山下耕作監督作品 1964.9.5東映
脚本/村尾昭、鈴木則文、中島貞夫
キャスト
大川橋蔵 河原崎長一郎 入江若葉 十朱幸代 加藤嘉 曽根晴美 穂高稔 花沢徳衛 遠藤辰雄 徳大寺伸 加村越夫 松浦築枝 霧島八千代 片岡栄二郎 藤本錦之助 汐路章 阿波地大輔 野村鬼笑 川浪公次郎 西村晃 金子信雄 丹波哲郎
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敵の親分を殺った兄哥は、出入りのあと草鞋を履く。しかし三年たって帰ってみると、一家は傾き、愛した女は他の男に嫁していた。
縄張りを狙い挑発を繰り返す赤岩一家、乗らず耐える勝場の衆だが、遂に血が流され、決戦の日がやって来る。
二つの勢力の間にあって諍いをコントロールし、漁夫の利を得ようとしていた外道は、己が雇った狂犬に背かれ、結局両一家の頭目も共倒れ、死屍累々の悲惨な結果に。そして秀次郎は、愛する女に別れの一言も言えず、再び宿場を去ってゆくのだった。
ロケ地
- 笹島一家との出入り、木津河原。
- 小田井宿を出てゆく秀次郎を見送るおかよ(藤兵衛の娘)、不明(水車小屋傍、周囲は起伏ある農地、河畔林じみた竹林も見える)。秀次郎がゆく街道、不明(川堤、堤下に民家あり・屋根と堤が同じ高さ)。
- 客人として出入りに参加する秀次郎、木津河原。夕暮れの橋を渡る秀次郎、流れ橋。
- 小田井宿へ帰ってくる秀次郎、出た時と同じ川堤の街道を来て、赤岩の衆にスカウトされかかる道隈、不明(茶店あしらい、ここから画面奥に続く道は丘へ続く感じ)。同じく助っ人に誘われた男が、額を聞いて踵を返し秀次郎を追ってくるシーン、木橋は若森廃橋に似る(橋脚も木)。
- 小田井宿、どこかの里をまるっと使った感じ。農家とか、路地とか、田んぼとか。墓地もありものっぽく、入口には六地蔵。遠景の「里」がまた良い風景で、ちょっと棚田っぽい。萱葺民家も多数出てくる。口丹波のような気がする。
- 女房を取り返しに行って殺された、芳太郎の亡骸を乗せた馬が失踪する道、川堤か。このあと「里」へ。
- 赤岩の倅・太市とおかよの人質交換が行われる墓地、西教寺墓地。三鬼らの背後に湖水ちらり。
- 勝場と赤岩がぶつかる、大出入りの河原、木津河原。土手から三鬼が見ている。殺陣は右岸側土手下の田んぼへ移動し、青田の中で乱戦も。はさ木のある、「里」の田畑も出てくる。
- 秀次郎たちが武器等用意してあった八幡宮、不明(赤い両部鳥居、内部描写はセットへスイッチ)。
- 小田井宿を去った秀次郎がゆく街道、前出のアレ(川堤)。
※明朗快活な「東映時代劇」とは一線を画するリアル路線で、のちのヤクザ映画を想起させるような作りやキャストもちらほら。
※監禁中のおかよに無体を仕掛ける三鬼だが、過去の悲惨な記憶がフラッシュバックして頓挫。最期も哀しくて、上州屋を斬ったあと乱戦の中で背に竹槍を受け、その状態で秀次郎と相対し、無抵抗のまま腹にドスを受ける運び。
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