2002年 松竹/フジ
キャスト
安倍晴明/三上博史 藤原将之/保坂尚輝 彩子/羽田美智子 藤哉/山田孝之 賀茂忠行/筒井康隆 藤原光弘/木下ほうか 氷月/加藤貴子 千早/野波麻帆 帝/花田裕之 四の宮/山口馬木也 賀茂保憲/段田安則 橘影連/陣内孝則
其の壱 「王都最大の危機」 2002.7.2
晴明の予言通り、帝の寵姫に災いが降りかかる。女御の魂にからみつき容易に離れないオニを退治る過程で、陰陽師と貴公子は互いを認め合う。
ロケ地
- 弟子を従え宮中の回廊をゆく陰陽寮頭・賀茂忠行、平安神宮橋殿(1〜3話タイトルバック)。
- 清涼殿、大覚寺宸殿。陰陽祭の祭壇は宸殿前白州に。
- 彩子の牛車が神隠しに遭う道、下鴨神社馬場。築地塀のパーツあしらい。
- 陰陽寮、大覚寺勅使門(上部)。影連に怒り愚痴る忠行、仁和寺宸殿縁先(池泉越しに塔が見えている)。彩子が難に遭った旨将之に知らせに来る使いは、宸殿と南庭の仕切り前に控える。
- 権大納言・光弘に群がり心中を忖度する公卿たち、東福寺通天橋。導入は臥雲橋から見たショット、お芝居は橋上で。
- 忠行が晴明に将之と行動を共にするよう命じる廊下、大覚寺回廊。
- 彩子の御殿・昭陽舎の門、仁和寺勅使門。室内はセット撮り。
- 晴明が兄弟子・影連とオニが見える話をした幼時の竹林、北嵯峨か。
- 雷切丸を取りに行くルート、将之が影連のことを聞く竹林は北嵯峨か。ここで挿まれる晴明の回想、恨みを抱いて去った影連と別れた橋、松竹オープンセット。巌頭に立つ晴明たち、保津峡落合落下岩、足を止めて峡谷を眺めやる。雷切丸が封じられている洞窟、琴滝の滝裏にある設定、滝壺に役者が入るシーンあり。
- 彩子から離れ逃げたオニを追い、からくも退治るのは大覚寺天神島。
其の弐 「王都への恨み」 2002.7.9
まことの心底はともかく、遺恨を忘れ民に奉仕する日々を送っていた不遇の皇子の心の隙に、影連が魅入る。闇を祓い、宮を助けようとした晴明の思いは苦い結果に。
ロケ地
- 観桜の宴が催される昭陽舎、大覚寺観月台。舞手と楽人は大沢池船着(大)に。池中からのショットもあり、観月台の裾には幔幕が張り巡らされている。ここで話題に出る野盗のイメージ、随心院裏土塀際(塀の闇に影連の姿)。
- オニの手を滝裏の洞窟に封じる晴明、琴滝。
- 将之が千早に雷切丸を渡すくだり、導入は大覚寺回廊で桜咲く御殿はセット。
- お仕事で老婆から悪霊を祓う晴明、酵素民家セット。お供の藤哉と帰る道は河川敷。
- 野盗に襲われた親子を助ける四の宮、酵素ダート。
- 四の宮が都へ戻ったと彩子に注進に走る氷月と千早、大覚寺回廊。
- 四の宮が法力で民を癒す法林寺、金戒光明寺。戸板に乗せられた病人が担ぎこまれるのは三門、宮が民を治療するのは経蔵前。後段、晴明がやって来る段では、三門に晴明がいて、宮が石段をおりてきて対峙する。
- 伊勢出張の忠行が、留守中のことを晴明に頼む陰陽寮の階、仁和寺宸殿縁先。
- 四の宮が影連の魔手に落ちたあと、暗雲垂れ込める都に異形の野盗が現れ、物も盗らず人々を殺戮する町角、下鴨神社河合社脇。
- 事態を耳にした将之が賊を退治にやって来るが相手はゾンビの夜道、上賀茂神社ならの小川畔(霧立ちこめ、背景にうっすら朱玉垣)。
- 光弘が四の宮と会う宮中の廊下、東福寺通天橋。光弘はバルコニーで待つ。
- 四の宮との術くらべの「ぺてん」で謹慎を食らった晴明、家から消えたのに気付いた藤哉と将之が捜しに出る夜道、上賀茂神社北神饌所裏手〜ならの小川畔。行き先の四の宮の庵は松竹オープンセット・酵素の家と似たアレ。
*四の宮が法力を見せる寺、劇中晴明が「ほうりんじ」と発音。便宜的に法林寺と書いたが、詳細は不明。だんのうさんか、あるいは虚空蔵さんか。
其の参 「もののけの子」 2002.7.16
うら若き姫君たちが、次々と神隠しに遭う異常事態。光弘の嫌がらせで晴明が係りを外されるなか、明らかとなった妖の正体は「狐の子」のトラウマを抉る。
ロケ地
- 徳子の輿が通りかかると琴の音が聞こる鎮守、鳥居本八幡宮(鳥居前)。徳子が光の中へ消える林は竹林。この事件の噂を聞く彩子のくだり、昭陽舎イメージに仁和寺勅使門(衛士つき)。
- 悪夢に見た母の最期を思い立ち尽くす晴明、瑞穂造成地の草原。将之がやって来て神隠しについて問うが、晴明は黙して去る。
- 真柴が神隠しに遭う林、不明(例の巨岩のある林、林床にはみっしりと落ち葉、ここへ近づく道には小柴垣、岩には標結われ)。
- 保憲に晴明をはずすよう強要する光弘、大覚寺天神島朱橋。
- 晴明の前に影連が現れて母のことを言い立て、共にオニになれと迫る夜の林、下鴨神社池跡(ぐるっとレール撮り)。
- 神隠しで騒ぐ昭陽舎のくだり、イメージに大覚寺回廊。
- 神隠しを出来させていた「童」の亡母の回想、子と遊んだ野辺、大覚寺遣水跡。晴明の術により彼らが昇天する森の遠景、瑞穂造成地に光柱合成。
- 真柴が快復し喜ぶ内蔵頭邸、妙心寺玉鳳院勅使門。
*童の亡母は木村多江。
其の四 「親友の死」 2002.7.23
影連の企みにより瘴穴が開けられ、陰陽師たちはそれぞれ封じに走り、宮中の護りは空白。勇を鼓して一人警備についた将之は、晴明が発していた警告を生かせず、オニに遭ってしまう。
ロケ地
- オニの腕の封印を解く晴明、琴滝裏の洞窟(中はセット)。
- 藤哉がオニ退治に出ている屋敷イメージ、妙心寺玉鳳院(門と塀を斜めに見る図)。
- もののけを祓って公家屋敷を出てくる晴明、式神を使いその家の主をビビらせる門は西教寺大師堂北門。帰る晴明がおりてゆく坂、参道(桜並木は新緑)。
- 鬼面をつけた賊が出てパニックの市中、仁和寺中門。牛車などが逃げ惑うさまは、参道が全部入る遠景のアングルで。
- 怪異ばかりでなく賊も出て都は不穏と晴明に語る将之、梅宮大社神苑。二人は中島の石橋上、藤哉は西側の池端にいて子犬とたわむれ。
- お見合いをすっぽかして姉にがみがみ叱られる将之、昭陽舎イメージに仁和寺勅使門上部(夜景)。
- 保憲が担当する鳥辺山の瘴穴、出雲大神宮・車塚古墳石室。忠行が出向く吉田山の瘴穴、出雲大神宮・みかげの滝滝組。
- 御所を守るという将之に、結界に使う鬼の腕を渡す晴明、平安神宮東神苑・橋殿を望む栖鳳池畔(夜間撮影)。
- 晴明が守護する化野、化野念仏寺内陣(夜間撮影、灯明あしらい)。
- 朱雀門を守護する将之、一人押し開ける「朱雀門」は平城宮跡朱雀門(夜間撮影)。深更、彩子の姿をしたオニが将之のもとに現れる際の回廊と門は石清水八幡宮頓宮。
其の五 「最後の賭け」 2002.7.30
躊躇ったすえ、将之の魂を冥府から呼び返す晴明。しかし影連は、それに乗じて早良皇太子の怨霊を甦らせ、王都を闇に落とそうと画策していた。
ロケ地
- 陰陽師たちが瘴穴封印の功を嘉される御所前庭、大覚寺宸殿前白州。御所を出てゆく晴明がくぐる門は勅使門、奥に御影堂が見えている珍しいアングル。
- 自分を責める千早を慰める彩子のくだり、仁和寺勅使門を昭陽舎イメージに。
- 右大臣家の大納言らに話しかけ、帝の譲位を唆す光弘、東福寺通天橋。
- 晴明に反魂の奥義書を渡した帰り、忠行が雷に打たれるくだり、酵素。土塀は川ちかくにあしらい、落雷のシーンは河川敷草原。
- 早良皇太子を封じた祠、不明(崖の下のアレ、小滝確認)。後段決戦の場となり、炎上シーンもあり。
- 忠行に反魂の遂行を示唆された晴明、将之との思い出を反芻しながらの帰り道は仁和寺参道、背景に中門。
- 晴明が反魂の術に入ったあと、影連の妨害に気付いて知らせに走る氷月と千早、影連の術で迷わされる山道、不明(杉の大木あり)。
- 早良皇太子について保憲に訪ねる藤哉、大覚寺宸殿裏手縁先。
- 反魂失敗を彩子に詫びにゆく晴明、仁和寺参道(背景に二王門)〜勅使門。彩子の部屋を辞して戻る晴明に、雷切丸の刃先で作った破魔の矢を渡す氷月、大覚寺回廊。
- オニ入った将之が御所に乱入し大暴れのくだり、大覚寺勅使門〜宸殿。クライマックスには、光弘からモーフィングして現れた影連が、晴明とゾンビ将之を連れて三人で早良皇太子の祠前にテレポート。
- 即位したばかりの幼帝が歩む御所の階、大覚寺宸殿前縁。白州に官人が控える。
- 晴明と将之が佇む水辺に彩子がやって来て声を掛けてゆくくだり、大覚寺遣水跡。立ち位置は菊ヶ島の前。
*ラスト、「焼けた祠」でなにものかが蠢動する気配に振り返った晴明のシーンに、「episode1
end」のクレジットが被されている。
|