1975〜1976年、NET東映
キャスト
松平伊豆守/松方弘樹 由比正雪(由比弥五郎)/中村敦夫 お吉/和泉雅子 志乃(一夢斎の娘)/坂口良子 楓(伊豆守の妹)/いけだももこ 柳生十兵衛/若林豪 笠井新兵衛(伊豆守の用人)/長門勇 幡随院長兵衛/中谷一郎 鴉の甚兵衛(伊豆守付き伊賀忍)/松山英太郎 一心太助/目黒祐樹 お仲(太助女房)/津山登志子 おその(お仲の妹)/麻田ルミ ゲン(太助友人・番太)/東田真之 文吉(目明し)/川浪公次郎 青山伯耆守(元家光傳役)/金子信雄 丸橋忠也/佐藤允 金井新兵衛/岸田森 楠不伝/戸浦六宏 笹井弥一郎(笠井新兵衛の倅)/三ツ木清隆 関口隼人正(紀州家用人)/田島義文 徳川家光/片岡孝夫 駿河大納言忠長/田村正和 石谷将監(町奉行)/勝部演之 土井利勝/中村竹弥 春日局/岸田今日子 根来幻幽斎(根来衆総帥)/近衛十四郎 紀伊大納言頼宣/芦田伸介 服部一夢斎(服部半蔵の兄)/宇野重吉
音楽/桑原研郎 ナレーター/芥川隆行
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第1話 「智恵伊豆と呼ばれた男」 1975.10.22
家光の懐刀・伊豆守は、謀反の疑いを持たれ処分も取り沙汰されている、将軍の弟・駿河大納言の扱いに腐心する。死も覚悟して忠長卿説得に向かう伊豆、頼もしい仲間たちの助力も得て、あわやの事態を回避するのであった。
ロケ地
- お忍びで一夢斎に会いにゆく伊豆守、忍者に襲われる夜道は相国寺大通院前〜鐘楼前。十兵衛が駆けつけチャンバラに参加。
- 伊豆守登城の駕籠が渡る橋、大阪城極楽橋。奥に天守を望む図。
- 忠長の心底を見定めるため、伊豆守の提案で触れ出される諸大名総登城、続々と諸侯が登城する光景は二条城。高所から東大手門を望む図で、二の丸御殿などはそのまま、西側に天守や町並みを合成してある。
- 伊豆守が駿河へ向う道、箱根の街道は林道か(山裾の道)。
- 由比弥五郎たちが、楠不伝に腕試しされる箱根山中、谷山林道切通し。弥五郎たちにからむ、雇われた雲助は岩尾正隆。
- 忠長の家来・牧野備後守が紀州家の関口隼人正に宛てて書いた密書を運ぶ根来忍者、十兵衛に立ちはだかられ、鴉の甚兵衛にやられる林、下鴨神社糺の森。この忍びは平沢彰で、幻幽斎の配下。
- 甚兵衛が伊豆守の駕籠に密書を結んだ手裏剣を投げる街道、大内辻堂前。
- 伊豆守の説得に応じた忠長が駿府の城を出てゆくくだり、大阪城多聞櫓〜大手門〜大手口スロープ←ここの並木に弥五郎たちがいて眺め、不伝が示した忠長卿の書付を破り捨て、不敵な文言を口にして消える。忠長を見届けた伊豆たちは、大手門から多聞櫓へ戻る。
※駿府藩筆頭家老・内藤掃部は永野達雄、忠長卿の忠臣で、伊豆守に主の無実を訴えて自刃。紀州と通じる佞臣・牧野備後は田口計、伊豆に斬られる。
脚本/葉村彰子 監督/山内鉄也
第2話 「野望にもえる男たち」 1975.10.29
幡随院長兵衛の「妹」の正体が知れ、彼女にまつわるアクシデントを奇貨として由比正雪の出現を見る回。底の知れぬ浪人者は、時宜を得て一躍世に躍り出る。
ロケ地
- 天下祭り開催の理由を語る長兵衛、そのかみの日比谷入江干拓工事、バンクフィルムか。
- 紀州に己を売り込みにゆく弥五郎、紀州家上屋敷は西本願寺大玄関門。門前で新兵衛と話す段では、背景に興正寺の甍が映り込んでいる。断られて帰る二人を襲う根来忍者、不明(両側生垣、奥に塀)。腕試しの忍者をやり過ごしたあと、半兵衛を先に帰す弥五郎、相国寺大通院南西角塀際。
- 新左がお吉を呼び出し、旧臣らと会わせる町角、相国寺法堂基壇。彼らが何者かの気配に気付き去ったあと、弥五郎が上から降ってくる。
- 伊豆守暗殺に失敗した新左が腹を切る将門塚、随心院拝観口のすぐ北の塀際芝地に設営。五輪塔と「蓮阿弥陀仏」の碑や柵があしらわれ、後段ではここを囲むように竹矢来が巡らされる。
- 入門者ひきもきらぬ張孔堂を見に行った伊豆守と十兵衛、塾はセットで二人が振り返る町角は随心院薬医門前。不伝埋葬の地としてお上から下賜されたのは、牛込榎木町の二千坪。
※お吉は改易となった徳永藩の姫、長兵衛に宮の宿で助けられ妹として暮らしている設定。旧臣リーダー格・末次新左衛門は原口剛。弥五郎たちを襲う根来忍者の一人に福ちゃん。
脚本/葉村彰子 監督/山内鉄也
第3話 「悲運の貴公子忠長」 1975.11.5
忠長卿を掬い上げようとする伊豆守だが、紀州の奸計に阻まれる。伊豆を仇と付け狙うお吉は、根来忍者の手駒に使われ、悲劇を出来させてしまうのだった。
ロケ地
- 夜、将門塚へ詣でて新左の霊に祈り、伊豆守への復讐を誓うお吉、随心院拝観口脇塀際(前話と同じ)。七郎太が出て拉致。
- 高崎へ向う伊豆守一行、不明(林道)。
- 高崎城イメージ、姫路城はの門下坂、彦根城天守等。
- 忠長卿配所近くで根来忍者と戦う十兵衛たち、相国寺境内か。追われた七郎太を斬り捨てる正雪のシーン、背後の門は光源院に似る。
※伊豆守は、保科正之と忠長卿を将軍を支える両輪にして、紀州その他の野望を挫こうとしていた次第。根来の七郎太は内田勝正。
脚本/葉村彰子 監督/中島貞夫
第4話 「若君の危機」 1975.11.12
ご婦人を助けたことで、掛川藩のお家騒動に関わる伊豆守。奸物の悪あがきで気遣いは無駄になるものの、お吉の心は氷解する。
ロケ地
- 千鶴が江戸家老の配下に囲まれ拉致される町角、金戒光明寺東坂、蓮池端。
- 夜釣りで船を出していた伊豆守たちが、女の悲鳴を聞きつけ、船宿に連れ込まれていた千鶴を助けるくだり、船宿イメージは錦水亭東屋。釣り船が浮く水面はロケかセットか不明、船宿内部はセット撮り。
- 船宿で伊豆らに倒された掛川藩士が土左衛門で見つかる川端、罧原堤下汀。伊豆と十兵衛が土手法面にいるのを、藩士が木の陰から見ている。
- 伊豆と十兵衛を尾行する藩士、金戒光明寺鐘楼下石段、長安院下坂(瑞泉院南東角)。十兵衛にびびらされ藩邸に逃げ帰った尾行者を見届ける甚兵衛と志乃、広隆寺東塀際(木の陰から)。
- 殿様に毒を盛っていた医師をハメて、長兵衛宅へ連れ込みシメるくだり、良伯が不審がって駕籠から顔を出す道は金戒光明寺東坂下りきったところの石垣際。
- 藩主父子を見送る伊豆、金戒光明寺東坂。
- 江戸を去るお吉、北嵯峨農地農道。
※千鶴は白川望美、国家老の娘で父は永田光男、若君は小林芳弘(子役ではなく青年)、病床の殿様は北原将光。お家乗っ取りを画策する江戸家老は大木実、腹心は剣持伴紀でその部下に福本清三(クレジットはベタなれど、十兵衛に腕へし折られかけて舌噛んで自死)。江戸家老の妹は三浦徳子、男児を生した御側室。江戸家老の要請を受け殿に毒を盛る医師は中村錦司。
※伊豆に悪事を全て知られ窮した江戸家老、殿様の寝所に駆け入り手にかけようとするが、すったもんだあって妹に刺される。そのお方様も兄に返り討ちされるなど、どたばた展開。この大騒ぎのため、伊豆の配慮は無駄となり改易。
脚本/葉村彰子 監督/原田隆司
第5話 「南海のあばれ竜」 1975.11.19
明国から救国を乞う密使が来るが、伊豆守は立場上拒否せざるを得ない。彼らは張孔堂と接触し、このことは正雪と紀州を結託させる契機となってしまう。
ロケ地
- 楓が白柄組と事を構え危地に陥る縁日の神社、今宮神社境内か。
- 老師に食べ物を持ってくる芝竜、金戒光明寺三門。托鉢の雲水を見る芝竜、雲水たちがおりてくる石段は金戒光明寺石段、彼らに混じる芝竜を見て誰何する町方のシーンは相国寺大光明寺南路地。
- 張孔堂から出た二丁の駕籠(紙に描いた葵紋貼り付け)が着く紀州屋敷、西本願寺大玄関門、式台玄関。
※密使・鄭芝竜は森次晃嗣、平戸で海賊やってて妻は日本人、今は水軍を任されている設定。芝竜の老師は岩田直二。白柄組に菅貫太郎と池田駿介。
脚本/葉村彰子 監督/中島貞夫
第6話 「白昼の三十六人斬り」 1975.11.26
まるまる「決闘鍵屋の辻」。伊豆守は、池田宮内少輔の死を受け表立って介入、紛争の元となった河合又五郎を江戸から出すよう仕向け、伊賀で討たせるよう持ってゆく。
ロケ地
- 河合又五郎を匿う旗本・阿部四郎五郎邸、相国寺大光明寺。芝居は門前で。
- 岡山藩邸(池田家)、大覚寺大門。後段、伊豆が暴発を止めに来る段では、式台玄関前も使われる。
- 荒木又右衛門が仕える本多家の屋敷、金戒光明寺瑞泉院。
- 又右衛門が釣りをしているところへ赴き、本心を問う伊豆、相国寺放生池・天界橋たもと池端。
- 又右衛門の妻・お谷が伊豆守邸へ向う途中、白柄組に拉致される町角、相国寺弁天社脇〜鐘楼前。
- 伊豆守の要請を受け西へ向う長兵衛、不明(尾根道みたいな道、松林脇の地道など。又五郎一行を追い越してゆく)。
- 又五郎一行、一頭だけ入手できた馬に逃げられる街道、大内か(田畔)←長兵衛の妨害による足止め。
- 甚兵衛たちが芝居を打って、又五郎一行に大坂へ向うのを思いとどまらせる街道、大内か(田畔)。
- 鍵屋の辻、大内辻堂前。又右衛門と数馬は祠裏で準備、又五郎一行は亀岡道を南へ。「辻」は、祠前を過ぎ八木道へ向うことで表現・三叉路が効いている。大立ち回りは祠周辺で。十兵衛の介入もある。
- 事後、又右衛門・十兵衛・伊豆の鼎談(36人も斬ったっけとか、人の口はそんなもんとか述懐)、金戒光明寺本堂前。
※荒木又右衛門は山崎努、お谷は京春上、渡辺数馬は石田信之。又五郎は坂口徹、池田の殿様は穂高稔、阿部は成瀬正。福ちゃん白柄組の一人で登場、ちょっと豪華な衣装着ている。白柄組では前話と同じくスガカンが出ていて、又右衛門の妻女に悪さをはたらいて恥をかく。
※仇討ち時、又五郎一行はたくさんいるが、討つ側は又右衛門と数馬二人きり。また、又右衛門が仕えていたのは大和郡山藩ではなく、「本多家」と劇中語られている。
脚本/木下亮、葉村彰子 監督/原田隆司
第7話 「江戸城悲話」 1975.12.3
将軍が親の仇と吹き込まれた娘は、害意をもって大奥に上がる。からくりを知った伊豆守は、大奥へ罷り通るが時既に遅く、悲惨を見て立ち尽くすのだった。
ロケ地
- 神君以来の御鷹を誤って死なせた鷹匠が腹を切る野、酵素河川敷。
- 事後、おそでの墓に参る伊豆守と十兵衛、金戒光明寺墓地。帰り道、由比小雪と対峙するのは石段の上と下、背景に塔。
※寵愛深い御側室・お万の方と、鷹匠の娘・おそでは岡崎友紀の二役。顔がそっくりという設定。そでの父は入江慎也、お手討ちではなく本人に乞われた将軍が介錯。そでの工作をしてのける根来忍者は汐路章。春日局をひっかけるお芝居の幽霊騒ぎ、忠長卿として「出る」根来忍者は福ちゃん。
脚本/宮川一郎 監督/田中徳三
第8話 「恐怖の火焔地獄」1975.12.10
騙りの行者がたいそうはやるが、大口を狙ったところで、一枚も二枚も上の大騙りにころっと引っかかり一命を落とす話。時代劇に類似の筋はあれど、大騙りが由比正雪というのがミソ。伊豆守は終始見ているが、手は出さず。
ロケ地
- 鉄誠道人が足萎を治す縁日、大覚寺天神島。祠の周囲に、多数の露店があしらわれている。
- 道人の客となり正体を見てきた志乃、甚兵衛にあれは騙りと話す水辺、大覚寺大沢池畔。
- 正雪に乗せられた道人が焼身入滅するパフォーマンス現場、酵素河川敷にしつらえてファィヤ。
※道人は小松方正、娘の芳乃は大森不二香で実の父は山村弘三(年貢に困り道人に売った)。芳乃に惚れて馬鹿を仕出かす若旦那は新田章、父の鶴屋は高野真二(正雪とは同郷で親しい。稼業を通じ春日局に誼)。道人のサクラに川谷拓三。
脚本/葉村彰子 監督/山内鉄也
第9話 「千姫と彦左と太助」 1975.12.17
はやり歌にもなった吉田御殿の真相は、悲劇の女性をダシにした悪党の跋扈。伊豆守は、千姫に引導を渡す辛い役目を遂行する。太助とご隠居は、犠牲者と関わり捨て置けず行動する次第。
※ロケなしセット撮り。
※ 千姫は高田美和、悪事をはたらいていたお付きの上臈は松村康世、彼女が引き込んでいた豊臣牢人は伊吹聡太郎。大久保の殿様は辰巳柳太郎、用人の喜内は柳沢真一。彦左と、伊豆の家宰・孫兵衛とのからみあり、爺さま二人の得物は槍。
脚本/宮川一郎 監督/田中徳三
第10話 「柳生十兵衛を狙う男」 1975.12.24
天下の剣豪・柳生十兵衛に勝負を挑む若者が現れるが、その腕の冴えを見た根来者に利用されてしまう。十兵衛にも魔手は伸び、両眼見えずの状態で果し合いに臨む一幕もある。
ロケ地
- 伊豆守が隼太を見かける日光街道草加宿の茶店、不明(谷地田?の地道、山裾)。
- 酒肆で十兵衛と遭遇した隼太、外へ出て対峙する林は下鴨神社池跡。
- さらわれた茅野のあとを犬を使って追う儀兵衛、峠道は不明(よく出る所)。
- 十兵衛と隼太果し合いの場となる広尾原、酵素河川敷。それぞれの往路に、ダートも使われている。
※鷹巣隼太は阿仁郷マタギを束ねる頭領の跡取り。佐竹家からは郷士として遇されているが、不満と野心を抱え出奔の運び。隼太は尾藤イサオ、国から来た茅野は渡辺やよいでお付きのじい・儀兵衛は内藤武敏。
※何人も仲間を殺された根来忍者が焦って十兵衛殺害の好機として計画、幻幽斎の指示を無視しフライング。忍びに、佐藤京一や村井国夫。
脚本/葉村彰子 監督/田中徳三
第11話 「仇討ち姉妹」 1976.1.7
両親を無礼討ちにされた百姓総代の娘たちは、仇討ちを願い張孔堂を頼る。悲願はみごと果たされ、正雪らの名は騰がるが、裏に伊豆守の奔走があるのだった。
ロケ地
- 宮城野とおたかの父母が団七に斬り殺された道、不明(田脇、竹林沿い地道)。
- 伊達藩上屋敷、随心院薬医門。後段、阿呆払いされた団七が姉妹に討たれるのも同所門前。
- 団七が果たし状で指定の千駄木林の河原、不明(砕石場跡のような荒れ地、崖には水食の跡も見える。竹林あり)。
※吉原の花魁・宮城野は梅田智美、妹のおたかは堀越陽子。伊達家の指南役・志賀団七は今井健二、殿様(政宗)は西村晃で用人は北原義郎、伊豆は政宗に可愛がられていて碁仇な設定。吉原の総名主は北村英三。張孔堂の医師は溝田繁、伊豆守の進言でおたかの銃創を縫い感激する←このことで正雪は伊豆守を見直し、尊敬の念まで抱く設定。
脚本/宮川一郎 監督/山内鉄也
第12話 「姫君町を走る!!」 1976.1.14
逃避行の姫様は、太助の家の居候になったり、張孔堂に「保護」されたり、めぐりめぐって伊豆守のもとに。お家乗っ取りの陰謀が明らかとなり悪者は成敗されるが、いっとき町暮らしをした姫様は、駕籠の中で切ない思いを噛み締めるのだった。
ロケ地
- 侍たちに追われた妙が逃げるくだり、今宮神社東門(門内に露店多数あしらい)〜相国寺鐘楼脇、植え込み際(ここで通りかかった伊豆守に助けを求める)。
- 伊豆守からもそっと逃げた妙、池を浚うゲンに声をかけるのは相国寺放生池端(池にカモが浮いている)。
- ゲンに家に帰るよう諭された妙がぷんぷん怒って下りてゆく坂、金戒光明寺長安院下坂。妙に目をつけたゴロツキがゲンをボコって妙を拉致しかける町角、相国寺回廊から法堂脇(太助が通りかかりゴロツキを撃退)。
- 金井半兵衛がゲンを痛めつけ妙の居所を聞き出す河原、桂川河川敷(対岸がずいぶん近いので、松尾橋下手右岸河川敷と思われる。水制は見られない)。
- 太助宅から消えた妙を捜す甚兵衛と太助、吉田神社参道(坂中ほどで太助がへばり、弱音を吐く)。
- 事後、褒美を貰った太助がお仲とゆく道、金戒光明寺東坂。妙姫の駕籠が上から下りてきて太助らを見かけるが、声はかけず。太助らは禅堂裏手へ通じる分岐道へそれてゆく(分岐地点の摂社に朱玉垣あり)。
※妙姫は竹下景子、物知らずのボケっぷりが可愛い。悪家老は神田隆、姫と娶わせる予定の倅は河原崎建三。姫の父の大和片桐藩の殿様は庄司永建。姫に目をつけるゴロツキは鶴田忍と大前均、ゲンは東田真之(自身番番人・太助の知り合い、金魚の餌とりをしていて姫と遭遇)。
※姫が売った簪を丸橋忠也がおたかにやるため求め、金井半兵衛の目にとまり紋から出所が知れる運び。正雪と丸橋は頭から信じているくせに、金井を奸物扱いしているおたかが笑える。
脚本/葉村彰子 監督/原田隆司
第13話 「家光と目黒のサンマ」 1976.1.21
例の落語をネタにした話で、お忍びの家光ハメられて危機一髪の巻。さんまを出す目黒の茶店は、太助の舅が経営していたりする。
小雪は、王者の孤独を読みことを図る。
ロケ地
- 庭で近習と相撲をとるものの、追従と不満な家光、不明(池畔芝地。池には小橋架かる)。江戸城イメージに皇居伏見櫓、家光が天守?から見下ろす濠、不明(見事な石垣)。
- 家光がお忍びで相撲大会に出ていたことを、頼宣に告げにゆく小雪、紀州家上屋敷は西本願寺大玄関門。
- 目黒付近を騎馬でゆく家光と近習の桜井、下鴨神社馬場。目黒・渋谷界隈のイメージ、金戒光明寺東坂(露店あしらい)、今宮神社東門内石橋たもと(屋台あしらい)。
- お仲の実家である茶店・竹の子亭、北嵯峨か(竹林際に塀等設営?)。家光がさんまの焼ける匂いを嗅ぎつけるのは下鴨神社糺の森(焼かれているさんまは太助のお土産)。
- 太助を伊豆守と誤認したあと、お忍びを自重して庭をうろつく家光、不明(片側は土手下に植え込みが続く、公園みたいな感じ)。伊豆守との会見を拒否する家光のくだり、イメージに挿まれる庭園は水前寺公園。
- 桜井をつける甚兵衛、不明(林の中の道?)。
- 杉崎のあとを追う太助、神社境内坂道(丘陵の山腹、吉田山や船岡山みたいな感じ。玉垣が沿う)。杉崎も桜井も張孔堂へ入る。
- 桜井にハメられて竹の子亭へ向かう家光、不明(両側林の道)。事後、伊豆と二人戻る道は下鴨神社馬場。
※お仲の妹は麻田ルミ、父は小林昭二←杉崎浪人を妹娘の婿にしようと躍起。その杉崎は大塚吾郎。近習は蜷川幸雄、紀州のイヌ。家光襲撃に失敗し幻幽斎に消される根来忍者は石山雄大。冒頭、家光と相撲をとって負ける近習に福ちゃん。
※竹の子亭で脂ののったさんまを食べて感激、という話のほか、城中でさんまを欲するも、出てきたのはぱっさぱさの代物というのも映像化してある。
※伊豆守と太助が似ている件の笑い話に、けっこう尺とってある。
脚本/宮川一郎 監督/原田隆司
第14話 「となりの女にご用心」 1976.1.28
悪徳商人と組んで私腹を肥やす勘定奉行、隣に傑物が住んでいたのが運の尽き。隣家のうるさい爺さまは元家光の守役にして三大御意見番の一人、無礼をはたらいた妾に鉄砲ぶっ放すという無茶を仕出かす。
ロケ地
- 勘定奉行配下の林方組頭が密殺される秩父山中、不明(酵素っぽいシーンも)。
- お城イメージ、二条城東南隅櫓。
- 伊豆守たちが調査に赴く秩父山中、不明(植林杉の林間と山道)。
※青山のご隠居は金子信雄、隣の妾を遠眼鏡で覗いてたり、白紙の御墨付とかもって掲げたり傑作な真似を多々仕出かす。勘定奉行は葉山良二、用人は梅津栄で腹心は山口幸生、つるむ材木商は高城淳一、こっち側は徹底して憎さげな演技。わけても妾の原良子が傑作。
脚本/宮川一郎 監督/皆川隆之
第15話 「左甚五郎昇り竜」 1976.2.4
東照宮造営に際し、伊豆守は左甚五郎を推すが、内定していた向きから手荒い妨害が入る。身を挺して甚五郎を庇う、弟子との情話がメイン。
ロケ地
- 寛永寺視察の伊豆守、金戒光明寺本堂〜三門。伊豆守たちが感心した竜の彫り物を、甚五郎が手厳しく批評するくだり。
- 甚五郎を追ってくる「ニセ甚五郎」を演じていた甚太、日吉大社走井橋上。詫びる甚太を却って励ますところを見ていて声をかける伊豆守のシーンは、黒谷東坂。
- 甚太の元師匠である先代遠江に会いにゆくくだり、師匠宅近くの渓流は清滝河口、家は左岸崖に建つ家をイメージに。河口には一本橋を架けてあり、右岸汀で雇われ浪人と立ち回り。
- 甚五郎をニセ手紙で誘き出す木曽屋、しかし来たのは身代わりを買って出た甚太だったという、夜の深川宗源寺は神光院。石橋、本堂脇、宝筐印塔が使われる。
※左甚五郎は長門裕之、女房は入江若葉、甚太は寺田農。赤井遠江は名和宏、木曽屋は高木均、先代は吉田義夫。
脚本/安藤日出男 監督/皆川隆之
第16話 「又八郎人生勝負」 1976.2.11
太助の長屋に住む、気のいいご浪人実は訳あり。彼を父と呼ぶ坊やは、お家騒動中のさる藩の若君なのだった。寛永御前試合をモチーフに、紀州や正雪の思惑もからむ展開。
ロケ地
- 太助が胴元になって賭け試合をやらかす神社、今宮神社。稲荷社脇、高倉まわりで立ち回り。太助が孫兵衛に叱られ、逃げて出てくる門、西壽寺山門←ちっとか言ってるとうしろに伊豆守がいて怒られ。
- 長屋を襲撃されたあと姿を消した又八郎を捜す太助たち、大覚寺護摩堂前。
- 若君廃嫡を狙う江戸家老たちをおびき寄せる西念寺、西壽寺。山門、石段、本堂前など出て、派手な立ち回りもあり。
※出石藩脱藩浪人で、御嫡男守役だった又八郎は三上真一郎。実は若君な坊は岡本崇。御次男の母が妹な江戸家老は、田中浩。
脚本/宮川一郎 監督/山崎大助
第17話 「黒い米蔵を斬れ!」 1976.2.18
米価高騰で蔵奉行に不審を抱く伊豆守、なかなか尻尾を出さぬ古狸に手を焼くが、思わぬ方面から突破口が開ける。幡随院の親分が単身旗本屋敷乗り込みで、まさか湯殿でと思わせるが、相手は水野じゃないので無事。
ロケ地
- 仇の屋敷へ中間として潜り込んだ亭主の無事を祈りお百度を踏むおまさ、大覚寺五社明神本殿。ここへ長兵衛が現れ、夫婦が抱えている事情を聞き出す。
※旗本を仇と狙う加吉は伊吹吾郎、女房のおまさは北川めぐみ。意図あって加吉に罪を着せた大番頭は近藤左内、風体や取り巻きからして無頼の不良旗本にしか見えない。やっぱり悪かった蔵奉行は山岡徹也。
脚本/安藤日出男 監督/田中徳三
第18話 「美女の罠を砕け!」 1976.2.25
野心に燃える島原の殿様は、分不相応の仕事を引き受けて領民を泣かす。挙句は幕府を騙して金を毟ろうと画策するが、手駒にした美女がとんだ爆弾と化すのだった。
ロケ地
- 白魚を買いに漁師を訪ねる太助、大覚寺天神島祠脇に漁具あしらい。無いと断られ怒って踵を返すと、鳥居前の汀からおたよが這い上がってくる。
- 島原藩上屋敷、大覚寺大門。
- 島原の殿様が伊豆守に美女を宛がおうと画策し招く舟宿、大覚寺望雲亭(対岸からズームしてゆき、建物と船を見せる。中の描写はセットにスイッチ)。伊豆守と公家娘を二人にしてきた殿様が、部下たちに首尾を話すシーンは大覚寺五社明神。
※伊豆守へ島原藩の苛政を訴えようとした男女は、鮎川いづみと工藤堅太郎。島原の殿様は北上弥太郎、留守居役は織本順吉、御用商人は早川研吉。11話で出た宮城野花魁は薄雲太夫と名を替え、伊豆が通ってくる。そして、あのお吉が商人に恩を着せられ、公家娘に仕立てられて現れる次第→肝心の籠絡の場面で、島原藩のマズいこと全部ゲロ←ルソンが侵略とかでっち上げてヒドイ。
※島原藩主従の始末も乱暴に迅速だが、島原の乱はもっとアレで、絵巻とナレーションで超駆け足、戦装束の伊豆守がちらっと一瞬出てオシマイ。
脚本/宮川一郎 監督/山崎大助
第19話 「家光と春日局涙の別れ」 1976.3.3
死期を覚った春日局は、懸案事項を片付けにかかる。、紀州は張孔堂と手を切るかに見えたが、水面下で情報戦が繰り広げられているのだった。
ロケ地
- 紀州家から「慮外者」を貰い受けてくる十兵衛、放逐しようとすると攻撃され応戦、斬って捨てる道は広隆寺東塀際(導入はクレーンショット、木は道の両側にあり)。
※春日局付きの中臈・梅の戸は服部妙子、青山伯耆守の娘設定。酒乱で張孔堂のダニと称される浪人は深江章喜、紀州と張孔堂の関係について深度をさぐるテストに使われる。大奥へ潜入させた女とツナギをとる、商人に化けた忍びは江幡高志。
脚本/宮川一郎 監督/田中徳三
第20話 「忍びの掟は死の掟」 1976.3.10
またぞろ命を狙われる伊豆守、企みの大元は紀州とつるむ富商、手先に使われるのは無役の旗本。彼は伊豆守の朋友だったが、開いてしまった差は埋まらないのだった。
この大筋に、甚兵衛が育てた忍びの兄妹に関する情話が挿まれる。
ロケ地
- 湯女を隠した知行地へ向かう高井、伊豆守に立ちはだかられてしまう春日部への道は北嵯峨か(手入れの行き届いた明るい林床)。
※伊豆守の友だった高井は天田俊明、赤鞘組と称し徒党を組む。紀州に取り入る堺商人は藤岡重慶。今回暗躍する根来者は村井国夫。甚兵衛が育てた忍び兄妹は岡田裕介と今陽子、今は抜け忍として追われる立場で、根来に拾われ。結局馬鹿を見ただけの湯女風呂経営者は小田部通麿。湯女風呂摘発の役人は勝部演之。
脚本/宮川一郎 監督/田中徳三
第21話 「恐怖の十字架」 1976.3.17
次々と娘をさらう抜け荷商人、張孔堂を抱き込みさらに物騒な動きを見せるが、伊豆守周辺に手を出して虎の尾を踏む次第。
鎖国政策で親を亡くした娘が、復讐心を利用される哀話がからむ。
ロケ地
- 誘拐団をさぐる十兵衛たちと別れ、お忍びで町を歩く伊豆守、金戒光明寺阿弥陀堂下(南側)石垣際石畳(東望)。ここで俄か雨、鼻緒を切った娘とすれ違う。その娘・お美濃の履物を直してやる雨宿りの門は金光院。
- 青山伯耆守の差し金で、寺参りの伊豆守にお見合いを仕組むくだり、湯島の麟祥院は相国寺。冒頭イメージは庫裏煙とりを含む甍、寺を出る姫様を見送るシーンは回廊、姫様がさらわれる道は方丈塀際、探しに走る弥一郎は鐘楼脇。この間、見張りについていた十兵衛が別件で誘い出されるくだり、呼びに来たゲンと走る道は広隆寺東塀際。
※お見合い相手の姫様は小泉洋子、出入りの呉服屋は潮万太郎で抜け目無くスケジュールをゲットし悪企み。呉服屋の娘という触れ込みのお美濃はジュディオング、復讐のため悪事に手を染めるものの、土壇場で伊豆を庇い落命。
※タイトルにあるクルスは誘拐団が使う小物、島原の残党に見せかけ。
脚本/葉村彰子 監督/清水彰
第22話 「幻の盗賊を追え!」 1976.3.24
伊豆守を失脚させようと、手の込んだ工作を仕掛けるのは根来者で、故郷をなくした哀れな民を騙して扇動。彼らの頭目である遺児の「お嬢様」は、伊豆守に会ったことで復讐に疑問を持つが、計画は動き出していた。
ロケ地
- 次に襲う店について協議する「川越船頭」たち、大川端に建つ商家イメージに宇治川派流端酒蔵(水面映らず)。
- 領地の民が盗賊と噂が広がり窮地に立つ伊豆守、十兵衛と調査の結果を議論しながらゆく町角は今宮神社。石橋から東門をくぐると門前に太助が来てばったり、偶然一和(茶店設定)におせんがいて太助により伊豆守に引き合わされる運び←おせんはそそくさと門に消えてゆく。
※おせんは磯野洋子、「配下」の「川越船頭」喜平は常田富士男、彼らを騙す根来者は野口貴史。太助の隣に入居し、おせんのところのバイトに引きずり込む久さんは園部裕久。
※はじめ色仕掛けで太助を引き込み、次いで女房たちを引っ張り込む、すごく割のいいバイトは写本。実は意味の無い作業で、太助宅をカラにし狙いの商家に向けた穴掘りをするためだったというオチ。穴掘りネタでは、そうとう変わった部類に入る。
脚本/宮川一郎 監督/清水彰
第23話 「江戸の毒を斬れ!」 1976.3.31
毒入り弁当事件は序の口、張孔堂に与する医者は、飲み水に猛毒を混入しようとしていた。今回も大活躍のスーパー老中は、単騎現場へ駆けつける。
ロケ地
- 近所の医者に女房を誤診された太助が訪ねる、表通りの医師・順斎宅、金戒光明寺瑞泉院。
- 上総屋の法事に出席した太助、間違って折り詰めを二つ貰い出てくる寺の玄関、金戒光明寺方丈唐門。
- 折り詰めに毒が混入されていると知った岡っ引き、法事参列者に急を告げて回るシーンは金戒光明寺禅堂前、阿弥陀堂基壇。このさまを、張孔堂の田沢が凝視しているのは東坂。
- 順斎らが毒を投じようとしていた内藤新宿の上水溜、永観堂放生池溢水口。堰板等はあしらいものか、夜間撮影でセットに仕立てた上水溜番所と併用。
※折り詰め毒盛りの犯人に仕立て上げられる兄妹は森下哲夫と大関優子。その毒を探求する町医者は大坂志郎。毒を調合する順斎は南道郎、彼とタッグを組む張孔堂メンバーの田沢は天津敏。
※時代劇なので、毒はメチャ効きで大笑い。折り詰めが金魚鉢に落ちると即プカー、実験のため老爺に飲ませると即ウガガ。
※内藤新宿の上水は未だ市中には引かれておらず、大奥には導水されている設定。狙いは将軍という次第。
脚本/宮川一郎 監督/皆川隆之
第24話 「将軍暗殺!宇都宮つり天井」 1976.4.7
紀州の陰謀は、遂に家光の身辺に迫る。しかしからくりの発動で危難に遭うのは伊豆守、事件が無かったことにされたあと、「事実」が発表される。
ロケ地
- 宇都宮城に施された企みに気付いた黒鍬者、逃げ出すも追っ手に囲まれ、幼い娘を船で逃がす鬼怒川の河原、大堰川か宇治川か(河原はススキ原、流れは瀞)。
- 宇都宮城イメージ、彦根城天守、東本願寺内事門。新御殿普請場、セットかロケか不明(回廊の裏手?)。
- 日光へ向かう「将軍」の行列、イメージに日光杉並木。駕籠がゆく街道は大内辻堂前。
- 宇都宮城イメージ、彦根城天秤櫓、天守。新普請を手がけた大工が幻夢斎に呼び出されるくだり、走る城下は金戒光明寺三門。幻夢斎と会い打ち合わせのシーンは金戒光明寺方丈前庭(回廊寄りの塀際)。
- 甚兵衛が宇都宮へ走る街道、宇治堤か(堤は高く流れは瀞、並木あり。これはロングで、アップの部分は別撮りにも見える)。その後、船着に佇み物思うお奈緒を見かけるシーンも宇治か(流れは瀞)。
- 東照宮参詣のくだり、イメージに本物の陽明門。
※根来の里入り忍だった大工、その娘で命を賭け仕掛けを発動させる役を担うお奈緒は沢田亜矢子、優しさゆえ惑う設定。宇都宮の殿様・本田上野介は伊沢一郎、紀州と通じる家臣・堀口大学は川辺久造。保科肥後守は仲谷昇。
※伊豆守が将軍に扮して道中の間、留守宅で影武者をつとめるのは太助でお仲もいっしょ。
脚本/葉村彰子 監督/皆川隆之
第25話 「由比正雪ついに起つ!」 1976.4.14
南海の竜のお墨付きが出て正雪は決起、しかし書付は偽造されたもので張孔堂は窮地に。友を逃がすべく、丸橋忠弥は獅子奮迅の働きを見せる。一方、主に逆らって正雪と行動を共にする根来忍びが暗躍。
ロケ地
- 江戸城イメージ、大阪城天守(いろんなアングルが出る)。家光に殉死する大名小名旗本たち、一部はロケで大阪城極楽橋上、城内石畳など。
- 浪人たちが屯していて摘発される町角、平岡八幡宮石段下。
- 丸橋忠弥が濠の深さを測っていて伊豆守に誰何される堀端、大阪城外濠端(極楽橋たもと)。
※伊豆守の命で張孔堂に潜入していた奥村浪人は中田博久、妹は浅野真弓。丸橋忠弥に私淑する浪人は松山省二、最後は甚兵衛と対決。根来忍で村井国夫、黒部進、福本清三(役名なしでクレジット、「ふっふっ無駄なことよ」等台詞もあり。最終回にも同じ役回りで登場)。11話で出たおたかがまだ張孔堂にいて、小雪は決起を前に遠ざけようとする。
脚本/宮川一郎、葉村彰子 監督/山内鉄也
第26話 「伊豆守と正雪宿命の対決」 1976.4.21
正雪らは新天地を目指そうとするが、頼みの資金は得られず、夢ははかなく消える。進退極まった風雲児は、せめてと建白書を託すが、皮肉にもそれは伊豆守の理想と重なるのだった。
ロケ地
- 正雪が紀州の儒者と偽って押し通る関所、不明(山道に設営?)。
- 正雪の狙いを知った十兵衛が馬を駆る街道、不明(植林杉の林道)。
- 正雪が一郎太とツナギをとる海辺、琵琶湖西岸松原(漁具や漁師小屋あしらい、この小屋に楓が監禁されている運び)。
- 久能山東照宮、宗忠神社。正雪の乗った駕籠は参道坂をのぼり、二の鳥居前で誰何される。ここは紀州大納言の代参として罷り通り、拝殿前石段で再び警備兵と遭遇、このあとは力技で押し通り、豊臣の遺金である金塊を持ち去る。イメージに本物の久能山の楼門や神廟等が挿まれている。
- 金塊を運ぶ正雪ら、谷山林道頂上付近(ここで一郎太が楓を連れに戻り離脱)。その後正雪一行が一夢斎率いる忍群に襲われるのは切通し。
- 伊勢参りの講に紛れたおたか、早馬と行き会い、次いで飛脚の口から変事を知る街道、北嵯峨農地竹林際。
- 事後、登城の途で正雪らのことを述懐する伊豆守、大阪城極楽橋。奥に天守を望む図。
※駿府城代は穂高稔、同町奉行は溝田繁。
脚本/宮川一郎、葉村彰子 監督/山内鉄也
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