1982年、関西テレビ/東映
キャスト
多羅尾半蔵/千葉真一 お蝶/志穂美悦子 佐助/真田広之 虎麻呂/蟹江敬三 猪之吉/立川光貴 隼太/黒崎輝 大六/誠吾大志 雉子郎/崎津隆介 小笛/司瑠美子 お君/栗田陽子 お鈴/中村晃子 おりん/樹々希林 徳川光貞/小沢栄太郎 久世大和守/菅貫太郎 深雪/小川知子 お陽(陽炎)/秋野暢子 本理院孝子(千愁尼)/岸田今日子
第1話 二つの顔の男 1982.4.6
振袖火事はお城に飛び火、これに乗じ侵入した紀州差し回しの忍びは、本理院孝子に拠る勢力を削ぐ。このことで責を負わされ腹切った侍あり、彼を介錯した気丈な妻女は、仇討ちのため半蔵を探し当ててくるのだった。
ロケ地
- 大火の罹災者が炊き出しを受ける広場、大覚寺護摩堂裏。
- 紀州家上屋敷、大覚寺大門。
- 虎麻呂から半蔵の名を聞きだした深雪、鶴の湯へ向かう道は大覚寺有栖川畔〜五社明神。隠密をまく段でセットにスイッチ。
ゲスト
牧野兵部/伊吹吾郎 小野次郎右衛門/青木義朗 丸目正眼/若山富三郎
第2話 闇からの依頼人 1982.4.13
連続する御家人斬りと、振袖火事の火元に疑義を抱いた同心は、半蔵を頼みにし調査に乗り出すが、たちまち上から圧力。職を辞して事に当たろうと決めた同心は、半蔵に遺言めいた言葉を残してゆく。
ロケ地
- 深雪が化けた芸者・雪太郎を身請けしようとした浪人が、金を取りに行くところで仮面の武士に襲われる深川堤、不明(水辺の林?流水らしき気配)。
ゲスト
小坂源之進/和崎俊哉 新堂精一郎/近藤洋介
※目的糊塗のため、新堂が斬る浪人に福ちゃん。角曲がってきたとこを、見事に「辻斬られ」、オォウと叫んでのけぞり。
第3話 忍びの虫は掃除虫 1982.4.20
甲府宰相を堕落させたうえで始末という図は、老中と結託した紀州忍びの目論み。綱重に諌言する、彼らにとって邪魔な忠義の臣が不名誉な形で消されたことから、千愁尼が半蔵を動かす。
ロケ地
- 住吉楼から足抜けした女郎が追っ手に見つかる「溝」、大覚寺有栖川河床。
- 食い詰め浪人に化けて「娘のお蝶」を住吉楼に売ってきた虎麻呂、懐を狙われる帰り道は下鴨神社泉川に架かる石橋。逃げた糺の森で、樹上から佐吉が加勢。境外の手すり(泉川の石橋の東側)も映り込む。
- 屋敷を出てくる綱重の用人・外記、大覚寺大門〜参道。このあとセットの船宿にスイッチ、老中らと密談。
ゲスト
坂崎外記/砂塚英夫 尾藤軍太夫/浜田晃 お蘭/中島葵
※雉子郎が里から出てきて参加。お蝶は潜入のため「美里」ばりの若衆姿や花魁に化けるが、サービスくさい。猪之吉の蘭医変装がひどくて、エリザベスカラーにちょうちんブルマー。
※綱重に諌言する旗本は唐沢民賢、楼の男衆は福本清三、ともにクレジットはベタ。
第4話 尾張に消えた赤い影法師 1982.4.27
久世大和守は尾張柳生を使嗾し、尾張家の大殿をくすぐる。体を張って柳生家の暴走を止める熱き漢と、肌を汚してまで夫の仇をつけ狙う貞女と、その思いに半蔵は感応する。
ロケ地
- 反久世派の侍を襲う矢吹ら尾張柳生(覆面)、広沢池東岸。密談は屋形船で行われていて、「事後」に勘兵衛と半蔵が現れる。夜間撮影。
- 名古屋城イメージ、本物の天守。一部姫路城の郭か。
- 深雪を荼毘に付す水辺、罧原堤下河原。
ゲスト
柳生連也斎/久富惟晴 矢吹五郎太/大下哲夫 徳川綱誠/峰祐介 山内勘兵衛/夏木勲
※勘兵衛は尾張柳生四天王の一、流派のため師を討つ運び。深雪は虫の息で仇討ち完遂。
第5話 影なき男の影 1982.5.4
訳ありげな浪人とその妹は、敵討ちのため雌伏の日々を送る。遂に見つけた仇は民の血を絞る大悪党、悪徳札差を支援する黒幕とも戦い、義賊という裏の顔を持っていた浪人は華々しく散るのだった。
ロケ地
- 村上浪人が開く寺子屋の生徒の父母が心中して見つかる川端、中ノ島橋下手河川敷(役人の見分、皆が駆けつける際には橋を渡ってゆく)。
- 扇屋を探っていて殺された卯助の墓に参る村上兄妹、大覚寺聖天堂脇に墓地をしつらえ。僧衣の半蔵は崩れ築地越しに二人を見るが、築地もあしらいもの。
- 己が幼児体験をぼかして伝え、村上に翻心を促す半さん、酵素河川敷川べり。村上はいきなり斬りつけ、半公の腕を試し只者に非ずと得心。
- 村上の回想、賊のかしらに拾われた幼い二人、山中の道か。
- 稲妻組を招集し、最後の的について話す村上、寄り合いが持たれるお堂イメージは御室霊場か(方形のお堂シルエット)。
ゲスト
一柳みる 北町嘉朗 中田博久 岡部正純 喜田晋平 松村康世 溝田繁 中村錦司 村上新八郎/天知茂
※黒幕は紀州の江戸家老、むかし公金横領の罪を人に着せて逃れた経緯あり、その際村上の父が巻き込まれ頓死。村上父を斬って逐電した男の現在が、悪徳札差・扇屋。
※半蔵の幼時回想が出る。謀殺された上忍の父は中村錦司。
第6話 夜光る顔 1982.5.11
家綱の御台所に望まれる、伏見宮の姫。これを良しとせぬ紀州光貞は、怪しの公家と通じ宮の命を狙う。宮を思う者たちの願いは千愁尼に届き、軍団は京へ。おじゃるのもとで働く、那智忍党との戦いが待っている。
ロケ地
- 樋口少将邸イメージ、相国寺大光明寺を南東からクレーンショットで。
- 少将の密書を携え、江戸の千愁尼のもとへ急ぐ綾子、街道は北嵯峨農地(小丘)。忍びの襲撃シーンは大覚寺五社明神、放生池堤からセットへスイッチ。
- 九条大納言邸イメージ、今宮神社(舞殿越しに本殿望)。光貞と密談の池泉や、白拍子で入り込んだお鈴が露見する廊下等不明。
- 鞍馬でヒカリゴケを集める半蔵、不明(林の中)。
- 軍団が落ち合う神輿小屋イメージ、不明(門越しに蔵望む図、方形の堂にも見える)。
- 蹴鞠の催しで宮が狙われる賀茂のやしろ、松尾大社。楼門、舞殿前で蹴鞠、舞殿上に宮や大納言たちが列席。
- 半蔵の名を記したニセ手紙で呼び出される綾子、広沢池東岸。現れたのは九条大納言で、少将の落ち度を言い立て脅迫。
- 宮の輿入れ行列がゆく街道、不明(山道見下ろし、林道か)。
ゲスト
藤木敬士 宮口二郎 本郷直樹 里見和香 綾子/あべ静江
第7話 南から来た女間者 1982.5.18
親の仇を求め琉球からやって来た姫は、怪しの妖術使いに翻弄される。軍団も然り、無関係な女を寡婦にする羽目になり、半蔵は怒りをこめて敵を屠る。
ロケ地
- 由布姫のお供の青年が鈴の音に操られ、蒼ざめた顔で彷徨う林、下鴨神社糺の森。姫が供の者から報告を受ける茶店は参道にあしらい、奥に二の鳥居が見えている。ここへ先の青年が現れ、姫に斬りかかる次第。
- 手傷を負った姫を隠してやる佐助のくだり、大覚寺護摩堂と周辺。佐助が大道芸をしていたのは護摩堂裏、姫が追っ手から身を隠すのは石仏裏、姫の仲間が現れ忍びと立ち回りは護摩堂前、姫は佐助に礼をとり天神島朱橋を渡って去る。その後、傷が疼いて倒れこむ姫のシーンは五社明神舞殿。
- 花売りのおこのを構いにくる虎麻呂、嵐峡。おこのが店を出している道端は嵐亭生垣際で、後段では帰りに船を使うシーンがあり、嵐峡船着が映る。
- 佐助から姫の簪を渡された大六、佐助同様鈴の音につけられ、橋から飛び降りて船に乗るシーンは渡月小橋。下にいた船はおこのの船。
- 鈴の音に操られ半蔵を襲うおこのの亭主、相国寺宗丹稲荷。半蔵は殺意に反応し、彼を殺害してしまう。
- 道へ出て亭主の帰りを待つおこの、湯豆腐嵯峨野朝鮮石人像前。虎麻呂が来て構うが、神子上の手裏剣がおこのの胸に突き刺さってしまう。
- 土左衛門が上がったと走ってゆく町衆、大覚寺大沢池木戸(南側の「橋」に竹の欄干あしらい)。姫のお供の遣い手二人が引き上げられるのは大沢池畔。死体を見てパニックを起こした姫に活を入れる佐助、天神島。
- 姫の仇にして、豊臣の財宝を狙っていた平戸屋が爆死したあと、夜道をやって来る神子上を呼び止める半蔵、大覚寺心経宝塔。半蔵は基壇にいて、神子上は石段下。立ち回りは基壇上で。
- 自分のものと母のものと、親子龍の簪を手にした姫が沈むのを励ます佐助、大覚寺天神島。二人が戻ってゆくメロウな水辺のシーンは大沢池畔。
ゲスト
おこの/千野弘美 江並隆 白川浩二郎 出水憲司 笹木俊志 峰蘭太郎 神子上数馬/清水紘治 由布/岡まゆみ
第8話 おんな牢に潜入せよ 1982.5.25
打ち続く要人暗殺は殺し屋の仕業、千愁尼は意味深な態度で半蔵に「解決」を依頼。出てきたのは源を同じくする、伊賀の一族なのだった。
ロケ地
- 大六に、牢のお蝶とツナギをとるよう指示する半蔵、大覚寺護摩堂前(夜)。
- お蝶ら囚人が懲役に駆り出される畑、広沢池北西畔農地。男衆は下の畑に出ていて、お蝶と大六が口パクで連絡をとるほか、手形で合図する男女が出る(この手法からルーツが割れる)。
- どさくさに紛れ、伝馬町の牢に逃げ込んだ藤林の娘を連れて逃げるお蝶、追っ手とやり合う溝は大覚寺有栖川河床。
- 軍団出動、藤林のねぐらを襲うシークエンスは鳥居本八幡宮と北嵯峨の竹林をミックスして使用。鳥居本では舞殿や井戸際、広場が立ち回りに使われ、「竹林」には爆破されるアジトが作ってある。
ゲスト
遠藤真理子 竹井みどり 藤江リカ 北原義郎 藤林幻之助/長谷川明男 由布/岡まゆみ
※お蝶の女牢入り、無銭飲食+公務執行妨害。牢内では、ふしぎな踊りも披露。
第9話 仮面と毒薬 1982.6.1
紀州差し回しの忍群・裏熊野が跋扈、千愁尼と軍団を狙う。猪之吉が奸計に落ち捕われるが、救出の折に伊賀者の若い男女が犠牲となってしまう。
ロケ地
- 江戸での忍者暮らしはキツいと三郎次らを諭す猪之吉、流れ橋上。このとき猪之吉が自らの過去を回想、公儀の襲撃を受けた太郎生(たろう)の里は酵素河川敷(設定は違うが、前シリーズのバンクフィルム)。幼い猪之吉が母に手を引かれ行く街道は嵐山自転車道か。猪之吉が去ったあと落ち込むものの、互いに恋を捨て忍びとして生きようと誓うのは流れ橋下橋脚の間。
- 裏熊野の忍びが訓練をする林、不明。紀州から請け負った尼と伊賀者殺しは必ず遂行すると部下に宣する天変丸、普済寺鐘楼門前参道。
- 猪之吉に化けて入り込んだ裏熊野、その者に化けて侵入し返す虎麻呂のくだり、接触してきた「仲間」と入る秘密の入口は普済寺墓地(あしらいものの墓石の基壇動いてダンジョン出現)。抜け穴の出口は普済寺鐘楼門脇に井戸をこしらえ。
- 捕われた三郎次とうね、うねが嬲られている間に挟まれる、美濃の里で川中を走る二人のメロウ映像は木津川か(浅い)。
- 三郎次らの塚に詣でる猪之吉、流れ橋下河川敷。離れて見守る半蔵は橋脚脇。
ゲスト
天変丸/松橋登 三郎次/武田潤 うね/水島美奈子 由布/岡まゆみ
※猪之吉の母は里を出たあと長崎に流れ、オランダ人の子を産んだ設定。幼い猪之吉が迫害を受けるシーンがあるが、外人の子をキャスティングしてあり可愛い…この子がどうやったら立川三貴に。
第10話 死を呼ぶ子守唄 1982.6.8
由布はやっと母と会えるが、すぐに悲しい別れが待っている。その薄幸の女を見守っていた男も、やむなき仕儀で半蔵と対決し死んでゆく。半蔵は、悲劇の因をつくった男を断罪、陰謀の核となっていた連判状を焼き捨てるのだった。
ロケ地
- 大殿来着を知らせる早馬が駆ける街道、不明(切り通しと断崖?)。知らせを受ける若殿が弓の稽古をしている庭、不明(池泉、奥にお堂)。
- 紀州家に潜入していた由布を諭す半蔵、流れ橋下河原。このとき草むらにいた神坂が顔を出す。
- 神坂が家に押しかけた追っ手と戦う竹林、北嵯峨か。
- 由布を人質にとられた神坂が半蔵と対決する河原、流れ橋下河原。由布の母が殺されてしまったことを知らせに走ってくるお蝶は橋上。
ゲスト
神坂甚左衛門/佐藤允 谷口香 外山高士 大木正司 剣持伴紀 由布/岡まゆみ
※紀州の江戸家老に弄ばれた挙句、大殿に差し出されようとしていた由布の母。神坂は彼女を奪い逐電、江戸では屑屋をしていた次弟。
第11話 謎の牝豹 1982.6.15
改易になった藩から奪われた大金、伊達家が関与する事態を憂慮した千愁尼は、半蔵に回収を依頼する。しかし、尼にこのことを注進に及んだ女密偵の真意が奈辺にあるのか判らず、半蔵すら翻弄される。
ロケ地
- 下野・片倉五万石の城イメージ、姫路城か。
- 改易のどさくさに片倉から奪われた金二百貫、追っ手が賊と斬りむすぶ街道は大内辻堂前。祠の北側には枯れた木。なお逃げる賊、民家へ侵入する前に走る里道、不明(山際に道、下に里で蔵や萱葺が見えるアレ)。
- 尼御前に呼び出されたお蝶らが、お仙に試される林、鳥居本八幡宮小柴垣道。
- 下総へ向け旅ゆく五人、琵琶湖岸松原。
- 賊一味が荷駄を曳いてゆく山道、不明。
- 道鬼が追っ手を血祭りに上げる道、大内(辻堂の南方、地道)。
- 下総鮫浦・陣場野の沼、広沢池。北岸葦原のほか、荷駄がくる道に北西岸田畔、虎麻呂が潜むのに葦原と、各所を使う。
- お仙と伊賀者たちが一時身を置く小屋、酵素河川敷に設営。ここはあとでどっかん爆破で木っ端微塵に。
- 海へ船を出し、金塊を投棄する半蔵、琵琶湖上。
ゲスト
浪人/河原崎次郎 伴勇太郎 下元年世 きくち英一 室井道鬼/綿引勝彦 お仙/松尾嘉代
※お仙は泉州の交易商人の娘、侍に財を奪われ一家皆殺しに遭った過去を持つ。仇探しと腹いせのため尼御前の用をつとめる運び。
※道鬼は半蔵と研鑽を重ねた仲の、百地一族の忍者。
第12話 標的は魔性の肌 1982.6.22
尼御前の思惑に振り回される軍団、真の的はお仙の仇でもあった。裏の顔は海賊な死の商人は、伊賀者によって根こそぎとなる。
ロケ地
- 堺、じゃがたら仁左衛門の使いと称するお仙が刈屋の倅と会い取引を持ちかけるくだり、お仙は大覚寺放生池堤を来て天神島へ、銃口が樹上や祠から彼女を狙っている。
ゲスト
刈屋代蔵/織田あきら 神田隆 内田勝正 じゃがたら仁左衛門/田崎潤 お仙/松尾嘉代
※尼により抜け忍呼ばわりされる猪之吉、父はカピタンで、母は伊賀者の長崎遊女と語られる。
※刈屋の主が神田隆で、お仙に寝間で殺される長男が勝正。刈屋の手下に福ちゃん、人質のお仙を羽交い絞めなどする。
第13話 女相続人の秘密 1982.6.29
次々と飛脚を襲われ、預かり金を盗られ窮する扇屋。かねてより若女将と子を構っていた猪之吉は、彼らの危機に軍団を待たずフライングしてしまう。
ロケ地
- 飛脚が襲われた現場へ赴き調べるお袖、二尊院墓地。千愁尼の寺設定。
- 何も見ていないと尼に突き放され沈むお袖、広沢池観音島汀(階)。猪之吉が来て手助けを請け負う。
ゲスト
お袖/甲にしき 仙吉/香山武彦 江角英 小沢象 細川俊夫 津山栄一
※猪之吉が扇屋の孫をかまう動機は、亡くした子を思って。妻子がいたことをお蝶に告白。膾大わらわの赤毛が哀しくもおかしい。
※お袖は、賊に殺された人吉の豪商の娘。養父の扇屋は一味で、幼いお袖を抱え金を持って逃走・小沢象など仲間はチクられお縄に。お袖は、坊をさらわれ金を要求され封印切りを犯してしまう場面などもありドラマチック。
※坊が晴れて扇屋を継ぎ寿ぐさまを、半蔵らが離れて見守るシーンで終わり、風呂屋ギャグなし。また、今回おりん登場せず。
第14話 大奥魔女狩り 1982.7.6
倅を次期将軍にと目論む光貞、刺客を送り込み懐妊した側室を殺し、御台所の仕業に偽装。半蔵は、大奥御駕籠番として入り込んだ、根来の妖術使いと対決する。
ロケ地
- 江戸城イメージ、姫路城天守、和歌山城天守(こちらは大奥イメージかも)。
- 御台所の危機に、千愁尼に相談すべく城を出る侍女、駕籠をおりる林は鳥居本八幡宮広場〜鳥居前(スモーク演出)。庵に行くところ、巡礼に化けたくノ一に襲われる坂は二尊院紅葉の馬場。侍女から事情を聞いた尼が激怒、城へ戻ると庵を走り出るシーンは二尊院墓地(スモーク演出)、半蔵に諭される。
- 御台所の腰元として入り込んだお蝶、城内を探っていて敵に露見、深手を負いからくも逃げ出す溝は大覚寺有栖川河床〜御殿川河床。この間、処刑されたお庭番の祖父・炎上する屋敷の記憶がフラッシュバック。このあと映画村セットへスイッチ、様子を見に出ていた仲間に助けられる。
- 将軍が側室の法要を営む増上寺、神護寺。根来くノ一が変装を解き四色の戦闘服に身を包み飛び降りてくるのは鐘楼、伊賀者との斬り合いは毘沙門堂脇や山門内側で繰り広げられる。
- 事後、負傷したお蝶を里へ帰す半蔵、見送りの街道は北嵯峨農地か。
ゲスト
本阿弥周子 佐藤万理 佐野守 永野辰弥 松村康世 鬼妙/石橋蓮司
※レンジは女装して入っていて、声も女声で白塗り。半蔵と対決するくだりでは、衣とヅラとって褌一丁(足袋は履いている)で肉弾戦。えっぐい刺され方してくたばるが、わなわな震えるレンジの白い足が気色悪い。
第15話 拾った女は夜を恐れる! 1982.7.13
竜軒が助けたお姫様は、身代わりの百姓娘。己が命を差し出して家族の窮乏を救った健気な娘のためにこそ、軍団は動く。
ロケ地
- 芸州の姫が忍者群に襲われるくだり、西明寺。山門下に駕籠が待ち、姫が門を出てくるところを襲われる。門内に逃げ戻った姫が、さらに逃げて追い詰められ落ちる崖は保津峡落合落下岩、川に流されるところを竜軒が助けるのは保津峡本流。竜軒は落合河口の河原で水車を回しエレキテルで魚獲りをしていた次弟。
- 竜軒と虎麻呂の言い争いを聞き出て行ってしまった姫、くノ一に見つかり危機一髪のところへ伊賀の若者たちが出て助けるのは藪田神社境内。
- 「姫」と農村に潜んでいた竜軒、彼女を乗せて遠乗りのシーンは田畔と山道。
- 本物の姫の駕籠がゆく山道、不明。あそこがお袖のゆく道、と眺めやる遠景の山道は谷山林道か。お袖が見送られ発つ街道、大内亀岡道(登り坂)。
ゲスト
麻生えりか 山本昌平 松本朝夫 松村康世
※山本昌平は、甲賀の中でもとりわけエグいとされる鳴神一族のヘッドで、紀州の依頼により姫を狙う。昌平のコスチュームはもう飛ばしまくっていて、ザンバラ白髪白塗り真っ赤っか唇で、意外と可愛いふんわり衣装をまとい、鶏の頭落として血をアグニ(?)に捧げたりする。
※芸州の姫は尼御前の姪、お家存続の岐路に立つ設定。紀州が特産の塩を狙って暗躍している運び。
第16話 容疑者は三度消える 1982.7.20
大坂、尾張に続き、江戸でも香具師の大物が次々消される。裏には忍群・ナガレ衆、世話になった香具師の元締のため、お鈴は敵の本拠に乗り込んでゆく。
ロケ地
- 尼御前に呼び出された半蔵がゆく参道、西明寺参道。
- 飛脚の仕事で三島へ行っていた隼太、戻り道で丁子屋の若い衆が怪しの集団に連行されるのを見る街道筋、大内辻堂前。南望・北望両方のアングルが出る。尾行してゆき露見、ナガレ衆と立ち回りとなるくだりは藪田神社周辺と境内。北方の棚田映り込み。
- ナガレ衆の根城・箱根山中の寺(?)、神護寺。大立ち回りは石段と金堂前を中心に、軍団登場時には多宝塔や鐘楼も使われる。
- お鈴の知らせを受けて箱根へ急行する軍団の若者たち、疾風の如く走り抜ける野原は酵素河川敷、難儀して通り抜ける地雷原も酵素で、木を巧みに用いる。
ゲスト
京春上 田中浩 成瀬正 岩尾正隆 藤山律子 野口貴史 芦田鉄雄 黒川弥太郎
※ナガレ衆頭目は田中浩、いかつい行者ルック。元締は黒川弥太郎。
第17話 満月の夜に鬼女が笑う 1982.7.27
怨霊に悩まされる藩、尼御前の依頼を一笑に付す半蔵だが、お鈴は興味を示しかつ気の毒がって現地へ。そこで見るのは、トラウマに付け込まれる哀れな女。物騒な敵の出現に、おかしらもやって来る。
ロケ地
- 上野・奥平家の小幡城、彦根城。天秤櫓や城内石垣、玄宮園などが使われる。
- 領民らが怨霊の噂をする野良帰りの道、不明(茅葺民家など映り込む)。
- お鈴を助けにやって来た伊賀者たちがゆく城下の道、不明(山際の道で「土手下」に蔵や茅葺民家のアレ。林は竹林)。隣藩の家老と奥庭衆の頭領が密談の荒れ寺は、「三匹」で何度か出た「菱形の窓」がある建物で、ロケなことが判る絵。
- 藩のその後を語るナレに被る石垣、上野城や篠山城に似た立派な一件。
ゲスト
学子/松本留美 長谷川待子 遠藤征慈 大木晤郎 奥平忠恒/土屋嘉男
※怨霊が出る鬼門櫓は天秤櫓と思われるが、暗くて識別困難。
※隣藩に内通する奥庭衆は、風魔の一派。
第18話 生きていた怨霊 1982.8.3
陽炎を悩ます悪夢は正夢、大昔の怨念が立ち現れ、憎き者の裔に祟る。マジで「出ている」奇ッ怪な化け物に、さすがの軍団も大いに手こずる。
ロケ地
- 武州川越在堀金村(字は当て字)の道、溜池、寺院、沼、田畦等不明。
- お秋を隼太が追うものの、憑依されていてダメな小柴垣の道は北嵯峨か。
ゲスト
お秋/明日香いずみ 北九州男 中村錦司 福本清三 高橋利樹
※怨霊表現、グロ注意。憑依されたお秋ちゃんの顔のブツブツが意味不明。
※福ちゃんは番屋の親分、安蔵。化物見てうひゃあのところ、グロい殺られ方をする。
第19話 真夜中の復讐鬼 1982.8.10
悪党がのさばる芝居を演じる若者、妙にリアルな筋立ては「ほんとうにあったお話」だった。半蔵たちの手厚い援護も空しく青年は散るが、仇討ちは果たされる。
ロケ地
- 大番組頭が暗殺される雨の夜道、相国寺方丈塀際。
- 里の子らに追われる孤児の兄妹(回想シーン)、大沢池畔か。
- 大怪我をおして仇討ちに行った市之丞が殺され、土左衛門で見つかる水辺、大覚寺放生池源頭部。
ゲスト
市之丞/坂東正之助 佐原健二 石橋雅史 清水めぐみ 中村錦司
※兄妹の父は飛騨の役人、郡代以下の悪党三人に陥れられ母も自刃。幼い二人がひもじさに団子泥棒をはたらき責められるところ、拾ってくれた旅の一座のおじさんが中村錦司。
第20話 尼僧は俳句で殺せ! 1982.8.17
不可解な尼僧連続殺害、的は千愁尼と目される。謎の解明に気さくに協力してくれる俳諧師には、案の定ぶっとい釣り針がついていた。
ロケ地
- 尼三人の殺害、最初の一件は相国寺大光明寺南塀際、大川端のそれは映画村セット、寺で果てている一人は西明寺か(縁側)。
- 千愁尼のもとに赴く半蔵、西明寺参道(宝筐印塔映りこみ)。
- 紀州の隠し忍・道鬼らが巣食う小菅の砦跡、不明(水食地形の崖がある荒地)。
- 秋風が江戸へ戻る山道、不明。
- 秋風がお鈴らを連れ庵に戻るくだり、大覚寺五社明神祠脇〜護摩堂裏手(裏手に庵入り口を演出)。帰ると火事が出ている庵はセット撮り。
- 夜、囮になって町を歩く陽炎、目的が果たせず朝になり半蔵に報告するのは大覚寺護摩堂脇、先に出たのと違うアングルで、大沢池も映っている。庵に戻る陽炎は天神島朱橋を渡って去り、半蔵が道鬼と対峙するのは天神島で、池端の鳥居前を法華の太鼓が通り過ぎてゆく(通行人)。
- 紀州の重職が秋風と接触する水辺、大覚寺放生池堤(放生池側に塀を設置)。
- 殺された尼僧に付けられていた句のことで、出席した人々を集める秋風、西明寺か(庭、座敷)。中座した陽炎が外にいる伊賀者に矢文を放つシーンは西明寺境内(蕨手の灯篭林立)、受ける伊賀者たちは山門前。
- お鈴が撒いていった米粒が降雨のため無駄になり、追跡できず嘆く隼太たち、相国寺方丈西塀際。
ゲスト
松井秋風/内田稔 高野真二 堀田真三
第21話 忍者を狩る美女 1982.8.24
薩摩飛脚からのSOS、三代続いた里隠れの、幕府が伊賀者を追放したのも知らぬ哀れさに、危険を冒し軍団が動く。薩摩入りした隼太は、たった一人残されたくノ一と出会う。
ロケ地
- 薩摩国境の関所、不明(山道に柵設置)。
- 伊賀の里隠れ・下神戸の一族が暮らす家、不明(坂上がったところに茅葺のお堂らしき建物、斬り捨て御免で見たような。菱の窓あり)。
- 捕われた伊賀者を見に出てくるお艶の方、御浜御殿の門は大覚寺大門。
- 「飛脚」で薩摩入りの隼太、走る街道は琵琶湖岸〜田畔(棚田っぽい)〜先に出た関所へ(大内・亀岡道っぽい山道の坂)。
- 次席家老・赤松典膳邸、相国寺林光院。
- 鶴丸城、彦根城佐和口多門櫓(いろは松越し)。鯉に餌をやるお艶の方は彦根城玄宮園・龍臥橋。
- 隼太とおみのが外から様子を窺う堀端、不明。この後隼太が追われる町角は相国寺鐘楼まわり。
- メンが割れてしまった隼太とツナギをとる、長崎奉行所与力のお供で潜入の竜軒、大覚寺聖天堂(夜間撮影、隼太は縁下に)。
- 陽炎と隼太がツナギをとる猿丸神社、大覚寺五社明神本殿。
- 赤松邸からおみのが出てくるのを見て疑心暗鬼、おみのに迫る隼太は相国寺鐘楼付近、宗丹稲荷も映る。
- おみのを葬る丘、不明(砂地、幼松あり)。
ゲスト
遠藤真理子 水原麻記 曽根晴美 中村孝雄
※お艶の方は、殿様以下を不甲斐ないとして幕府転覆を計画、武器を集めていた…と書くと女丈夫のようだが、嗜虐趣味が昂じた感じ。
第22話 地獄から来た赤ん坊 1982.8.31
鶴の湯に置き去られた赤子は、二重の因果を背負った子。お鈴が欲しがって取り込んだことから、軍団は物騒きわまる輩に狙われる羽目に。尼御前の依頼と結局は一致する、いつものパターンでもある。
ロケ地
- 密教者のアジト付近の描写、湿地っぽい疎林や苔むした祠。軍団が捜索するくだりでは、墓や神社の一部が掠める。
- 赤子を連れて来いと指定される「おろちヶ原」、竜王や湖南アルプスに似た裸地の丘陵。
ゲスト
南原宏治 木村弓美 南城竜也 黒部進 弘松三郎
※怪しの密教者を追い使うのは老中、公家を弾圧するのに高家・北畠家が邪魔という筋立て。北畠に大恩ある元家来が、身を捨てて主の子を守る。
第23話 くノ一最後の挑戦 1982.9.7
半蔵を、夫と子の仇と憎む女あり。同じ女としてその心情にほだされ庇ってしまったお鈴は、自らを危地に晒す結果となる。
ロケ地
- 裏熊野の一団が御用金を奪い持ち去る八王子宿の夜道、大覚寺五社明神。
- 鍛錬を積むさえが「半蔵の幻」に稽古をつけられる竹林、北嵯峨か。
- 雉子郎らが探っているとさえが現れ入るお堂、大覚寺護摩堂。中で義弟にいたぶられるシーンはセット撮り。
- 役人が踏み込む大龍寺、神光院。山門から中興堂へ至りガサ入れ。一人見つかってしまったさえが役人と斬り結ぶのは蔵の前、お鈴参戦し煙幕で逃走。
- 半蔵に扮して出たお鈴、裏熊野に撃たれるのは大覚寺五社明神。
- 江戸を発つさえを見送る竜軒、大覚寺大沢池畔。
ゲスト
さえ/岡本麗 山岡徹也 中田博久 太郎丸/三上真一郎
第24話 影武者の罠 1982.9.14
尼御前のたっての頼みで、紀州に捕われた公家を救出に向かう軍団。しかしそれは、千愁尼の居所を突き止め、始末するための罠だった。
ロケ地
- 紀州・田辺へ走る伊賀者たち、北嵯峨農地小丘〜広沢池東岸(池中)〜竹林(北嵯峨か)。紀州田辺城は彦根城、遠景や天守のほか、大手橋、天秤櫓、太鼓門櫓、佐和口多門櫓に石垣や濠など各所が使われる。使いに化けた隼太が本藩からの使者を出迎える街道は不明(林の中の地道)。
- 救出した公家とともに江戸へ向かう伊賀者たち、不明(北嵯峨っぽい)。正体を現したニセ「公家」を追う隼太、走る溝は大覚寺有栖川河床。
- 事後、初恋の人だった「公家」とすれ違う尼御前、仁和寺参道(公家は北から、尼は中門をくぐって南から。金堂や二王門が遠景に映り込む)。
- ついに言葉を交わすこともなかった「恋人たち」のことをボヤく伊賀者たち、広沢池東岸。
ゲスト
和崎俊哉 西沢利明
※「孝子」が輿入れ前にほのかな思いを抱いた相手が、今回田辺に捕われる公家で、反紀州の急先鋒というタテマエもある。救出された際の言動がなかなかアレで、それまでほとんど喋らない人質役に西沢利明を持ってきたのが納得の憎たらしさ。
※この話のラストで88ヶ所巡りに出るというおりん、そのまま以降出て来ず。
第25話 尼御前の陰謀 1982.9.21
紀州の攻勢強まり、半蔵たちは追われ暮らしの場も失う。千愁尼にも同様に圧力がかかるが、なぜか尼の命は取られぬ不思議、それが軍団を死地に追いやる。
ロケ地
- 和歌山城、本物の天守をイメージに。
- 紀州藩上屋敷、大覚寺大門。
- 隼太が終われ逃げ込む夜鷹の苫船、広沢池東岸。
- 町を追われた軍団が寝起きする小屋、酵素河川敷に設営。
- 紀州家の世子・綱教が弓の稽古をする庭、不明。
- 軍団が隠れる洞窟、保津峡落合崖道(落下岩を画面右端に持ってきて、落合へ降りる道を洞窟に見立てて撮ってある)。
- 伊賀者たちが葬列を仕立てて庵に近づく道、不明(小柴垣道)。
- 隼太を荼毘に付す河原、罧原堤下河原。
ゲスト
ゆき/大田あや子 深江章喜 船戸順
※家光の子である将軍可愛さに惑う尼御前、しかし当の上様は暗愚というのも描いてある。
※お話の一方の柱は隼太の愛と死、仲間を捨ててまで愛を貫こうとした夜鷹が仕込みという哀れ。
第26話 さらば!影の軍団 1982.9.28
遂に、真っ向から紀州に刃向かう軍団。仲間ばかりか尼御前まで散り、「怨念の鬼」と化した半蔵は、光貞の肉体を抉る。
ロケ地
- 竜軒が御用医師に化けて入る紀州藩上屋敷、大覚寺大門。光貞の駕籠がつけられるシーンに式台玄関、竜軒が出入りを見張るシーンでは大門の「対岸」も。
- 竜軒が光貞の動向をかしらに報告する神社、不明(林の中)。
- 光貞の駕籠を襲う軍団、酵素ダート(設定は湯島界隈、なんとか坂と半蔵が指示していたが聞き取れず)。竜軒が駕籠を襲うも中に光貞は居らず爆発、その後大立ち回りとなる野原は酵素河川敷、茂った葦原をたっぷり使う。
- 紀州藩邸へ乗り込み光貞を襲うも失敗、返り討ちに遭った尼御前が「水死体」で発見される川端、広沢池東岸。
- 尼御前を葬る塚、北嵯峨農地小丘。
- 和歌山城、本物をイメージに。勤めていた商家の主に連れられお城へ上がるお蝶、二人ゆく堀端は二条城堀端(外濠)。
- 紀州藩の世子と鷹司家の婚儀の件で遣わされてくる岩倉中将、変装し入れ替わった虎麻呂の一行がゆく橋本宿〜和歌山城下の道、北嵯峨農地農道。迎えられる玄関は相国寺林光院式台玄関。
- 本物の中将を隠してある家、不明(軒瓦を出した茅葺)。根来党が襲撃。
- 光貞を討ったあと、将軍に釘をさしに現れる半蔵、江戸城イメージに姫路城天守シルエット。
- 散っていった軍団メンバーの遺髪を谷に投げる半蔵、保津峡落合落下岩。髪の束が流れてゆく谷川は清滝河口部。
ゲスト
徳川家綱/堀光昭 北町嘉朗 小沢象
※傷癒えたお蝶が帰還、決戦の際深手を負うが生存。今回殉職は竜軒、大六、虎麻呂。
※前回、復帰のため頭巾の下に黒髪を隠していた尼御前だが、今回光貞の前で剃り上げた姿を開陳。
※半蔵の決め台詞「我が身既に鉄なり…」が今回変形バージョン「我が身今や鉄に非ず云々」。冒頭紀州屋敷に投げ込んだ、火のついた槍には「天魔伏滅」の血文字添えられてるし。
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