女ざむらい只今参上

渡辺邦男監督作品  1958.6.29松竹


 お転婆娘に手を焼いた回船問屋の主は、親交のある桂小五郎に相談。お屋敷奉公にでもと思った父の思惑はみごとにはずれ、男勝りの娘には物騒なお役目が降ってくる。
若衆姿で東海道を上るお春、襲い来る敵から逃れるためさまざまな姿に身をやつし、どの場面でも歌って踊って華やかに振舞う。京では国家の大事を決める場に登場したり、鳥羽伏見の弾雨もかいくぐったり。そして江戸、官軍はお春の店の前を行進してゆくのだった。

京都御所

ロケ地

  • 冒頭、情勢を語るテロップに被る、早馬駆ける街道、不明(松並木)
  • 浪士狩り頻発するなか、新選組が結成される話が各藩代表に知らされる長州屋敷、京都御苑管理事務所東門。門の脇に海鼠壁パネルあしらい。
  • 将軍直々のお達しと最後の任務が言い渡される隠密屋敷、中山邸門
  • お春をつけてきてスカウトする隠密のお藤、梅宮大社神苑・門傍。元田が出てお藤に杉礼次郎の人相書を見せるのは神苑池端。
  • 京へ向かうお春がゆく街道、琵琶湖を望む高台の道。杉がゆく街道、不明(林道)。お藤が杉を追ってゆく道、琵琶湖流入河川河口橋(山の見え方から長命寺川かその付近と思われる)。天堂一味がゆく街道、琵琶湖岸松原沿いの道。
  • お春がやっつけた雲助の注進で岡っ引が御用とやってくる水辺、大覚寺天神島(設定は箱根、立ち回りの前に歌が披露されている)
  • 荒井関所、琵琶湖を望む高台か。柵あしらい。
  • 関所手前、お昼をつかう尾上駒之丞一座、大覚寺護摩堂。捕り方が殺到してくるのは放生池堤、太夫がお春を一座の者だと言い張りごまかしてくれるのは石仏前。
  • 商人に化けた杉が早馬をやり過ごす神社、鳥居本八幡宮入口付近。前の「地道」を馬が疾走、周囲に建物もなし。その後お藤がピストル突きつけるのは付近の竹林際田畔か。設定は荒井手前。
  • 石部宿を過ぎた街道筋、ゆうべ飛び出したお春はと案じる駒之丞、休む茶店は「道隈」にセッティング。
  • 駕籠でゆく杉を狙うも胸の痞えで倒れるお藤、あとからお春が通りかかり助けてやる道、不明(道端に石積)
  • 桂の早駕籠が駆け入る中山大納言の屋敷、仁和寺本坊表門
  • 杉とお春が騎馬で京へ走る道、不明(林の中の地道)→中山卿邸へ。追っ手が騎馬でゆく道、林道か→京都御苑管理事務所北門(新選組屯所)へ。
  • 門を固める新選組にも怖じず、中山卿の息女に化けたお春が出てゆく玄関、仁和寺大玄関。都大路をゆくお春の駕籠、京都御所塀際。入る門は御所の門、下人姿の桂とアイコンタクトの白州は仁和寺南庭か。
  • 鳥羽伏見の戦い、饗庭か(台地)

 七変化を見せるお春は美空ひばり、お茶お花放っぽって道場通い、葵は枯れるなど物騒な歌も口ずさむ。それを見て震え上がる大甘な父の小田屋は田崎潤、桂の行動を助けるいっぱしの勤皇商人でもある。番頭は本郷秀雄。
お春に言い寄るも袖にされ、人数を恃んで無体におよぶ相模屋の若旦那は北原隆、旅先にも追ってきて意趣返し。
桂小五郎は近衛十四郎、お春に水戸や尾張も大政奉還に納得という重大な密書を託す。桂の腹心の杉礼次郎は名和宏、お春と同じ任務を負う。坂本龍馬は永田光男、伊藤俊輔は高野真二。
隠密のお藤は田代百合子、リーダーの天堂は清水元。
お春を助けてくれる一座の太夫は浅茅しのぶ、呼込みの千太は堺駿二。
中山卿は小堀明男、三条卿は中山大介。


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