第18話 「花の吉原大脱走」 1992.2.25
逃亡の果て悲惨な死体で見つかる遊女、その哀れさにお奉行が乗り出す。以降舞台はほぼ吉原、逃がし屋をしている姐御肌の花魁や、横領した公金で楼を営む勘定奉行など入り乱れ、虚構の園では殺人も誤魔化されたり。
ロケ地
- 逃げた初風が忘八に見つかり嬲り殺しにされる土手、大覚寺大沢池堤。
- 千両持ち逃げの御家人という設定で、夢之介を勘定奉行らに接触させる捕物芝居、大覚寺五社明神。
- 仮死状態で運び出した三雲の早桶を開けて起こす三の字と八田、大覚寺天神島。
- 事後、水辺に佇むお奉行と三の字、桂川河川敷(臨川寺前・堰堤脇)。
*逃がし屋の花魁・小紫は鈴鹿景子、心中に失敗し奴女郎に落とされ、這い上がってきたという身の上。逃がし屋を手伝う幇間は広世克則、小紫を誘い出す囮に使われてしまう三雲は小野沢知子。阿漕な楼主は穂積隆信、怖い遣手婆は大方斐紗子、強面すぎる忘八に谷口高史。勘定奉行は原口剛、勘定組頭は水上保広。
*楼主と遣手は小紫にバッサリやられるが、八田がテキトーに誤魔化してて大笑い。
第19話 「奇妙な娘」 1992.3.3 54
焼きものにのめり込み親の財を食いつぶした男だが、創作は思うにまかせず、贋作作りに手を染めることに。ある日彼のもとに舞い込んだ依頼の品は拝領の窯変天目、これが運命を大きく変えてしまうのだった。
ロケ地
- 無理やりえんまに住み込んだおちかが毎夕五ツに窓から眺める閻魔堂橋、中ノ島橋。幸吉が源六と会っていると八田が「贋作一味」を摘発に現れ、おちかが八田に食らいついて彼らを逃がす運び。
- 橋から逃げた二人が潜む絵馬堂、大覚寺五社明神舞殿に扉あしらい。中はセットだが、表同様絵馬を付けてある。
- 元の仲間で大店の主におさまっている男を訪ねる二人だが、誘われた屋形船で源六が殺され幸吉は水に逃れるくだり、嵐峡か(夜間)。翌朝、源六の死体検分は嵐峡汀。
- 幸吉の取調べ結果を聞いた夢之介が、前勘定奉行切腹の経緯と、後を襲った現職への疑義を語る市中、大覚寺聖天堂前。
- 事後、所払いとなった幸吉が娘に会わず発つという街道筋、大覚寺放生池畔。お父っぁんと駆けてくるおちかは放生池堤。護摩堂の陰からお奉行が眺めている。
*幸吉は木場勝己、おちかは安孫子里香。幸吉らを騙し贋作で大儲けしていた観月堂主人は頭師佳孝、黒幕の勘定奉行は小沢象。
*ラス立ち、奉行と知っているからか、家来全員逃げ。
第20話 「名のない女」 1992.3.10
火付けで八丈送りになった遊女が島抜け、倒れてえんまに保護されたその女は、必死で無実を訴える。遠島の訳も遊女になった訳も同じ悪党の差し金、しかし凶賊の放った炎は、失われていた記憶を呼び覚ますのだった。
*ロケなしセット撮り。遊女・花蝶は岩本千春。幼い彼女をさらって育て道具にしようとはかった、中の人は凶賊の「父」は山本紀彦。グルの目付は江見俊太郎。
第21話 「裏入学をあばけ!」 1992.3.17 54
医者志望の町場の秀才に、妙に突っかかる若侍は医学館館長の倅。彼の言動は、父に対する尊敬とライバルへの恐れから来ていたが、父の真実を見た若者の心は折れかかる。
ロケ地
*アサリ売りの幸吉は中垣克麻、医学館館長の倅は金杉太朗で父は原田清人。裏口入学でグルの薬種問屋は田口計、番頭は唐沢民賢。
スペシャル 「国盗り夢物語」 1992.3.24
著名な仙石騒動のお話、産業振興策をとる家老と質素倹約を唱える家老の対立という「史実」とは違い、豊臣の隠し金なんか出てくる講談調の娯楽作。
現藩主を擁する御為派には虚無僧がつき、悪家老側は下屋敷に浪人を集めて気炎を上げる構図。虚無僧と浪人の市街戦でとばっちりも出てお奉行が乗り出すが、二つの勢力をよそに見て漁夫の利を得ようとする前藩主御正室の陰謀も出てきてしまう。そして黒幕は老中、北町にも圧力がかかるが、擬態の吉原通いがマジになりかけていた藩主をお奉行が諄々と説き正道に立ち返らせる。
ロケ地
- 出石城、不明(石垣と櫓)。
- 脱藩し江戸へ向かう勘定奉行・河野が忍びに襲われる山道、不明(切り通し)。
- 元出石藩士・神谷転である虚無僧・友鵞が起居する虚無僧寺・一月寺、常寂光寺仁王門。
- 前藩主正室・常真院が隠棲する月照庵、西明寺山門。
- 河野が縁戚の銀山奉行を頼り逃げ込む生野銀山、不明(小滝ある岩場、アレ)。
- 友鵞らが目安箱へ訴状を入れようとする辰の口評定所、二条城北大手門(橋上で刺客とチャンバラ)。
- 生野銀山奉行邸、不明(民家門、萱葺きで前に広いスロープ)。
- 江戸へ出立する前、息子に声をかける国家老・仙石左京、二条城清流園。
- 河野の墓に佇む妻女に「お蝶」のことを聞く次郎吉、大覚寺天神島汀。
- 妻女が案内する多田銀山瓢箪間歩(坑道を抜けると胡蝶の里)、不明(入口は先の生野銀山と同じ岩場)。
- 出石藩上屋敷、大覚寺大門。
- 月照庵を出たお蝶が「息子」で前藩主の落胤である瓢之助と参る天神さま、大覚寺天神島祠。
- 月照院にお蝶を訪ねた友鵞が話す川端、西明寺下の清滝河原(瓢之助が母を探してやってくるのは参道脇の崖)。
- 江戸城イメージ、姫路城天守と二条城北大手門。
- 国へ帰る出石藩主を見送る奉行と次郎吉、大覚寺大沢池北岸の並木道(林越しに心経宝塔)。
*仙石左京に亀石征一郎、評定の席でつるんでいた老中に見捨てられたうえ「田舎家老」と詰られブチ切れ、「卑怯者め道連れにしてくれるわ」と斬りかかるから傑作。これにビビったか老中の御木本伸介は賄賂の額を口走り、お奉行に突っ込まれる仕儀に。観念した左京「地獄の鬼どもが迎えてくれるわフハハハ」に鈴ヶ森で斬首のナレーションが被さる。お蝶に野村真美、江戸家老は荒木しげるでラス立ち扇で大わらわ要員。神谷転(うたた)は金田賢一。
*八田同心の「活躍」はフライングで藩邸に入ってしまい監禁、いいだけ馬鹿呼ばわりされてさんざんだけど、ラス立ちで女を巻き添えにした浪人をシメ上げる場面も。
第22話 「翔べ!見習い同心」 1992.4.21 54
殉職した父の後を継いだ見習いは、学問の道が断たれたと不平タラタラ。しかし八田の手荒い指導を受け、父を亡くした娘の嘆きを見て、お役目に邁進してゆく。
ロケ地
- 勘定奉行が札差と良からぬ相談をするお寺、神護寺鐘楼。
- 勘定奉行・牧野但馬守邸、大覚寺勅使門(イメージ)。
- 贋金作りに引っ張り込まれた元金座小判師が死体で見つかる河原、罧原堤下汀。
*見習いの生意気青年は鼓太郎、父は田端猛雄。勘定奉行は田中浩、悪徳札差は川辺久造、元小判師は多賀勝で娘は林美里。
第23話 「命かけての恋で候」 1992.5.26 54
御用金を盗ったうえ船を爆破してゆく海賊、その船を宰領していた次席家老の倅は、父の仇を討つべく奔走。江戸遊学中の彼には身分違いの情婦がおり、頭に血がのぼった女は珍妙な行動も仕出かしてしまうのだった。
ロケ地
- 佐垣が焼け焦げた弁天丸の船板を見つける下総・袖ヶ浦の浜、琵琶湖岸。
*高輪の矢場女将・おぎんは神保美喜、彼女の男の竜堂家の侍は並木史朗。裏で海賊をはたらく回送業の因州屋は幸田宗丸、グルの船手頭は黒部進。
*おぎんがえんまに乗り込み気炎を吐いたのは、榊夢之介と佐垣梅之助を取り違えたため←すぐ頭に血がのぼる性格という設定。
*お奉行のはからいで、おぎんは八田の父がよそで作った子として武家の嫁に。
第24話 「密造酒を追え!」 1992.6.9
飢饉で酒造りが制限されるなか、これ幸いと闇酒で大儲けを企む悪党ども。代官に騙された酒造家が根絶やしにされかかるが、斬られて逃げ込んだ店は深川のえんまだった。
ロケ地
- 酒井村へ赴く三の字、不明(田畔の道)。升屋、不明(民家、庭に形の良い大きな木)。役人が三の字と逃げた升屋の嫁を追ってくる道、不明(水戸黄門32・第12話で出た紅殻の塀と同じ)。
- 伊勢屋が升屋の後釜の酒造家と会う屋敷、不明(五本線の塀に唐門、右手に竹林の小丘のアレ)。
- 嫁のしのが義父の墓に参りにゆく深川墓地、不明(実際の墓地に演出か。演出かもの六地蔵の裏手に竹林、傾斜あり…普済寺の墓地に似る)。
*升屋の若夫婦は中西良太と加藤由美、升屋は佐々山洋一。地方の酒造家に酒を作らせ暴利をむさぼる伊勢屋は前田昌明、黒幕の寺社奉行は中田浩二、升屋を騙した代官は松本朝生。ラス立ち福ちゃん入り・寺社奉行の家来で逃げない系。
第25話 「悪女の秘めごと」 1992.6.16 54
藩財政を救うため犠牲になった姫は、家に戻されるも心壊れ乱行を重ね、しまいには屋敷に逃げ込んできた賊と深間に。捕われた彼を奪還すべく、姫は北町同心に近づき色仕掛けで情報を取るまでするが、それ以上の悪行は奉行も父藩主も捨て置かないのだった。
ロケ地
- 釣り帰りの五郎八が三沢同心と浜路のデートを目撃する不忍池、大覚寺放生池堤。
- 旅姿で板橋宿へ向かう丹兵衛の手下たち、酵素ダートか。
- 三の字に手下の動向を聞き馬で急行する夢之介、嵐山自転車道。
- 岩松藩上屋敷、西本願寺大玄関門(イメージ)。お奉行が藩主と会う庭(着流し姿で勝手に入り込み)、中山邸無畏庵前苔庭。
*姫様は蜷川有紀、父藩主は小笠原良知、姫付きの家士は谷口高史、姫にベタ惚れの賊のかしら・丹兵衛は浜田晃。姫が色仕掛けで護送ルートを聞き出す同心は山内としお、妻女は日下由美。
第26話 「俺は天下の大悪党」 1992.6.23 54
悪党の動向を読んだお奉行は、仲間に引き込まれそうな男の家に弟子入りと称し潜入。立派に更正した元義賊を守ってやるばかりか、父の前科を何も知らされていない娘にはちゃんと内緒にしてやるのだった。
ロケ地
- 綱使いの千次が誘いを断って殺される水辺、広沢池東岸(水少なし、夕景演出)。
- 弓道場に聞き込みの帰り、三の字に矢が射掛けられる林、鳥居本八幡宮広場。
- 闖入者の夢之介に反発し家を飛び出したお美乃が佇む水辺、大覚寺大沢池畔(木戸の傍)。話しかけた夢之介から逃げ、賊の手下にさらわれるのは石仏前・護摩堂脇。
- 賊が仁吉を呼び出す駒繋ぎの池、広沢池西岸湿地(養魚場)。
- 火盗与力が三の字を狙う夜の橋、中ノ島橋(ドボンと見せかけ橋桁にしがみつき、敵が去ったあとすぐ上がってくる。何を投げ込んだかは不明)。
- お美乃を乗せて去った屋形船を求め船を出す三の字、嵐峡。監禁場所は神光院中興堂(役者は出ず、中に灯ともして前景に藪など演出)。
*仁吉は三ツ木清隆、お美乃は塙紀子。黒幕の火盗与力は小林勝彦、賊のかしらは市川好郎でスカウトの手下は赤城太郎。
*タイトルは、お美乃に前科を告白するという仁吉を制したお奉行の台詞「俺は悪党のままで」。
第27話 「北町恋ごよみ」 1992.7.7 54
大店の沽券を汚い手で掠めとる悪党ども、手先となって男を手玉に取る美しい後家には、人に言えぬ事情があった。観音寺与力の老いらくの恋がからむ、しんみり話。
ロケ地
- 互いの連れ合いの墓に詣で挨拶を交わす観音寺としの、二尊院墓地。帰り道の境内は粟生光明寺石段上部、二人の背景に本堂大屋根が来る。
- めかしこんだ観音寺がくぐる光明寺山門、粟生光明寺山門(看板そのまま)。つけてきた八田が門に寄って見ている。石段をのぼると踊り場に茶店がしつらえてあって、しのが待っている(このあと食事してデートの運び)。
- 丸子屋から出てきた源次をつける三の字、大覚寺天神島朱橋〜石仏(裏に源次が隠れ三の字をやり過ごし)〜五社明神裏手〜セットのしの宅にスイッチ(中から観音寺の唸る「江口」が漏れ聞こえる趣向)。
- 観音寺に、しのは怪しいのであきらめるよう忠告する五郎八、上賀茂神社ならの小川畔(導入は右岸側から遠景、奈良社の鳥居が鮮やかに映り込む。二人の立ち位置は神事橋下手、橋たもとに露店があしらわれている)。
- 息子の小太郎と墓参のしの、二尊院墓地。粟生光明寺山門で編笠着たお奉行とすれ違い、この後お奉行は粟生光明寺本堂縁先で和尚にしの母子の身の上を聞く。寮へ帰る小太郎としのが別れる坂、大覚寺大沢池堤(小太郎は堤をおりてゆく)。
- 新たな的から早く沽券を取れと急かされて帰るしのの前に立つ夢之介(しのも同席の料亭で「扇」見せつけたあと)、吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居下(夜)。
- 鬼塚邸、相国寺大光明寺。導入は表札かかった門、復職の見込みを語りガハハの庭先は方丈前石庭、お奉行が乗り込んでくるのは中仕切門から、南通用門の向こうから高張提灯が突き出される。
- 事後、息子とともに長崎に発つしの(所払い)を見送る観音寺、大覚寺放生池堤。隠れて見守るお奉行たちは放生池畔に、帰り道三の字と五郎八がお祈りの祠は天神島祠。
*しのは麻丘めぐみ、彼女を脅して道具に使う丸子屋は工藤堅太良で乾分の源次は岡部征純、黒幕の元火盗改は外山高士。光明寺住職は徳田興人。
第28話 「見破られた次郎吉」 1992.7.14 54
鼠小僧次郎吉が助けた姉弟の話、御典医への推挙も近い青年が、ライバルの陥穽に落ちるが、「夢」チームの奔走で事なきを得る。危ないこともして助けてくれる三の字を、もしやと思うも黙す姉の心情がいじらしい。
ロケ地
- 鼠小僧の墓石を博打のお守りにする話を聞く茶店、真如堂茶所。
- 次郎吉の祥月命日に墓に参りに来るお久、西方寺小谷墓地池端に墓標あしらい。
- 宗吉が拉致される道(小石川養生所から新富町へ向かう途中)、真如堂裏手から金戒光明寺墓地へ通じる道(石橋を渡って「中」へ連れ込まれ)。
- 錠前師・卯之吉一家に関する三の字の回想、金が無く娘の目を治してやれないと嘆く父に仕掛け錠作りの話を持ってくる男、広沢池観音島。次郎吉が金を与えたあと、弟に手を引かれ長崎へ発つお久、広沢池東岸(見届けた次郎吉が錠前を水に投棄)。
- お久の話を聞き、会わせてと願う三の字、真如堂万霊院前(蔵も映り込み)。
- お久の弟を助け出すも、金の出所を聞かされて自棄の件を夢之介に報告する三の字、真如堂境内・墓地際。
- どちらの正体もバレてると笑う、お久を見送った三の字と夢之介、真如堂本堂前。カメラパンして塔や水場も映り込む。
*お久は芦川よしみ、父と次郎吉の話を立ち聞き声を、顔を触らせてもらって形を覚えている設定。父は中野誠也、弟は西川忠志。弟のライバルの父の薬種問屋は高城淳一、グルの元若年寄は仙波和之、彼らにネタを振るも始末されてしまう同心は田中弘史。
第29話 「見えぬ疫病神」 1992.7.21 54
三の字が住む長屋でコロリ発生、封鎖→焼き払いの運びに。性急で乱暴な次第の裏には、土地を買い叩こうとする汚い企みが隠されていた。コロリではない病気の女児を、封鎖中の長屋から運び出す手立てが見ものの人情話。
*ロケなしセット撮り、江戸城イメージも書割。
*コロリに罹ったことにされた娘の父の浪人は横光克彦、大家は北見唯一、結局助けてくれる職人夫婦は上野淳と阿部朋子。黒幕の幕閣は川合伸旺、悪徳商人は福山升三、グルの御典医は幸田宗丸(患者の女の子に毒使っててサイテー)。悪党一堂に会す場にいて、お奉行乗り込み時一緒に高笑いの珍しい斬られ役の家来に峰蘭太郎。封鎖された長屋から梯子かけて無理に出ようとした男を大目付配下の鉄砲隊が狙撃、その銃隊の一人に福ちゃん。
*コロリに怖じず三の字に接したことで感謝されるお杉だが、コロリを誤解していたオチつき。
第30話 「殿様は盗っ人上り」 1992.7.28
笹沢藩の殿様が撃たれ、お奉行が居合わせて看取るが、その顔は三の字と瓜二つ。いやいやながら、ちょっといい気にもなって殿様に化ける三の字だが、案の定奥方には偽物と気付かれてしまう。
ロケ地
- 遠乗りの槇原右京太夫が単騎走る土手、木津堤(チラ見えの立派な屋根は合成か)。撃たれ、落馬したうえ橋から落ちるのは流れ橋。釣りに来ていたお奉行たちが流れてくる右京太夫を見つけるのは木津川の汀。
- 三の字が急遽呼びつけられるお奉行の菩提寺・浅草浄雲寺、法輪寺山門。右京太夫の遺体が安置されていて見せられ。
- 御舎弟が住まう笹沢藩下屋敷、嵐邸中門か。
- 若君の危機を救ったことで奥方に正体がバレてしまう上屋敷の庭、中山邸庭。
*奥方は北原佐和子、お付きの侍女は佐藤恵利、江戸家老は穂高稔。御舎弟は南条弘二、これに通じる用人は堀内正美、悪徳商人は高桐真、スナイパーの猟師は小船秋夫。
第31話 「女泥棒の悪い癖」 1992.8.18 55
女の説教強盗に興味を持ったお奉行は、捕まえる前にと一芝居打って会いにゆく。その女賊、入った先でとんだものを見てしまい追われる羽目に。そやつらは、御用金一万両強奪の大悪党なのだった。
ロケ地
- 御用金が強奪された中仙道熊谷宿付近、酵素か(山道)。
- 物思うお富に声をかける夢之介、南禅寺三門。幼いお富が捨てられ、盗っ人の親方に拾われた浅草の観音さま、今宮神社楼門(セピア、コマ落とし止め絵)。
- 能役者邸から出た怪しの山岡頭巾を尾行する三の字、大覚寺有栖川畔〜五社明神(ここで誰何され斬りつけられる)。すっ飛んで逃げるのは護摩堂裏手。このことを夢之介に報告する水辺は大沢池畔。
- 慌てて一万両を移送する一味の前に立ちはだかり指弾するお奉行、南禅寺僧堂坂。殺陣は三門に移動してゆく。
- 所払いとなったお富が、八兵衛と伊豆へ湯治に向かう道、大覚寺放生池堤。放生池畔からお奉行と三の字が陰で見送り。
*お富は伊藤美由紀、彼女を構う元岡っ引の爺さま・八兵衛は今福将雄、お富にネタを提供するチンピラは丹古母鬼馬二。能役者は中田博久、手下の強面は阿波地大輔と福本清三、黒幕の旗本は田中浩。
第32話 「夢之助が賭けた男」 1992.8.25
大胆にも、はっきりとした殺人者を匿い逃がすお奉行、切腹覚悟なうえ逃がす際自身は撃たれて負傷。一度は「親切な浪人さん」を見捨てて逃げようとする若者だが、捨て身で助けてくれた人のことが頭を去らぬ、夢之介が見込んだとおりの男なのだった。
ロケ地
- 俵屋殺害のくだり、俵屋が出てくる料亭は大覚寺望雲亭。迎えの駕籠は大沢池木戸をくぐり、俵屋に斬りつけた仁吉が共に落ちる堀は有栖川、しばらく有栖川河床を逃げ回ったあと、御殿川へ上がり身を潜める。駕籠屋がお昼を使っていた大工に惨事を伝えるのは大沢池畔。
- 仁吉の恋人に事情を聞く三の字のくだり、お絹が物思いに沈んでいた水辺は広沢池観音島。お絹が語る、仁吉の妹の亡骸が発見されたときの情景、人だかりがしているのは大覚寺大門前、舌を噛んで死んだ妹の死体は御殿川河床。
- 仁吉が撃たれ負傷した夢之介を連れ込む漁師小屋、広沢池西岸湿地にあしらい。
- 仁吉がお絹を呼び出す神社、今宮神社稲荷社。仁吉は稲荷社の中にいて、玉垣の隙間から外のお絹に話しかける。
- 三の字を昏倒させ逃げる仁吉、夢之介から託された印籠も投げ捨ててゆく水辺は広沢池北岸汀。
- 一旦お絹と逃げるも、思い直し船を陸につける仁吉、広沢池東岸。
- 遠島となった仁吉が送られる浜、広沢池東岸に柵と船着きあしらい。三年の遠島となった次第を三の字に話すお奉行、大覚寺大沢池畔に茶店あしらい。
*仁吉は冨家規政、お絹は藤奈津子。仁吉を嵌めて妹をとった悪辣な口入屋・俵屋は西山嘉孝、番頭は森章二、黒幕の普請奉行は遠藤征慈で仁吉の妹はこやつの贄に供され自死。ラス立ち福ちゃん入り、越中守の家来。
*慈悲深い顔を繕っていた俵屋にころっと騙され、ヒステリックに仁吉を追う町衆が、三の字にちょっと事情を説明されただけで百八十度態度を変え仁吉の味方になる、ちょっと漫画チックな展開があり笑える…時間無かったのか。このほか、お奉行撃たれちゃうくだりもアレで、腹撃たれて血ボトなのを芝居とかかすり傷とか。
第33話 「壺ふり女医者」 1992.9.1 55
婚期を逸した女医が、とんだ男につかまりかけるが、真に彼女を思っていた男が阻止、夢チームも力を貸す。心に闇を棲まわせた救いようのない悪鬼は、お奉行が始末。
ロケ地
- 伊勢屋の女中が犬千代に斬られる石段、法然院か(上に石塔)。
- 犬千代が住まう回向院裏の屋敷、法然院山門。
- お奉行が水戸家用人に声をかける市中、妙心寺玉鳳院前路地。
- 犬千代を成敗しにやってくるも返り討ちに遭う水戸家用人、大覚寺大沢池北辺水路、天神島。犬さまは釣りの最中。
*女医は友里千賀子、彼女を憎からず思う口入屋は河原崎次郎。犬千代は立川三貴、みだらな母を殺した幼時体験を持ち女を憎悪、嫡子ができて自分を見捨てた父に反発、拗ねて歪んだキャラクター。旗本とトラブルを起こし、お奉行が収めてやった経緯あり。元若様を手にかけようとする用人は溝田繁。犬千代を利用し地位向上をはかる伊賀者は谷口高史ほか、犬さま子飼いのチンピラは中嶋俊一。観音寺与力が報告の段で、また女の土左衛門という話にどよめく役所の人に福ちゃん。
第34話 「夢之介最大の危機」 1992.9.15 55
欲に駆られた悪党の嗅覚は凄まじく、お奉行の裏の顔が知られてしまい、北町の獄にいる、たんまり盗み金を貯めこんだ盗っ人の解き放ちを要求され、お奉行危機一髪。突破口は、はじめて温かい情に触れた、賊の情婦が開いてくれる。
ロケ地
- お新を怪しんで三の字と話すお奉行、回想シーンで出る甚左の爺さまは第二シリーズ第二話のバンクフィルム、ロケ地は清滝。
- 甚左を訪ねるも荒らされ障子に血べっとりだったと報告する三の字、妙心寺放生池端、北側から衡梅院方面を見る図。
- 五郎八と遊びに出た帰り、さらわれてしまうお新、大覚寺五社明神。
- 賊どもの脅迫を受け、奉行や娘に詫びつつ臍を固める五郎八、大覚寺天神島。東側から島の端を岬のように映す。
*五郎八の娘との触れ込みで現れるお新は伊藤美紀、彼女の情夫の凶賊は曽根晴美で、手下に石倉英彦や井上茂など強面揃い、黒幕の旗本は黒部進。賊と通じる南町同心は志茂山高也、北町に捕らわれた賊は原口剛、甚左の爺さまは浜田寅彦。
→ 八百八町夢日記 2 表紙
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