鼠小僧忍び込み控

加戸敏監督作品  1956.5.11大映


 人気の義賊・鼠小僧、入ってみろと嘯く豪商あり、身の上を語り頼る娘あり、そしてもちろん執拗に追う町方あり。入る先の商家のからくり仕掛けを、主が自慢するかたちであらかじめ全部見せ、鼠脱出の段でどう切り抜けるかをじっくり見せる趣向が面白い。

清凉寺

ロケ地

  • 難波屋の娘・お絹を連れてゆく両国の盛り場、清凉寺境内に露店や掛小屋を賑やかにあしらい。本堂前に大道芸が出ていたり、地回りに追われる段では鐘楼や本堂脇が使われている。「寺」としての設定は回向院か。

 「鼠小僧」和泉屋次郎吉と、中村座の人気役者・岩井粂之丞は長谷川一夫の二役、設定は別人。難波屋の娘と称して近づき、まんまと成果を頂く姐御は香川京子。彼女とグルだった浪人は嵐三右ヱ門、脱出の際船頭をつとめる乾分は天野一郎。迫る壁のからくり仕掛けから鼠小僧を助けてくれる、河内屋の女中は三田登喜子で、義賊に助けられたことがある設定。次郎吉とお絹にゴロを巻く地回りは杉山昌三九。河内屋宇兵ヱは柳永二郎、八丁堀のダンナは見明凡太朗、岡っ引は水原浩一。


→ 鼠小僧忍び込み控 子の刻参上


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