1983.7.22フジ/東映
キャスト
古谷一行 山口果林 斉藤とも子 中島ゆたか 本阿弥周子 荒木雅子 平泉征 林彰太郎 高松しげお 中村錦司 大木晤郎 丘路千 伊庭剛 御木本伸介 北村英三 浜田寅彦 菅貫太郎 北村和夫 山形勲
ナレーション/芥川隆行 監督/松尾昭典
大御所・家斉の晩年、彼に群がり権力をほしいままにしていた者どもは、次の世にも権勢を振るおうとして謀をめぐらす。
硬骨漢の寺社奉行・脇坂淡路守は、中野石翁を頂点とした勢力を殺ごうと甥たちを動かすが、遂に自身も闇の手にかかって果てる。
残った甥・島田新之助はただひとり石翁の屋敷に乗り込み蛮勇を振るうが、同じ頃お城では、水野越前守が詐術を用いて一味の幕閣に引導を渡していた。
ロケ地
- 天保11年春、吹上庭で催された西の丸大奥総出の花見、二条城清流園(茶亭も使用)。歌くらべで勝ったお多喜の方(寵愛第一の若い側室・懐妊中)が短冊を枝に結ぼうとして踏み台から滑り落ちる。
- 釣りの新之助と良庵が船で登城する石翁を見るくだり、町方が見物衆を退ける橋は宇治公園・橘橋。新之助たちがいる川端は宇治河畔か。
- お多喜の方を見舞う石翁のくだり、大奥イメージに姫路城西の丸。
- 新しいお末として登美が中年寄・菊川の部屋子に配属されるくだり、大奥イメージに二条城外観(東大手門越しに二の丸御殿の甍、高所から)。
- 脇坂淡路守邸、相国寺大光明寺。「登美」が宿下がりで来ていて踏み台のことなどを「報告」。
- 石翁邸(向島隠居所)、中山邸通用門。
- 良庵が目隠しして連れて行かれ「高貴の方」を診る寺、毘沙門堂。良庵が入る時点では真っ暗、後段弟子と新之助が捜しに出るくだりでは昼間で参道坂や薬医門、玄関など出てくる。寺設定は、新之助が僧侶を質していることから。
- 寺から運ばれた駕籠の行き先を訪ね歩く新之助たち、船頭が証言する川端は大覚寺大沢池畔、遠景に望雲亭。ここから船を出したなら向島、石翁の屋敷と新之助が推理。
- 前田家用人の子を宿した菊川と、彼女を診た良庵が心中態で見つかる河原、嵐山公園水路側河川敷(橋下手、右岸)。
- 城内を探っていて大奥御添役・落合に言い寄られる登美、枳殻邸侵雪橋〜築山。直後、植木職の六兵衛(脇坂の密偵)が現れてツナギ。
- 牢死として運ばれていった女の骸を追い小塚原へ赴く新之助、下鴨神社池跡(柵や小屋あしらい、菊川が着せられていた衣を発見)。
- 大御所を見舞うため登城する石翁の船に菊川の衣を放り投げる新之助、宇治公園橘橋。この橋の欄干越しにやってくる船を見る図には、宇治橋の橋脚が映り込む。橋の下を船がくぐってゆく絵も出る。
- 大御所を見舞う将軍・家慶に、食の進まぬ大御所に非礼なので出された膳に手をつけぬよう「忠告」する美濃守、二条城本丸櫓門(輿でやって来てここで降りる運び)。
- 石翁邸に潜入し、お墨付きを盗ろうとして露見した豊春を助け船で逃げる新之助、不明(夜間撮影)。明るくなって上陸する船宿は、嵐山公園・中ノ島橋上手の中州料亭裏手、橋脚をナメて。この船宿で「踏み台」持ってきて登美を口説こうとした落合をシメていると、石翁の息がかかった町方が出て大騒動、落合と町方は窓から堀にドボン。
- 踏み台ごと石翁の前に連れて行かれ詰問される落合、枳殻邸臨池亭。
- 登美が大膳を誘き出すくだり、加賀藩上屋敷は大覚寺大門。出てきたところへ新之助が現れてお供とチャンバラは五社明神。押し込める寺は西明寺、イメージに山門が映り、家に戻れと登美に指示するシーンで本堂廊下。
- 石翁に裏切られボロボロになった落合が登美を襲う道、相国寺大光明寺通用門前。六兵衛に送られてくる登美を隠れて待つ落合は湯屋角に潜む。これに先立って門前に立つ姿もあるので、設定は脇坂邸直近。
- 登美の死を受けて自らも命を賭す覚悟を決めた脇坂が石翁と会う屋形船、大沢池か。脇坂が死体で見つかる河原、中ノ島橋下手右岸河川敷。見物衆は橋上に。
- 脇坂が酔っての事故死と処理されたあと、圧倒的な石翁の力に落ち込み前後を話し合う新之助たち、踏み込まれて逃げるシーンは西明寺境内をたっぷり使う。六兵衛が犠牲となり二人を逃がす。
- 大御所逝去を受け諸士続々登城のくだり、イメージに姫路城天守(触れ太鼓の音被り)。城門は東映城と彦根城天秤櫓。
- 石翁邸へ斬りこむ新之助、石翁を討ち果たすのは枳殻邸臨池亭前池畔。石翁の前に辿りつくシーンでは護衛の侍が福ちゃん。
- 水野の取り立てを断った新之助に、これから何をと問う豊春師匠、流れ橋上。城でもぶっ潰すかと呟く新之助、イメージの天守は姫路城。
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