八丁堀の七人

テレビ朝日/東映

キャスト
仏田孫兵衛/片岡鶴太郎 松井兵助/山下徹大 花田孫右衛門/おりも政夫 吉岡源吾/日野陽仁 古川一郎太/末吉宏司 徳松/鼓太郎 おしん/谷本知美 市之丞/岡田翔太 お駒/斎藤陽子 磯貝総十郎/石倉三郎 青山久蔵/村上弘明


第1話 「人情同心が走る!謎が謎呼ぶだるま凧!?」 2000.1.13

 ならず者とはいえ、人ひとり安易に斬って捨てる旗本の行動を訝る八兵衛。やがて、自らが手がけた事件を通して、彼の真意を知ることに。名コンビ誕生の、起こりの話。

ロケ地

  • おかよがダルマ凧をあげる土手、不明(けっこう高い)
  • 捜査線上に浮かんだ松吉を尾行する八兵衛、松吉が仲間にツナギの竹筒を落とす橋は渡月小橋、下に船に乗った仲間がいてキャッチ。その後船を追うも、対岸へ漕ぎ出されてしまうシーンは嵐峡(紅葉)、八兵衛は左岸の林に。
  • 松吉に接触し、おかよの父なのかと切り込む八兵衛、仁和寺九所明神。松吉が幼女を遊ばせているところへ、八兵衛が来る。
  • 八兵衛があげたダルマ凧を見てやってくる松吉とおかよ、大覚寺境内(心経宝塔前広場、池や塔は映らず、閼伽井などがちらり。木々は紅葉)
  • 閻魔の重吉一味が手入れされた翌朝、国に帰る竹造(松吉)とおかよを見送る八兵衛、大覚寺放生池堤
  • 八兵衛が重吉を斬り捨てた一件を強引に収める青山さま、退庁してくる彼を待っていて礼を述べる八兵衛、妙心寺涅槃堂前路地(東望)

ゲスト
松吉(竹造)/岡本信人 おかよ/緒沢凛 重吉/内田勝正 長次/谷口孝史 波多野博 福本清三(閻魔の重吉一味、船も操る)

※おかよは行方不明の父を捜しに江戸へ出てきた相州秦野の娘、亡母の薬代がかさみ身売りが決まっている。


第2話 「千両箱に罠を張れ!狙われた同心の娘」 2000.1.20

 取り逃がした凶賊が、磯貝の娘をさらい盗金を取り戻そうとはかる。逮捕劇に、さまざまな人情話がからんでゆく。

ロケ地

  • 娘をさらった銀次の指示で船を出す磯貝、大覚寺大沢池北辺水路〜大沢池へ。池北西畔に銀次がいて、磯貝の代わりに船に乗り込み。銀次が娘はあの辻堂と指すのは五社明神舞殿(壁と扉あしらい)、しかし中に娘はおらず。船頭に化けていた八兵衛が銀次に撃たれるのは北辺水路、変装していた同心たちも出て、水中で立ち回りに。設定は向島宝ヶ淵(脅迫状から)
  • 事後、捕物の際一味の者を殺した件で八兵衛に弱音を吐く一郎太、大覚寺護摩堂(大沢池や閼伽井映り込み)
  • 祭りの縁日に来ている青山父子、お駒と八兵衛をひやかすのは仁和寺参道

ゲスト
銀次/本田博太郎 お島/西崎みどり 藤三郎/井上高志 太吉/角田英介 綾乃/新海百合子 北町奉行/楠年明 お袖/竹本聡子


第3話 「与力をつけ狙う女!自害した女の秘密…」 2000.1.27

 青山さまの非道を告発する、女文字の投書が北町に。飄々と申し開きもせぬ上役を見て、同心たちは各々の思惑で動き、出てきた真実には「大人の対処」が為される。

ロケ地

  • 縊死した扇屋の女房・おしずの墓、二尊院墓地
  • 八卦見が語る、おしず入水未遂の回想、青山さまが身投げを止めた橋は映画村日本橋(橋標は「両国橋」)、水面が見えるシーンは中ノ島橋上手堰堤
  • 与力・片平が青山を呼び出し探りを入れる町角、仁和寺観音堂(塔映り込み)
  • 以前扇屋に押し込んだ盗っ人の件で、八兵衛が聞き込みにゆく伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門
  • おしずの妹・おくみが青山さまに包丁で切りつける夜道、大覚寺参道石橋。側面からの絵も。

ゲスト
おくみ/八木小織 片平縫之助/中原丈雄
※年番方与力で波多野博や小峰さん、両国橋たもとに出ていた八卦見に芝本正。


第4話 「疑惑の目撃者!?女心…裏切られた初恋」 2000.2.3

 幼い日の無邪気な約束を信じていた女は、恋しい男の意外すぎる姿を目撃。牢に放り込まれても男を庇う女だが、もちろんその心が報われることは無い。この主題に、若手同心の初恋の苦い結末をからめて描く。

ロケ地

  • 兵助が賞金目当てで参加する牡丹餅大食い大会、上御霊神社絵馬堂脇。
  • 乗っ取り屋の材木商が殺害される神社、吉田神社竹中稲荷。ガイシャが倒れているのは玉垣の内側、目撃者のおころがへたりこむのは三高碑への石段の途中。後段、吉岡を伴い検証に来る八兵衛の段では、舞殿付近と石畳が使われる。また、碑への石段の上には、朱の鳥居があしらわれている。
  • 八兵衛がおころを問い詰めているところ、青山さまに命じられた一郎太らが来ておころを捕縛するくだり、大覚寺大沢池畔。
  • 流れ板の蓑吉を尾行する八兵衛たち、殺し屋仲間がツナギに現れる、蓑吉が休む茶店は上御霊神社茶所
  • 釈放されたおころが、正太(蓑吉)に会いに飛んでゆくも殺されかけるくだり、大覚寺五社明神。出役した町方と大沢池寄りで立ち回り。

ゲスト
おころ/斉藤こずえ 蓑吉/遠藤憲一 おすみ/堀江奈々 弥吉/峰蘭太郎

※蓑吉はおころを知らない覚えていないと言い張るが、エンケンの芝居は含みを持たせるかのような微妙な間。


第5話 「悪女が歌う子守唄!嘘の涙に隠された真実…」 2000.2.10

 殺しで捕まった女はトンデモな蓮っ葉、皆を翻弄しまくるが、裏にはむごい事情が隠されていた。自らの手で事を清算し、親殺しによって「引かれ者の小唄」を口ずさむことになる女哀れ。

ロケ地

  • おたきが喋る「女房・お妙」の件で考え込む八兵衛、青山さまが来て声をかけるのは広沢池観音島そば池底
  • 牢から出されたおたき、子守女にこっそり使いを頼み八兵衛らをたばかって一人男に会いにゆく神社、梅宮大社。導入は外から楼門と舞殿越しに本殿を望む図、お参りのあと境内がぐるっと映り、八兵衛たちを待たせ出てゆく際に楼門内側。
  • 今は寺侍をしている片桐、勤める常念寺は鹿王院中門。山号を記した扁額と寺名を記した看板あしらい。お芝居は中門前で、木越しの絵。
  • 父を侮辱され組屋敷の子らに向かってゆきボコられる市之丞、妙心寺黄鐘調鐘基壇脇。八兵衛が駆けつけて悪童を散らすシーンは、大庫裏脇石畳。
  • おたきの回想、幼いおたきをおぶい子守唄を歌う浪人の父、広沢池池底か(水脈脇)

ゲスト
おたき/高橋ひとみ 片桐新之助/佐藤仁哉 梅沢監物/久富惟晴

※おたきは、失踪した八兵衛の女房は我が妹だと話をつくる次第。
※元吉原女郎のおたきについてお駒に情報をもたらすのはおしん、身の上はヒミツ設定。


第6話 「多重人格の女 私は殺していない!!」 2000.2.17

 一郎太が拾った娘は奇妙、ふとした拍子に人が変わり物騒な振る舞いにおよぶ。調べるうち、庄屋一家を殺した下手人との疑いが浮上。ドラマは、娘を憎からず思う一郎太の苦悩を絡めて進行。

ロケ地

  • 船に乗り、気を失って流されてきたおさよを一郎太が見つけた蜆河岸、八幡堀
  • 「魔物」に変じたおさよに切りつけられた徳松が八兵衛にボヤく帰り道、妙心寺大通院裏路地
  • 川越へ出向く前、一郎太におさよに気をつけよと忠告する八兵衛、八幡堀堀端。
  • 川越へ向かう八兵衛、街道は山室堤、川越藩町奉行所は民家長屋門。庄屋一家惨殺事件に居合わせたという浪人を訪ねる段、望月の寺子屋は鹿王院。子らの相手をする縁先は客殿前縁、八兵衛が話を聞く廊下は回廊。水夫らに織元の船が一艘なくなった件を聞き込む川べり、大堰川か。
  • 江戸から川越へ護送される望月の唐丸、山室。おさよの見送りも兼ねていて、八兵衛と一郎太が出ている。ルートは、堤下の田畦から堤法面をのぼり、街道に見立てた堤上へ。
  • 青山さまから託された一郎太の十手(返上中)を持ち道を急ぐ八兵衛、妙心寺大通院裏路地。椿の花を持ち物思う一郎太、八幡堀堀端(ここへ八兵衛登場)

ゲスト
おさよ/小橋めぐみ 望月源之助/片岡弘貴

※ブラックおさよ登場シーンは、音楽もオドロ気味。望月に刷り込まれた「魔物」は、出るものの殺生に至らず寸止め。
※いつものことながら、なにもかも見ている青山さまがコワい。


第7話 「涙のおとり捜査!人情同心が惚れた女」 2000.2.24

 朋輩の必死の捜査をよそに、船宿の酌婦に入れあげる八兵衛。それは青山さまの指示による「仕事」だったが、幸薄い女が自分を頼りきる姿を見るにつけ、心は揺れていく。

ロケ地

  • おみねが勤める向島の船宿・玉屋と周辺、八幡堀。玉屋は左岸側の家を入口に仕立て、堀端は両岸を使う。明治橋は背景に映り込むほか、橋上や橋下を芝居に使う。夜間撮影もあり。
  • 八兵衛とおみねがお参りに行く神社、梅宮大社本殿。その後おみねが身の上を告白する庭は神苑切石橋。告白の回想で出る、最初の男を殺してしまった水辺は広沢池観音島(水無)
  • 藤太が八兵衛を呼び出し殺そうとしていた向島の大野屋、中山邸通用門と参道。藤太と仲間(浪人で福ちゃん入り)が出てきたところへ、矢吉の血に塗れた匕首を携えたおみねが現れ「吶喊」。その後八兵衛が駆けつけ、次いで青山さまが同心たちを引き連れ出役。
  • おみねの墓、不明(マジ雪?積もる林、起伏あり)

ゲスト
おみね/渡辺梓 藤太/伊藤敏八 矢吉/山西惇

※吉岡が藤太の犯行現場へフライングして踏み込み失敗、岡っ引きを死なす話が冒頭に来て、その後の必死な捜査と、八兵衛の遊蕩が対比される趣向。
※おみねは八兵衛の女房によく似ているという設定。


第8話 「息子に裁かれた女!命をかけた母の嘘」 2000.3.2

 むかし涙をのんで棄てた赤子、良い人に拾われ立派に育った青年に忍び寄る魔手を、生みの母が体当たりではねつける。青山さまと八兵衛は、情状酌量に要る分だけのネタを上げ、女の意を汲んでやるのだった。

ロケ地

  • 人違いで闇討ちされかけた翌朝、当の本人を訪ね忠告する青山さま、その前に映る、蜆売りがゆく早朝の坂は妙心寺玉鳳院前路地
  • お栄が赤子を捨てた湯島天神、車折神社。中門、参道、本殿前など境内各所が使われるほか、八兵衛が奉行所へ駆けつける際に走りぬける路地の表現にも石畳が登場する。
  • 青山の命で本所深川方の北村を尾行する同心たち、妙心寺。北村がゆく路地は玉鳳院前路地(東望)、同心たちは東海庵脇にいてここに八兵衛が通りかかる。北村が入ってゆく堀田邸は衡梅院、見張る同心たちは放生池畔の植え込みに身を隠して凝視。このあと塀から屋敷内を覗くシーンはセット撮り。
  • お栄に尋問した結果を青山さまに報告する八兵衛、八幡堀白雲橋上。一郎太が駆けてきて木曽屋が動いたと叫ぶのは堀端。
  • 江戸を売る木曽屋一行の前に八兵衛らが立ちはだかる道、仁和寺金堂下坂の林間、北村が出て木曽屋を始末するシーンは九所明神。
  • 島送りのお栄を見送る青山さまと八兵衛、船番所は大覚寺大沢池船着(大)に柵置いてセッティング、八兵衛らは船着(小)に立ち見送る。
  • 八丈島イメージ、沖ノ島。笑顔で苦役に従事するお栄、農地は広沢池西岸葦原。

 

ゲスト
お栄/山本みどり 北村采女/鹿内孝 堀田和馬/鈴木浩介 りつ/宮田圭子 木曽屋/岩尾正隆

※お栄は天麩羅が評判で同心たちが贔屓にする店の女主、もとは夜鷹をしていた苦労人で、育てきれず赤子を捨てた経緯を持つ。その子は旗本に拾われ実子として育ち、堅物の吟味方与力に。


第9話 「女を襲う黒い影!?島帰りの男が落ちた罠」 2000.3.9

 実入りのいい転職話が来た磯貝は、「有終の美」のためフライングかまして冤罪を作りかける。間の悪いことにくくった相手は島帰り、前科がバレて一旦は何もかも失うが、純な愛が彼を救う。
チョーシこいた憎たらしさ、チョンボに萎れる情けなさ、情に触れぐしょぐしょ泣く可愛らしさ、石倉三郎全開満開の一話。

ロケ地

  • 吟味与力が殺された深川の掘割、検分シーンは明治橋下八幡堀堀端。
  • 知人の見舞い帰りのお駒、襲われる夜道は八幡堀浮橋付近左岸堀端。
  • お駒を襲った犯人について話す磯貝と八兵衛、八幡堀堀端。
  • 清吉が捕縛された直後、棟梁と娘が話す堀端、八幡堀新町浜。
  • 清吉が無罪放免になったあと、磯貝が沈んで佇む堀端、八幡堀白雲橋下手。

ゲスト
おさと/佐藤友紀 清吉/井田州彦 留吉/左右田一平 矢八/小林滋央

※左右田一平は棟梁、清吉の雇い主でおさとの父。釈放後、荒れる清吉をボコるちんぴらの一人に福ちゃん。


第10話 「北町同心VS火盗改め 切腹覚悟の大勝負!!」 2000.3.16

 十年前の事件が蒸し返され、青山久蔵の父が腹切った真相も明らかとなる。悪党は一事不再理を言い立て逃れようとするが、同心たちの奔走により野望は挫かれる。

ロケ地

  • 市之丞が試験を終えて出てくる昌平坂学問所、妙心寺大門。八兵衛が迎えに駆けつける道は大庫裏脇路地。その後襲撃されるシーンはセット撮り。
  • 吉岡の父が青山に語る回想、左平次を甲府から連れて戻る街道、大覚寺境内。
  • 左平次に会いにゆくおしん、八幡堀堀端〜舟橋を渡る。左平次と会っているところを八兵衛らに見つかるシーンは村の日本橋にスイッチ。
  • 青山が左平次と会い説得を試みる夜の浄福寺、金戒光明寺石段。ここへ火盗が出役し、左平次の身柄を持っていかれてしまう。

ゲスト
岩村帯刀/磯部勉 志乃/栗田よう子 左平次/東根作寿英 堀田監物/勝部演之 吉岡源太夫/奥村公延 上総屋/笑福亭猿笑

※左平次は冤罪で処刑された伊勢屋番頭の倅、おしんは伊勢屋事件の生き残りという設定。目付の帯刀はもと久蔵の友、久蔵父の遺書を入手し「舅」を脅し地位を得る。
※青山さまが評定所で査問を受けている最中、武装した同心たちが証拠を持って白州に現れる運びだが、土壇場での証拠集めは乱暴そのもので笑える。


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