八丁堀の七人

第四シリーズ、2003年 東映/テレビ朝日

キャスト
仏田八兵衛/片岡鶴太郎 水原弥生/萬田久子 松井兵助/山下徹大 花田孫右衛門/おりも政夫 吉岡源吾/日野陽仁 古川一郎太/末吉宏司 徳松/鼓太郎 おやい/楯真由子 青山市之丞/岡田翔太 磯貝総十郎/石倉三郎 青山久蔵/村上弘明


第1話 「目撃証言を拒む少女!仏を捨てた鬼同心」 2003.1.6

 母を庇って口をつぐみ、その死に際会し命を絶とうとする少女。彼女を立ち直らせるため、八兵衛は優しさをかなぐり捨てて「鬼」となる。

ロケ地

  • 晒された女郎・おりょうを気の毒がり饅頭をやるおやい、帰り道に八兵衛らと話す石畳は八幡掘堀端(白雲橋・明治橋間右岸堀端、二段の上)
  • おりょうを平野屋に連れてゆき、おしのの顔を見せ確認させる八兵衛、品川での朋輩だと語る堀端は八幡堀堀端(明治橋上手左岸)
  • 彦七の正体をゲロったあと釈放される長吉、尾行の同心たちから逃げ、子を人質にとって立てこもる漁師小屋は罧原堤下河原に設営。ここへ「たまたま非番で釣りに来た」梅沢が現れ「やむなく」長吉を斬り捨てる。
  • 彦七に自首を求めるも却っていたぶられるおしの、ここへ嫉妬にかられたおみねが包丁持って突進してくる林、不明(奥に石造りの囲い)
  • おしのが土左衛門で見つかる水辺、大覚寺天神島
  • 平野屋の墓をあばき御定書を発見する同心たち、大覚寺梅林に墓地を仕立て。後段、おしのの卒塔婆が隣に。
  • 彦七らが梅沢の昇進を祝い宴を張る屋形船、大覚寺大沢池。宴果てて上陸したところへ出役、用心棒たちと大立ち回りは放生池畔広場。
  • 江戸に残り八兵衛宅に住むことになったおやい、市之丞と凧揚げの土手は嵐山自転車道。「親」二人が土手に腰掛け。

ゲスト
おしの/美保純 彦七/中原丈雄 梅沢/片岡弘貴 長吉/草薙良一 おりょう/栗田よう子 おみね/日下由美

※平野屋は公事宿、彦七が番頭として入ってから繁盛。御定書をめぐり、南の吟味与力が噛んでいる次第。


第2話 「初恋の罠!黙秘する女取り立て屋」 2003.1.13

 諸人に憎まれる取り立て屋の女、雇い主夫婦を殺したかどで捕まるが完黙。死をも覚悟の行動には、哀れな過去が隠されていた。

ロケ地

  • 源吾がおまさを見かけて身を隠すくだり、八幡堀。一郎太と歩いていたのは左岸堀端、おまさがやって来るのは明治橋上。おまさは堀端を東へ去ってゆく。
  • おまさを襲った浪人、馴染みの料亭から出てくるのを待ち伏せ尾行する一郎太たち、八幡堀新町浜(浜と料亭を使用)。浪人が入ってゆく旗本屋敷は妙心寺天祥院(設定は書院番組頭・桑原図書の拝領屋敷、当主ではなく弟が住む)
  • 下城してくる図書を呼び止め、弟のことを告げる青山さま、二条城鳴子門。これに先立ち、本丸櫓門と内濠が映し出される。
  • 青山さまの屋敷、妙心寺衡梅院(門の内外両方のアングルあり、池端の植え込みも映る)

ゲスト
おまさ/山下容莉枝 桑原純之助/鷲生功

※「奈落のおまさ」、おやいの母の借金を取り立てに来るのが話の端緒。三島の女郎屋から足抜きさせたくれたのが旗本の若様の純之助。


第3話 「八丁堀VS幕府最強軍団!」 2003.1.20

 人を人とも思わぬ大身旗本、彼らが無辜を斬る現場に出くわした青山さまは、職も命も賭して刃向かう。事情を知った部下たちも同調、討ち入りよろしく乗り込んできた大番組の侍どもと、掟破りの大立ち回りを演じるのであった。

ロケ地

  • 川越の遠縁へ養子に出される市之丞が乗る船、八幡堀明治橋下掘割。
  • 大番組頭・矢代邸、大覚寺大門
  • 経緯を知った八兵衛が青山邸へ赴く朝のイメージ、八幡堀堀端。
  • 亭主の故郷へ帰るおゆみを見送る八兵衛たち、嵐山自転車道。戻ってきた市之丞が駆けて来るシーンもあり、人物の背景に来る緑は南北両方向が使われる。灯篭や地蔵のあしらいものも。

ゲスト
矢代主膳/秋野太作 おゆみ/神戸みゆき 内藤一学/朝日完記 跡部山城守/楠年明

※矢代の馬鹿息子が侍女だったおゆみに無体、そのときは暇を出しておいて倅が死ぬやお家存続のため赤子を欲するという、まことに手前勝手な次第。


第4話 「狙われた同心!奉行所の中に犯人が!?」 2003.1.27

 青山さま配下の同心が、四人までも襲われる事態の裏には、悪党の思惑。うかうかと乗せられた、充分に哀れな事情を抱える「実行犯」の罪を、皆して空とぼけてやる男たちが泣かせるのだった。

ロケ地

  • 磯貝襲撃犯と目される、タレコミ屋の定七の番小屋(大川渡し場)罧原堤下河原に小屋しつらえ。吉岡が川に突き落とされるほか、兵助と一郎太が小屋に籠められ焼き殺されかかる。
  • 公金横領の果て娼婦と心中した村岡、相手の女であるおゆきの墓、不明(竹林の林床、北嵯峨か)
  • 村岡の件を青山さまに報告する八兵衛、大覚寺五社明神。二人はここで若手同心のダブル告白を目撃することになるが、おせんは大沢池木戸をくぐってやって来て、呼び出した兵助と一郎太は大沢池船着(大)で待っている運び。二人の告白をかわしその場を去ったおせんが佇む水辺、天神島汀(八兵衛が現れ、おせんの前歴を問い質す)
  • 土左衛門で見つかる定七、広沢池東岸。汀に草履が揃えられている。
  • 蓬莱屋が入ってゆく荒れ寺、不明(石垣際〜門、竹林あり)
  • 故郷へ帰るおせんを見送る兵助と一郎太、嵐山自転車道。土手下の公園際に茶店が仕立ててあり、青山さまと八兵衛はここで三人を見ている次第。

ゲスト
おせん/吉野きみ佳 韮崎左門/大橋吾郎 うた/新海百合子 お袖/竹本聡子

※三月前から北町の賄い下働きに入っているおせん、実はおゆきの朋輩で、村岡が横領した金は北町同心がナイナイしたと吹き込まれている。
※韮崎は年番方与力、蓬莱屋とつるむわるい役人。


第5話 「昔のオンナ!?用心棒になった鬼与力」 2003.2.3

 取り立てのキツい酒肆の女将、実は青山さまの古馴染み。凶賊の下っ端からツケの代わりに入手した香炉が曰くつき、狙われる彼女を浪人態につくった与力が守り、留守を預かる同心たちが調べを詰めてゆく。

ロケ地

  • 源吾のところへ取り立てに来たおときを見た青山さま、着流しで両国橋(映画村セット)を渡り本所二ツ目橋のおときの店へ向かう際通る堀端、八幡堀堀端。
  • 殺された船頭の件を元朋輩に聞き込む同心たち、荷揚げ場は八幡堀明治橋上手堀端。
  • 取り立てのお供をつとめた夜、おときと呑む青山さま、大覚寺大沢池畔。
  • おときの酒肆に居続けの青山に連絡に来る弥生、嵐山公園か(桜並木)。後段、八兵衛のツナギも同所。
  • 凶賊にやられた近江屋、その生き残りの娘が親の墓に参るところを見る八兵衛、不明(墓地、長七郎江戸日記などで頻出の、見上げるほど大きな墓石や五輪塔が林立するアレ)

ゲスト
おとき/朝加真由美 湊屋徳右衛門/潮哲也 石倉英彦 福本清三

※石倉さんは凶賊の手先、福ちゃんは集金先の人で出し渋って用心棒の青山さまに髷落とされてうひゃあ。
※女郎だったおときのもとに登楼した旗本の若様が青山さま、悪ぶっての行動が実は青い坊やだったことが八に暴露されたり。


第6話 「島帰りの女スリ!裏切られた約束!?」 2003.2.10

 「待っている」という男の言葉を胸に、五年の年月を過ごした流人の女。しかし帰ってきて見たものは、「家族三人」楽しそうに過ごす八兵衛の姿。頼る人もない女は、悪事に巻き込まれてゆく。

ロケ地

  • 土蔵破りの調べを終え戻る磯貝たち、道は大覚寺大沢池堤。途中殺しと声がして行ってみると、堤法面で一郎太たちが検分中。
  • おかよのことを弥生に話す八兵衛、島へ送られるおかよを見送った船番所、罧原堤下河原。柵や小屋あしらい、流人船は下流方向へ下ってゆく。ラストシーンの追憶も同所。
  • 江口がおやいをさらって閉じ込めるやしろ、鳥居本八幡宮。舞殿に扉をつけて建物に仕立ててある。立ち回りは舞殿まわりのほか、石段や鳥居付近でも。

ゲスト
おかよ/杉山彩子 江口宗八/篠塚勝 おきぬ/愛川裕子

※江口はおかよの掏摸の腕を盗みに利用する魂胆、情婦のおきぬは島での朋輩。


第7話 「怒りの鉄拳!一目ぼれされた女医」 2003.2.17

 弥生に求婚者が現れたことで、「ちょっとだけ」進展するお二人さん。事件のほうは、添えなかった男女の哀話で、女の仇を討とうとする男の繰り出す拳が見もの。

ロケ地

  • 聞き込み帰りの八兵衛たちがぶつくさ言っているところへ青山さまが来てしまう橋、八幡堀明治橋。このとき、橋下の堀端で喧嘩があり目撃、おとせに悪態をついた者どもに佐吉が殴りかかったところ。
  • おとせ殺害の件で佐吉を聴取する八兵衛、八幡堀舟橋付近堀端(石段に腰掛け)。このあと佐吉を尾行、浪人のことを聞き込んだ佐吉が休むお堂は大覚寺護摩堂(階に腰掛け)、ここで苛められている子を見て悪童を散らすのは石仏前。
  • 弥生と遠山がばったり出くわす橋、八幡堀舟橋。その後入る茶店は明治橋上手の堀端にあしらい。
  • 遠山が弥生を呼び出しプロポーズする夜の神社、車折神社参道石畳鳥居前。後日断るシーンももちろん同所。
  • 浪人たちを捜し続ける佐吉、八幡堀堀端(同心たちが尾行)。浪人らに拉致され吊り殺されかかるのは大覚寺五社明神。同心たちが駆けつけ浪人を散らしたあと、佐吉が語る回想、おとせに浪人たちの企みを立ち聞いたと相談された水辺、八幡堀堀端。
  • 遠山に求婚された件で青山さまに相談を持ちかける弥生、八幡堀堀端。もちろん怒って帰る羽目に。
  • 佐吉の就業を青山さまに報告する八兵衛、八幡堀堀端(茶店あしらい)

ゲスト
佐吉/畑山隆則 遠山慎介/三浦浩一 おとせ/岩本千春 高木新七/草見潤平

※遠山は勤番侍、マジで一目惚れ。人物像は「爽やか」カテゴリ。
※佐吉は拗ね者、おとせが唯一の理解者。


第8話 「誘惑の甘い罠!恋に溺れた中年同心」 2003.2.24

 冴えない中年男に降ってわいたラブ・アフェアは、想像通りの結果に。
悪人に名を騙られていた磯貝のおぢさんは、それでもいっときの恋が幸せだったとおいおいと泣く。

ロケ地

  • 捕物をしくじり、青山さまに辞職勧告された磯貝を慰める八兵衛、明治橋下手八幡堀堀端。
  • おしまが磯貝に岡惚れな件を当人に話す八兵衛、八幡堀堀端。そこへおしまやその兄が現れ話が「発展」したあと、磯貝とおしまが愛を確かめあい抱き合うのは白雲橋下堀端。
  • 釣りの青山さまに磯貝の噂を吹き込む孫さんと源吾、大覚寺大沢池船着(大)
  • 磯貝を騙したことが発覚したあと、おしまの所在を突き止め問い詰める八兵衛、日牟禮八幡宮本殿前石畳。
  • 事後、釣りの青山さまに磯貝夫婦復縁の手助けを頼み込む、二人の時間を邪魔されクサる八兵衛と弥生、大覚寺放生池堤

ゲスト
おしま/森下涼子 篠田平八/赤塚真人 谷口高史

※おしまは同心によって叩き落された妹の恨みを晴らすため磯貝をハメる。もちろん磯貝はそんなことはしていなくて、むかしの朋輩に騙られていた次第。
※谷口高史は、元同心で今は賊の首領の篠田の手下の浪人。


第9話 「鼠小僧の離縁状!与力捨て身の対決」 2003.3.3

 鼠小僧の元女房が次々殺される裏に、上つ方の汚い事情。むかしの事件をほじくるのをやめれば愛しい者を救えるとわかっていて、男たちは正義を選択する。

ロケ地

  • 岡場所にいた「元女房」が土左衛門で見つかる水辺、嵐峡汀。その女が駕籠に乗って降りたルートを探索する同心たち、妙心寺大庫裏路地(クランク)〜福寿院道(その先を曲がったと駕籠舁きが証言)。先へ行ってみると突き当たりで、松平宮内少輔の屋敷な門は天祥院門(寿聖院の向かいの植え込みあたりに、塀と天水桶をあしらい)
  • おゆうにつきまとい迫るも、青山への思慕を知らされてしまう源吾、大覚寺天神島(この直後喀血)
  • 宮内少輔が出仕するのを狙う青山さま、門前に張り付くも空駕籠で騙そうとするくだりは妙心寺天祥院前。裏をかいて船に乗るシーンはセットから嵐峡へスイッチ。からくりを読んでいた青山さまが行列の前に立ちふさがる坂は粟生光明寺参道坂、同心たちが駆けつけての立ち回りは踊り場中心。
  • 事後、おゆうとその父・大谷木の墓に参る青山さまと八兵衛、粟生光明寺本堂脇崖の植え込み際・植木越しに方丈の甍が見えている。

ゲスト
大谷木七兵衛/石田太郎 おゆう/林美穂 松平宮内少輔/平野忠彦 筧十内/中丸新将


第10話 「切腹まであと二日!最後の激闘!!」 2003.3.10

 親も子もわるい旗本が、悪さのツケを青山さまにおっ被せる。閉門の果て、遂に切腹の沙汰が下り、同心たちは遮二無二動いて突破口をひらく。

ロケ地

  • 評定所、大覚寺明智門。青山さまが呼び出され謹慎を食らう場面では、門のパーツのみ。
  • 目付・柳原将監を見張る同心たち、屋敷は大覚寺大門。見張りは「対岸」から。
  • 湯島天神の茶屋女に、柳原の倅・右京のことを聞きこむ源吾たち、梅宮大社境内に茶店仕立て。
  • 右京の取り巻きが出入りする押上村の乗蓮寺(賭場)大覚寺聖天堂(夜)
  • 無罪放免となり評定所を出てくる青山さま、八兵衛が出迎えるのは大覚寺明智門。ふたり戻る道で弥生の注進を受けるのは参道石橋、この間大門は将監邸に使ったため映さず、場面を切り替え。

ゲスト
柳原将監/大出俊 柳原右京/緒形幹太 井筒屋庄左衛門/山西道広 おなつ/寺田千穂


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