豪剣!賞金稼ぎ無用ノ介  二つの顔のお尋ね者

1990.10.8テレビ朝日/東映

 親の代から賞金稼ぎを生業とする、隻眼の浪人・無用ノ介。彼は、賞金首を狩りつつ、父を殺し己が目を斬った男を捜していたが、恨む心はいつしか恩讐の彼方に消えてゆく。しかし、敵を愛してしまった哀れな女が、真の仇の凶弾から己を庇い果てるのを見て、無用ノ介はやはり温もりに背を向けて去ってゆくのだった。


ロケ地

  • 甲州、追われ囲まれ危機一髪のお艶を助ける無用ノ介、神護寺石段。
  • 諏訪、追馬一家と山甚一家の縄張り境界になっている杖突峠、谷山林道分岐道。
  • 松五郎を拾う河原、酵素河川敷。幼児を連れていた男は川中に突っ伏し血を流し死んでいて、子が縋り泣いている。塚を作ってやるのは「木」の傍ら。
  • 松五郎をおぶい街道をゆく無用ノ介、羽束師堤、堤上に茶店あしらい。坊を窺う鳥追い女や、彼女を追う紫組などが現れる。
  • 銀次郎の使嗾を受けた賞金首の孫市らが無用ノ介を囲む橋、流れ橋上。橋脚に取り付いて様子を窺っていた鳥追い・お松が、坊を助けに上がってくるシーンも。
  • お艶の幼時回想、今は生き別れてしまった弟が、お艶が貰われた先に訪ねてきたお堂、不明。
  • 川で遊ぶ松五郎を見守りつつ、竹トンボを作ってやる無用ノ介、日吉大社走井橋下手・大宮川河床。上流側・橋脚の陰から、山甚の釜焚きが窺っている。竹トンボを貰った松五郎が飛ばして遊ぶ道は東本宮参道、山王鳥居が映り込む。
  • 紫組が旅の女主従を引っ掛ける寺、西明寺。山門をくぐってやって来た一行は、鐘楼でお昼を使う女たちを見つけ「詐欺」を開始。女たちが騙り男を介抱してやるのは本堂、このあと山門前で介抱ドロだと騒ぎを起こす。ここへ松五郎の竹トンボが落下、銀次郎に踏み躙られ拉致されるのは山門脇灯篭前。松五郎の急を聞き駆けつける無用ノ介のシーンは日吉大社、走井橋から河畔、境内へ走る。大宮川欄干の隙間越しの絵も。松五郎を取り返す坂は日吉大社西本宮参道、釜焚きが祠脇に潜み見ている。
  • 猿回しに変装した岡っ引・早吉が現れて、坊を追う女・お松の事情を無用ノ介に話す街道筋の茶店は羽束師堤
  • 早吉が紫組を神社に誘い込み捕えようとするくだり、船でゆく紫組は大堰川。松五郎をおぶい川沿いの神社に向かう無用ノ介は走田神社前畦道、足もとは緑の稲穂に隠れている。神社のシーンは鳥居、参道の大木の根方で推移、捕方が潜むのは本殿前。
  • 追馬の孫娘を垣間見する、山甚の若大将・市太郎を見かける杖突峠、谷山林道
  • 弾正に天誅を加えようとする山目付たちのくだり、若者たちが集まり気勢を上げるのは丹波国分寺本堂前。このあと山門をくぐり、畦道を来る弾正に吶喊。弾正一行の背景に、七谷川河畔林が来て効果的。なお、畦道に「はさ木」は見られない。無用ノ介は斃れる若者たちを山門前で見て、居合わせた山甚の親分に事情を聞く運び。弾正たちは、山門前に来て西へ転じ去ってゆく。無用ノ介を見かけて怒る銀次郎たちは酵素、「木」の裏に潜む。
  • 笹目宿の夜道、紫組の使嗾で無用ノ介を襲うカラス組、鳥居本八幡宮広場。首領・鬼火の十蔵と崖を転げ落ちるシーンもある。
  • それぞれ子分や喧しい向きを「寝かせて」トップ会談で決着をはかる山甚と追馬のくだり、無用ノ介が山甚の惣領とゆく野道、不明(高原か、地道の傍らに祠あしらい。山に囲まれた台地状の地形)。ここで若が婿入り志願を表明、固めの盃に。
  • 釜焚きの権兵衛から山甚の難儀を聞き、馬を駆る無用ノ介、谷山林道か。
  • 諏訪を辞した無用ノ介が渡る、中仙道・妻籠宿の橋、摩気橋(橋脚は木)。弾正らが屯する神社は摩気神社本殿前、無用ノ介が楼門に拠り様子を窺っていると、神兵衛が現れ天誅を敢行。神兵衛を託されたお艶が逃げ込むのは本殿裏手の田畔。
  • 捕らわれた無用ノ介を磔にして神兵衛を誘き出す弾正たち、不明(崖の下のアレ、小滝確認)
  • 事後、山甚や追馬の衆に見送られ一人去ってゆく無用ノ介、不明(先に出た高原と同所か、井尻にも似る)

羽束師堤

 無用ノ介は高橋英樹、暗さ汚さはあんまりナイ。
壺振り女のお艶は梶芽衣子、佐渡送りの弟を助けてもらうため弾正に使われ、三兄弟と行動を共にするがダンナに惚れてしまう運び。
松五郎坊やの実母だったお松はあべ静江、子の今後を思い仲間を訴人。
裏切者としてお松を追う銀次郎は清水健太郎、些か病的な紫組首領。
のち銀次郎とつるむ三兄弟は久富惟晴や志賀勝。
八州におさまっている、前は別の名だった大ワル・各務弾正は仲谷昇、ヘンな得物使う八州の手下は内田勝正などで、弾正の仕ざまに異議を唱えるマトモな部下は荒木しげる。
悪党の使嗾を受け無用ノ介を襲う賞金首・鬼火の十蔵は福本清三、この作品には福ちゃんだけでなく「いつもの脇役悪役」が目白押し。
馬子を束ねる追馬の親分は山村聰、きかん気の孫娘は大西結花で出生に訳有り。
追馬と対立する駕籠舁きの山甚、女親分は朝丘雪路、惣領は山本譲二、小頭は今井健二で珍しく善人。山甚の釜焚きで、無用ノ介の過去に関わりのあった権兵衛爺さんは川津裕介。
岡っ引の早吉は柳沢慎吾、お芝居ちょっとカタい感じ。
目を斬られた幼い無用ノ介を助けてくれた神兵衛は三木のり平、弾正を狙うには訳有り。

原作/さいとうたかお 監督/牧口雄二

*放送日時は、テレビドラマデータベースを参照させていただきました。


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