戦国疾風伝 二人の軍師

2011.1.2テレビ東京/松竹

キャスト
黒田官兵衛/高橋克典 竹中半兵衛/山本耕史 楓(多十義妹)/貫地谷しほり 光(官兵衛妻女)/奥貫薫 ちさ(半兵衛妻女)/京野ことみ 多十(半兵衛小者)/近藤芳正 竹中善左衛門(竹中家家臣)/梨本謙次郎 竹中久作(半兵衛弟)/石垣佑麿 蜂須賀小六/北見敏之 木下小一郎/中本賢 栗山四郎右衛門(黒田家家臣)/林泰文 母里太兵衛(黒田家家臣)/本田大輔 黒田長政/尾崎右京 信乃(ちさ侍女)/松金よね子 織田有楽斎/なべおさみ 千利休/杜澤たいぶん 安藤守就(半兵衛岳父)/伊吹吾郎 樋口三郎左衛門(堀家家老)/宅麻伸 櫛橋伊定(官兵衛岳父)/あおい輝彦 荒木村重/山田純大 柴田勝家/藤堂新二 江田善兵衛(小寺家家老)/高知東生 小河三河守(小寺家筆頭家老)/大鶴義丹 斎藤龍興/大沢健 浅井長政/猪野学 お市/滝沢沙織 栄/陽月華 浅井久政/清水紘治 小寺政職(御着城城主)/品川徹 足利義昭/梶原善 山中鹿之介/金子賢 浦宗勝/(毛利家家臣)/金山一彦 北野十助(竹中家家臣)/安藤彰則 黒田宗円/橋爪功 清水宗春/中村雅俊 明智光秀/高橋和也 石田三成/塩谷瞬 小早川隆景/田中健 吉川元春/大友康平 安国寺恵瓊/大島宇三郎 井上九郎右衛門(黒田家家臣)/左とん平 徳川家康/松平定知 銀屋お蔦(有岡城下商家主)/かたせ梨乃 ねね/余貴美子 織田信長/加藤雅也 目薬屋の源蔵(官兵衛異父兄)/高嶋政伸 豊臣秀吉/西田敏行

原作/嶋津義忠「竹中半兵衛と黒田官兵衛」

脚本/尾西兼一 監督/赤羽博

 豊臣秀吉に天下取りを為さしめた二人の軍師を軸に、戦国の世の哀歓を描く。
軍略の天才たる二人の男は、戦の無い世の招来のため秀吉を選び、命を賭して働く。

篠山城

ロケ地抄録

第一部

  • 天正16年、聚楽第で有楽斎や利休を相手に天下取りの経緯を述懐する関白秀吉、大覚寺宸殿前縁(前景に桜花)。次の天下は誰と戯言の段、座敷に移り、秀吉の口から黒田官兵衛の名が出る。
  • その席を後にした官兵衛が、自分に対する秀吉の不信について源蔵に話す石段、神護寺金堂下石段。二人の背景に本堂の甍、二人が見遣る町なみには、五大堂と毘沙門堂の甍越し遠景に城や大屋根を合成。
  • 永禄7年の美濃、稲葉山城を望む丘に立つ半兵衛、不明(城の山は合成)。傍らの竹中家家老・竹中喜左衛門に「あの城をいただく」と宣言。
  • 稲葉山城を下がってきた半兵衛、龍興の取り巻きに辱められる石垣際、不明(穴太衆積み?)
  • 美濃・菩提山城、不明(二段の石垣の上に塀、画面左手に階段あって上に門、ポーチは杉林)
  • 人質になっている弟・久作の見舞いと称し、半兵衛が八人の供を率い荷駄を曳いて入る稲葉山城城門、大覚寺大門
  • 尾張・小牧山城外観、不明(丘に合成?)。信長が鉄砲の試射をする庭は寺の境内か(唐門と甍)
  • 半兵衛らが龍興の取り巻き残党に襲われる道、大覚寺大沢池北辺並木。このとき半兵衛が仰ぎ見る桜花は別撮りか。
  • 北近江に隠棲する半兵衛、酵素民家セット
  • 源蔵(目薬屋で行商中)がゆく播磨の海辺、琵琶湖西岸松原(対岸に沖ノ島や八幡の山なみ)。このあと、官兵衛(黒田家の家督を継ぎ小寺家家老・姫路城城代を務めている)を見かける土手は山室堤。堤法面にいた官兵衛が駆け寄るシーンでは、河畔林の向うに城の頂部が合成されている。
  • 朝倉攻めの信長(元亀元年)、出陣の道不明(両側林)。信長を裏切り小谷城から打って出る浅井長政、馬を駆る土手、不明。退陣の信長(金ヶ崎退陣)、不明(井尻に似た台地、川堤らしき土手)
  • 秀吉が敵地にある半兵衛の庵を訪ねるくだり、小者・多十の妹・楓が仕事中一休みして汗を拭く庵近くの滝、琴滝。乱破(斎藤家残党)が出て無体→夫を訪ねて来たちさ主従に助けを求める/来合わせた官兵衛が蹴散らし、この現場の竹林は不明(雑木まじり、起伏あり)。秀吉と半兵衛の会談中、官兵衛がやってくるくだりでは、小六らと官兵衛らが有栖川を挟んで対峙するシーンもある。
  • 秀吉の付託を受け、樋口・堀家の説得に乗り出す半兵衛のくだり、長亭軒の砦に向け馬を駆る半兵衛、下鴨神社馬場(このあと樋口三郎左衛門と会談、その後信長に会い堀家調略について誉められ、秀吉付きを承認される)
  • 姉川合戦、戦死者が流されてゆくさまを凝視する半兵衛、大堰川河川敷(半兵衛の背後に竹林、血河表現あり)。横山城を守る半兵衛、浅井軍が突如現れるシーン、城門は篠山城天守台埋門(外側からの撮影)。合戦の野は不明(土手下の薄原)
  • 叡山焼き討ちのくだり、叡山を眺めやる信長は不明(台地?)
  • 信玄病没を知らず挙兵した将軍義昭、僅かな将兵と落ちる道は不明(石垣?)
  • 小谷城総攻撃の段、信長が布陣するのは仁和寺経蔵前、秀吉が先駆けを希う→市と三人の娘を救えと条件を出される。浅井久政自刃が報告される秀吉の陣、仁和寺九所明神。羽柴秀長と蜂須賀小六が浅井長政に降伏を勧告する小谷城城門、園部高校門。
  • 天正2年、岐阜城、不明(山に合成)。金ぴか髑髏盃披露のくだり。
  • 菩提山城へ馬を駆る半兵衛、下鴨神社馬場。長子誕生の段。
  • 天正3年、播磨・御着城内の座敷、随心院書院。城主・小寺政職が織田・毛利何れにつくか諸将にはかるくだり。織田などもってのほかと口々に言う人々に対し、官兵衛ひとり織田を推す。政職の命を受け、信長に会うべく岐阜へ向かう官兵衛、琵琶湖西岸(汀に漁具あしらい)。会見の結果、秀吉の案内役を命じられて、銘刀・圧切を戴く。
  • 長浜城内、官兵衛と「天下は天下の天下」の話をする半兵衛、東福寺通天橋上。臥雲橋から遠望の絵も。
  • 播磨で工作を行う官兵衛、舅・櫛橋伊定(志方城主)を説得する庭、鹿王院庭園
  • 毛利の水軍が着く英賀の湊、琵琶湖上に軍船の船影あしらい(背後に八幡の山なみ)。この報を受け慌てて協議の御着城、随心院書院(本堂からのアングルあり、本堂庇を伝う雨はマジ雨?)。浜で民に銭を撒き人集めする源蔵、琵琶湖西岸。同じく人集めの町角は随心院裏塀際。毛利軍総大将・浦宗勝が姫路などひと捻りと吼える陣、琵琶湖(左手に河口州望む浜、官兵衛が出陣し撃退←サクラ動員もあり)
  • 父と話す光(官兵衛妻女)鹿王院庭園〜回廊。櫛橋は官兵衛の織田傾倒を牽制。この後、官兵衛は一子・松寿丸を人質に差し出すと言い出す。
  • 秀吉が信長に逆らって陣を離れ長浜に戻った件で、半兵衛を責める小六たち、東福寺回廊(開山堂から通天橋へ至る部分、長浜城内)
  • 楓が半兵衛の病平癒を願いお百度を踏むやしろ、鳥居本八幡宮(鳥居と石段)。設定は長浜の半兵衛宅付近。これを見る多十は本殿内陣。
  • 長浜を発ち西へ向かう秀吉軍、下鴨神社馬場。尼子勝久、山中鹿之介も参戦。
  • 姫路城を望む野、不明(遠景の山に城合成)。官兵衛が出て秀吉を迎える玄関、大覚寺式台玄関(対話は大門内の石畳上で)。官兵衛は城を明け渡すと言い放つ。小一郎たちが半兵衛の袖を引いて官兵衛への疑義を呈するシーンは宸殿通用門前。
  • 福原城攻め、会戦の野は不明(起伏のある高原?柵や砦あしらい)。この戦で多十が半兵衛を庇い戦死、水場で仕事中の楓の前に現れるのは上賀茂神社ならの小川神事橋(楓は橋下手の水場、長浜城下)
  • 城内にいた女子供が処刑のため連れ出される西播磨・上月城、篠山城大書院通用門(冠木門)。半兵衛が諌言するが秀吉に泣き落とされ→一部見逃しで堪えよと逃げられ。このあと半兵衛と官兵衛が話す城内、不明(石垣の外に林)
  • 天正6年、東播磨・三木城下、荷駄を曳いて逃げ出す民を呼び止め事情を聞く源蔵、街道は嵐山自転車道。別所氏が織田を見限ったと聞かされる。
  • 西播磨・上月城、不明(山上に建物合成、大屋根は篠山城大書院に似る)。秀吉が本陣を置く書写山・円教寺、上月城の兵は見殺しになると話す半兵衛、境内の廊下は清凉寺本堂裏回廊(北望)。官兵衛が謝辞を述べる段では南向き。
  • 宇喜多直家調略にかかるくだり、毛利方の兵に襲撃される山道は酵素ダート。備前・保木城、不明(寺院回廊?)、戻り道は山室堤(稔りの田越し)・このときの宿で半兵衛喀血。
  • 小寺政職の書状を携え、摂津有岡城へ赴く官兵衛、城門は篠山城大書院入口冠木門。この日を境に官兵衛失踪、監禁の事実を知らぬ信長の怒りを買い、松寿丸殺害が命じられる。

第二部

  • 官兵衛が帰らないと案じ、播磨・国府城内へ駆け込む源蔵、その前に走る塀際、三井寺唐院塀際。
  • 有岡城の門番に聞き込みの源蔵、篠山城大書院入口付近。町人に身をやつした栗山たちがツナギをとるのは篠山城大手枡形の石垣際。大書院の破風がちらり。
  • 近江・長浜城、湖面に城合成。城から松寿丸を連れ出し、情勢について言い聞かせる半兵衛、タンデムの道は下鴨神社馬場。このあと妻女に命じ菩提山城に匿い。
  • 平井山の農家に半兵衛を訪ねる源蔵、みなくち子どもの森(体験農場・かやぶきやねの家)。楓が前畑で野良仕事、室内はセット撮り。ここはラストシーンにも登場。
  • 有岡城落城後、官兵衛生存を知った小寺政職が女の被衣を着て逃げ出す裏門、随心院裏塀か。
  • 備前・岡山城へ赴き、宇喜多直家調略を成し遂げる官兵衛、城内廊下は西教寺客殿回廊。補給を断たれ飢え渇える三木城内の情景、神護寺毘沙門堂(直後、炊き出しの風景に)
  • 播磨の海イメージ、日本海(琴引浜?)か。
  • 平井山中腹の半兵衛の塚に参る楓、水口スポーツの森(丘の斜面、ひともとの桜は「開花」)。墓碑の表には「深龍水徹」と刻まれている。
  • 落ちぶれ果てた小寺政職と会う官兵衛、不明(縁先、庭は白砂?)
  • 天正10年、備中・高松城、遠景イメージの「主屋」は大覚寺五大堂であとはミックス合成・のち水没の情景も合成。城主・清水宗春が立つバルコニーは五大堂観月台。この城を望む石井山の秀吉本陣は大覚寺天神島。後段、宗春の船上切腹を見るのも同所(水面は大沢池)
  • 京・四条西洞院の本能寺、大覚寺大門。明智軍侵入のシーンでは門内からの絵もあり。源蔵が爆発炎上(信長が油被って点火)を目撃するのは「対岸」。二条城に籠った信長の嫡男・信忠の側に居た有楽斎が三法師丸を抱いて脱出し潜む橋下、大覚寺勅使門橋下河床。
  • 信長逝去を知った吉川元春が怒りを露にする毛利軍本陣、仁和寺林間(幔幕の向うに塔)。小早川隆景と安国寺恵瓊が同席。
  • 毛利軍撤退の情景、大覚寺遣水跡心経宝塔前。
  • 秀吉軍中国大返し、遠景の街道は棚田脇か。秀吉軍が入る姫路城、石垣下に幔幕が張られ将兵が行き交う情景は篠山城南西城壁(上の建物は合成)。姫路から尼崎へ向かう軍勢、不明(川堤?と海浜)。丹羽長秀を迎える摂津富田の陣、不明(林に幔幕)
  • 山崎合戦、不明。小栗栖の竹林、北嵯峨か。
  • 三日天下のあと、源蔵に天下とは何と問う官兵衛、摩気民家裏手田畔。田では民が耕作。播磨・国府山城下。
  • 尾張清洲城、清洲会議に向かう柴田勝家がゆく廊下、清凉寺本堂裏回廊(東西部分)
  • 養子・秀勝を喪主に信長の葬儀を執り行う秀吉、儀式後、官兵衛と小一郎たちがゆく大徳寺廊下は金戒光明寺方丈前縁。半兵衛の思い出話に興じる三人は方丈座敷、襖絵は虎のアレ。
  • 賤ヶ岳の戦、不明(野原に砦あしらい)
  • 天正15年、九州平定を成し遂げたあと中津城城主となる官兵衛、普請中の城は篠山城城壁に合成か。
  • 聚楽第で次の天下はと御側衆に問う関白秀吉、第一部冒頭のシーンと同じ。
  • 天正17年、大坂城下に住まう妻に隠居する旨告げる官兵衛、灯籠流しの川は上賀茂神社ならの小川
  • 慶長3年、中津城は先のイメージと同じ、城の廊下で転びかけ源蔵に支えられる如水は篠山城大書院廊下(ここで太閤死去の知らせを聞く)。西の方を望み、太閤に別れを告げる如水、城の石垣は篠山城大手枡形(次の天下は徳川と、推測を述べる)
  • 慶長5年、関ヶ原直前、乱の兆しを知らせる大坂からの文を読む官兵衛、篠山城大書院座敷。城に残っている家臣一同に挙兵を宣する広間も書院。大坂の屋敷を脱出してきた妻と嫁を迎えるのも同じ。呼びかけに応じ集まった民に銭を与え心得を聞かせるのは書院北側の縁先、民は前庭に。関ヶ原の戦が終わったとの知らせを聞いたあと、戦はこれからと兵に呼ばわる官兵衛、大書院裏手広場。
  • 大坂城西の丸にて家康と会見する官兵衛、篠山城大書院大広間
  • 慶長9年、荒海に向かい亡き半兵衛に呼びかける如水、琴引浜。砂浜に倒れ伏す。

水口スポーツの森


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