちゃん、近藤に斬られてのけぞり。
第6話 「三条大橋に黒い人影」
子が願うままの強い男たろうとした父は、恐怖を抑え蛮勇をふるう。しかし、生来温和な元坊官に新選組隊士がそもそも似つかわしくないのだった。
ロケ地
- おみよが野菜を洗う川に粗相をして叱られる市太郎、上賀茂神社ならの小川。
- 永倉隊の巡察についてきてしまう市太郎、壬生寺本堂前石畳(導入は山門越し)。
- 迎えに来た叔母が目を離した隙にまた消える市太郎のくだり、叔母がお参りのお堂は壬生寺境内祠、市太郎が走り抜けるのは千体仏塔脇。
- 内山の死後、河原で石を積む市太郎、桂川松尾橋上手汀。これを眺める近藤と沖田、橋の欄干は渡月橋や渡月小橋に似る。
*捕物の際臆し、共に出動した町方が重傷を負う事態となる「士道不覚悟」の隊士・内山は中村賀津雄。彼の息子の市太郎は岡本崇、市太郎を預かっている内山の妹は藤田弓子。三条大橋の制札場に狼藉をはたらく土佐浪士に田中浩や岩尾正隆。
第7話 「祇園小路の人質」
新入隊士の浮沈を描く一話。身の程知らずの増上漫は自ら破滅を招き、監察が太鼓判を押した青年の汚名は雪がれて「いい若い人」が仲間に。
ロケ地
- 京へ一里の鳥羽街道をゆく赤松と弟子たち、不明(川堤、背景の山裾に里居)。監察が待つ「おせき茶屋」は土手に小屋をしつらえ、その前に木橋架かり。
- 監察に褒められた北原に制裁を加える兄弟子たち、壬生寺境内。
- 会津藩士刺殺犯の浪士を追って祇園に出動のくだり、目明しの富五郎が隊士を待つ橋は白川巽橋。井上隊が黒田藩士に突っかかられる二軒茶屋前は今宮神社境内か(青丹の連子窓が映り込む)。原田隊が詰めるのは建仁寺三門(背景に法堂)。
- 師匠のしくじりをつけ回された北原が物思う屯所界隈、壬生寺千体仏塔脇。
- 巡察中呆ける北原を叱咤する斎藤、今宮神社東参道。
- 人質斬殺の件で巡察中の北原に呼び出しがかかる市中、今宮神社石橋脇。
*弟子を引き連れ入隊してくる岸和田の道場主・赤松は藤岡重慶、メッチャ偉そうで言葉は流暢な関西弁。赤松が従僕扱いしている弟子の青年・北原は石田信之、彼が無実なことを証言する女中は四方正美。
第8話 「浪士糺の森に集結す」
市民に対する新選組の心遣いは、市井に紛れた不穏分子の邪推により悲劇に発展。殺伐が支配するなか、任務が粛々と遂行されてゆく。
ロケ地
- 山口が旅の娘を送り届けてやる最勝院(仏光寺近く設定、字は当て字)、宝塔寺。入口は方丈門、帰る山口は山門をくぐる←坂の上から浪士が見ている。後段、寺から出た娘を監察部が尾行するくだりでは参道も映る。
- 最勝院をフケた浪士たちが拠る糺の森、本物。アジトにする乞食小屋は池跡にしつらえ、お芝居やチャンバラは河合社際や泉川でも展開される。
*巡察中の新選組に道を聞いた娘は菊容子、京都遊学中の兄は長谷川明男で寄宿先の最勝院を浪士のアジトに提供している設定。リーダー格の酷薄な浪士は村井国夫、娘を送っていって浪士に警戒され殺された隊士は小笠原良知で役職を擲って得た妻女は北林早苗。ラス立ち福ちゃん入り・糺の森へやって来た浪士の一人、高速後退とくるくるのけぞりを披露。
第9話 「土方歳三清水坂に斬り込む」
か弱き者には、とても優しい漢たち。今回は、「鬼」も朋輩を気遣うわ食い詰め浪人に情けをかけるわの大盤振る舞い。
ロケ地
- 山南を迎えに出た沖田隊に接触する杉村浪人、今宮神社東門。
- 盗ってきた新選組の機密文書を売り込もうとする杉村、白川巽橋(設定は木屋町)。
- 文書を入手した土佐浪士らが走る道、不明(石畳〜坂)。
- 文書の記載通りに浪士たちが土方を襲う清水坂界隈、相国寺鐘楼脇(チャンバラには宗丹稲荷や碑も映り込む)。逃げた者たちが近藤と鉢合わせするのは法堂・方丈間の回廊脇、庫裏も映り込む。
*食い詰め窮して同門の山南を訪ね「魔が差す」杉村は小山田宗徳、妻女は水野久美、土佐っぽを紹介する馴染みの酒肆女将は原良子、その土佐浪人は穂高稔。
第10話 「大坂天満橋の襲撃」
刀を求める者と金を入用な者と、幸運な邂逅に思えた取引。知らずに作州浪人の刀を手に入れた新選組隊士は、やがて任務のなかでその青年と皮肉で無惨な出会いを果たす。
ロケ地
- 大坂へ船で下る原田、嵐峡(堰上の湛水域、船上)。
- 大坂イメージ、大阪城天守。
- 刀屋や古道具屋で何度も会った娘に声をかけ刀を見る原田、今宮神社境内(石畳)。刀を見て購うのは稲荷社脇。名乗らず別れるのは石橋たもと。
- 兄の死を知らず国へ帰る妹、今宮神社東参道かざりや前〜北嵯峨農地・竹林際。
- 入手した刀の由来を知って以来それを携行することのなかった原田、巡察に出てゆく道は今宮神社東門(中から出てくる)。
*兄のため父から渡された愛刀を売りにゆく娘は珠めぐみ、その金で大坂城を爆破する焔硝を買おうとしていた兄は亀石征一郎、同志の浪人は天津敏。原田を怒らせる嫌味な刀屋は中村錦司。
第11話 「士道に背く事を許さず」
驕り高ぶりトラブルを起こし、糊塗するために非道をはたらく上司に耐えかねた青年は、己の誠を貫くため「真剣での稽古」の許可を願い出る。
ロケ地
- 若い隊士を連れて呑みにゆく途中、女への土産を言いつける谷、八坂神社南楼門。
- 酔って絡んだ挙句、保身のため桑名藩士を斬って逃げた谷が、柴田に口止めする夜道、広隆寺東塀際か。
- 非道を秘匿することに耐えかねた柴田が、沖田に谷のしたことを告げる門、大谷祖廟北通用門。
- 女のもとから帰ってきた谷の前に立つ柴田、下鴨神社河合社裏手、糺の森池跡。
- 谷を告発したアベックが事後新選組の巡察に行き会い会釈する市中、八坂神社本殿脇から絵馬舎へ通じる石段、本殿脇境内。
*谷三十郎は戸浦六宏、部下の柴田青年は太田博之。谷と言い争いになり斬られる桑名藩士は和崎俊哉、彼の知り合いで逢引中に一部始終を目撃する女は水原麻紀。犯人と間違われ投獄される浪人は久高惟晴。
第12話 「近藤勇に危機迫る」
屯所は不動堂村に移り、近藤土方は旗本格。薩長が接近との噂が公然と囁かれるなかでの局長襲撃には、武士の風上にもおけぬ獅子身中の虫が絡んでいた。
ロケ地
- 会津家中との会合の帰途襲撃される近藤の駕籠、仁和寺観音堂脇(雨演出)。同じく襲撃を受ける会津の中村、仁和寺経蔵周辺。
- 己を狙う者どもを釣り込み戦う近藤のくだり、近藤の立ち回り先のタレコミを受け色めき立つ薩摩藩邸の門(当時二ヵ所ありとナレーションが入る、相国寺近くのほう)、東本願寺内事門(濠に影を落とす海鼠壁などのショットもあり)。近藤が視察に来ると知らされた薩摩藩士が待ち受けて襲撃の「相国寺境内」は相国寺法堂前、立ち回りは法堂基壇はじめ回廊付近で行われ、庫裏も映り込む。近藤の駕籠がやって来るのは湯屋前の「辻」。
*武田観柳斉は菅貫太郎、彼と対比される役回りの怯懦ゆえ脱走をはかる若い隊士は小林芳宏。
*饂飩屋の二人は、不動堂村屯所を訪ねてきた態で登場。
第13話 「決死隊京に突入す」
勤皇の心篤い山出しの青年は、口舌の徒に利用され命を散らす。純朴な若者を救いたくて動いた近藤の心も届かず、「姉の心」も間に合わない。
ロケ地
- 老中の使者が十津川郷士の青年に刺される山科の街道、北嵯峨農地竹林際。造園に使うものか、大石が道端に積まれている。
- 京に入ったばかりの十津川郷士・海野と古谷がゆく市中、八坂神社境内、西楼門。
- 御所を遥拝にゆく海野と古谷、京都御所塀と紫宸殿。白州に拝跪する二人の絵には建物等からまないので、イメージカットで別撮りの可能性あり。
- 荒木の死を聞いた海野たちが「同志」と語らう市中、御香宮絵馬堂下。会津中将の駕籠がやって来る道は境内と参道石畳を組み合わせ、これを襲う浪士たちのシーンは拝殿前等で展開される。
*海野は目黒祐樹、古谷は三ツ木清隆、彼らが入る宿の女主は光本幸子で女中は伊吹友木子。十津川郷士を手駒に使う「口入屋」の口舌の徒である札付き浪人・荒木は林彰太郎。
第14話 「奈良尼寺の急襲」
天誅組の記憶未だ生々しい古都で起こる惨劇、心に傷を残した人々は、さらなる流血を望まず「敵」に危険を知らせてやる。
ロケ地
- 陸援隊が巡察中の新選組にからむ市中(土州白川屋敷付近)、上賀茂社家町明神川端と橋上。白川女や川中で布を晒す職人あしらい。
- 沖田らが奈良へ向かう街道筋(奈良街道)、不明(田んぼの一本道、山裾に茶店、その先が石積みの切り通しの、用心棒シリーズ等で頻出のアレ。後段、笠置の若者が鉄砲を運んでくる道も同所)。
- 奈良イメージ、芝地の鹿、二月堂から望む大仏殿の甍、大仏殿と回廊および大仏。
- 沖田らの宿へ使いに出た先発隊の隊士が襲われる夜道、広隆寺塀際か。
- 柴田に危険を耳打ちした尼僧の寺・安養寺、西壽寺(石段下、本堂甍を望む図)。
- 新選組を襲った浪士たちが押し入る庄屋屋敷、走田神社社務所。駆けつけた近藤は神社鳥居から出てくる。
- 笠置から来た青年たちが銃を積んだ大八を曳く道、不明。
- 奈良イメージ、芝地の鹿、浮見堂、二月堂(下から舞台見上げ)、春日大社回廊と参道、興福寺五重塔。
- 奈良を去る新選組、斎藤と柴田が永倉を待っている池端は猿沢池、興福寺五重塔や南円堂が映り込む。隊士を率いてゆく土方は東大寺大仏殿回廊脇(外側)。
*柴田に危険を知らせる尼僧は浜美枝、尼になった訳が新選組にあるという因縁つき。近在の百姓を集める回状を浪士たちに強要されるも拒む庄屋は嵐寛寿郎、近藤の保護も拒むところがミソで親族が天誅組。
第15話 「油小路の闘いをこえて」
急速に変わりゆく時勢、沖田が病臥するなか又ひとり若者を送った近藤は、己に言い聞かせるように戦いはこれからと隊士に説く。
ロケ地
- 伊東甲子太郎を暗殺し御陵衛士を殲滅する油小路七条、今宮神社東参道〜東門内側の境内。伊東の亡骸は石橋上に置かれる。
- 浪士に因縁をつけられ川に叩き込まれる富五郎、上賀茂社家町・明神川。
*近藤が総司の薬を貰いにゆく、長州出入りの薬屋の女主は中村玉緒、新選組に便宜をはかったと長州に責められるが怯まぬ女傑。ここを紹介する役回りで13話の光本幸子が再登場。
第16話 「誠の旗伏見へ」
将軍が大坂に去ったあとも残った新選組だが、彼らもやがて京を離れゆく。そのまさに前日、永倉新八と馴染みの仲居が、ままごとのような盃事をして哀しみを縁取る。
ロケ地
*おはまは松原智恵子、新選組を殺すとブチ上げていた浪士に打擲され内臓破裂の仲居、死の間際永倉の嫁になりたいと漏らし望みが適えられる運び。
*門を閉じた屯所の前で騒ぎ、帰ってきた近藤に斬られる浪士の一人に福ちゃん(クレジットあり)。
第17話 「京竹田街道の待ち伏せ」
一触即発の情勢下、孤立無援の二条城を見舞った近藤の身に魔手が迫る。負傷の報に、大坂へ退去せよとの勧告が来るが、侠気はそれを拒む。
ロケ地
- 二条城イメージ、本物の東南隅櫓と濠、東大手門。
- 伏見奉行所を出て京へ向かう近藤たちがゆく道、上賀茂神社ならの小川畔〜二の鳥居前(列の中に柴田を見て追ってきた娘・早苗に近藤が気付く)。
- 小者の勘吉に離脱が命じられるくだり、大石が来て近藤の命を伝える城門下は知恩院北門下の坂、出てきた近藤に擦り寄るシーンは黒門道の坂。
- 高台寺党の残党が近藤を狙う墨染の空家、赤山禅院西池端の小屋。近藤が来る道は参道、立ち回りはサルスベリの多い林で。
- 御香宮へ薩摩兵集結と報告が入るくだり、進軍のイメージは木津堤。夕陽イメージの塔は八坂の塔か。
*ひとり二条城に残る大目付・永井玄蕃頭は中村竹弥、近藤と会見するも情勢は語らず静かに茶を喫す運び。柴田に会いに江戸からやって来た武家娘・早苗は佐野厚子、膾でせ大わらわの柴田に殉じる。篠原泰之進は田口計で墨染のスナイパー、伏見の宿屋で近藤の京行きを知り篠原に知らせる同志は中田博久。
第18話 「鳥羽伏見の戦い(前)」
喀血した沖田のため、大坂へ「退く」近藤。そこで知らされる「大公儀」の態度は、新選組にとって酷い仕打ち。草創期より彼らを見てきた会津の漢は、命を以って筋を通す。
ロケ地
- 沖田の枕頭での近藤の回想、幼い沖田を連れて行った縁日、今宮神社か。
- 大坂城、本物の大阪城天守をイメージに。
- 大坂城内の会津の陣、不明。
*野村が必死に掛け合うも不調に終わる重臣方、老中・板倉は岡田英次で会津の重臣は神田隆。沖田の姉は松尾嘉代、喀血した沖田を気遣う老女は三益愛子。
第19話 「鳥羽伏見の戦い(後)」
新選組の最期、わけても近藤勇と沖田総司について、壮大に夢をブチ上げたファンタジー。「母」の、古怪な呪謡にも似た言祝に送られた隊士たちは、敵わぬことを識りつつ砲煙めがけて吶喊してゆく。
ロケ地
- 討薩表を掲げた使者が京へ上る旨、伏見の新選組へ知らせる急使が走る街道、北嵯峨農地竹林際。
- 薩軍が雲竜寺山へ大砲を引き上げる坂、および設置後の陣地、湖南アルプスか。
土方歳三にスポットを当てた、同じ結束脚本の「新選組血風録」や「燃えよ剣」とは異なり、この作品は近藤勇が主人公。演じているのが鶴田浩二なもんだから、そのマインドは武士道というより任侠路線、終わり際などはほぼ特攻隊のノリで、BGMに「同期の桜」が聞こえてきてもなんら違和感がないほどなのである。
栗塚旭の土方は、主役じゃないのでキャラクターの掘り下げ等は目立たないが、処々に司馬遼版土方ふうの言動が垣間見えて趣き深い。また、沖田役者として名を馳せた島田順司が別の役で出ていて、「沖田」と絡む場面が設けられているのも一興。沖田を演じた有川博の殺陣が、島田沖田の所作に似るところも面白い。
隊士では、伊吹吾郎の永倉、左右田一平の斎藤、河原崎長一郎の「ぞなもし」原田が、目立って活躍する。監察方の面々も、なかなかに見応えがある。
前には井上の源さんを演じた北村英三が饂飩屋の大将で出てきて、同じようなぼやきキャラなのも笑える。
会津公用方で出てくる高廣さんが渋くて良いのだが、この鶴田版に合わせての設定か、「華と散る」趣向がなかなかの見もの。
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