萩原遼監督作品 1960.3.25松竹
キャスト
柳生十兵衛/近衛十四郎 時雨弦之丞/森美樹 須磨/宇治みやこ 小蝶/川口京子 権太/アチャコ 望月勘解由/永田光男 五郎次/田村保 海坊主/雪井三郎 黒木彦次郎/市川男女之助 百々藤兵ヱ/田中謙三 戸田刑部/山路義人 荒木又右ヱ門/倉田爽平 本田対馬守/天津七三郎 嘉平次/乃木年雄 アラン/紺はるみ 吉野/佐乃美子
脚本/高岩肇
播州・津の浦の酒肆、喧嘩に介入した十兵衛は片目の竜を彫った怪しの根付を拾う。それは暗躍する海賊のしるし、藩の御用金はごっそりやられ、城下の富商からは若い娘が何人もさらわれる。謎に満ちた彼らの正体をさぐる十兵衛は、滅ぼされた豊臣恩顧の大名ゆかりの者たちの悲憤を知る。しかも、彼らを操り己が欲望を満たそうとする極悪人どもが隠れていた。
ロケ地
- 播州・津の浦、不明(マジ海、突堤の先の、人が消える仕掛けのある灯篭はあしらいもの。遠景に岬、連なる山に棚田と思しき段々。港見返りのカットでは舟屋に似た建物も。突堤の先で砕ける波がいい感じ)。
- 白山大竜神の神社、不明(入り江を見下ろす丘の上設定で、海は合成くさい。境内の描写は、広い石畳俯瞰、舞殿まわりの石囲い等あり、本殿へ至る石段もある模様)。屋根に片目の竜のヘッド付きで、これが合図に使われる運び。
- 白山神社から帰る十兵衛を襲う一団、途中から弦之丞が出てチャンバラの石段、豊国廟石段。
- 竜野城イメージ、犬山城天守。
- 白山神社を調べての帰り、龍巻屋の看板娘と、弦之丞といた娘を見かけるくだり、不明(白山神社境内設定、十兵衛と権太は本殿前にいて、二人の娘は橋の向うの石段下に)。
- 船奉行に身分を明かして会った帰りに襲撃される十兵衛、不明(境内路地か、緩い坂もあり。セット併用)。
- 片目の竜の本拠地の竜神島、不明(松林の中に祠、木立ちの向うに海が見えている。荒海に面した崖での立ち回りも)。
*十兵衛と対峙する剣のライバルは、前作「柳生旅日記 天地夢想剣」と同じく、森美樹が演じているが別人。隠密崩れであることへの自責の念を、十兵衛に打ち勝つことで糊塗しようとした設定。終わりはハッピーエンドで、福島家の姫だった須磨と新天地・ジャガタラを目指す。
*酒肆・龍巻屋の中は、豪華で派手。広いフロアの真ん中では、妖艶なベリーダンスが披露される。
*港の燈籠が秘密の入口になっていて、白山神社の竜の内部に通じている仕掛け。竜の目は竜神島への連絡に使用される。
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