八丁堀の七人

第五シリーズ  2004年、テレビ朝日/東映

八幡掘キャスト
仏田八兵衛/片岡鶴太郎 青山久蔵/村上弘明 水原弥生/萬田久子 おやい/楯真由子 青山市之丞/岡田翔太 磯貝伝十郎/石倉三郎 吉岡源吾/日野陽仁 花田孫右衛門/おりも政夫 松井兵助/山下徹大 古川一郎太/末吉宏司


第1話 「美人女将が仕組んだ罠!悲しい過去が殺意を招く」 2004.1.5

 八兵衛に降ってわく縁談、青山さまを執拗に狙う刺客、二つは同じ根から来ていた。凶賊の始末が前段、次いで、盗っ人の上前をはね猟官資金に宛てようとした悪党の退治となる。

ロケ地

  • おやいと凧揚げをしていて、何者かの気配を感じる八兵衛、琵琶湖東岸松原(佐波江浜、浜の緑がきれい)。ここは後段も頻出、設定は「地蔵浜」。
  • 旧知の盗っ人と会っていたという錺職人が殺されて見つかる水辺、八幡堀堀端。
  • 八兵衛にぞっこんという女将を見にゆく青山さま、異様なオーラを発する男・佐平次とすれ違い緊張の川端、八幡堀新町浜ちかくの堀端。女将・佳代が経営する不忍池近くの料亭・葉月は新町浜を上がったところの郷土料理店・喜兵衛。他出する佳代を尾行する青山さま、佳代が入る船宿・笹仙は大覚寺望雲亭、佳代と会っていたらしい頭巾の侍が船に乗り込むのは大沢池船着(小)
  • 殺された錺職人の墓、不明(林の中)
  • 八兵衛を訪ねてきた佳代、店の客が賊かもという相談を聞いてやる町角は神護寺和気公廟所前。
  • 佳代の情報で浮かんだ賊・佐平次のアジト(本所二ツ目)に踏み込む八丁堀、一人抜け穴から逃れた佐平次が何者かに袈裟がけに斬られる橋は中ノ島橋(後段、一郎太が夜鳴き蕎麦屋に聞き込むシーンも)
  • 葉月を見張る青山さま、矢を射掛けられる戻りの夜道は大覚寺心経宝塔前。
  • 襲撃犯の心当たりについて聞きにくる弥生、屋敷の門を出てきた青山さまとばったり会うのは妙心寺衡梅院前。場所を変えて話すのは神護寺石段下、寺設定らしく、木魚の音がインサートされている。
  • 夜に他出する佳代、榊原と会う屋形船は嵐峡船着に係留。
  • 榊原邸、妙心寺聖澤院。後段にも登場、鐘楼のステップや法堂基壇が映り込む。
  • 船からおりた和馬をたまたま見かける八兵衛、八幡堀堀端。つけてゆく道は妙心寺大通院裏路地、和馬はラウンド塀を曲がって去り、八兵衛は妙心寺聖澤院前で見失う。
  • 和馬が殺されて見つかる水辺、広沢池東岸(小網町小豆沢池?)
  • 榊原の用人の髷を落とし、刃を突きつけて脅し佳代の行き先を聞き出す八兵衛、妙心寺大通院裏路地
  • 佳代を乗せた流人船がゆく海、罧原堤下川中。佳代が眺めやる凧を揚げている八兵衛は、琵琶湖東岸に。

ゲスト
佳代/池上季実子 榊原采女正/西田健 榎本和馬/鷲生功 岩城伝八郎/菅田俊 黒蝮の佐平次/内田勝正 金八/中西良太 おゆき/寺田千穂 お春/筒井真理子 大槻忠太夫/津村鷹志 山崎新太郎/青柳文太郎 お袖/竹本聡子

※采女正は、むかし青山さまが隠し目付として仕えていた上司。このとき潜入捜査して捕まえたのが佳代と和馬の父、罪状は大身旗本への恐喝。


第2話 「奪われた父娘の絆!十手を捨てた同心」 2004.1.12

 おやいちゃんが実親捜しをしていることで、「父と子」はぎくしゃく。しかし、北町が追っていた事件におやいが巻き込まれ、雨降って地固まるのだった。

ロケ地

  • おやいの行動に悩み、橋に佇み考え込む八兵衛、八幡堀舟橋
  • おやいが実父と思い込んだ旗本の屋敷(御側衆・笹原織部正邸)大覚寺大門。後段、八兵衛が死を覚悟して駕籠訴におよぶシーンも。
  • おやいが親を捜していることを八兵衛に告げる青山さま、大覚寺放生池堤
  • 笹原が父でなかったと知り、物思いに沈むおやい、八幡堀明治橋上手堀端。逃走に八兵衛を利用しようとした輩が出て、おやいを拉致。
  • おやいを助けに、一味の言うとおり船番所に現れる八兵衛、大覚寺大沢池畔に柵あしらい(+)大沢池船着(大)に船舫い。八兵衛とおやいが危ないところへ「出役」は五社明神。
  • おやいのことを青山さまに惚気る八兵衛、八幡堀堀端板塀際。

ゲスト
三河屋利平/大出俊 定五郎/四方堂亘 お袖/竹本聡子 うた/新海百合子

※大出俊は、ライバルを消すため自分も凶賊に襲われてみせた悪党。


第3話 「突然の訪問者!妹と名乗る女の復讐」 2004.1.19

 唐突に現れる、青山さまの腹違いの妹。挙動不審な女は、果たして重い事情を抱えていた。「父の可愛がった娘」を、大事にしてやる青山さまが泣かせる。

ロケ地

  • 青山邸、妙心寺衡梅院。出入りの際、門まわりのほか北塀や、放生池生垣越しに門付近を見る図など出る。
  • 市之丞を伴い墓参のお蝶を見張る弥生、大覚寺石仏付近〜天神島(嵯峨帝碑脇に墓石しつらえ)
  • 墓の前で市之丞と別れたお蝶、屋形船の船頭と何やら話す川端は大覚寺大沢池船着(小)、このあとガラの悪そうな男たちに見つかり尾行されたまま青山邸へ。
  • 翌日も町に出るお蝶、五郎蔵の手下に囲まれ拉致されかかるのは大覚寺五社明神、青山さまが出て阻止。
  • 意を決し青山邸を出るお蝶、門前にいた虚無僧がつけてゆく路地は妙心寺大通院裏路地、このあとセットにスイッチ。虚無僧実は源吾。
  • 五郎蔵の旅籠を突き止め見張るお蝶、そこへやって来た八兵衛が場所を変えて話を聞き説得する町角、仁和寺観音堂前。遠景に塔映り込み、青山さまが出て当て落とし、実父の五郎蔵を殺るという無茶を阻止。

ゲスト
お蝶/中島ひろ子 鬼薊の五郎蔵/岩尾正隆


第4話 「盗まれた赤ん坊!悪魔の歌う子守唄」 2004.1.26

 孫さんちの赤子がさらわれ、島帰りの青年がすぐ捕まるが子は帰らず。恨みと思われた犯行には、大名家のお家事情と、孤独な男の哀れな慕情が隠されていた。

ロケ地

  • 子守をしていたおやいから赤子をさらう捨吉、大覚寺護摩堂。おやいが当て落とされるシーンには、護摩堂の宝珠ナメたクレーンショットも。
  • 篠山藩上屋敷、妙心寺天祥院。門前のショットのほか、門を入ったところでの撮影もある。青山さまが家老と会見している間、奥深く入り込んだ八兵衛が赤子をあやす奥方を見る庭は粟生光明寺方丈石庭(導入は崖上から見下ろしのアングル、庭に立つ人物の背景に庫裏等の甍が絶妙に映り込む)
  • 孫さんの子は殺して埋めたという捨吉の供述を受け、当該箇所を掘る同心たち、二体の仏が出る林は北嵯峨か(竹林)
  • 若君が将軍に目通りのためお城へ向かうところ、仲間とともに駕籠訴におよぶ孫さん、南禅寺僧堂坂。同心たちとは別に動いていた青山さまは、牢から出した捨吉を伴っており、竹姫に会わせる。
  • 事後、無事戻った孫さんの赤子のお守りをするおやい、神護寺石段。八兵衛と青山さまは五大堂の陰から見ている。

ゲスト
竹姫/佐藤友紀 お役者捨吉/遠藤憲一 二出川監物/潮哲也

※竹姫は将軍の姫、藩主の嫡男を産んだばかり。捨吉は篠山藩の中間をしており、竹姫は彼を信頼し重用していた設定。


第5話 「狙われた息子!闇に潜む般若の面」 2004.2.2

 愛想よく、貧者に施しまでする善人面の裏は、果たして八兵衛の辛口批評の通り。加えて、むんむんと殺気を発する凶賊一味の用心棒は、青山さまの剣友という逸話も入る。

ロケ地

  • およね婆さんの茶店、大覚寺放生池畔にしつらえ。八兵衛「一家」をからかいに現れる青山さまの背後に、心経宝塔が来る場面も。
  • 稽古帰りを般若面の浪人に襲われる市之丞たち、妙心寺大通院裏路地
  • 婆さんの孫娘出奔の件で笹屋に掛け合いにゆく八兵衛、そこで感じた殺気のことを述懐する町角は大覚寺五社明神前、このあと茶店へ。茶店へ出た刺客を追う兵助、浪人に手の甲を斬られるのは五社明神脇(西側)
  • 笹屋を出た用心棒がゆく道、妙心寺大通院裏路地。青山邸前で剣を振るうシーンは妙心寺衡梅院前、一郎太が玉鳳院前路地にいて目撃。
  • 浪人に斬られた市之丞の友人の母に、浪人のことを告げる青山さま、仁和寺水場(北望)
  • 浪人のことを青山さまに報告する八兵衛、大覚寺護摩堂前。
  • 事後、剣友だった浪人の始末を八兵衛に述懐する青山さま、大覚寺放生池(落ち口そばから池端。背景に放生池堤、往来する人々も配置)。このあと茶店へ。

ゲスト
山岡弥五郎/田中隆三 笹屋喜平/赤塚真人 おみち/山本みどり およね/大方斐紗子

※市之丞の友人・小太郎が山岡浪人の子、山岡は妻子を捨て出奔。のち母子は藩の用人に引き取られた次第。


第6話 「女盗賊の涙!二人の息子が対立を…」 2004.2.9

 畜生働きはせぬ盗っ人が仕出かす凶行、裏には女賊の悲哀と、汚吏の思惑。母の思いは通じず、息子の一人は突っ走ってしまう。

ロケ地

  • 張り込み帰りの八兵衛が、心臓発作を起こしたお政を拾う川べり、上賀茂神社ならの小川畔祠脇。
  • 牛久藩上屋敷、大覚寺大門。勘定方組頭・萩原にブラフをかまして出てきた青山さまが、隠れていた八兵衛に声をかけるのは参道。
  • 青山さまの指示で萩原を尾行する八兵衛、駕籠を駕籠で追う道は大覚寺有栖川土手道・望雲亭脇。萩原が貞八と会う料亭・水月は望雲亭
  • 母・お政に縋ろうとした栄治に、恩を忘れたかと迫る貞八、柿泥棒をしてふたり追われた回想シーンは民家門前〜北嵯峨農地小丘。
  • 八兵衛を訪ねてきて「自首」するお政、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 事後、牢死したお政のことなどを述懐する八兵衛と青山さま、上賀茂神社ならの小川神事橋上。

ゲスト
お政/多岐川裕美 栄治/草野康太 貞八/榊英雄 萩原兵部/草薙良一 お美代/松永香織

※お政の二人の息子は拾って育てた養子。栄治の方は足を洗い彫金師になっている。
※今は貞八が仕切る盗賊集団、一味の一人に福ちゃん。ラス立ちに登場。


第7話 「謎の深川心中!二度命を救われた女」 2004.2.16

 賊に拾われ育てられた女は、負わされる役目に耐えかね入水を思い立つが、それを阻止し助けてくれた男は、当の的なのだった。愛が生じたことにより辛さは倍増し、しかし救済が用意されている。

ロケ地

  • 凶賊に入られた材木商、そこから姿を消した手代の人相書を手にどやどやと行く同心たち、八幡堀堀端。ここへ、心中だと男が走ってきてダンナ方に呼ばわるのは白雲橋上から。
  • 心中の生き残り・おきぬが弥生堂を脱走し、通りかかった青山さまにぶつかるくだり、八幡堀舟橋。おきぬは左岸側の石段を駆け去る。その後おやいが右岸側堀端へ追っかけて走ってくる。
  • 橋を乗り越えようとしていたおきぬに声を掛け、そこでは無理と諭す青山さま、八幡堀明治橋上。その後話す堀端は明治橋上手堀端。このとき、明治橋橋脚の陰から、賊一味の男が覗き見ている。
  • 材木商・近江屋の息子・伊助とおきぬの馴れ初め、おきぬが入水しようとしていた夜の川端は広沢池東岸
  • 素走りの銀次の養女だったおきぬの顛末を聞いた青山さま、物思いつつゆく堀端は八幡堀堀端。
  • おきぬにぶっ叩かれて昏倒する八兵衛、八幡堀舟橋上。その後おきぬは一味の男に近江屋の鍵を渡し消える。
  • おきぬから受け取った鍵をかしらの銀次に渡す男、日牟禮八幡宮境内。
  • 事後、おきぬが江戸を去りいずれ出家する予定なことを、釣りの青山さまに報告する八兵衛、大覚寺大沢池船着(大)。追っかけっこの土手は放生池堤(青山さまの豪快なコケが見られる)

ゲスト
おきぬ/加藤貴子 近江屋伊助/遠山俊也 素走りの銀次/成瀬正孝

※伊助は死病で余命幾許もない設定、心中の際おきぬには眠り薬を飲ませ、自らは石見銀山を呷る。


第8話 「娘の初恋!好きな人の父は辻斬り!?」 2004.2.23

 あっけなく終わる、おやいの初恋。引き裂かれる辛さに涙が溢れ出るが、若い二人の思いは真実だった。

ロケ地

  • 河内屋が辻斬りに遭う夜道、車折神社参道、鳥居付近。
  • おやいと東吾がデートの縁日、露店があしらわれた車折神社参道〜セットにスイッチ、お化け屋敷は村のそれかも。
  • 田所浪人に接触する八兵衛、外で話す堀端は八幡堀舟橋上。
  • 青山さまと八兵衛が田所を連れ出し、友の浪人の死について問う町角、日牟禮八幡宮境内(石段下、絵馬堂脇)
  • 東吾が江戸を去ると聞き、追いかけてゆくおやい、八幡堀堀端〜舟橋〜堀端。東吾が乗り込む渡し場は大覚寺大沢池船着(大)。房州へ向かう設定。
  • おやいの初恋の顛末について、八兵衛に軽口を叩く青山さま、八幡堀白雲橋上〜堀端(ムカついた八にゴツン食らうほか、そのへんに顔ぶつけイタタ)

ゲスト
田所半介/江藤潤 田所東吾/倉賀匡弘

※田所は房州浪人、上司の罪をおっ被され致仕。江戸へ出て窮し、同郷の友に誘われて行った先が辻斬り集団という、へまな次第。
※東吾は市之丞と同じ塾に通う。そこへ見学に行ったおやいがからまれているのを助け、感情が発生する。


第9話 「与力を訴えた女!疑心暗鬼の八丁堀」 2004.3.1

 青山久蔵実はとんでもないワルかも、という疑惑が蔓延。もちろん疑いはきれいに晴れ、青山さまを陥れようとしていたお偉方はじめワルは一掃されるパターンなのだが、訴人した女の誤解の訳が、青山さまの妻女の哀しい最期と関わってくるのがミソ。

ロケ地

  • おやいに読み書きを教えてやる市之丞、大覚寺護摩堂前。床机を置いて、二人はそこに腰掛けて教材を広げる。おやいが去ったあと、おりんが出て市之丞に青山さまの悪行を吹き込み。
  • 評定所、大覚寺明智門。早朝、おりんが目安箱に訴状を入れに来る。
  • おりんを訪ね問い質す市之丞、岡場所はずれの川端は広沢池東岸。土手に紅殻塀、汀には物干しをあしらい。葦原と、小川の流れ込みが映っている。
  • 市之丞が去ったあと八兵衛が現れ、おりんに訴状の件を質すが、ここで出る15年前父が殺された夜の大川端は大堰川河川敷
  • 大村が自刃したというのに拉致されるおりん、部下の草薙と取り巻きがおりんを害そうとする河原は大堰川河川敷、作り物の枯れ木を置いてあり、その形がおりんの記憶をフラッシュバックさせる次第。このあとここで大立ち回り。
  • 事後、やめていたおやいへの教授を再会する市之丞、前と同じ大覚寺護摩堂前。二人を見ている青山さまと八兵衛は放生池堤、コントで幕。

ゲスト
おりん/遊井亮子 草薙新三郎/篠塚勝 大村源之介/中田浩二 お袖/竹本聡子

※草薙に雇われたラス立ち参加の浪人の一人に福ちゃん、孫さんにぶっ叩かれのけぞりがアップ。


第10話 「波乱の八丁堀!嫁舅の危険な関係」 2004.3.8

 夫に去られた後も家に残り、呆けた舅に尽くす健気な嫁。これに入れあげた磯貝さん、老人の世話も焼いて相思相愛などと舞い上がるが、もちろんいつものパターン。捕物は、最終回らしく大物食い。

ロケ地

  • 勘定奉行所、大覚寺明智門
  • 財布を拾って届けた魚屋が土左衛門で見つかる堀端、八幡堀堀端。
  • 事後、橋上で待つ市之丞のところへ走ってくるおやい、八幡堀白雲橋。これを見やる青山さまと八兵衛は堀端、源吾が急を知らせに走ってくる。

ゲスト
柳田兵庫/石橋蓮司 加世/麻乃佳世 勘定奉行/朝日完記 うた/新海百合子

※正体を現すレンジが見もの。きりっとしたサムライより、呆けた爺さまのほうがかわいかったりして。


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