河野寿一監督作品 1962.10.27東映 55
両国で矢場を営む男勝りのお君と、鯔背な兄哥の寛太は末を誓った熱々カップル。しかしある日、寛太の国から凶報が届き、彼は不吉な別れの言葉を残し出奔してしまう。以降、寛太が目指す浜松へ向け、彼を追ってお君と二人の弟も東海道を西へ。あからさまに寛太を消しにかかる家老の手先や、行く先々で助けてくれるものの正体不明の浪人など出る道中を経て、やられたかに見えた一行は悪党がのうのうと祝宴を張っている場に、颯爽と登場する。
ロケ地
- 小田原までの街道 寛太がゆく道、クリーク沿いの田畔。お君が金次とゆく道、架台のある里の道〜丘の上・棚田を見下ろす道。寛太が渡る橋、欄干つき木橋→並木道へ。平塚へ差し掛かる浜辺、琵琶湖畔。その後の街道筋、琵琶湖畔松原沿いの道。
- 小田原以降、謎の浪人が虚無僧に化けて追っ手をかわしてくれる街道 新太が陽気に歌いつつゆく下り道、谷地田へおりてゆく谷筋・切り通しなど。
- 旅の一座が追っ手を阻んでくれる海浜 本物の海、砂浜からすぐ丘になっていて上に道・法面には松林。
- 川止めの島田宿と大井川渡し/宿場に見立てたセットの奥に堤は合成か。河原は砂河原、堤はけっこう高く水深は膝くらい、木津にも見えるが一部石積護岸が見えるところも。
- 浜松近くの山道/街道と間道、セットと林道を併用。九十九折れの道隈には石積み見える箇所も。
- 事後、駆け寄りひしと抱き合うお君と寛太、琵琶湖東岸浜辺。弟たちが木の陰から垣間見る。遠景に多景島ちらり。
矢場を営む姉・お君と弟の新太は美空ひばりの二役、末の弟の金次は花房錦一。
実は浜松藩の若様だった、お君のいい人の両国無宿・寛太は里見浩太郎で滝登りの緋鯉の刺青が背に入っている。彼の守役で次席家老の松江伝兵ヱは北龍二。
己が係累の御子を後継にと画策する城代は原健策、彼の手先で寛太を狙う刺客は原田甲子郎、それに雇われるフリをして若様を援護する実は大目付な浪人は近衛十四郎。
*各資料には「ひばりの花笠道中」とありますが、2009年8月に東映チャンネルで放送されたものには、流れた映像にも番組サイトにも「ひばり」の冠は無く、単に「花笠道中」と記されていました。上映日を日本映画データベース様より参照させていただきました。
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