剣客商売 道場破り

2010.2.5CX、金曜プレステージ・時代劇特別企画 94分

キャスト

秋山小兵衛/藤田まこと 秋山大治郎/山口馬木也 三冬/寺島しのぶ おはる/小林綾子 長次/木村元 小川宗哲/島田順司 徳次郎/山内としお 飯田粂太郎/尾上寛之 おみね/佐藤恵利 およね/江戸家まねき猫 秋山小太郎/井上将太朗 四谷の弥七/三浦浩一 おもと/梶芽衣子 田沼意次/平幹二朗

おしの/星野真理 高月南里/温水洋一 永山精之助/梨本謙次郎 およし/中原果南 正吉/本田大輔 お栄/松岡由美 間宮孫七郎/中原丈雄 大場治左衛門/西田健 小松喜左衛門/渡辺哲 鷲巣見平助/中村梅雀

脚本/金子成人 監督/井上昭


 世に出ることのなかった剣客の、哀しい身の上。捨てた娘の難儀を知った父は、いつもの身過ぎ世過ぎで金をつくるものの、それが命取りになる。
最期にまみえることになる父と娘に、それぞれの縁で関わりあった秋山親子が肩入れ。

ロケ地

  • おはるの漕ぐ船で大川を渡る小兵衛、ロングは西の湖園地太鼓橋付近、顔の映る絵は広沢池東岸
  • 鷲巣見平助が住まう小屋、大覚寺大沢池北辺水路端にあしらい。ここから天神島に橋が架けられていて、彼が世話するお稲荷は天神島の祠、あしらいものは他に朱の鳥居など。後段、小屋を襲われるアクシデントの際は、通りかかった大治郎に危急を告げる里人の段で朱橋が使われる。稲荷の場所設定は、金杉新田の村はずれ。
  • 小兵衛隠宅、酵素民家セット。間宮が小太郎に呉れた木刀を見せに行く大治郎のくだりで初出。前に青物の植わった畝、鶏をあしらい。
  • 母の墓に参る胡乱な浪人を見かけるおしの、普済寺墓地。
  • 不二楼に鷲巣見を招く小兵衛のくだり、身の上話で出る、養子話が破談になって荒れ刀を振り回す鷲巣見、沢ノ池か。妻子を捨て武者修行に出た鷲巣見が、勝負の遺恨で襲われるシーン、鳥居本八幡宮広場。回想シーンが終わり、不二楼から場所を変えて祭礼中の神社境内の茶店で話す小兵衛と鷲巣見は上賀茂神社ならの小川(川端に緋毛氈の床机、川中には遊ぶ子ら、おまつりの幟やお囃子も演出)
  • おしのが悪徳医者に連れ込まれる悪徳薬問屋の根岸寮、宝厳院通用門。
  • 父だと名乗り出てはと鷲巣見に持ちかける小兵衛、大覚寺護摩堂に腰掛け。鷲巣見の小屋近く設定。
  • 大場道場へ殴りこむ件で田沼に断りを入れに行く大治郎、田沼邸門は随心院薬医門、田沼に会う座敷は書院。
  • 大場道場の看板を流す川、桂川か清滝か。流量豊かな平瀬。
  • 亡妻の傍らに葬られた鷲巣見の墓に詣でる秋山父子、寺の門は普済寺総門前(「畦道」にコスモス)。父母の墓に参るおしのを見て声を掛けずに去るシーンは、先に出た墓地と同所。このあと、二人が佇み物思う水辺は沢ノ池東岸汀。寺名は、狙撃された際に鷲巣見が大治郎に「さいとくじ」と言い残し←下谷竜泉寺町の西徳寺か。

 原作とは、鷲巣見の子の設定が性別すら異なるが、病を得て借金がある等境遇は同じ。悪徳医師に付け込まれる話や、父子が会ってどうこうのドラマはオリジナル。また、原作では小兵衛さんは名前しか出てこない。

参考文献 池波正太郎著 剣客商売/新妻 所収「道場破り」 新潮文庫刊


剣客商売 表紙


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