沢島忠監督作品 1959.3.3東映
キャスト
むっつり右門/大友柳太朗 牛若の半次/里見浩太郎 おゆみ/桜町弘子 稲妻のお由/雪代敬子 ふみ代/藤本二三代 梢/花園ひろみ あばたの敬四郎/進藤英太郎 六郎左衛門/原健策 おしゃべり伝六/堺駿二 玄庵/三島雅夫 松平伊豆守/山形勲 赤沢玄蕃/阿部九州男 猿廻しの喜兵ヱ/沢村宗之助 喜助/夢路いとし チョン切れ松/喜味こいし
原作/佐々木味津三、脚本/鷹沢和善
首尾の松に、奇ッ怪な五つの縊死体がぶら下がるのが発端の事件。その尋常ならざるを一目で覚った右門のダンナは、やおら長考に入る。女掏摸や町のあんちゃんに矢場女などで構成される「右門一家」の「捜索」で浮かぶ怪しの医者だが、そこから先が容易でない。時間を切られたダンナは非常手段に訴え、寛永寺に仕掛けられた爆薬をすんでのところで取り除き、晴れて上様御成りの行列を迎え、お話はめでたく締めくくられる。
ロケ地
- あば敬のダンナとチョン切れ松が、吊り×5人を発見する首尾の松、見回りで近寄る船は西の湖か(水路と葦原)。縊死体がぶら下がる松のシーンはセットにスイッチ。検分を終えて戻る右門のダンナ、ぺちゃくちゃうるさい伝六がついて歩く土手は大覚寺大沢池堤(植生は松が主体、水門は旧態)。
- 大弓堂から逃げた番頭を追う伝六、梅宮大社。神苑汀(神苑門内側)を南に走り、堀の橋を渡って外へ、楼門前に半次がいて彼の言うのと反対へ走ってゆく伝六は東参道を東へ、伝六が去ったあと出て来いと言われた番頭が死んで出てくるのは舞殿(酒樽の中からどっと倒れこみ)、戻ってきた伝六が走りこむのは神苑門から境内へ。このとき番頭が握りしめていた木の実から「地図」が出る。
- 右門のダンナが縊死体に付けられていた書付を見せにゆく松平伊豆守邸、仁和寺本坊表門。五人の正体がお庭番と知らされた右門が、考え込みながら出てくる玄関は仁和寺大玄関。
- 伊豆守登城イメージの江戸城城門、二条城本丸櫓門(堀端から南望)。
- 女掏摸のお由をシメて協力を求める、虚無僧に化けた右門のダンナのくだり、参詣の人々でごった返す「境内」は清凉寺。導入は山門から境内を望む図で、門に大提灯付き。参道に無数の屋台があしらわれ、お由に正体を明かすお堂脇は本堂。
- 船で逃走した一味を捜すくだり、伝六をお大尽に仕立てて船遊びの一行に化けるシーンで屋形船がくぐる高橋は不明(他作品で見た覚えあり、堀に架かる木橋は伏見か)。このあと船がゆく堀は嵐山中州掘割か(石積み護岸)。ダンナが投げた小柄が刺さった船を見つける船溜はセット。
- 医師・玄庵が入ってゆく、主が久しく病む藤堂但馬守邸、中山邸通用門。
- 上野寛永寺、仁和寺。塔を映し印象付けたあと、五色の幔幕を張り巡らせた金堂へスイッチ。参道は中門前後と金堂へ通じる石畳を使い、衛士をずらっと配し迫力、不寝番を置いた夜間の絵もある。クライマックスには、「但馬守邸の地下道から上がってきた右門」が、金堂から出てくるシーンも。怪しの一党が捕われ将軍御成りの際は、中門下の参道端に右門らが拝跪して迎える。
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