1996年 テレビ朝日/東映
キャスト
廻り髪結い・加納雨太郎/三田村邦彦 女医・幹/南野陽子 大道芸人・猪之吉/ベンガル 小料理屋桔梗板前・音次郎/岸本祐二 音次郎姉・おはる/辻沢杏子 猪之吉妻女・おしま/清水由貴子 猪之吉長男・新太郎/斧渕貴昭 船宿花筏女将・おゆき/鈴川法子 花筏船頭・長吉/大森貴人 一橋宗尹=八坂内蔵助/里見浩太朗 一橋家用人・小野甚兵衛/笹野高史
第1話 「闇裁き 花嫁化粧を待つ女」 1996.1.27
吉宗の死後、一時絶えていた秘密組織の活動が再開される、起こりの話。頭取の息子は、報いられること少なかった父の惨めさを思いお役目を一旦は拒否、しかし目の前で健気な娘の幸せが音を立てて崩れてゆくのを見過ごせず事件の渦中に。それはそのまま、影十八のリスタートとなる。
ロケ地
- 江戸城イメージ、姫路城天守。
- 仕事帰りの雨太郎に接触し影十八の再開を要請する八坂内蔵助のくだり、大覚寺五社明神。影扶持を入れてあるのは摂社の祠、舞殿には壁と扉あしらい。
- 不正を調査していた勘定吟味方改役の島崎が闇討ちされる夜の堀端、大覚寺御殿川畔と河床。島崎が文吉を待っている河畔の絵は手すりに寄ったアングルで大門他は映さず、立ち回りは河床で。
- 幹の診療所からの帰り、本気で足を洗うつもりかと雨太郎に問う猪之吉、大覚寺大沢池木戸周辺。
- おまちの入水を止める雨太郎、行きあわせ目撃する橋は中ノ島橋。このあと堰堤下でおまちを止め、橋下手の河原にしつらえた船小屋で衣乾かし・事情聴取。
- 島崎の墓、宝塔寺墓地(多宝塔の裏手)。八坂のダンナが雨太郎に島崎の手がけていた仕事について話すのは本堂階、北望のアングルで蔵や石塔が映り込む。
- おまちの父の病状を語る幹、上賀茂神社ならの小川畔。話を聞く雨太郎は神事橋欄干に腰掛け。
- 夜参りに出たおまちに接触する、逃亡中の文吉、不明(方形のお堂、傍に植え込み)。
- 普請奉行・進藤邸、鹿王院客殿座敷。前田が入ってくるのは庭先から。
- 前田に始末された材木商の死体が縊死を装って見つかる市中、大覚寺大沢池畔。木から下ろされる木曽屋を見つめる雨太郎に声をかける内蔵介のシーンでは背景に有栖川沿いの塀が来ている。この後義憤を口にする雨太郎に影十八の発動を要請する「宗尹」は大覚寺天神島祠。
- 一橋宗尹の招きがあったと勘定奉行・青山に話す前田、鹿王院客殿濡れ縁にガーデンセットあしらい。
- メンバーを招集し闇裁き再開を宣言する雨太郎、大覚寺五社明神舞殿。
- 一橋邸へ入ってゆく青山と前田、大覚寺大門。先に来ていた進藤がここは無人と言いながら出てくるのは式台玄関。門がひとりでに閉まったあとの立ち回りは映画村セットにスイッチ。
- 一橋家上屋敷イメージ、大覚寺蔵のクレーンショット。華道学校や遠侍の甍が重なる。
*雨太郎に花嫁化粧を依頼していたおまちは山辺有紀、恋人の大工・文吉は井田州彦で彼に材木の目利きを頼んでいた島崎は中嶋俊一。勘定奉行は有川博、普請奉行は峰蘭太郎、彼らの腹心の前田は木村栄、悪徳材木商は西沢利明で荒っぽい手下は谷口高史。
第2話 「張り込み 哀しき女の薄化粧」 1996.2.3
罪を犯し逃げ回る男を助ける女は女郎あがり、この災難が二人を同じステージに置いてくれたと喜ぶ健気な女ごころを見た雨さんは、愛の成就に手を貸す。
ロケ地
- 東国屋に傷を負わせて逃げた吉之助に金を持ってくるお駒、大覚寺五社明神。内蔵さんが現われたので二人はそそくさ去ってしまい、その後祠に書付と金を入れる次第。後段、心にもない憎まれ口を叩いて吉之助の求婚を退けるくだりでも登場、舞殿には壁をあしらい。ここは「閻魔堂」と雨さんたちの会話に出てくる。
- 一橋邸イメージ、大覚寺蔵の俯瞰。
- 北町奉行と東国屋が密談の屋形船、大覚寺大沢池に浮かび。これを見張る音次郎は放生池堤、幹がやって来て声をかける。
*敷島太夫として上州屋の先代に頼まれ吉之助の手ほどきをしたお駒は洞口依子、太夫時代の姉さんは一色彩子、東国屋に店を潰された上州屋吉之助は坂上忍。炭を買占め値を吊り上げる東国屋は大出俊、グルの北町奉行は石濱朗、手先をつとめる岡っ引は井上博一。
第3話 「小さな目撃者 動く死体の謎」 1996.2.10
破戒僧を脅して私腹を肥やす、仏像フェチの寺社奉行。これを成敗する筋に、出稼ぎ中間なダメ親爺と拗ねガキな倅の情話がからむ。
ロケ地
- 猪之吉が営業中に弁当を盗られる神社、上御霊神社舞殿脇。盗った握り飯を食らうゲンに雨さんが声をかけお説教する境内は本殿脇合祀摂社前。
- 寺社奉行の家臣たちが公儀目付の死体を埋めていてゲンに目撃される桜木神社、車折神社。死体入りの駕籠がゆくのは嵐電の車折駅へ通じる参道、追われたゲンが身を隠すのは摂社、「埋める」林は不明。
- 公儀目付の墓、二尊院墓地か。
*侍になったと嘘をついた駕籠中間のオヤジは赤塚真人、父に会いに江戸へ出てきた倅のゲンは山崎裕太。寺社奉行は加納竜、悪事を手伝う家臣は高品剛と朝日完記。
第4話 「凶刃 女ひとりの仇討ち化粧」 1996.2.17
再び江戸に現れた辻斬りの仕置き、父の仇を討つため操も投げ出す健気な娘の悲話が織り込まれる。このコにラブの「ぶっきらぼうで乱暴だけど優しい」音ちゃんは、思いっきり悲しい目を見るのだった。
ロケ地
- 閻魔堂脇の祠から書付と金を取る雨太郎、大覚寺五社明神摂社。
- お袖のアリバイ証言により出牢した音次郎が、なぜ偽証までしてと問う町角、南禅寺三門。背景に僧堂の塀が映り込む。
- 辻斬りが船で逃げる掘割、嵐山公園中州掘割。追っかけた猪之吉が走るのは渡月小橋下手右岸堀端。
- 宗尹登城イメージ、姫路城天守。
- お袖に恋する音次郎のことを話し合う雨太郎と幹、嵐峡(屋形船に乗船)。
- 曰く付きの刀を扱っていた研師のことを雨太郎に話す内蔵介、法輪寺参道石段。導入は山門越しのショット。
- 番屋に引っ張られたお袖を引っさらって閻魔堂に匿い手当てする音次郎、大覚寺五社明神舞殿。いつものように扉と壁あしらい、閻魔さま安置の内部はセット撮り。「扉」を開けて中に飛び込むシーンもある。
- お袖が姿を消したあと、雨太郎に経緯を話す音次郎、梅宮大社神苑・池畔。
- 内蔵介が影十八メンバーに辻斬りの正体を告げる閻魔堂、大覚寺五社明神舞殿脇。
- 一橋邸イメージ、大覚寺蔵のクレーンショット(バンクフィルム)。
*浪人だった父を辻斬りに殺されたうえ、役人に侮蔑の言葉を浴びせられ復讐の念に燃えるお袖は中原果南。表向き文武両道の好青年ながら変態辻斬りの尾張大納言の甥は鷲生功、行為の手助けをする腹心は石山律雄、尾張の江戸家老は早川純一。
第5話 「無実の証明 罠に落ちた愛」 1996.2.24
隠匿した阿片を、特効薬と称し売り捌く悪党ども。闇裁きは、彼らに無実の罪を着せられ処刑された青年の無念も晴らす。
ロケ地
- 猪之吉が営業していて市五郎の騒ぎに巻き込まれる神社、上御霊神社楼門。
- 市五郎の話から男親の苦労を雨太郎と幹に話す猪之吉、車折神社。参道石畳〜手水場〜拝殿。
- 祠から書付と金を取る雨太郎、大覚寺五社明神摂社祠。「十八」メンバーが入ってゆく閻魔堂は舞殿、中はセット撮り。
- 闕所になった仙波屋を出てきた番頭をつける猪之吉、まかれる掘割は嵐山公園中州掘割、猪之吉が出てくる裏戸は堰堤脇の店の裏に「演出」。
- 市五郎の倅のことを音次郎に話す雨太郎、桂川畔。事後、阿片を焼却する河原は罧原堤下汀。
*倅の無実を信じ、町中でわめき続けて若い衆にボコられたりする親爺は山田吾一。難破船から出た阿片を隠匿した黒幕の船手頭は有川正治、彼に使われる殺し屋の浪人は立川三貴で雇い主に妙に忠実。こやつらとグルな、仙波屋に送り込まれた番頭は粟津號。
第6話 「つぐない 過去を消した女」 1996.3.2
凶賊の出現は、むかし関わった者たちの過去を炙り出す。亭主の意思を守りたい健気な女房に突き動かされ、隠遁していた老爺は今ばたらきの元手下に向かってゆく。
ロケ地
- 猪之吉になつきついてきた坊が腰掛けて待つ閻魔堂、大覚寺五社明神舞殿。
- 凶賊・夜烏の清蔵が表の顔として営む曳船町の料亭・井筒、嵐山公園料亭・錦。
- 井筒屋から逃げてきた喜平を休ませ看取る雨太郎、大覚寺護摩堂前。
*失踪した亭主を捜すため夜鷹もする女房・お菊は山下容莉枝、元錠前破りの亭主は金井茂。夜烏の清蔵は伊藤敏八、小頭の佐平次は遠藤憲一、凶賊とつるむ背伸び婿養子の火盗与力は内田直哉。雨太郎の父によって更正を遂げた元清蔵のかしらだった喜平爺さまは高松英郎。今回内蔵のダンナ登場せず。
第7話 「江戸城大奥 ゆがんだ母の愛」 1996.3.9
地位保全のため、瀕死の我が子を生きたまま見捨てる外道の母。その黒い企みの贄に、むかし産み捨てたままの息子を使われそうになった中臈の、悲しいゆくたてが縦糸の哀話。
ロケ地
- 遊んでいた鶴吉がさらわれる養源寺境内、仁和寺九所明神。鶴吉を載せた大八を曳く男たちを目撃する雨太郎たちは仁和寺塔前の坂。大八が入ってゆく東海屋の寮は中山邸通用門。
- 江戸城イメージ、姫路城天守。平河御門、二条城本丸櫓門(内外両方のアングル)。
- 大奥イメージ、姫路城菱の門、塀に寄って小天守を望む図。
- 猪之吉が葛西衆の船にまじって侵入する道三堀、二条城内濠(奪還した鶴吉を「桶」に入れて運搬)。
*鶴吉の実母なお中臈は岡まゆみ、仕えるお部屋さまは松居一代。野心家の伊賀者頭領は鹿内孝、意を受けて動く東海屋は中丸新将。内蔵のダンナ、名前だけ会話に出て登場はナシ。
第8話 「拷問 行方不明の姉弟愛」 1996.3.23
はやり病が猖獗を極め、江戸の町は大混乱。雨太郎は自主的に動き始めるが、病は仕組まれたものと知れる。タイトルは早々にとっ捕まって監禁され、姉を死ぬほど心配させる音次郎、雨さんにお説教を食らう。
ロケ地
- 音次郎を諭したり、八坂のダンナとツナギをとる閻魔堂、大覚寺五社明神。
- 一橋邸イメージ、大覚寺蔵。
- 流行病の特効薬・萬王丸で患者が治ったと雨太郎に報告する猪之吉、梅宮大社境内(舞殿まわり)。
- 音次郎の服を着た売人の死体が発見され検分を受ける堀、大覚寺御殿川河床(勅使門橋下、降りるのに板を立てかけてある。診てこれは毒殺と断じる幹を、一味の浪人が見ているのは有栖川畔から)。
*薬種問屋の主は河原崎建三で番頭はうえだ峻、黒幕の元お毒見役は伊藤高。上水に毒を撒く侍のイメージに福ちゃん、頬っ被りで粉大量にざっぱーと投下。
第9話 「通夜の女 蘇る凶悪組織」 1996.4.13
十八メンバー各員とも親しい、面倒見がよく仏と呼ばれる岡っ引が殺される。しかし彼の通夜にはろくろく弔問客も来ないばかりか、安女郎が遺骸に悪態をつきにくるのだった。
ロケ地
- 岡っ引の辰次が土左衛門で見つかる川、嵐山公園中州掘割堰堤上。
- 雨太郎に頼まれた島帰りのリストを届けに来る八坂のダンナ、大覚寺五社明神。
- 辰次の通夜で悪態をついたおゆうに話を聞く幹、嵐山公園中州掘割下背割。
- 伊勢屋が地獄組のかしらではと話す雨太郎、桂川・松尾橋下手右岸河川敷(水制と土手上の並木が映り込む/ラスト、辰次の子が遊ぶ汀も同所)。
- 辰次の墓、招善寺か(丘の上、竹林映り込み)。
*辰次は田山涼成、女房は遠藤真理子、おゆうは岩本千春。伊勢屋は久富惟晴、グルの元関東取締出役・現南町筆頭与力は大場順、その腹心は井上高志。
第10話 「再会 黒い疑惑の花舞台」 1996.4.20
任務のため女剣劇一座に潜り込んだ雨太郎は、むかし「仕事」を見られたかもしれない薄幸の女が、その座の花形になっていることを知る。女は、米相場を操る富商の道具に使われていた。
ロケ地
- 八坂のダンナがツナギに来る閻魔堂、大覚寺五社明神。
- 一橋邸イメージ、大覚寺蔵←用人も米手形買ってる逸話入れ。
- 猪之吉の吹聴を聞いた春木屋が切米改役人と密かに会う屋形船、大覚寺大沢池に浮かび←音次郎が船頭で聞き取り。
- 雨太郎と夢之丞が追い詰められ土砂崩れで閉じ込められる廃坑の小屋、例の崖下のアレ。周辺の山道も映る。設定は八王子宿付近。
*夢之丞は羽根知里、彼女を身請けし白内障の手術も受けさせてくれた春木屋は小沢象←米価操り丸儲けの関東米穀問屋筆頭。勘定奉行は原口剛、切米改は堀田真三。夢之丞が女郎時代、雨太郎が殺しに来た船頭は福本清三で、お女郎からかう仕草ものけぞり気味。
第11話 「悪徳の華 裏切りの婚約者」 1996.5.4
悪事に手を染めることも厭わずお店のため精励する野心家の男、しかし上をゆく悪党どもには単なる手駒のひとつ。恋人を消された女の嘆きを見た影たちは、派手な演出で旗本屋敷へ。
ロケ地
- 天狗飛び切りの術を見せて唐辛子を売る猪之吉、仁和寺中門前(内側)。茶店に旗本がいて雨太郎を見かけて走ってゆく。雨太郎が打擲されるのは参道脇の林間。
- お静が幹に恋人の清之助のことを話す市中、仁和寺金堂前〜参道石段。
- 本所改方へ配属された若手同心が不正に激昂し、先輩方に物陰へ連れ込まれ宥められる水場、仁和寺鐘楼脇の水場(水掛不動参道脇)。
- 祠から影扶持を取り出す雨太郎、大覚寺五社明神。仕事の進捗状況を聞く八坂のダンナ、天神島。
- 主に言われ一時身を隠すという清太郎に、裏があると諭すお静、仁和寺九所明神。
- 事後、おどけて雨太郎に影扶持をせがむ幹、仁和寺御室桜林脇、背景に塔。
*お静は山崎美貴、清太郎は新田純一、お店の主は北町嘉朗。代々本所奉行で隠然たる力を持つ大身旗本は佐藤仁哉。消される同心は谷口高史。
第12話 「妻殺し 呪われた逃亡者」 1996.5.11
自作自演の悪徳祈祷師、遂に幕閣を虜にし幼将軍に近づかんとするところへ「影十八」発動の運び。その公家くずれの拝み屋は、子宝を望む若夫婦のささやかな夢をも蹂躙していた。
ロケ地
- 安倍夢麿邸、宇治・興聖寺山門。
- 夢麿のたいそうな評判を聞いた雨太郎が、思いついて行ってみると既に八坂のダンナが来ている閻魔堂、大覚寺五社明神。
- 伝馬町の牢も切り放しになる大火、被災者に炊き出しが行われる広場は大覚寺護摩堂裏手。
- 夢麿の手法を八坂に報告する雨太郎、大覚寺天神島。
- 登城する一橋宗尹、お城イメージに姫路城天守。
- 栄次の墓、招善寺か。
*女房殺しの汚名を着て入牢していた栄次は天宮良、女房は津島令子、義妹は古柴香織。子宝祈願の人妻に無体をはたらいたりもする夢麿は西田健、手下の強面は中田博久、夢麿に入れあげる側役は和崎俊哉。伝馬町の牢から切り放しになった囚人が摘発されるシーン、お仕着せ着た福ちゃんチラリ。
第13話 「迷い道 ゆすられた人妻」 1996.5.18
雨太郎の昔仲間が闇裁きに絡んでくる、切ない話。かつて円を成していたつながりは、もはや戻らない。
ロケ地
- 天野屋から帰る雨太郎を追いかけてくるお園、上賀茂社家町・明神川畔(藤木社越しの絵も)。自分のことは忘れて・二度と来るなと金を渡すのは下鴨神社河合社(南側外囲いの際、鳥居続きの朱の柵の傍)。
- 祠から影扶持と書付を取る雨太郎、大覚寺五社明神祠。八坂のダンナが舞殿に腰掛けて待っている。
- 天野屋に投げ文した浪人をつけてゆく音次郎、気づかれ切りつけられる神社、不明(鳥居と石畳、拝殿)。
- 雨太郎の回想、お園や源蔵と別れ発った日、別れの橋は摩気橋。
- 雨太郎を呼び出し助けてくれと縋るお園、柊野堰堤下手河岸(左岸側)に茶店の床机あしらい。
- 源蔵に呼び出され待つお園、引き込みを迫るところへ雨太郎が現れて水を差す林は下鴨神社池跡。
- 探索に失敗したと八坂のダンナに金を返す雨太郎、不明(祠か拝殿か)。
*天野屋の若い後添え・お園は蜷川有紀、仕官を望むあまり汚れ仕事に手を染める浪人・佐々木源蔵は高岡健二。雨さんは影の仕事を継ぐまでこの二人とつるんでいて、お園の稼ぎで遊んでいた設定。
第14話 「うそ 情婦のできごころ」 1996.5.25
大火の被災者に多額の義捐金が集まるが、たちまち賊が出て持っていってしまう。そのうえ賊からそれを掠め盗ろうとする悪党が、役人と大身旗本と来ていてげんなりの展開、タイトルのお妾さんの逸話はこれとのコントラストで清涼剤に。
ロケ地
- 被災者に炊き出しなど行われる両国の「お救い小屋」、大覚寺心経宝塔前広場にあしらい。範囲は五社明神あたりまで及ぶ。
- 盗っ人に入られる、義捐金を預かっていた町年寄宅、大覚寺明智門(中はセット)。
- 影扶持と書付を取る雨太郎、大覚寺五社明神祠。
- 賊だった星五郎捕縛後、今度の仕事は無かったことにと伝える八坂のダンナ、大覚寺大沢池南西畔(水無し)。
- 情勢変わり再度仕事にかかるとチームに告げる雨太郎、大覚寺護摩堂。のちのツナギもここで。
- 責め殺され下げ渡された星五郎が埋められる塚、鳥居本八幡宮広場(崖際)。後段、深夜の墓あばきなんかも出てくる。
- 金のありかを求める岡っ引に無体を働かれたおりんの髪を結い直してやる雨太郎、上賀茂神社ならの小川・神事橋たもと。
- 一橋邸イメージ、大覚寺蔵。
*絹商人の妾だったおりんは初瀬かおる、実は盗っ人だった旦那の星五郎は遠藤征慈、おりんに親切ごかしに近づく鍼医で星五郎の仲間だった宗玄は佐戸井けん太。黒幕の旗本は宮内洋、役名は加賀爪外記で時代劇的にはいかにも悪そうなネーム。こやつのパシリをつとめる町方与力は成瀬正孝。
第15話 「ワル 親のない子と子のない母と」 1996.6.1
棄捐令で丸儲けを企む悪党あり、音次郎が気に掛けていた掏摸の子らが関わってしまい、悲劇を生む。
ロケ地
- 峰次らが掏摸をはたらく神社、今宮神社。境内各所のほか、東参道も出てくる。
- 掏摸を咎めた音次郎について話し合う峰次ら、大覚寺護摩堂。
- 幕閣リストを渡す八坂のダンナ、大覚寺五社明神。
- 峰次らからアガリを掠めていた同心が、辰巳屋を強請りに行って死体で見つかる水辺、広沢池東岸。
- 同心の検分を見に来ていた峰次と母に事情を聞く雨太郎、大覚寺放生池畔に茶店あしらい。
- 一味が峰次のことを嗅ぎつけたと知り、彼らのヤサに駆けつける音次郎と猪之吉が走る道、大覚寺護摩堂前。
*峰次は藤田哲也、彼らの母代わりをしていた女は風祭ゆき。勘定奉行は田口計、悪徳札差の辰巳屋は波多野博、用心棒は石倉英彦。タカリ同心は伊東達広。
第16話 「人さらい 火におびえる女」 1996.6.1
大火で亭主と子を亡くした女の心は、愛する者とともに灰に。その火事を起こした材木商の子をさらい意趣返しをはかるものの、彼女は悪党の道具にされていたのだった。
ロケ地
- 寺子屋帰りの新太郎が、水に落ちた山形屋の倅と服を替えてやる小川、上賀茂神社ならの小川(直後誤認されてさらわれ)。
- 猪之吉が新太郎誘拐の件を皆に黙っていてくれと頼む水辺、大覚寺護摩堂前。
*火を見ると悪夢がフラッシュバックするおきぬは藤吉久美子、彼女の家族が死んだ火事を使嗾した山形屋は江藤潤、実行犯でいままた別の放火もはたらく山形屋元手代は崎津隆介、いま彼を使う山形屋のライバルは江藤漢。
第17話 「冷血 暗殺者の仮面をはぐ女」 1996.6.15
世を拗ねた男女の放埓は、掛け違った運命の果てにやりきれない悲劇を出来。男の将来を思い身を引いた女は、見たくもなかった変節を知ることになる。
ロケ地
- 和泉橋で刺客に襲われ川に落ちた勘定奉行の死体が見つかる下手の汀、嵐峡(左岸側の、巌が露出した汀。和泉橋は映画村の日本橋)。嵐峡で見物衆に混じる雨太郎に目くばせする八坂のダンナは切替でつないで大覚寺にスイッチ、二人話すシーンは五社明神舞殿脇で。
- 勘定奉行殺害の件で作事奉行を疑い食ってかかる「改革派の同志」の目付・片桐、城中を示す導入イメージに姫路城天守。
- お夏に昔の恋人の浪人が今の片桐なことを正す雨太郎、上賀茂神社ならの小川畔。
- お夏の回想、美人局で過って人を殺してしまい逃げてきた二人、大覚寺天神島。お夏が片桐を呼び出すのもここで、消されかかるのを雨太郎が出て阻止。
*十年ぶりに江戸へ戻ってきたお夏は岡本舞、おはる姉弟の幼馴染で両親の死後親戚に冷遇されグレた設定。お夏と美人局をはたらいていた浪人→片桐は片岡弘貴、こやつとつるみ邪魔者をまんまと始末する若年寄は黒部進。お夏たちを暖かい目で見ていた元岡っ引の爺さまは結城市朗。
第18話 「みちづれ 脱走犯の妻恋い唄」 1996.6.22
漂流し異国で暮らしていた漁師だが、女房への思慕絶ち難く帰還、しかし悪党に利用されてしまう。いつも逆らいがちの雨さんが、特に今回事態の理不尽さに暴走ぎみで傑作。
ロケ地
- 傷ついた友吉が追っ手から逃れ川へ身を躍らせる橋、中ノ島橋。その後長吉の船に会い助けられるのは中州掘割湛水域。
- 友吉の回想、嵐に遭ったあと陸地も見えなくなり漂流した海、琵琶湖か。
- 雨太郎が友吉を連れて浦賀へ行ったと八坂に話す幹、大覚寺五社明神。
- 雨太郎と友吉がゆく街道、大覚寺大沢池堤。浦賀の漁村、不明(マジ海、砂に岩露出の浜など。友吉の墓で海崖も)。
- 抜け荷の品を展示して売る南海屋の寮、大覚寺望雲亭。
- 寮に一橋の手の者が来たと脇坂に報告しにゆく南海屋、屋形船は大覚寺大沢池。
- お縞を後妻に娶った庄屋宅、民家門と玄関まわり。
- お縞が女郎に売られたと知り帰ってこなければ良かったと座り込んでボヤく友吉、大覚寺大沢池汀。襲撃者が現れるのは大沢池堤。
- 南海屋の禁制品リストを幹が八坂に見せていると忍者が出て襲う閻魔堂、大覚寺五社明神(セットと併用/幹が八坂に疑問を抱くシーンあり)。
- 事後、もし雨さんが漂流したらと笑い話をする幹、大覚寺放生池堤。
*友吉は羽場裕一、お縞は山口春香。友吉を通辞にして抜け荷をはたらいていた元長崎奉行は亀石征一郎、彼と通じる実は公儀隠密の南海屋は高品剛。
第19話 「女の意地 ワイロのからくり、闇裁き」 1996.6.29
家業に誇りを持つ献残屋の娘は、冷たい世間に怒りつんつん突っ張るが、父の死を乗り越え一から出直し。頑張る女が暮らす市中を、影メンバーもいつも通りに行き過ぎる。
ロケ地
- 品川と川崎の間に新しい宿場を作る件での調査を雨太郎に指示する八坂のダンナ、大覚寺放生池堤(釣りに誘い、二人ゆく水辺設定)。
- 新しい宿場の建設地・山根村へ赴く猪之吉、バリスト中の村境や、代替地の崖下、不明(田畔の地道/崖は例のアレか)。
- 目安箱に訴状を出そうとした山根村の若者、その殺害現場を目撃した娘に聞き込みの音次郎、広沢池観音島(対岸に野焼きの煙)。娘の回想、若者らが殺され川に突き落とされた橋、中ノ島橋。目撃者の娘が見知っていた実行犯の一人を捕らえシメる音次郎と猪之吉、吊るす木は大覚寺天神島の大木(カラス大集結の林は別撮り、木にとまったカラスをナメて天神島を見るショットも)。
- 夷屋が山吹色のお菓子を献上に赴く一橋邸、大覚寺大門。これを見張っていた猪之吉は、同じ門から八坂のダンナが出てくるのを目撃。ダンナは浪人たちと屋形船に乗り込み、そこでは作事奉行と材木商が密談、船着きは大覚寺大沢池船着(大)。
- 見た事実から一橋に疑いを持つ猪之吉、幹や音次郎も同調し、八坂のダンナを無視して去る閻魔堂は大覚寺五社明神舞殿。
- 父の墓に参る綾乃、二尊院墓地。その後雨太郎と話すのは本堂脇。
- 作事奉行・柴田邸、妙心寺隣華院(幹が潜入し賄賂リストを持ち出すくだり、あまりに容易く手に入ったこれが宗尹を嵌めるための仕込みという運び)。
*心ならずも悪に関わってしまった献残屋・夷屋の主は新克利、娘の綾乃は小林綾子。作事奉行は磯辺勉、悪徳材木商は睦五朗、宗尹を首謀者に仕立て上げようとしていた黒幕の老中筆頭は御木本伸介。
放送日についてWikipediaの「影十八」の記事を参照させていただきました(2009/5/1付の記事)。
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