大勝負

井上梅次監督作品  1965.5.8東映

キャスト
片岡千恵蔵 高千穂ひずる 嶋田景一郎 新城みち子 大坂志郎 加賀邦男 天津敏 神戸瓢介 天王寺虎之助 多々良純 藤尾純 長谷川みのる 阿波地大輔 汐路章 国一太郎 大友柳太朗 大川橋蔵

脚本/井上梅次、宮川一郎

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 十手を手にした博徒が横行する関八州、治安は乱れに乱れ、怨嗟の声は幕府に届く。切れ者の勘定奉行は、ヤクザどもの間に亀裂を生じさせ壊滅に導くプランを立て、人物と見込んだ代官の領地を決戦の舞台に選び、隠密を送り込む。
そして当地には、風来坊を装った「心ある士」が二人、入り込んでいた。
もちろん、親分衆はいち早く事態を察し、関東一円から助っ人を調達するほか、前代官を破滅させたやり口を現代官に仕掛けてくる。
分断工作が功を奏すか、博徒の勢いが勝つか、ぎりぎりの大勝負の趨勢は人情に託され、カオスは収束に向かう。

流れ橋

ロケ地

  • 江戸城イメージ、不明(石垣ナメて天守ちらり、二条城か大阪城に合成?)
  • 浪人・海野蛸十郎と、渡世人・御嶽の仙太郎が、市村花之丞一座の用心棒のポストを賭け相対する橋、流れ橋。導入は真上から。諍いを止めに来る代官所役人は堤法面をおりてきて橋へ、江戸から帰ってきた代官のシーンは堤上。
  • 常吉一家が立て籠もる閻魔堂、不明(長く緩やかな参道の坂、手前に短いステップあって大きな石鳥居が聳え、細い石畳のある踊り場を経て長い急な石段が続く。石段の上は広く開けている感じ)。お堂内部はセット撮り、笑うほど巨大な閻魔さまのハリボテがこさえてある。
  • 助っ人の渡世人たちが続々と真岡を目指す街道筋、地道や土手に林の中、流れ橋(側面シルエット)など。
  • 将軍家御鷹狩りまであと五日、ヤクザ300に対し代官所の人数40という事実に窮する代官、このシークエンスで時間経過を表す「小坊主の鐘撞き」は本法寺(鐘楼越しに多宝塔のシルエット)
  • 事後、事の推移を知らず、せめての人数を引き連れ「先触れ名目」で馬を駆り真岡宿へやって来る勘定奉行、不明(川堤か、他作品でも頻出の、二階屋根が堤と同じ高さのアレ。萱葺民家なども見える)
  • 真岡代官への助力が不要となり、先触れの務めを果たしに街道を走る勘定奉行、不明(棚田の田畔)。それを高所から見ていた太夫たち、別れの街道は林道か(切り通し、山頂が安行山みたいなシルエット)

※KBS京都「中島貞夫の邦画指定席」にて視聴、解説の中島監督談話:「明るく楽しい東映時代劇」の最後を飾る一編。
※千恵蔵御大は密命を帯びた藩士、むさい浪人に身をやつし潜入の運び。しかし田舎言葉や性格は地のもよう。立ち回りけっこう尺あってシャープ、コミカルな所作も大笑い。
※橋蔵は実は前代官の子息で、現代官が父を陥れ切腹に追い込んだという風聞を真に受け、憎悪を滾らせている悩める美青年。なりは渡世人でムシリ頭。
※高千穂ひずるの太夫は、現勘定奉行が小山代官だった頃に難儀を助けられ岡惚れ、今回の件で頼み込まれ隠密を務める次第。
※二足の草鞋の大ワルに天王寺虎之助、弟の女郎屋亭主に多々良純など、お馴染みの悪役脇役陣が多数出演、宍戸大全や福ちゃんに小峰さんなどもずらりとクレジットされている。


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