池広一夫監督作品 1961.8.13大映
原作/村上元三 脚本/依田義賢 美術/西岡善信
キャスト
京マチ子 中村玉緒 船越英二 小林勝彦 小桜純子 阿井美千子 中村豊 東良之助 荒木忍 南部彰三 水原浩一 石黒達也 寺島貢 尾上栄五郎 天野一郎 市川謹也 沖時男 木村玄 寺島雄作
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西南戦争に翻弄される、二人の女を描く。一人は婚期を逸した士族の女、もう一人は士族に嫁いだ商家の女。嫁と小姑の仲はぎくしゃくしたまま、一家は戦争に巻き込まれてゆくが、混乱の裡に二人は互いの心底を知り、真に打ち解ける。そして戦が終わり、「女」を押し殺して生きてきた武家の女に、望外の喜びが待っているのだった。
ロケ地
- 律と直之助の別れ、夕陽が見事なシルエット。設定は幕末。
- 明治9年の夏、臼杵の港、琵琶湖西岸(突堤は有りものか、浜には蔵等建物をあしらい、セットの町なみにスムーズに誘導。対岸には三上山が望まれる)。十年ぶりに律が帰ってくるシーン。
- 西南戦争勃発、砲弾飛び交う野、饗庭か(幼松が植えだされた荒れ地、すぱっと切ったような切り通しも見える)。後段、官軍の砲撃も同所。
- おたかの実家から迎えが来るくだり、城へ上がった弟に詰問にゆく律、彦根城天守下(大胆なアオリもあり)。
- 女子供病人老人が避難する大橋寺、不明(門続きに腰板塀、脇に花頭窓あり。内部はセット撮り)。
- 城を出て出陣してゆく士族軍、彦根城天秤櫓。
- 総崩れとなった士族軍が引き上げてくる道、不明(浅い小川)。
- 士族軍が城から退去、海陸に別れて逃げたと聞き動揺したおたかが城へ走ろうとするくだり、止める律は大覚寺。律たちの持ち場は墓で、鎌倉期石仏のまわりに「石造物」を増やしてある。おたかを引き止める林は梅林か。
- 大砲の音に耐え切れず、見苦しい態度を見せたおたかを叱る律のくだり、自刃できずにいる墓地は大覚寺境内か(林の中)。諭しつつおたかを連れ戻る律、大覚寺天神島朱橋たもと。皆我慢しているのだと呟く律、大沢池畔。薩摩に雇われているゴロツキがおたかをさらおうとして律に斬られるのは護摩堂脇。
※戦中(S19)に撮られた作品のリメイク。
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