1982.8.20CX/東映
キャスト
田村正和、芦川よしみ、竹井みどり、船戸順、左右田一平、山本昌平、坂東竹三郎、望月太郎、阿波地大輔、三浦真弓、宮本毬子、伊吹剛、由美かおる
百六十年を経て現れた復讐鬼は、ヴァンパイアとして顕現。妖しの検校とその一味は、大奥のお局さまや筆頭老中を次々と手に掛け、遂に御台所や将軍自身に危難が及びかけるが、命を投げ出して主の命乞いをした腰元の行為は、「神の子」のトラウマを突く。
ロケ地
- 御用船・橘丸が難破し、助かった水夫と鬼頭朱之助が漂着する西海の孤島、不明(島や浜はマジ海)。松虫鈴虫が彼らを誘導する不知火検校の屋敷、中山邸門。
- 江戸城イメージ、姫路城天守。
- 家斉が側室・お美代の方と一緒になって御台所にイケズをするお庭、枳殻邸印月池畔。導入は侵雪橋の橋脚越し。
- 祈祷を終え日啓の寺を出てくるお美代の方や姉小路の局に松平伊豆守、相国寺大光明寺玄関前。中仕切りと門内側も映る。
- 姉小路の局と通じていた役者が死体で見つかる堀端、渡月小橋下手右岸河川敷(欄干ナメて)。
- 腰元の琴絵に恋の経験について聞く御台所、枳殻邸回棹楼〜傍花閣。遣水がイメージに挿入されている。
- 不知火検校主従が塒にしている谷中・観得寺(元隠れキリシタン祈祷所、閉鎖中)、大覚寺心経宝塔。前に竹矢来つきの柵があしらってある。
- 検校の中の人が琴絵を見て思い出す、恋人と睦んだ天草の浜、不明(マジ海)。
- 吸血鬼のアジトへ入って犬に追われ、スケベ侍女にたぶらかされて血を吸われるチンピラたち、大覚寺護摩堂。
- 吸血鬼に変じて将軍を襲ったお美代の方が、伊賀者に追われ行き着く城門、彦根城天秤櫓。彼女がコケると扉が自動で開いて、外に検校が立っている運び。事の始末にキレた日啓が、薙刀振りかざして襲い掛かるシーンも。ここは後段、朱之助らが駆けつけて検校の侍女と戦う場面にも使われる。
- 吸血鬼避けの十字架が法に触れ、投獄されていた蘭渓の釈放を喜ぶ朱之助と数馬、中ノ島橋。ここで妖怪退治は昼間と話が出て、数馬が谷中の寺の狼犬の噂を思い出す。
- 事後、自刃するも生きていたことの不思議を思い水辺に佇む琴絵、嵐山公園中州堰堤脇(中ノ島橋上手、橋映さず)。
横溝正史の原作は改変されていて、陽炎姫の設定や、朱之助が検校に会う経緯などが変えてある。被害者は大奥に巣食っていた悪党ばかりで結果世直しになってたり、演じるのがマサカズゆえ検校のグロい場面は無くて、音消して見てると腕下主水と間違えるかもって感じ。松虫鈴虫の牙シャキーンや、櫓から落っこちると白骨化はあるが、骨寄せはやられキャラの役者が舞台で見世物に使うだけ。あとどうしても気になるのは、ドーベルマンのその後。個人的には、左右田一平の蘭渓先生が盛大に撒く、にんにくの花が大受け。
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