1996/4〜8CX キャスト 第1話 「江戸の雪どけ」 捕えた賊が奉行所の牢内で毒殺される。背後には十年前狩谷の父が詰腹を切らされる羽目になった事件と同一の組織が絡んでいた。その事件で過失から今回と同様罪人を殺されてしまうという失策を犯した秋山、今度ばかりはと盗賊の一味に潜入し、そこで出会った女のために落命する仕儀となる。 ロケ地、OPナレーションに被せ八丁堀に八幡掘。雪の八幡掘をゆく船上の藤吉の姿などもある。同心たちが連れ立ってゆく、随心院長屋門前。本編、三次のことを秋山にツナぐ藤吉、大沢池北岸夜泊石付近。汀に舟着セット、秋山は係留してある舟の上、藤吉は植え込みの影、岸辺に茶店セット。ツナギ終えた秋山が去る、大覚寺放生池堤。藤吉が三次を匿ってある隠れ家、八幡掘東部かわとの家。このあと狩谷の父の一件を告げる藤吉、八幡掘明治橋たもと汀。今津屋が盗賊たちに指示を与える老中水野菩提寺の小石川・円正寺、随心院薬井門。事後、狩谷が参る累代の墓、二尊院墓地。藤吉と連れ立って帰る、紅葉の馬場(見下げ)。 第2話 「疵」 兄の腹イタの薬を取りに行って薄幸そうな女・おのぶと知り合う佳代、自らもじれったい狩谷に切ない思いを抱くゆえ深入り・肩入れ、首の傷のもととなった昔の男が帰ってきたのを我が事のように喜び応援。しかしその男は集団スリの一員で、真面目に働くとの言も空ごと、手入れの場に駆けつけ真から身を案じるおのぶを裏切者として刺し殺すという悲惨な結果に終わる。これを目の当たりにし塞ぎこむ佳代、腹を決めた狩谷は正式に求婚、泣き笑いの佳代で幕。 ロケ地、集団スリの神風連が出る縁日、上御霊神社境内。佳代におのぶの男が現役のスリであることを告げ手入れすることを告げる狩谷、大覚寺放生池堤(背後の大沢池にアヒル泳ぐ)。 第3話 「二つの絆」 狩谷と佳代の婚礼の支度が着々と進むなか、むずがゆい狩谷は市中に出て薬種問屋・玉水屋の主人殺しの一件に深入り。複雑な人情の絡んだ事件を解決した時には婚礼の刻限を過ぎていて、虎に掴みかかられるは佳代に泣かれるはの大騒動。仕切りなおしの婚礼の画で幕。 第4話 「父と子」 子供のため盗賊から足を洗おうとした仁助が仲間に殺害される。故郷の甲州から出て来た父親の弥作は息子の仇をとろうと毛皮まとい山刀ふるい火縄ぶっ放しベルセルクの如くの奮戦、返り血に塗れた祖父の手から怖じず父の形見の簪を受け取る孫娘、血の繋がりの不思議さが語られる。 ロケ地、盗賊一味に簀巻きにされ大川に投げ込まれた弥作が流れ着く、木津川流れ橋(橋桁無し・橋脚には無数の草が絡みつく)。栗原水落ちは橋上流側。弥作は怪しいと虎に話す狩谷、金戒光明寺三門。仁助の元勤務先の経師屋・清和堂に事情聴取の帰り、疑惑を口にし連行しようと言う虎に尚早と答える狩谷、妙心寺・福寿院への路地(奥の電柱にはカバー?)。弥作が清和堂に巣食う賊一味を呼び出す称名寺、金戒光明寺三門〜墓地。ラス立ちの墓地は途中から鳥居本八幡宮へスイッチ、鳥居下、井戸、広場を使用。 第5話 「囮」 牢抜けの松次郎が岡場所の情婦に会いに来るのを張り続ける栗原、一瞬心通わせたかに見えた二人だが彼岸と此岸の溝は埋まらず言葉も交わさず別れゆく。 ロケ地、明神下の妙を人質に取り松次郎の籠る堂、大覚寺五社明神舞殿に壁をセット。事後、狩谷が段取りしおゆうと栗原を会わせようとする寂念院中門、仁和寺中門。栗原が立ち遠目におゆうを見て踵を返す門は二王門。後悔しないのかと栗原に問う狩谷、上賀茂神社ならの小川神事橋上。用事があると去る狩谷は左岸畔を行く。残った栗原は神事橋下の川端に腰掛け川に石を投げる。 第6話 「朋輩」 悪魔は親切面をして忍び寄る。 ロケ地、墨坂を匿った荒れ屋敷からの帰途小室が渡る橋、中ノ島橋。そのあと俵木に呼び止められ墨坂の消息を聞かれる、大覚寺天神島大木と祠の間。凶盗の犯行現場に墨坂の印籠見つけ泡を食って小室が駆けつける黒磐藩邸、大覚寺大門。墨坂が監禁される蟠龍図のある寺、龍潭寺。小室が一味に加わる返事の約束の双龍寺裏の森、仁和寺塔東の疎林。伊平次一味は九所明神陰から現れる。小室が俵木と一騎打ち、五重塔バック。 第7話 「黄八丈」 南町の定回り同心が暗殺される。その妻は通夜の席でも気強く、覚悟はできていたので悲しむことなぞないと言い放つが、手は幼い息子の手を握り締めている。この烈女は亡夫にかかったいわれ無き嫌疑を晴らすためひとり奔走、それは全て息子の将来のためであった。 ロケ地、濱田屋を調べての帰途狩谷と虎が乗る船、大沢池、舟着は西岸にセット。政吉と屋台で飲りながら南町のやり口を非難する狩谷、大覚寺天神島汀に屋台セット。狩谷の指示で博打打ちの伊佐と接触の下引、渡月橋下汀、背後に大堰。濱田屋の息子が南町同心で殺された江口の無二の親友という田畑に金を渡す、相国寺鐘楼。濱田屋の息子は鐘楼脇の水路に突き落とされ脅される。田畑が殺した伊佐が生きているふうを装いハメる狩谷たち、呼び出す縁日は北野天満宮本殿裏の紅殻塀前。背中に「ひとごろし」と紙貼られる田畑。事後、桜花の下をゆく江口の妻子、大覚寺心経宝塔前。黄八丈の同心に駆け寄る剣之助、放生池堤。狩谷と虎が釣り船を出す、大沢池。 第8話 「甘い罠」 処刑された凶盗・暗闇の黒兵衛の情婦は召し捕った虎を恨み、社会的生命を断つべく罠に掛ける。女の境遇に同情していた虎なのに、かつ慕い纏わりつく同僚の娘の命を体張って守ってやったのに、折角の血書も無駄になり可哀想な、虎。 ロケ地、黒兵衛の処刑のあと奉行所から帰るお京が渡る橋、中ノ島橋。夜桜小僧を追う狩谷が虚無僧の天蓋を切り下げ正体を露にするが船で逃げられる、広沢池東岸。石和宿で捕縛されたお京を受け取って帰る甲州街道で夜桜一味に襲撃される虎、谷山林道。狩谷が一味の飴売りを捕まえ脅しつけるのに連れてゆく梟首台、下鴨神社糺の森池跡にセット。ラスト、立ち直り早い虎が捕物の最中ナンパ・またおさきを拾う、大沢池堤。 第9話 「掏摸」 掏摸を働いたあと性質の悪い侍にぶち当たってしまい無礼討ちにされる青年、残された仲間の秀は腹いせに北町同心の十手を盗み、また、無礼討ちした侍に突っかかってゆく。彼の所持している女物の煙草入れ(かつて共に暮らした女に買ってやったもの)から秀を倅と思い込んだ藤吉は親身に世話をするが、真の息子は侍に殺されたほうの青年だった。それを知ったのちも秀を構い「言ってみろよ、親父ってよ」と照れながら言い、翌朝きっちり仇を討ちにゆく藤吉、演技もさることながら演出が心憎いまでに利いている。 ロケ地、常吉が無礼討ちに遭う桜の下の縁日、大覚寺放生池堤。政吉からこのことの報告受ける狩谷、南禅寺三門。狩谷家累代の墓に参る藤吉、二尊院墓地。無礼討ちの侍・村井が出て来る賭場の開かれている武家屋敷、大覚寺大門。秀があとを尾ける、村井が入ってゆく邸、中山邸(門)。秀を探して歩いたあと藤吉が佇む水辺、罧原堤下河原。村井を尾けていた秀が誘い込まれゴロツキにボコられる、下鴨神社糺の森池跡。藤吉が息子二人の仇を討つのも同所。 第10話 「秘密」 市中で腕を斬られた女・鶴を助け、その後一人が怖いだの前から慕っていただの言われ深みにはまりかける狩谷。気持ちの揺れに佳代の顔がぼわーっとレイヤーされる演出(鶴の顔や狩谷のレイヤーもあり・タイトルの「秘密」もいつもと違う趣向)。だがしおらしそうなその女は遠島になった情夫の復讐のため近づいた盗賊の一味だった。鶴は島抜けして帰還した男に道具のようにあしらわれた末斬られてしまうが、最後は狩谷の背で「しあわせ」と幻の言葉紡ぎ事切れる。 ロケ地、女の悲鳴聞く狩谷、中ノ島橋上。右岸河川敷を走って駆けつける。その後も鶴とのからみで何度か中ノ島橋が使われる。雪のシーンもあり。狩谷に女に惚れているのかと聞く虎、広沢池西岸(二人は干上がった池底に立っている。ここ、ぬかるんでて時々足ずぼってはまるとこ。役者さんも大変)。狩谷が遠島にした盗賊・粂七の女こそ鶴だと告げる虎、永観堂? 第11話 「初恋」 満月が煌々と照らす夜、狩谷たちの前に血包丁持った女。ガイシャはゴロツキの仙蔵、別れ話のもつれと自供する中年女。シチュエーションに疑義抱き忖度する同心たち、江藤は女の名に思い当たる節あり、牢に赴く。果たして女は初恋の憧れのひとの成れの果てだった。 ロケ地、江藤の回想・菊枝の嫁入りの夕方、下谷練塀小路の旗本・寺内左門邸、随心院長屋門。 第12話 「恩人」 虎が入れあげる深川佃町の岡場所の董のたった女は藤吉が江戸払いとなった折り行き倒れたのを助けてくれた恩人。何くれとなく世話を焼く藤吉の前からふいと姿を消した女は盗賊に身請けされ、引き込み女として罪を重ねていた。女を捜す藤吉の動きが盗っ人らに危機感を抱かせ、女は盗みの現場で始末されかかる。押し込みは町方の手回り失敗、女は罪を自覚しながら苦界から抜け出したかったと狩谷と藤吉の前で泣く。 ロケ地、深川佃島・通称あひるに八幡掘(明治橋周辺・新町浜)。金策の理由を狩谷に問われる虎、中ノ島橋(橋下、堰堤バック。橋上からのショットも)。引き込みに入ったお種が吉五郎とツナギ、酵素二本の木の前。島送りになるお種、流人船の出る浜、広沢池西岸(水無)。 第13話 「女あわれ」 浪人暮らしの夫が業病に罹り、重い借金を抱えた女は甘言にのり証文詐欺に遭いどん底に落ちる。絶望し、いつも参っているお堂にへたりこむうち仏の声を聞く女。「お告げ」に従い仏像を骨董屋に売りに行ったことで通報され、狩谷に事情が知れる。盗みの件は有耶無耶になり解き放ち、しかし借金返済はどうにもならず女は高利貸しのものにされかかる。「仏の声」の一件が評判となりお布施の嵐の寺の住職から金をせしめた狩谷が駆けつけるが、女は高利貸しの座敷で冷たくなっていた。 ロケ地、「奇跡」の金銅仏の本覚院、神光院中興堂。ラストの櫛投げの橋、中ノ島橋、桜満開、川面には花びらが流れる。 第14話 「用心棒」 世直しを気取って凶行繰り返す旗本の部屋住みたち。目撃者あり、宮本武蔵と自称する「農村青年」、役宅に連れ帰ると何故か女たちの受け良く暖かくもてなされる。年貢を金で納めるため江戸に出て来た彼は腕を見込まれ旗本愚連隊に雇われ狩谷を斬る役を命ぜられるが、土壇場で金を叩き返し狩谷に助勢。彼の帯には佳代がお守りとして付けた鈴が揺れていた。 ロケ地、愚連隊の一人で押し込みの際死んだ部屋住みの屋敷・石川播磨守邸、相国寺林光院(門、玄関)。愚連隊のアジトの遠井寺町の荒れ屋敷の塀、「例の土塀」不明。ラスト、故郷へ帰る「武蔵」を見送る狩谷と虎に佳代、山室堤道に茶店セット。 第15話 「女賊」 水芸が大受けの菊水太夫、招かれた席で贔屓筋の商家の主が殺される事件が起こる。現場にはムササビと書かれた紙片が残されていた。これを皮切りに続く同様の手口の殺人、犯人は17年前凶賊に両親を殺された菊水太夫と分け前を増やすため殺されかかった盗っ人仲間の生き残り。 ロケ地、武蔵屋と密会の出合茶屋へ赴く菊水太夫、門に中山邸通用門。内部に錦水亭(木戸、橋、室内)。武蔵屋の番頭・嘉助と菊水太夫が密会の屋形船、大沢池と思われるが暗く水面しか映らず特定困難。嘉助の死体乗った屋形船を検分のあと着ける岸、嵐山公園中州岸。捨吉と菊水太夫が春庵を呼び出す船宿の件のツナギ、化野念仏寺・石仏群。捨吉の回想の八年前の京、自害しようと川に身を躍らせるおしの、中ノ島橋。狩谷に呼び出され話す太夫、大覚寺天神島。春庵を呼び出す深川の船宿、八幡掘東縁のかわとを持つ家にセット。捨吉が太夫の腕の中でこときれる水辺、広沢池西岸。 *第15話「女賊」は本放送時OAされなかったオクラ作品。スペシャル設定で尺長く、再放送時には前後編に分かれることが多い。 |