運命峠

1974〜1975年 関西テレビ/東映

原作/柴田錬三郎 音楽/宮川泰 ナレーター/芥川隆行


第1話 天を斬る剣  1974.10.2

 危篤に陥った大御所の懸念は、大坂城落城の業火より逃れた母子の行方。その意を体し、京へ追っ手が差し向けられるが、関わる者たちの指向も一致しておらぬうえ、謎めいたニヒルな浪人が立ちはだかるのだった。

ロケ地

  • 駿府城イメージ、姫路城天守。回想シーン、砲火に包まれる大坂城、一部は昔の空堀から大阪城天守を見たもので炎上シーンはミニチュア。大御所の寝所から出て廊下で話す天海と但馬守、大覚寺宸殿回廊。但馬守が朝比奈を呼び、桂宮蓮子母子召し捕りを命じる階、大覚寺宸殿前縁。
  • 京イメージ、東寺(南大門越しに塔を見上げた図と、境内からの絵)。堀川端で花を摘んできたささ香が、遊ぶ子らに所司代の人数が出ていると聞く町角、相国寺林光院前路地(大通院の甍も映り込む)。役人らが屯する寺の門、今宮神社(捕り方は石橋付近に、彼らを見るささ香は東門に寄り)。ささ香が駆け込む尼寺の門、一様院山門。蓮子と秀也が逃げる墓地、西方寺小谷墓地(元豊臣家家臣の寺男二人が追っ手と戦い、果てる)
  • 京都所司代、京都御苑管理事務所東門。所司代が朝比奈に母子の行く先について見当を述べる。
  • 所司代が抜擢した忍者二人が行き会う道、走田神社参道。大木の根方で二人が話す。
  • ささ香の提案で船を出そうとした香住の海岸、日本海か(巨岩の磯)
  • 秋月六郎太が役人に誰何されるも、柳生十兵衛が出て通過を許可する山道、不明。六郎太の真意を問うシーンは墓地脇か。
  • 運天がささ香に木の実をやる道端、不明(山道?)。猿飛佐助が教えた、母子のいる湯治場、不明(入口は山道、湯治場は谷川の上に小屋しつらえてスモーク焚き・流れはけっこうな急流で危なっかしい)

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 秀也/増田将也 天海/吉田義夫 柳生十兵衛/伊吹吾郎 朝比奈/佐藤慶 柳生但馬守/近衛十四郎

猿飛佐助/桜木健一 三好晴海入道/田子ノ浦忠雄 出雲の阿国/玉梓真紀 板倉勝重/神田隆

脚本/結束信二 監督/河野寿一


第2話 月明地獄嶽  1974.10.9

 権力側に追われる母子の運命は風前の灯、しかしそれを不憫に思う者や旧家臣に加え、徳川を憎む向きも少なからず。
窮して運を天に任せた女は、再び六郎太とまみえることに。

ロケ地

  • 湯治場から母子を連れ出し、山街道から獣道へ逃げる運天、不明(草深い山道)
  • 七兵衛と戦い母子を逃がす伍平、保津峡落合河口(橋設置)。後段、六郎太が通りかかり屍に餞をする。
  • 蓮子らしき女が宿にと情報がもたらされる代官屋敷、不明。
  • 代官屋敷から母子を連れ出す七兵衛、蓮子が身を躍らせる崖(地獄嶽)は落下岩か。
  • 茶店で休む六郎太のところへ現れる十兵衛、緊張が走る場面で沢庵登場の峠、谷山林道(頂上付近の切り通し)
  • 天下道人(沢庵和尚)宅、萱葺民家(軒瓦を出すつくり、植藤に似る)。うるさいくらいに大根が干してあって笑える。
  • 崖から落ちた母子を保護した、千早・小太郎姉弟が住む家、走田神社社務所。姉弟は天下道人のご近所、織田信次の血筋。
  • 母子を探し歩くささ香と運天、不明(楼門下の石段、ここへ至る道は城砦の如き石垣の際)

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 千早/堀越陽子 小太郎/進士晴久 秀也/増田将也 左上源吾/森章二 柳生十兵衛/伊吹吾郎 朝比奈/佐藤慶 天下道人/有島一郎

野々村伍平/小松方正 寺沢新十郎/蜷川幸雄

脚本/結束信二 監督/河野寿一


第3話 血染ヶ原の夕陽剣  1974.10.16

 はぐれてしまった主従が再会、しかし束の間の安堵もすぐに破られる。
そして追っ手側の思惑も、一枚岩ではない。

ロケ地

  • 千早宅周辺、不明(山中の林に設営か)
  • 姫宮に会えるよう滝に祈るささ香、不明(けっこう水量のある直瀑)
  • 天下道人が代官所の人数と事を構える一本橋、天神川にセット(若布谷河口付近)
  • 追っ手と攻防の山中、不明。
  • 秀也をさらった七兵衛が守袋を落としてゆく岩場、保津峡落合。あとで通りかかりそれを拾った六郎太が、河口を眺めやる。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 秀也/増田将也 千早/堀越陽子 小太郎/進士晴久 左上源吾/森章二 朝比奈/佐藤慶 天下道人/有島一郎

寺沢新十郎/蜷川幸雄 佐々木小次郎/片岡孝夫

脚本/石森史郎 監督/井沢雅彦


第4話 殺風西に奔る  1974.10.23

 運命の子は、変心した七兵衛に連れ去られ芸州へ。行き違いによりささ香とは会えず、曲折を経て結局七兵衛の手に戻ってしまうが、刺客を差し向けられた「徳川の子」の胸に、追われる幼子への憐憫が萌していた。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守。城内をゆく天海、彦根城内濠端(埋木舎前、背景に佐和口多聞櫓)。柳生但馬守に、母子と六郎太抹殺について話す庭は彦根城玄宮園龍臥橋上。
  • 六郎太についてきて話しかける有川、落合トンネル付近と落合橋か(地道と木の欄干)
  • 運天とささ香がゆく道、不明(山道)
  • 福島家居城としての広島城イメージ、大阪城天守(直下から見上げ)。忠臣・相楽玄蕃が忠言するも、家老・峰村に退けられるくだり。
  • 相楽玄蕃の乗った駕籠が城を下がる道、相国寺光源院脇路地〜鐘楼脇〜弁天社前(やしろの中にいた七兵衛が針を飛ばし暗殺)
  • 秀也を連れて逃げようとするも七兵衛に見つかってしまう主馬、大堰川河川敷か。
  • 柳生十兵衛が有川ら配下と六郎太について協議する町角、大覚寺天神島祠脇。
  • 七兵衛が秀也をおぶって歩く道、不明。
  • ささ香と運天が道中で水を使う川、清滝川
  • 六郎太が有川の文で呼び出される、明神ヶ嶽中腹の辻堂、御室霊場のお堂。
  • 十兵衛との戦いで崖から落ちた六郎太、起き上がり再び歩みだす道、不明(山道)

キャスト
秋月六郎太/田村正和 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 秀也/増田将也 有川典膳/内田勝正 天海/吉田義夫 柳生十兵衛/伊吹吾郎 柳生但馬守/近衛十四郎

相楽玄蕃/永野達雄 遊女屋/山口幸生 峰村/中村錦司 おちか/松木路子 田崎主馬/横内正

脚本/高岩肇 監督/井沢雅彦

*相楽玄蕃の供侍に福ちゃん、駕籠を先導。主が殺された際の、リズミカルな挙動が見もの。


第5話 華麗なる非情剣  1974.10.30

 秀也を抱えた七兵衛は「豊臣恩顧」最有力の毛利へ、そこで石田の残党と出会い合流。しかし毛利の家老は、いま徳川に逆らえば御家は破滅と見ていた。

ロケ地

  • 周防山口城イメージ、彦根城天守
  • 六郎太がゆく荒野、不明(水食著しい荒れ地、「かかし半兵衛のアレと似る)
  • 秀也をおぶい周防さして山道をゆく七兵衛、不明。食べ物を調達するため、一時秀也を置いてゆく野原、酵素河川敷。その途上で追っ手と遭遇するのは酵素ダート。取って返した七兵衛、秀也を抱え樹上に身を隠すのは酵素の木
  • ささ香と運天が、七兵衛の痕跡を見る山道、不明(切り通しっぽいガレも)
  • 家老の娘が牢人に無体をはたらかれるところ、六郎太が行き合わせ介入する寺、丹波国分寺。門内外とお堂まわりを使う。
  • ささ香が夜に起き出して水垢離をとる川、酵素河川敷
  • 秀也のことを聞いた継元が熱くなるのをたしなめる家老・頼母のくだり、イメージに出る門は相国寺大光明寺
  • 頼母邸へ娘の笛を届けた六郎太、名乗らず去る道は相国寺豊光寺脇路地、北側の狭間をナメたアングル。その狭間の東側から、十兵衛配下の早見が出てくる(このあと、六郎太を見たと十兵衛に報告)
  • 石田三成の遺臣・西条たちが、秀也を駕籠に乗せ頼母に会いにゆく道、相国寺長得院塀際。
  • 頼母が継元の隠棲所へ赴き、毛利の殿様の決断を伝えて諭すくだり、お供と駕籠が控える門は中山邸門
  • 頼母と継元の会話を天井裏で聞いていた七兵衛が、石田の残党にそのことを話し議論沸騰の場面、庭で遊んでいた秀也を運天がかっさらうのは青龍苑か(池泉の端に刈り込み、七兵衛たちがいる座敷から庭が見えている)
  • 秀也を抱えた運天を追う七兵衛ら、日吉大社西本宮参道〜走井橋。秀也を受け取ったささ香が走る川べりは大宮川か、このあと六郎太がいる野原にスイッチ。
  • 秀也をおぶい山道をゆくささ香、不明。ささ香に化けて運天から行き先を聞き出そうとする七兵衛、不明。
  • 六郎太がゆく荒野、冒頭の水食地形の荒れ地と同所。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 秀也/増田将也 柳生十兵衛/伊吹吾郎

梓/沢井孝子 毛利継元/柴田昌宏 早見/北村総一郎 久留島/田畑猛雄 徳田/小峰一男 荒木丑之助/倉岡伸太朗 西条左馬之介/西沢利明 木村頼母/中村竹弥

脚本/高岩肇 監督/斎藤武市


第6話 みだれ雲 愛と剣  1974.11.6

 我が子と見えるため、蓮子はふらつく体を旅の途に。六郎太は、秀也を捜しつつ目に余る悪者を懲らして歩く。そして、ささ香がとった道は九州へ。

ロケ地

  • 荒波寄せる巌に立つ六郎太、不明(日本海か)
  • 蓮子と千早姉弟がゆく街道、不明(ふだん踏まれていなさそうな林道)
  • 野原に寝ていた六郎太が、秀也らしき幼時の噂をする野武士を見るくだり、野原は広野で、「野武士」又兵衛の居館は酵素河川敷
  • 蓮子たちが宿を借る路傍の家、不明(道端に小屋、道の下は谷川)。蹄の音を聞いて外に出ると、上の道を六郎太が乗った馬が駆けてゆく。
  • 秀也の情報をつかみ宿場を出てきた六郎太、手配の罪人として役人に囲まれるのは大覚寺五社明神(捕り方の一人に福ちゃん)
  • 鬼勘の娘を陵辱し復讐しようとしていた男たちを止める六郎太、鳥居本八幡宮広場。
  • 七兵衛が忍び仲間に会い情報を貰う神社、不明(玉垣の囲いが二つあり、境の「路地」の奥に石塔)
  • 七兵衛がゆく、赤間ヶ関と萩の道別れ、不明(山中、地道のヘアピンカーブ)。ここは後段、六郎太が蓮子を伴いやって来て千早たちと再会するシーンでも登場。
  • 七兵衛がたどり着く赤間ヶ関、琵琶湖西岸(石積の突堤)
  • 蓮子たちと別れた六郎太が立ち尽くす高台、下古賀の切り通しに似た地形。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 闇の七兵衛/戸浦六宏 千早/堀越陽子 小太郎/進士晴久

おみね/津田京子 後藤又兵衛/嵯峨善兵 仙次/柳生博 勘兵衛/山本麟一 左馬/入江慎也 伊作/島米八 宗左/出水憲司

脚本/高岩肇 監督/河野寿一


第7話 仇討ち兄妹  1974.11.13

 七兵衛の邪魔は入るものの、ようやく母子は合流できて、九州さして海を渡る。彼らの危機を悉く救う六郎太は、追っ手のほか、戦いのための戦いまで挑まれて、息つく暇もない。

ロケ地

  • 母子流転の経緯を語るナレーションに被る情景、伏見城大阪城
  • 追っ手が蓮子を探し回る谷川、清滝水系か。
  • 六郎太が楓と出会う、毒の流れる谷川、不明(ごく浅い、山中の沢)
  • ささ香が七兵衛に秀也を奪われてしまう川、保津峡落合。渡渉あり。
  • 楓と兄・久之進が棲む山小屋、不明(杉林の中、別の場面で既出か)
  • 家老・結城邸、民家長屋門
  • 追っ手に加え、梅軒とやり合う羽目になる松林、湖南アルプスか。ここで合流した小太郎と話すのは鳥居本八幡宮広場。
  • 楓が行き倒れのささ香を拾う川、不明。
  • 巡礼姿の蓮子と千早が追っ手に尾行される道、不明(小川を渡る橋あり)
  • 船を用意の香月浜、琵琶湖岸。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 千早/堀越陽子 小太郎/進士晴久 秀也/増田将也 天海/吉田義夫

結城主膳/福山象三 妖術師白女蓮/新屋英子 侍/井上茂 侍/江原政一 野田島軍蔵/浜田晃 楓/佐野厚子 久之進/中田博久 戸隠梅軒/郷^治

脚本/石森史郎 監督/河野寿一


第8話 暁の決斗  1974.11.20

 母子については、毎度の如くさらわれたり取り返したりだが、神父を頼っての長崎入りは、切支丹弾圧の真っ最中でますます混乱。
そんななか、六郎太の前に立ちはだかった強敵は、徳川秀忠を激しく憎む男であった。

ロケ地

  • 長崎へ向かう途中の六郎太が野宿する野原、酵素河川敷・小川べり「木」の根方。後段、六郎太に知らせを持って駆けてくる運天のシーンもここの小川で、河床を走る。
  • 母子が長崎へ向かう道、不明(水食地形のアレ、白水峡みたいな崖や、砕石場みたいな段々も)。後段、切支丹処刑場になったり、蓮子奪還の大立ち回りの現場にもなる。処刑の際は「雲仙」設定で、「雲仙地獄」と思しきイメージ映像が挿入されている。
  • 当地を去ってゆく六郎太、谷山林道か(切り通し見下ろし)

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 秀也/増田将也

フローレン神父/ユベール 小扇/那智映美 柳川/下元年世 井原/白川浩二郎 茂平次/浪花五郎 南蛮屋宗兵衛/浜田寅彦 梶武右衛門/川辺久造 郷原猪十郎/中山仁

脚本/高橋稔 監督/斎藤武市


第9話 南海の超濤剣  1974.11.27

 七兵衛に秀也を提示され、功名心に火をつけられた大名の弟。その配下が仕出かした人もなげな振る舞いが、六郎太をかんかんに怒らせる。
あらためて六郎太に心服した運天が、勝手に主呼ばわりする逸話も。

ロケ地

  • 肥後・不知火海、日本海ロケか。巨岩の岩場や、波寄せる浜など。
  • 不知火屋敷、大覚寺明智門。門内外と、西塀際を使う。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 秀也/増田将也 無空影郎次/小島三児 鬼面堂太郎/江幡高志

及川宗十郎/永井智雄 日奈/一の瀬玲奈 吉松/河原崎次郎 相良修理亮/原田清人 黒木典膳/五味竜太郎

脚本/高橋稔 監督/鳥居元宏


第10話 一殺多生剣  1974.12.4

 熊本城下、七兵衛に翻弄される母子を六郎太が助けるいつものパターンだが、蓮子の失明というハプニングが出来。姫を絶望の淵から掬い上げたのは、七兵衛の情婦からのエールだった。

ロケ地

  • 熊本城、本物の天守と櫓をイメージに。
  • 城下をゆく六郎太、上賀茂社家町・明神川(対岸から藤木社ナメて)
  • 七兵衛に連れられた秀也がお城を指して叫ぶ川端、上賀茂社家町・明神川(いわゆる「社家町」より少し上手の民家脇)
  • 公儀隠密・原勘解由が休んでいて六郎太を見かけ声をかける茶店、今宮神社門前茶屋・一和
  • 六郎太を見かけ走り寄る秀也、今宮神社稲荷社脇。秀也を追ってきた七兵衛は、六郎太を見て跳躍、上の摂社に逃走(見下ろしの図あり)。このあと隠密の尾行に気付き始末する間、待たせていた秀也は再び七兵衛に持って行かれる(+神官に文句言われ)
  • 蓮子とささ香が来る街道筋、北嵯峨農地竹林際。蓮子が眩暈を起こすシーンでは、竹林のシルエット越しに農地を見る図も。
  • 秀也を取り戻した翌日、あぶり餅を食わせる茶店、今宮神社門前茶屋・一和東門で芸を披露する一家を見ていると、芸人一家のアル中父がチンピラにボコられだし、介入する運び。
  • 原が配下から報告を受ける神社境内、今宮神社境内。神官が立ち聞いて、滞在中の六郎太と秀也に退去を求める。
  • 六郎太の家来になると咆える運天、夜の橋は上賀茂神社神事橋(はじめ欄干の外側にぶら下がっていて、橋上に直り正座して九字を切る。そうこうするうち、医者を呼んできたささ香とばったり。河合社の鳥居や、御所舎が映り込む)

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 秀也/増田将也

お松/緑魔子 佐久間/宮口二朗 原勘解由/横森久 神官/岩田直二 医者/西山辰夫

脚本/高岩肇 監督/鳥居元宏

*崖から落ちて頭を打ったことで失明する蓮子、ささ香は言えずにいたが、拉致した七兵衛が嫌がらせじみた口調で事実を告げてしまう運び。そもそもの原因もコイツで、外道ぶりが右肩上がり。今回は六郎太にも「初めて、求めて人を斬りたくなった」と言わしめている。敵わぬと知るやぴゅーって逃げるし、役人とか見ると即効諂って利用するし、昔の女の緑魔子にDVするし、MAX憎たら可愛らしい六宏。
*飲み逃げ芸人をボコるチンピラと、原配下の柳生者の一人に福ちゃん。


第11話 武蔵野非情  1974.12.11

 懐かしの武蔵野に戻り、昔暮らした草庵に落ち着こうとする六郎太だが、運命は平穏を与えてくれない。そして、別れたままの母子も、如何なる定めか江戸へ向かっているのだった。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、彦根城(いろは松)と書割。
  • 六郎太がゆく武蔵野の林、かつて暮らした草庵、不明(林は糺の森に、草庵周辺は酵素に似る)
  • 七兵衛が朝比奈の使いで出向く大目付・加倉井邸、相国寺大光明寺(イメージカット)

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 秀太郎/道井和仁 弥平次/木田三千雄 無空影郎次/小島三児 鬼面堂太郎/江幡高志 天海/吉田義夫 柳生十兵衛/伊吹吾郎 朝比奈/佐藤慶

おすみ/本阿弥周子 加倉井主水/伊達三郎 お駒/松村康世 浦部宗十郎/大林丈史 土橋源吾/長谷川明男

脚本/結束信二 監督/河野寿一

*いい目を見せてくれなかった公儀を見限った朝比奈、いまの稼業は不満分子を焚きつけ金を取ったあとチクる、とんだマッチポンプ。ばったり再会した七兵衛を引っ張り込む次第。今回の被害者は、落ち度無く取り潰された岩槻藩の旧家臣たち←元家老の浦部や藩士・土橋ら。おすみは土橋の思い人で、陰謀を立ち聞きし注進に走ると、件の草庵には六郎太が居る運び。
*秀也は秀太郎と名乗り、大きくなっている。蓮子の治療のため江戸へ。


第12話 夜霧の江戸  1974.12.18

 家康出府の際に功績のあった旧家は、使い捨てにされたままおちぶれ、関ヶ原の折秀忠に強力し果てた武将の娘には、恩賞が無いばかりか恥の歴史を消そうと刺客が差し向けられる。ほかならぬ徳川家の暴虐に怒った六郎太は、酒井忠勝のもとに乗り込み、彼らの身の安全を確保するため啖呵を切って脅しつける。

ロケ地

  • 宗方屋敷、民家門。徳川氏移封より古い侍の館、場所は角筈近くの街道追分(内藤新宿成立以前の設定)。宗方家は素人宿をしていて、六郎太や八重は酒肆の主・与吾平に紹介されてやって来る。
  • 八重と健助にお墨付きの件を言い聞かせ国へ帰す六郎太、大覚寺五社明神(夜)

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 ささ香/渡辺やよい 秀太郎/道井和仁 無空影郎次/小島三児 鬼面堂太郎/江幡高志

八重/吉沢京子 宗方久左衛門/増田順司 酒井忠勝/北原義郎 谷健助/斎穏寺忠雄 与吾平/海老江寛 秋本三左衛門/永田光男 玄遊/柳川清

脚本/結束信二 監督/河野寿一

*捕り方に目を斬られた宗方を目医者に連れて行くと、そこで蓮子が診察を受けている運び。
*腹減り忍者コンビの立ち回りもちらっと出る。


第13話 百万両の遺産  1974.12.25

 長屋住まいの六郎太、近所の娘は彼を慕い世話を焼くが、闖入者が彼女の運命を変えてしまう。大坂城落城の折持ち出された金は、そのかみ実父を死に追いやったばかりか、いままた養父の命をも奪うのだった。

ロケ地

  • 回想シーンで出る、財宝を隠し地図に記してきた足軽(月江の実父)が、須貝に斬り殺された林、鳥居本八幡宮鳥居下付近。フィルターがかかっていて判りにくい絵。
  • 月江ばかりか運天も置いていずこかへ去る六郎太、不明(ススキ原)

キャスト
秋月六郎太/田村正和 千里運天/渡辺篤史 ささ香/渡辺やよい 無空影郎次/小島三児 鬼面堂太郎/江幡高志

月江/岡田可愛 お葉の方/磯村みどり 佐渡屋甚九郎/天津敏 須貝主水正/永井秀明 高森清右衛門/北原将光

脚本/高岩肇 監督/井上昭

*佐渡屋と須貝、月江の父の高森が、財宝を隠した場所の地図を三つに分けて持つ。佐渡屋はデコボコ忍者コンビの戦友で、二人を騙して追い使い、一服盛ったりする。須貝はいちばんのワル、御用屋敷で燻る寡婦を情婦にしている運び。
*ささ香は運天と行動を共にしていて、凸凹コンビにも飯を振舞ったりしている。


第14話 春待つ大奥  1975.1.8

 相変わらず、ならず者から娘を助けたり、蓮子に向けられた刺客を防いだりの六郎太。そんななか春日局は、参詣の折に大事の将軍と同じ顔をした浪人を見かけてしまう。

ロケ地

  • 娘たちを騙して連れてきた女衒の船が着く港、琵琶湖西岸(突堤の先に灯台をあしらい、港を演出)
  • 港で見知らぬ浪人に頼みごとをされたおるい、調布さして街道をゆくところ、通りかかった行商人に道を確認するシーン、渡る橋は若森廃橋
  • 行商人の親切で乗った駕籠が止まり、降りると雲助がうえへへな町角、大覚寺五社明神。縞蛇の参太と二ツ名を持つ当の行商人もやって来て、売り飛ばす前に無体をはたらこうとするところ、小太郎が通りかかり阻止。
  • 翌日、小太郎と共に頼まれた使いを果たしに行くおるい、駕籠がゆく街道、不明(田畔)。目的地、小丘に萱葺民家。中には惨殺死体が累々。
  • 六郎太が腰を落ち着けている寺、丹波国分寺。山門のほか本堂。門前の田畔には、はさ木が残る。後段、おるいに頼みごとをした浪人の亡骸を葬ってやる無空たちのシーンは、境内石仏群脇。
  • 蓮子たちが隠れ住む家、不明(萱葺民家をイメージに使用、丘の中腹らしき「道」が拉致現場に使われている)
  • 春日局が六郎太を目撃する寛永寺参道、赤山禅院参道。参道脇の林で子らが遊んでいて鞠を転がし、駕籠先を汚し手打ちにされかかるところへ六郎太。
  • 春日局が服部半蔵を召して六郎太抹殺を命じる庭、阪口青龍苑池泉端。
  • 刺客をしのいだあと、運天に別れを告げ去った六郎太がゆく野道、川堤か(遠景にきれいな円錐形の低山)

キャスト
秋月六郎太・家光/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 漢家小太郎/太田博之 ささ香/渡辺やよい 千早/堀越陽子 秀太郎/道井和仁 無空影郎次/小島三児 鬼面堂太郎/江幡高志

おるい/松木聖 春日局/小夜福子 滝山/星美智子 鶴の井/山口真代 木崎雄之進 縞蛇の参太/唐沢民賢 女衒/玉生司郎

脚本/高岩肇 監督/井沢雅彦

*小太郎は大人になって登場。


第15話 母恋い無心剣 1975.1.15

 秀太郎が柳生に捕われてしまい、思い余って取り返しに行った六郎太は、但馬守に剣の未熟を指摘されなす術も無し。
健気な秀太郎を見届けた六郎太は、己を空しくして再びの修行に入る。

ロケ地

  • 蓮子が隠棲する家近くで隠密の襲撃を受ける六郎太、下鴨神社池跡。
  • 土井大炊頭邸前、娘にからむ植木職人たちを懲らす小太郎、相国寺方丈塀際。屋敷の侍が出てきて事を構えるところ、但馬守が来合わせ介入。
  • 柳生に挑むも破れ、痛む体を引きずり歩く小太郎、相国寺大光明寺南塀際。ささ香が行き合わせ、肩を貸す→蓮子宅へ。
  • 秀太郎を連れ野駆けの六郎太、不明(本梅川あたりの土手に似る)
  • 東叡山イメージ、黒谷か。上棟式に向かう家光の駕籠を襲う福島の残党、下鴨神社馬場〜河合社脇。
  • 秩父山中で初心に帰って鍛錬を積む六郎太、保津峡落合巌上。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 漢家小太郎/太田博之 ささ香/渡辺やよい 秀太郎/道井和仁 天海/吉田義夫 無空影郎次/小島三児 柳生但馬守/近衛十四郎

福島丹波/沼田曜一 土井大炊頭/酒井哲 花房東吾/五十嵐義弘 政代/松本留美

脚本/高岩肇 監督/井上昭

*福島丹波は福島家旧臣、但馬守邸に入っていた政代の父も旧福島藩士。片っぽ登場の影郎次は、野駆のお供でむざと秀太郎を奪われる。


第16話 姫宮の最期 1975.1.22

 老中から抹殺命令が下り、秀太郎の命は風前の灯。阻止に動く六郎太、柳生屋敷に斬り込むもあわやというところ、朗報を携えた沢庵禅師が現れる。
逃避行がようやく終わり、平安と幸福がもたらされる筈の母子に、運命は別れを用意していた。

ロケ地

  • 柳生道場、相国寺大光明寺。門内外のほか、六郎太斬り込みの際は式台玄関も。
  • 沢庵暗殺の命を帯びた柳生の刺客がゆく道、北嵯峨農地竹林際〜大覚寺五社明神、大沢池畔。並木の土手は大沢池堤か。
  • 沢庵が江戸へ向かう道、大覚寺石仏前ほか。五社明神で刺客に遭うが、気迫で通過。
  • 沢庵に連れられ京へ向かう秀太郎、見送りの運天やささ香と別れる峠、湖南アルプス切り通し(OPで六郎太がゆく道と同所)
  • 六郎太がゆく一人野、討手に囲まれる窪地は下鴨神社池跡

キャスト
秋月六郎太/田村正和 桂宮蓮子/大谷直子 千里運天/渡辺篤史 ささ香/渡辺やよい 秀太郎/道井和仁 沢庵/有島一郎 柳生但馬守/近衛十四郎

望月蔵人/上野山功一 花房東吾/五十嵐義弘 柳田源十郎/野口貴史

脚本/高橋稔 監督/河野寿一

*望月・花房・柳田は、但馬守の命に背き秀太郎と六郎太を消しに来た柳生の高弟。


第17話 地獄むみょうの剣 1975.1.29

 ふと立ち寄った酒肆で、使命に燃える若侍の横死をみる六郎太。彼らの慷慨が、権力の犬の仕込みと知った武蔵野の孤児は、身を捨てて斬り込みを敢行する。

ロケ地

  • 磯部に託された書付を持って夜道をゆく志乃、相国寺大光明寺南路地
  • 朝比奈を討って出てくる六郎太、運天がやきもきして待っている門前は、中山邸通用門

キャスト
秋月六郎太/田村正和 千里運天/渡辺篤史 朝比奈/佐藤慶

正助/石山律雄 金丸半四郎/坂口徹 志乃/服部妙子 磯部久左衛門/原健策 三浦右京/西山辰夫 伝蔵/山村弘三 辰五郎/阿木五郎 吉崎/宮川珠季 浦部/三島猛 伊藤一刀斎/田村高広

脚本/結束信二 監督/井沢雅彦

*三浦右京は幕府財政を扱う旗本、金丸は彼のため「はねっ返り」を呼び起こし誘い込む手下、朝比奈が糸を引いている図。磯部は各地代官所から資料を取り寄せ不正を暴くも金丸に裏切られ憤死、彼に文書を託される侍女が志乃、彼に呼応した若侍が吉崎と浦部、意気に感じた小者が正助で実家の植木屋が辰五郎。
*剣客・伊藤一刀斎は六郎太の師、武蔵野に捨てられた子を拾い育てたと明かされる。


第18話 斬風闇を裂く 1975.2.5

 用心棒を頼まれる六郎太、狙われていた商人は腐った政治に抗うが、力尽き縊れる。黒幕を知るや、かんかんに怒っていた六郎太は御側衆屋敷へ殴り込み。

ロケ地

  • 改易になり閉ざされた大名屋敷イメージ、相国寺瑞春院門、光源院門。
  • 食い詰め浪人が六郎太に斬りかかる夜道、大覚寺五社明神
  • 小太郎が通う道場、相国寺大光明寺。露が門前に来て、出てきた門下生に小太郎の消息を問う。戻り道、運天に声を掛けられるのは弁天社前。
  • 左遷された元町奉行・瀬沼の屋敷、相国寺林光院。駕籠が出て老中邸へ急ぐシーン。瀬沼が暗殺された直後、六郎太が来合わせ下手人と対峙するのは鐘楼脇。
  • 御側衆・財部邸、大覚寺大門。米取引寡占をはかる悪徳商人・近江屋が入るのを見届けた運天だが、用心棒・山際に見つかり腿を斬られ、逃げる際は御殿川に飛び降り対岸に駆け上がる。
  • 小太郎と露が三河へ向かうのを見送る六郎太たち、大堰川堤か。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 千里運天/渡辺篤史 漢家小太郎/太田博之 ささ香/渡辺やよい 弥蔵/北見唯一
三州屋/村田正雄 露/和田恵利子 近江屋/外山高士 財部伊織/潮万太郎 山際主馬/山岡徹也 瀬沼/中村錦司 坂崎/遠山金太郎 浪人/柳原久仁夫

脚本/高橋稔 監督/河野寿一

*弥蔵は運天の昔仲間、酒肆「千鳥」を経営しており、ささ香が勤めている。六郎太も出入り。


第19話 千姫御殿を斬る 1975.2.12

 千姫の御乱行により嘆きをみる無辜の民、彼らにまじり暮らす六郎太は事態を看過し得ず、町に出てきた姫の駕籠をこじ開け面罵する。鋭い指摘に我が身を省みる姫もまた、徳川の名に翻弄された孤独にして哀れな魂であり、血を分けた六郎太の姉なのだった。

ロケ地

  • 千姫の侍女の楓が若い男を引っ掛ける堀端、大覚寺天神島朱橋たもと(大沢池の水面からパン)。放生池堤を伝って至る屋敷裏口は大覚寺五大堂脇の通用門、御殿へ上がる階は五大堂のもの。屋敷を出された者が帰ってゆくシーンには観月台下から五社明神が映っている。屋敷の台所方をつとめる伊之吉が恋人・お美代と話す際には、通用門前の橋が使われ、出入りの際は塀の内外を効果的に映す。
  • 伊之吉の死体が見つかる堀端、大覚寺護摩堂(池端)。千姫の行為について役人に毒づいた魚屋は、天神島朱橋を渡って逃げてゆく。
  • 事後、六郎太がひとり歩む川べり、上賀茂神社ならの小川畔。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 ささ香/渡辺やよい 弥蔵/北見唯一
伊之助/河原崎建三 お美代/木内みどり 千姫/三田和代 堀田加賀守/田口計 樫川武右ヱ門/東野孝彦 半次/三角八郎 黒柳新十郎/八名信夫 松坂の局/双葉弘子

脚本/高橋稔 監督/河野寿一

*血筋か、千姫はぱきっと峻烈な性格に描かれていて、勢いよくすっぽんぽんになるのも笑える。
*樫川は町役人、庶民の味方な善い人。田口計は職務に忠実な老中で、悪いことはしない。魚屋の半次は千鳥の常連、六郎太に私淑し御殿侵入の手引きも果たす。


第20話 さらば忍者 1975.2.19

 運天が、完全に忍者暮らしと決別する話。七兵衛に振り回された挙句命のやりとりをする運天、深手を負った彼に、六郎太はささ香との人生を示唆する。

ロケ地

  • 若年寄・堀木邸、相国寺長得院。六郎太は夜に通りかかり七兵衛の侵入を見る。その後出てきた七兵衛を脅しつけると手裏剣が飛んでくるシーン、六郎太は向かいの塀の狭間に身を寄せている。
  • 堀木邸から帰る秋山が刺客に囲まれる夜道、広隆寺東塀(木が見える)
  • 牢から逃げた七兵衛を追う運天、対決の林は下鴨神社糺の森池跡
  • 秋山宅へ系図を届け黙って去る六郎太、気付いて飛び出してくる秋山の娘・鈴江が走る路地は相国寺大光明寺南路地。あきらめ戻る鈴江の背後に、方丈の破風が映り込んでいる。
  • 六郎太がゆく川辺、罧原堤下河原か。

キャスト
秋月六郎太/田村正和 千里運天/渡辺篤史 闇の七兵衛/戸浦六宏 ささ香/渡辺やよい 弥蔵/北見唯一
鈴江/小野千春秋山総右ヱ門/織本順吉 堀木佐渡守/川合伸旺 飯野主計頭/田島義久 蜂屋/穂高稔 佐良/出水憲司 吾平/山下義明

脚本/高橋稔 監督/井上昭

*成り上がり者の堀木は、禄高は低いものの由緒正しい旗本・秋山家の系図を詐取しようとする。凶賊と成り果てていた七兵衛は、事のついでに系図を盗むが、捕まった際の工作にそれを使う運び。秋山のおっさんは、いけ好かない頑固爺だが一本筋は通っている設定。


第21話 葵の血の色 1975.2.26

 築堤や架橋などの手法を記した土木工学の本を、異国の書ゆえ禁じ、所持する者を追う幕府。真摯な学徒に対する、理不尽極まる仕打ちを見た六郎太は、将軍の真意をはかるべく、「兄」に会いにゆく。

ロケ地

  • 武蔵七党の子孫・豊島四郎基成の屋敷、不明(萱葺の門の前に斜めポーチのアレ、周囲の塀や鳥居も映る)
  • 家光が参詣の寛永寺、随心院薬医門(葵紋の幔幕が両翼を隠している)。大玄関の前に家光の駕籠描写も。室内はセット撮り。
  • 「会見」を終え戻る六郎太、葵紋の扇を投げ捨てる川は上賀茂神社ならの小川
  • 早苗と二人ゆく山道、不明。越えてゆく峠、湖南アルプス(OPと同じ)

キャスト
秋月六郎太、家光/田村正和 千里運天/渡辺篤史 ささ香/渡辺やよい 弥平次/木田三千雄
早苗/三浦真弓 早瀬要之助/寺田農 豊島四郎基成/佐々木孝丸 佐倉宗伯/村上冬樹

脚本/結束信二 監督/河野寿一

*六郎太は幼い頃豊島家に預けられ早苗を遊び友達に過ごし、その後深大寺の弥平次のもとで扶育され、更に秩父山中で師について剣を学んだと語られる。守役が居たことも明かされる。しかし、豊島も弥平次も、高貴の筋と聞くだけで本当の身分は知らされていない。
*運天は、寛永寺潜入を手伝ったことで、六郎太の正体を知る運び。


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