大奥

1968-1969 関西テレビ/東映  語り/岸田今日子


第一回 「家光の見染めた娘」 1968.4.6

 子のできぬお万の方、その代わりを見繕う春日局。もちろんその娘にはさまざまな形で圧力がかかるが、過ぎた意地悪は却ってお楽にきっかけを与えてしまうのだった。

ロケ地

  • 祭りの神社でお楽に目をつける春日局、駕籠がゆくのは北野天満宮参道石畳。この外出について、浅草参り等の言及は無し。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守
  • 菊見の宴にかこつけてお楽を御目見得させようとはかる春日局、滝山をつけてお楽を待たせてある庭先は枳殻邸回棹楼の階下。重野らが出てお楽を揶揄。

キャスト
徳川家光/中山仁 お万の方/桜町弘子 お楽/橘ますみ 滝山/丹阿弥谷津子 お坊主/北林谷栄 お美濃/東山明美 八重/花園ひろみ お鶴/小桜京子 重野/沢村貞子 徳川家康/中村竹弥 春日局/三益愛子
脚本/高岩肇 監督/倉田準二

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第二回 「女の嫉妬は怖い」 1968.4.13

 京から手駒を取り寄せる一方、お楽に意地悪い振る舞いをするお万の方。不安と悲しみに打ちひしがれるお楽だが、将軍の寵愛は早や実を結ぶ。

ロケ地

  • 京・洛西のほとり(テロップ)をゆく牛車、お供の市女笠の女を呼びとめ観相を開陳する老僧、北嵯峨農地竹林際(地道、大石置いてあるところ)
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。お万の方が歌合せを催す吹上の庭はセットか。

キャスト
徳川家光/中山仁 お万の方/桜町弘子 お楽/橘ますみ 滝山/丹阿弥谷津子 お坊主/北林谷栄 お玉/伊藤栄子 お美濃/東山明美 八重/花園ひろみ 老僧/伊井友三郎 狂った中臈/松村康世 重野/沢村貞子 お玉の母/清川虹子 春日局/三益愛子
脚本/高岩肇 監督/倉田準二

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第三回 「命をちゞめる呪いの人形」 1968.4.20

 お楽は、呪詛など受けつつも何とか和子を出産、「お楽の方」となるが、しきたりは生まれたばかりの赤子と母を引き裂く。失意の女を後目に、人の不幸を喜びさえする気強い女が台頭してくる。

ロケ地

  • 春日局が安産祈願に赴く秋葉神社、不明(本殿は華麗な唐破風、前に短いステップあり、石畳は植え込みを囲むように二本にわかれている)

キャスト
お楽/橘ますみ 徳川家光/中山仁 お万の方/桜町弘子 滝山/丹阿弥谷津子 お坊主/北林谷栄 お玉/伊藤栄子 お美濃/東山明美 八重/花園ひろみ 梅の井/三島ゆり子 老僧/伊井友三郎 重野/沢村貞子 天海僧正/柳永二郎 春日局/三益愛子
脚本/高岩肇 監督/倉田準二

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第四回 「わが子と呼べたお楽の方」 1968.4.27

 やっと床上げできたものの、お楽の方の日常は変わらず。その上新しく次期将軍の乳母になった女が、ことさらにしきたりを言い立て、ますます母子は隔たってゆく。結局、水入らずで和子をその手に抱けたのは、夫たる将軍の臨終の間においてのみなのだった。

ロケ地

  • 懐妊したお玉が詣でる隆光の寺、泉涌寺来迎院。門前橋たもとに、お供と駕籠が待つ。
  • 小姓らと遊ぶ家綱を垣間見するお楽の方、枳殻邸印月池畔芝地。鞠が転げたことで家綱に近寄るが、じきに矢島局が出て引き離される。
  • 徳松ぎみを出産したお玉が詣でる、隆光が住持する護国寺、泉涌寺。仏殿前に僧侶が並び、坂をおりてくるお玉の方の駕籠を迎える。

キャスト
お楽/橘ますみ 徳川家光/中山仁 お万の方/桜町弘子 滝山/丹阿弥谷津子 お坊主/北林谷栄 お玉/伊藤栄子 尾上/瞳麗子 八重/花園ひろみ 梅の井/三島ゆり子 隆光/夏目俊二 松平信綱/中村錦司 矢島治太夫/河野秋武 天海僧正/柳永二郎 矢島局/木暮実千代 春日局/三益愛子
脚本/高岩肇 監督/倉田準二

※春日局、家光、お楽の方死去。矢島局が夫の家禄を嵩上げ申告した逸話入り。


第五回 「緋牡丹の佳人」 1968.5.4

 将軍・家綱が政治に無関心なことを憂え、京から御台所が迎えられる。浅宮は、権勢を恣にする矢島局を抑え、家綱の心を開く役目を負わされるが、もちろん容易なことではない。

ロケ地

  • 狩野邸を出た顕子が正之の妹・妙と歩く道、仁和寺裏塀際。牛車や露店あしらい。
  • 将軍家に顕子を嫁がせる話で、御所から帰ってきた伏見宮が駕籠をおりるシーン、毘沙門堂薬医門下石段か。他の場面では、門と中の建物が見える。
  • 顕子下向の街道、大堰川堤か(土手越しに竹林の頂部がちらり)
  • 北の丸で天寿院に会う顕子、イメージに彦根城玄宮園。池越し遠景に楽々園の建物が映る図。
  • いっこうに大奥泊りのないことで一計を案じた顕子、鳥捕りに出た家綱と庭で鉢合わせのくだり、彦根城玄宮園。周辺の林、林際の高橋、池畔(龍臥橋遠景に映り込み)など使われる。

キャスト
浅宮顕子/藤純子 徳川家綱/津川雅彦 狩野正之/仲谷昇 狩野妙/御影京子 姉小路局/大塚道子 飛鳥井局/八木景子 結城島之助/寺田農 伏見宮貞清親王/香川良介 伏見宮隆久/加藤和夫 久世宏之/有馬昌彦 弥平次/汐路章 勘三郎/嵐冠十郎 松平信綱/中村錦司 酒井忠清/内田朝雄 天寿院/加藤治子 矢島局/木暮実千代

脚本/西沢裕子 監督/中島貞夫

※将軍寵愛の鶴を死なせたとして小姓を折檻する矢島局、結城島之助を失明させる。
※姉小路局は顕子の実姉、将軍家の血に公家の血を入れ、朝廷の巻き返しをはかる陰謀家。大奥入りするや即矢島と対立し、一時は単独で総取締の地位に。

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第六回 「恐ろしきたくらみ」 1968.5.11

 家綱のコントロールを失った矢島は、巻き返しをはかる。顕子を陥れるほか、己の血を分けた娘を道具にし使い捨てる外道ぶりが、鬼気迫る。

ロケ地

  • 家綱と顕子が絵を描いているところへ来て、中奥に戻るよう家綱にせがむ矢島局、彦根城玄宮園魚躍沼畔。
  • 京で大火あり、狩野家も燃えたと聞き、庭で物思いに沈む顕子、彦根城玄宮園龍臥橋上。ここへ家綱が、正之を伴いやって来る。

キャスト
浅宮顕子/藤純子 徳川家綱/津川雅彦 狩野正之/仲谷昇 狩野妙/御影京子 矢島露/青柳美枝子 姉小路局/大塚道子 飛鳥井局/八木景子 尾上/瞳麗子 結城島之助/寺田農 立花佐一郎/塩崎純男 久世宏之/有馬昌彦 弥平次/汐路章 勘三郎/嵐冠十郎 矢島彦太夫/宇佐美淳也 酒井忠清/内田朝雄 天寿院/加藤治子 矢島局/木暮実千代

脚本/西沢裕子 監督/中島貞夫

※矢島は、娘・露が身を寄せている父の家(夫は禄を返上したあと頓死)、島之助との祝言が行われている席へ忍者乱入させて露を拉致・父は殺させる。このあと大奥の乗物部屋へ監禁、無理に褥に上がらせるが悲惨な結末に。
※露を救うため大奥へ入り込んだ島之助が膾となり、露も矢島に刺され、二人にじり寄るが火に阻まれる。どこまで燃えたかは不明。

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第七回 「花散りぬ」 1968.5.18

 矢島に怒り心頭の家綱、しかし顕子は助命を嘆願し謹慎の身も気遣う。そのことは恨みを助長し、悲劇を出来させる。

ロケ地

  • 顕子が身罷って十六年後、家綱臨終のくだりで出るイメージの庭、彦根城玄宮園。池端にシメの駕籠が吊られている。
  • 大奥の次の支配者となる桂昌院が入城する門、不明。

キャスト
浅宮顕子/藤純子 徳川家綱/津川雅彦 狩野正之/仲谷昇 狩野妙/御影京子 矢島露/青柳美枝子 姉小路局/大塚道子 飛鳥井局/八木景子 尾上/瞳麗子 酒井忠清/久世宏之 堀田正俊/有川正治 幾野/水木利恵 美代/鹿島秀子 天寿院/加藤治子 桂昌院/月丘夢路 矢島局/木暮実千代

脚本/西沢裕子 監督/中島貞夫

※懐妊した顕子に毒を呷らせる矢島、牢から脱走。不妊となった顕子は、側室を勧める動きに対抗し、京から妙を呼び寄せる。


第八回 「愛妾お伝の方」 1968.5.25

 晴れて五代将軍となった綱吉は、諸侯に考を説き、母・桂昌院を重く扱う。しかしその裏に、意外な黒い顔が隠されていることを知らされ、お伝の方は懊悩する。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守
  • 入城後、お伝の方に鼓を打たせ船遊びの綱吉、大覚寺大沢池。それを見遣る桂昌院と牧野成貞は天神島朱橋上。
  • 宿下がりするお伝、神田小川町の御用屋敷、不明(門前にステップ)。兄と話す庭も不明(大刈込があり、谷を成す細流に石橋架かり)

キャスト
お伝の方/中村玉緒 阿久里/小山明子 徳川綱吉/高橋昌也 信子/藤田佳子 万里小路/萬代峰子 堀田将監/安部徹 牧野成貞/織本順吉 堀田権九郎/菅貫太郎 隆光/南原宏治 桂昌院/月丘夢路

脚本/高岩肇 監督/山内鉄也

※「夫と姑」には従順、正妻にも気遣い、綱吉の身びいきには引きぎみ、実親の浅ましさに辟易など、お伝の方はごくまともな女性として描かれる。玉緒ちゃんは終始被害者顔。

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第九回 「子別れの唄」 1968.6.1

 泣く泣く幼い娘を嫁がせたお伝の方を、更なる悲しみが襲う。そして、彼女のあずかり知らぬところで、桂昌院が陰謀を巡らせているのだった。

ロケ地

  • 阿久里のことを知り落ち込むお伝の方を気遣う桂昌院、子らも連れて逍遥する庭は勧修寺庭園池畔(南岸から北望の図)
  • 鶴姫輿入れのくだり、仁和寺大玄関〜本坊表門(内側)。玄関前に駕籠が用意され、出発したあとで母を呼ぶ声を聞き、お伝の方が駆けつけてくるが牧野に止められ泣き崩れる。
  • 取り立てられはじめた柳沢と話す桂昌院、不明(御殿脇の池畔)
  • 御台所主催で行われる、藤の花を見ながらの歌会、勧修寺庭園(池北側の芝地に幔幕張り)。踏み台を取り替える企みの桂昌院と侍女は観音堂の陰にいる。
  • 右衛門佐が流産と聞き駆けつけるお伝の方、走る廊下は大覚寺回廊か。

キャスト
お伝の方/中村玉緒 徳川綱吉/高橋昌也 右衛門佐/若柳菊 信子/藤田佳子 万里小路/萬代峰子 牧野成貞/織本順吉 御典医/北村英三 隆光/南原宏治 柳沢保明/木村功 桂昌院/月丘夢路

脚本/高岩肇 監督/山内鉄也

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第十回 「鼓の音哀し」 1968.6.8

 誤解から寵は離れ、失意のお伝。追い討ちをかける事象が更に続き、桂昌院の本性も見えるが、絶望の裡にも顔を上げ、お伝の方は運命を選択する。

ロケ地

  • 右衛門佐のもとに駆けつけようとするお伝を止める桂昌院、廊下は大覚寺か。
  • 牧野の誘いを受けよと綱吉に進言する柳沢、勧修寺宸殿縁先。燈籠が映り込んでいる。
  • 牧野邸でのアクシデントのあと、廊下に崩れ折れ嘆くお伝、大覚寺回廊

キャスト
お伝の方/中村玉緒 阿久里/小山明子 徳川綱吉/高橋昌也 右衛門佐/若柳菊 信子/藤田佳子 万里小路/萬代峰子 牧野成貞/織本順吉 安子/磯野洋子 水戸光圀/矢奈木邦二郎 御典医/北村英三 隆光/南原宏治 柳沢保明/木村功 桂昌院/月丘夢路

脚本/高岩肇 監督/山内鉄也

※桂昌院に啖呵切ったあと、お伝は大奥を去るが、消息知れずというだけでどのようなスタイルかは語られず。

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第十一回 「犬将軍とお端女中」 1968.6.15

 お伝も右衛門佐も去った大奥では、相も変わらず好色な将軍が新たな女に手をつけ、お局さまたちは手駒を求める。
そんななか、隆光の託宣を真に受けた桂昌院は希代の悪法を触れ出させ、悲劇が出来する。

ロケ地

  • お城イメージ、姫路城。天守のほか、にの門など映る。
  • 桂昌院に呼ばれ御廊下をゆく柳沢、枳殻邸園林堂
  • 大典侍局の行列がやって来る道、妙心寺石畳か。

キャスト
徳川綱吉/高橋昌也 染子/宮園純子 お糸/葉山葉子 大典侍局/三浦布美子 信子/藤田佳子 水戸光圀/佐々木孝丸 森清一郎/島田景一郎 林久庵/沢村宗之助 河野松庵/原健策 佐伯源之進/山村弘三 隆光/南原宏治 柳沢吉保/若山富三郎 桂昌院/月丘夢路

脚本/高岩肇 監督/佐々木康

※染子は湯殿で見そめられ。お糸は染子の朋輩、のち父と純潔をお犬さまのために失い、四谷犬舎勤めの許婚者も破滅する。どスケベ犬医者は林久庵。
※御台の注進で老公が動き、犬皮ギフト。

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第十二回 「元禄雪の十四日」 1968.6.22

 赤穂事件、大奥御客あしらいで、父が元浅野家家中の腰元視点で描かれる。
父の死後、村松に求婚されるもやむなく赤穂を出た琴は、桂昌院の使いとして浅野上屋敷に出向き、恋人と再会する。愛を確かめ合う二人だが、松の廊下で殿様が刃傷に及んでしまい、事情は一変するのだった。

ロケ地

  • 大典侍が大奥入りしたあと、柳沢と庭で高笑いの桂昌院、枳殻邸庭。「枯れ木」が見える。
  • 浅野上屋敷に桂昌院の使者として赴く琴、亡父が丹精した盆栽を見るバルコニー、枳殻邸臨池亭。対岸の池畔に村松が出て、琴は彼に走り寄る。その後二人話す庭は遣水脇。
  • 勅使院使接待のくだり、お城イメージに姫路城天守
  • 内匠頭刃傷後、上屋敷を続々発ってゆく藩士たち、上屋敷門は妙心寺涅槃堂に似る。
  • 御台の中臈に取り立てられ、参詣のお供をする琴、永観堂御影堂。村松が絵馬を納めにくる茶店は別撮り。
  • 村松と同志が出てくるくぐり戸、不明(片方は石垣の際)。このあと通る塀際は多段に刻みが入ったもの。

キャスト
琴/松山容子 北の丸/三浦布美子 村松三太夫/里見浩太郎 徳川綱吉/高橋昌也 信子/藤田佳子 浅野内匠頭/坂口祐三郎 吉良上野介/千利介 梶川与惣兵衛/丘路千 柳沢吉保/若山富三郎 桂昌院/月丘夢路

脚本/高岩肇、高久進 監督/佐々木康

※大典侍局は寵愛を受け北の丸に。刃傷後、浅野憎しの桂昌院は琴を降格、以降朋輩にも苛められるところ、御台が不憫に思い自分付きの中臈に掬いあげる。
※琴は将軍の褥に侍ることになるが、このことで吉良茶会の日時ゲット、村松に知らせる。

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第十三回 「開かずの間悲話」 1968.6.29

 鶴姫が夫と共に急逝、気落ちする綱吉に吹き込まれたのは「もう一人の和子」の噂話。柳沢と北の丸によるその陰謀は、一人の女性の「暴挙」により潰え去る。

ロケ地

  • 綱吉の誕生日を祝い御三家も登城のくだり、お城イメージに姫路城天守
  • 柳沢に命じられ、御台が使う術者を探し回る忍者たち、神光院本堂前石橋〜本堂裏手。
  • 庭で柳沢と会い睦む北の丸、枳殻邸侵雪橋〜池畔。

キャスト
徳川綱吉/高橋昌也 北の丸/三浦布美子 染子/宮園純子 信子/藤田佳子 水戸光圀/佐々木孝丸 徳川綱豊/大村文武 徳川綱教/近藤正臣 鶴姫/武原英子 玄白斉/鈴木金哉 柳沢吉里/青山隆一 隆光/南原宏治 柳沢吉保/若山富三郎 桂昌院/月丘夢路

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/佐々木康

※隆光と玄白斉の呪術合戦で、鶴姫と夫は頓死、玄白斉は力を使い果たして死に、隆光はお払い箱。呪いとは関係ないが、桂昌院もほどなく病死。綱吉と御台惨劇の部屋は、以来開かずの間に。


第十四回 「幼君暗殺」 1968.7.6

 新将軍・家宣には三人の子、しかし上の二人が続けて不慮の死を遂げる。側室・左京の方が嫌疑を掛けられるが、周到な陰謀が進行中であった。

ロケ地

  • お城イメージ、姫路城天守
  • 虎ノ門養生所送りになる左京の方、駕籠が出てゆく情景は彦根城天秤櫓。自決した侍女・かえでの墓に詣でたいと駕籠を止めさせ、役人に申し出るシーンは橋下。
  • かえでの墓がある寺、西壽寺。尼僧が出迎えるシーンは石段下から本堂望む図、呼び出してあったゆきえと会う墓はここの墓地(卒塔婆の向こうに京の町なみが見えるシーンあり。ゆきえの背後に見える山は陵か)
  • ゆきえが帰宅すると息子が出迎える門、相国寺林光院。玄関前も使う(前庭の木、妙な葉の茂り方)。御広敷番頭・木村伊織邸。

キャスト
左京の方/高峰三枝子 木村伊織/村井国夫 小太郎/初瀬川まさし 福松/松葉寛祐 かえで/三原有美子 煕子/高野通子 小笠原長重/北竜二 家宣/大村文武 井伊掃部守直幸/小柴幹治 牧野播磨/片岡栄二郎 おちかの方/石川阿弥子 おすめの方/富永佳代子 滝川/細川ちか子 ゆきえ/扇千景

脚本/西沢裕子
監督/倉田準二

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第十五回 「生きていた悪霊」 1968.7.13

 ゆきえは一子・小太郎を連れ、若君の乳母として大奥へ。気強く滝川に対するが、彼女を追い使う勢力に加え、とうの昔に死んだ筈の奇態な老婆まで蠢いているのだった。

ロケ地

  • 松島と小太郎の駕籠が渡ってゆくお濠の橋、彦根城か。入る城門は彦根城天秤櫓(内側)
  • お針子のまつが宿下がりの際通る門、彦根城天秤櫓。呉服屋で片袖の情報を得たあと、尾行者の浪路に刺されてしまう町角は相国寺法堂前植え込み際。
  • 滝川が井伊大老と密かに会う屋敷、不明(桐院席に似る)

キャスト
松島/扇千景 木村伊織/村井国夫 三重/岩本多代 小太郎/初瀬川まさし 福松/松葉寛祐 まつ/時美沙 かな/柴田美保子 立野/原泉 智照尼/坪内美詠子 浪路/国景子 小笠原長重/北竜二 町子/金井由美 雄一郎/五十嵐義弘 井伊掃部守直幸/小柴幹治 牧野播磨/片岡栄二郎 玄庵/市川裕二 滝川/細川ちか子

脚本/西沢裕子
監督/倉田準二

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第十六回 「母と子」 1968.7.20

 たくらみはますます募り、危機感を強めた松島は茶室に立てこもるが、兵糧攻めに遭う。悪女どもは自壊してゆき、若君に道が開けるものの、松島の払った犠牲は大きすぎた。

ロケ地

  • 将軍御成りの浜御殿、琵琶湖西岸(建物あり)。伊織が早馬を駆るのは松原、大老一派に刺され斃れるのは汀。
  • 若君と小太郎が遊ぶ庭、勧修寺池畔。観音堂が映り込む。

キャスト
松島/扇千景 木村伊織/村井国夫 三重/岩本多代 小太郎/初瀬川まさし 福松/松葉寛祐 かな/柴田美保子 煕子/高野通子 立野/原泉 基子/吉川満子 小笠原長重/北竜二 家宣/大村文武 井伊掃部守直幸/小柴幹治 牧野播磨/片岡栄二郎 工藤十内/波多野博 滝川/細川ちか子

脚本/西沢裕子
監督/倉田準二


第十七回 「江島と生島」 1968.7.27

 心中に失敗し、相手に死なれてしまった月光院の妹は、大奥に引き取られるが、鬱々と楽しまぬ日々を過ごす。
一方、当代の人気役者・生島は、はじめ大奥の女の接待を忌避するが、尾張大納言の正室と火遊びをしていた弟のむごい死に様を見て、気を変える。

ロケ地

  • 駆け落ちした初音と与平、相対死して見つかるまでの時間経過を表す鐘の音、鐘楼は本法寺で塔映り込み。川端はセット撮り。
  • 御典医・奥山交竹院邸イメージ、宝塔寺塔頭・霊光寺門。柄屋と出羽屋が物品納入の工作を頼みに来る段。
  • 交竹院の勧めで代参の帰り山村座に立ち寄る江島、駕籠がゆく道は仁和寺裏塀際(境外)

キャスト
江島/有馬稲子 生島新五郎、与平/田村高廣 縫/亀井光代 そめ/茅島成美 宮路/桃山みつる 野島大吉/水上保広 浮橋/荒木雅子 柄屋/加賀邦男 奥山交竹院/徳大字伸 山村長太夫/明石潮 市村三之助/唐沢民賢 中村清五郎/村居京之輔 出羽屋/白川浩二郎 月光院/高峰三枝子

脚本/西沢裕子
監督/中島貞夫

※高遠の武家娘・初音は、大奥入りののち江島と改め、役は閑職の若年寄。
※荒木雅子お得意のびしばしシバキあり、役どころは総取締。

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第十八回 「密通」 1968.8.3

 山村座の演しものは曽根崎心中、悲しい過去がフラッシュバックし気分を悪くした江島は、桟敷から別室へ案内される。そこへ、落とす気満々の生島が現れるのだった。

ロケ地

  • 山村座の一室で生島に言い寄られた挙句突き放された江島、戻り道で駕籠を止めさせ、交竹院にもう一度山村座へと頼む水辺、大覚寺大沢池畔。
  • 江島生島の逢瀬が回を重ね、浮橋の知るところとなり責められた月光院、生島を呼び出し江島と会わぬよう求める寺、イメージに永観堂御影堂、縁越しに多宝塔を見上げる図。
  • 生島の説得が不調に終わり帰途につく月光院、供の侍に生島暗殺を命じる道は仁和寺裏塀際(境外)
  • 生島の恋は復讐のため仕掛けたものと、江島の駕籠に縋り訴える縫、不明(石積みの土手際、御所か)
  • 江島に無視された縫が奉行所(?)に駆け込むシーン、大覚寺参道〜明智門〜明智陣屋。
  • 墓地で密会する江島生島、宝塔寺墓地。縫が役人を連れて現れるシーンでは塔映り込み。二人が捕縛されるシーンでは低い仕切塀なども見える。二人が忍び会う墓地は草地の中に低い墓碑が林立するところ、ここを月光院の配下が窺う。縫が捕り方に斬られるシーンは、塔を望む集合墓の前。

キャスト
江島/有馬稲子 生島新五郎/田村高廣 縫/亀井光代 そめ/茅島成美 宮路/桃山みつる 浮橋/荒木雅子 柄屋/加賀邦男 奥山交竹院/徳大字伸 山村長太夫/明石潮 市村三之助/唐沢民賢 中村清五郎/村居京之輔 出羽屋/白川浩二郎 市川団十郎/花柳喜章 月光院/高峰三枝子

脚本/西沢裕子
監督/中島貞夫

※前話では徳兵衛を新五郎が、お初を弟の大吉が演っていたが、江島を迎える本番では新五郎がお初、徳兵衛は市川団十郎に。新五郎は女形立役どちらもこなす設定。
※浮橋にバレるのは、業者の突き上げに困った交竹院がチクった模様。江島、ぼーっとしてて工作に応じなかった?

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第十九回 「裁きの庭」 1968.8.10

 江島も生島も、罪は自分にあると述べ立て相手を庇う。手を焼いた目付は、二人を同じ白州に座らせ真相を語らせようとはかるが、明らかになったのは誠の思いだった。

ロケ地

  • 目付・森永が叔父り間部に江島たちを落とす手立てを聞く坂、くろ谷か。
  • 信州・高遠へ送られる江島の駕籠がゆく道、両に崖が迫る道は落合か。その後は植林杉の林道。
  • 流人船の上で物思う生島、桂川か。

キャスト
江島/有馬稲子 生島新五郎/田村高廣 森永小次郎/夏八木勲 縫/亀井光代 そめ/茅島成美 間部詮房/内田稔 浮橋/荒木雅子 宮路/桃山みつる 野島大吉/水上保広 柄屋/加賀邦男 奥山交竹院/徳大字伸 山村長太夫/明石潮 出羽屋/白川浩二郎 揚屋役人/平沢彰 市川団十郎/花柳喜章 月光院/高峰三枝子

脚本/西沢裕子
監督/中島貞夫

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第二十回 「血を呼ぶ小太鼓」 1968.8.17

 正徳の世の、大奥インサイドストーリー。風紀の乱れた大奥には原因となる女人あり、その周囲で血腥い事件が起こり、お末が一人巻き込まれてしまう。事を闇に葬ろうとする動きと、朋輩の死の真実を探るお末と、丁々発止で中ほど。

ロケ地

  • お盆の宿下がりで一斉に出てゆく大奥の女たち、御切手門は大覚寺大門。証拠の品を持って出たお末たちを尾行するゆうとくらは長い白漆喰の塀際、姫路城か。

キャスト
桂/村松英子 くめ/磯部玉枝 せき/西尾三枝子 佐山/小林トシ子 とり/桜井浩子 藤尾/加藤博子 亀岡/村田知栄子 くら/岩水ヤエ子 ゆう/中原早苗

脚本/西沢裕子
監督/石川義寛

※御切手門のシーンでは、腕に「捺印」して貰って出てゆく情景が描かれている。

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第二十一回 「呪われた肌」 1968.8.24

 お末の執念は実り、真実が明らかに。しかし、狂気と欲望のすえ破滅した屍が折り重なる酷い結末を見ねばならぬのだった。

キャスト
桂/村松英子 くめ/磯部玉枝 佐山/小林トシ子 とり/桜井浩子 藤尾/加藤博子 亀岡/村田知栄子 くら/岩水ヤエ子 ゆう/中原早苗

脚本/西沢裕子
監督/石川義寛

※ロケなしセット撮り。
※レズ桂は宰相典侍、京の有職家に生まれ、請われて大奥へ。しかし幼将軍のため孤閨をかこち狂ってゆく。佐山は京からついてきた設定。


第二十二回 「若き吉宗の恋」 1968.8.31

 奇しき縁重なり、冷や飯食いが天下の将軍に。政務に邁進する吉宗だが、側女を勧め正室を勝手に決めようとする奥向きにうんざり。そんな彼が思い出すのは、バンカラな仲間と過ごした青春の日々。そこには、愛しい娘の姿があった。

ロケ地

  • 将軍に就任した挨拶に出向く東照宮、日吉東照宮
  • 江戸城イメージ、姫路城天守(菱の門庇越し)、水二門。
  • 吉宗の生母・浄円院が中奥入りのくだり、駕籠行列は萬福寺参道石畳をゆく(互の目のアレ)
  • 浄円院が桑を植えているところへ吉宗がやって来るくだり、不明(大刈込の向こうに萱葺がのぞく)
  • 袖の名が出てはじまる吉宗の回想、教練の河原は流れ橋上手木津河原。重荷を背負って辿りつく昌平黌の寮は宇治・興聖寺。下働きの娘たちが出迎える門は竜宮門、学生たちが先を争ってのぼる坂は琴坂(奥に宇治川畔の木、水面は光っていて見えず)
  • ひとり寝所で学生時代を思う吉宗、袖と雨の中デートした池畔、不明(水面に睡蓮びっしり、画面奥に長塀)。袖に嫁入り話が持ち上がっていると聞かされるくだり、昌平黌の授業は萬福寺大雄宝殿(中も)、袖の朋輩に話を聞くのは回廊下の水盤脇。授業終了の合図はあの魚鼓で。
  • 津島のプランで間部詮房が吉宗を誘い、側女候補と会わせようとする庭、不明(大刈込下の芝地)

キャスト
徳川吉宗/松方弘樹 袖/長内美那子 さよ/姫ゆり子 筒井順斉/尾上九朗右衛門 瀬山/中村芳子 間部詮房/内田稔 津島/福田妙子 お清/吉川雅恵 徳川綱条/志麻靖彦 源太/賀川泰三 長昌院/大内洵子 徳川継友/榊原大介 浄円院/小夜福子 田崎玄右ヱ門/金子信雄

脚本/西沢裕子 監督/倉田準二

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第二十三回 「忘れじの歌ごえ」 1968.9.7

 一度も大奥泊りのない吉宗、どこかに思う女がと噂立ち、袖が老女たちの政争の具に。そのうえ、吉宗自身とは誤解により隔たってしまい、袖は絶望する。
あとになって約束を果たしに寮へやって来る「頼方」だが、彼が身分から解き放たれることはもう無いのだった。

ロケ地

  • 順斉に頼方をあきらめるよう諭され、袖が部屋を飛び出して泣きにゆく校内、萬福寺水盤脇。ここへ朋輩が使いの来たことを知らせに走ってくるが、彼女は回廊の階からおりてくる。
  • 大奥老女の駕籠がつけられる昌平黌門前、萬福寺総門。瀬山が袖を連れて出立の際は北の方へ去る。
  • 大奥から不幸な経緯で戻ったあと、順斉に別れを告げて去る袖、興聖寺回廊。奥に門が見える図で、源太の知らせで駆けつけた吉宗が馬をおりる姿がのぞくが互いに気付かず。
  • 師・順斉に会ったあと、学友と高歌放吟する吉宗、萬福寺大雄宝殿まわり廊下〜法堂前廊。この間、寮を去りかけた袖は開山堂へつながる回廊にいて、懐かしい歌声を聞く運び。吉宗のもとへ駆け寄る袖、法堂前白州。
  • 袖の手を握り、温もりのみ残して去る吉宗、玄右ヱ門が待つ門は興聖寺山門(内側)、スモーク演出。馬を駆り去る二人、琴坂見返りの図(ここにもスモーク)。その後門前に出てきた袖が佇む際には坂から見上げた図が。

キャスト
徳川吉宗/松方弘樹 袖/長内美那子 さよ/姫ゆり子 筒井順斉/尾上九朗右衛門 瀬山/中村芳子 間部詮房/内田稔 津島/福田妙子 お清/吉川雅恵 源太/賀川泰三 浄円院/小夜福子 田崎玄右ヱ門/金子信雄

脚本/西沢裕子 監督/倉田準二

※対立する老女二人は、袖そっちのけで見苦しくつかみあいの大喧嘩。騒ぎをよそに、悲嘆にくれた袖は簪で喉を突く。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第二十四回 「美女追放」 1968.9.14

 御台とは形だけの夫婦だった吉宗だが、曲折を経て心を通わせ子もできる。しかし改革のひずみが狂気を呼び、蜜月は続かない。

ロケ地

  • 無聊をかこつ御台を逍遥に連れ出す小雪、枳殻邸遣水付近。植え込みに母堂が干した足袋が林立、理子が何の花と問うたのを聞いて吉宗と浄円院大笑いの態。
  • 吉宗のリストラで大奥を退去する女たち、彦根城天秤櫓(内外を使う。橋たもとには迎えの家族が)
  • 鷹狩りの吉宗、不明(山裾の野原)
  • 小石川養生所、不明(門越しに建物、洋館っぽい)

キャスト
徳川吉宗/松方弘樹 理子の方/吉行和子 竹姫/野添ふじえ 浄円院/小夜福子 小雪/左時枝 西条左馬之介/大塚国夫 藤井良庵/永田光男 荒木玄白/堀正夫 越後屋/柳川清 瀬山/中村芳子 貞珠院/市川翠扇

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/倉田準二

※御台は逆恨みの瀬山に掴みかかられて早産、「胎盤剥離」で逝去。産後、脈とっただけで診断する医者がミラクル。そのうえ、このお話では御台が長福丸を産んだことに。
※タイトルは、大奥の女たちの中からとびきり若くてきれいなのを選抜させて御前に集め、「当日限り暇を取らせる」とやる、例の逸話。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第二十五回 「竹姫哀話」 1968.9.21

 政務に没頭し、大奥を顧みぬ吉宗。このため、残っていた腐敗の芽が花開き、長福丸を養育してくれた女性を駆逐するばかりか、新たな火種も見つけてくるのだった。

ロケ地

  • 町奉行・丹後守に吉宗に宛がう女探しを指示する貞珠院、不明(大刈込の庭)
  • 竹姫が長福丸と鯉に餌をやり、言葉を引き出そうとする池畔、枳殻邸印月池畔。
  • 貞珠院が吉宗に長福丸を諦めるよう提言し、お勧めの女を見せて不興を買うくだり、枳殻邸回棹楼〜侵雪橋たもと。
  • 貞珠院が遣わした伊賀者が袖のことを聞き込む、昌平黌寮の門、興聖寺山門。
  • 竹姫輿入れの列が出てゆく城門、彦根城天秤櫓(廊下橋を見上げ)

キャスト
徳川吉宗/松方弘樹 竹姫/野添ふじえ 大岡忠相/安井昌二 小雪/左時枝 西条左馬之介/大塚国夫 山村丹後守/成瀬昌彦 藤井良庵/永田光男 長福丸/伊村賢一郎 名張小平太/阿波地大輔 荒木玄白/堀正夫 島津継豊/入江慎也 貞珠院/市川翠扇

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/倉田準二

※竹姫輿入れの直前、長福丸が言葉を発する。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第二十六回 「愛のかたみ」 1968.9.28

 貞珠院の差し金で、とんだ御落胤騒動が巻き起こる。裏に尾張と通じた陰謀があるのを隠して動く、苦しい立場の大岡忠相だが、まことの幸せとはなにか真摯に問うたひとことが、養父母の心を打つ。

ロケ地

  • 徳川吉胤公御座所となる浄楽寺、大覚寺。忠相の部下が糾弾にくる段では、式台玄関。雇われようと押しかける浪人や、祝意を述べにくる尾張の使者などでごった返す門は大門、騒ぎを見遣る忠相の部下たちは勅使門橋上に。
  • 御落胤出現で長福丸の立場も変わるとして、小雪に暇を出せるかもと吉宗が言いにくるくだり、小雪が長福丸をあやす縁先、枳殻邸(いずれの建物か不明、奥に傍花閣がちらり。蓮は鉢物か池に植わっているものか不明)
  • 忠相自身が浄楽寺へ出向き取り調べる段、大人たちの話の間座敷から抜け出して廊下で跳ねる吉胤、大覚寺回廊。外へ出て遊び友達のところへ辿りつくシーンは勅使門橋〜天神島。
  • 吉胤と吉宗対面の日、お城イメージに姫路城天守
  • 城を下がってゆく吉胤と両親、彦根城天秤櫓(内外)

キャスト
徳川吉宗/松方弘樹 さよ/姫ゆり子 袖/長内美那子 小雪/左時枝 西条左馬之介/大塚国夫 山村丹後守/成瀬昌彦 三次/平田守 中川源之丞/国一太郎 名張小平太/阿波地大輔 吉胤/加賀爪芳和 貞珠院/市川翠扇 大岡忠相/安井昌二

脚本/高岩肇、中川一郎 監督/倉田準二

※袖の生んだ子は、昌平黌での朋輩だったさよが引き取り養育。亭主・三次は博打狂いだが、底はいいヤツで女房に同調し身をひく。


第二十七回 「上様乱心」 1968.10.5

 酒が入ると手のつけられぬ荒れ様を示す、九代・家重。宮家から正室がやって来るが、新床でも無体を強いる。その狂態が政治的意図をもって仕組まれたものと知った宮付きの局は、決然と乱痴気騒ぎの場に踏み込んでゆくのだった。

ロケ地

  • 京イメージ、京都御所。清和院御門から仙洞御所北塀を望む図。
  • 伏見宮家イメージ、不明(門の上部のみ)
  • 亡き両親の墓に参る、小笠原律子・正利姉弟、二尊院三帝陵。門から、中の墓地も使用。
  • 比宮の輿入れ行列がゆく街道、不明(山腹の道、麓の町が見える)
  • 江戸城イメージ、姫路城天守、はの門下坂。
  • 大岡忠光に将軍の性質を告白され、考え込む右京局(律子)枳殻邸印月池(睡蓮が繁茂)。芝地を走り、侍女の里江が呼びにくる。
  • 将軍を側室や総取締から奪還してくれるよう、右京局に頼み込む大岡、枳殻邸漱枕居(座敷から池を望む図)。大岡の申し出を断り憤然と席を立つ右京局、彼女に側室らの企みを知らせ大岡の頼みを聞くよう懇願する腰元・美和、枳殻邸池端。

キャスト
右京局/野川由美子 比宮増子/佐々木愛 里江/中山千夏 大岡忠光/中村梅之助 おるりの方/宇治みさ子 伏見宮瞭子/鈴木光枝 小笠原正利/河原崎建三 美和/若原啓子 村松/日高澄子 徳川家重/川口浩

脚本/西沢裕子 監督/松村昌治

※主上も絶賛する才媛・律子は、伏見宮家の手伝いをしており、比宮から絶大な信頼を置かれている。弟は蘭医を目指し、長崎遊学予定。
※将軍の酒癖は、村松とその係累の側室が、田安家の意を受けて無理やりに勧めるもの。したたかに呑ませたうえで、アップテンポの舞踊で神経を弱らせるなどという真似も仕出かす。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第二十八回 「美しき献身」 1968.10.12

 家重の治療を決意した右京局は、弟を呼び寄せ診断させる。そして、そのレシピをもとに心を鬼にして、暴れ騒ぐ「患者」を本復に持ってゆくのだった。

ロケ地

  • 大岡と会い、将軍の治療についてはかる右京局、枳殻邸漱枕居(座敷から池を望む図)。左近将監が大岡に治療の危険性について問う一室も同所。
  • オランダ船に乗るため長崎へ戻る弟を見送る右京局、西本願寺大玄関門。正利は騎馬で唐門前を東へ駆け去る。

キャスト
右京局/野川由美子 比宮増子/佐々木愛 里江/中山千夏 大岡忠光/中村梅之助 おるりの方/宇治みさ子 松平左近将監乖邑/小栗一也 小笠原正利/河原崎建三 松平右近将監/外山高士 村松/日高澄子 徳川家重/川口浩

脚本/西沢裕子 監督/松村昌治

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第二十九回 「わが恋許すまじ」 1968.10.19

 当然のことながら、将軍の心は右京局に寄り、易々と一線を越え、やがて実も結ぶ。しかし右京は己を許せず、たまたま陥った冤罪に申し開きをせず、刑場の露と消えてゆく。

ロケ地

  • 右京局らと蹴鞠に興じる家重、枳殻邸印月池畔芝地。御台は離れて見物、やがて萎れて一人部屋へ戻る。
  • なぜ宮を誘わなかったと家重を問い詰め、却って愛を告白されてしまう右京、枳殻邸侵雪橋上。
  • 家重の求愛から逃れるように他出する右京、出てゆく玄関は西本願寺大玄関門。目黒さして駕籠がゆく道、不明(御所内の道に似る)。訪問先の学者宅は中山邸通用門。ここからの帰り道、駕籠ごと拉致される道は行きと同所、連れ込まれる小杉御殿は中山邸門

キャスト
右京局/野川由美子 比宮増子/佐々木愛 里江/中山千夏 大岡忠光/中村梅之助 おるりの方/宇治みさ子 松平左近将監乖邑/小栗一也 小笠原正利/河原崎建三 山崎鶴蔭/岩田直二 丸根仁太/香月凉二 村松/日高澄子 徳川家重/川口浩

脚本/西沢裕子 監督/松村昌治

※学者は右京の亡父の遠縁、ここが謀反人の巣として踏み込まれ、大奥を逃れ滞在していた右京が一緒くたに捕縛されてしまう運び。


第三十回 「お世継ぎ性教育」 1968.10.26

 次期将軍として、スパルタ教育を受ける若君・家治はハードスケジュールに疲れ果て、遊び友達のいるお浜御殿行きを心待ちにする。しかし心無い大奥取締・梶山は、たまさかのバカンスを潰したうえ、まだ幼い少年に御内証の方を宛がおうとしていた。

ロケ地

  • 馬術の鍛錬をする若君、不明(手前に石垣ちらり、芝地)。疲れ果てた若君が教育係の道筑にボヤく庭、玄宮園か(池畔)
  • 志乃の文を読み、思い出すお浜御殿そばの海岸で遊んだ日々、不明(マジ海、柱状節理の崖あり)
  • 奈美の婚家・菅井邸、門は相国寺大光明寺。奈美に来たお役について話す舅、不明(大刈込のある庭、家屋は茅葺で軒瓦が見える)
  • 奈美の実家・喜多川邸、相国寺林光院
  • 若君から返事がこないことで落ち込む志乃、家の縁先を琵琶湖西岸松原に演出(セット併用)
  • 奈美の出現でキレて荒れる若君、矢鱈に射て当たらぬところ、奈美が射てみせ的中させる庭先、相国寺方丈前白州
  • 奈美の提案で許可が出て、急遽決まるお浜御殿行き、御殿イメージにミニチュアと大覚寺勅使門。慌しく掃除が行われる廊下、大覚寺宸殿回廊。御殿の用人に若君が来ると聞き、孫の志乃に知らせるため走る甚内、彦根城玄宮園池畔〜門(不明)琵琶湖松原。
  • 若君の行列がやって来る道、琵琶湖西岸松原。志乃が立ち尽くす海辺、不明(マジ海)

キャスト
奈美/左幸子 徳川家治/小林芳弘 ゆき/磯村みどり 梶山/東恵美子 志乃/渡辺弥生 留吉/菅野直行 菅井喜右ヱ門/野々村潔 田沢源七/見明凡太郎 松平輝高/高野真二 喜多川光晴/波多野憲 桜井/藤代佳子 甚内/石山健二郎 成島道筑/千秋実

脚本/西沢裕子 監督/井沢雅彦

※奈美に白羽の矢が立ったのは、春日局の遺訓にある条件から。足のわるい弟に加増とポストというエサを出され、仕方なく受ける次第。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第三十一回 「初めての朝」 1968.11.2

 曲折を経て、奈美は「お役目」を果たすが、掟によりその夜限り、その後は俗世間と縁を断って暮らさねばならぬ身の上だった。
遊び友達の少女も去ってゆき、お浜御殿は永遠の思い出となる。

ロケ地

  • 御浜御殿入りする若君一行、大覚寺勅使門橋〜勅使門くぐり中へ。女駕籠あるを見て使用人たちが不審がるなか、奈美が入ってゆく玄関は式台玄関。
  • 奈美の勧めで志乃らに会いに走ってゆく若君、彦根城玄宮園琵琶湖西岸松原〜マジ海。このへんは前回同様で、海と琵琶湖は適宜切り替え。玄宮園も、池畔を同様に使う。以降、海辺と御殿で話が進み、ほぼ同じポイントが使用される。
  • 志乃と別れをしたあと、戻ってみると奈美が見えず捜しまわる若君、玄宮園大覚寺回廊脇。
  • 奈美の駕籠が尼寺へ向かう道、琵琶湖流入河川の堤か。

キャスト
奈美/左幸子 徳川家治/小林芳弘 梶山/東恵美子 志乃/渡辺弥生 留吉/菅野直行 田沢源七/見明凡太郎 喜多川光晴/波多野憲 桜井/藤代佳子 甚内/石山健二郎 成島道筑/千秋実

脚本/西沢裕子 監督/井沢雅彦


第三十二回 「刃傷お鈴廊下」 1968.11.9

 大奥版忠臣蔵、起こりの話。筆頭年寄・藤岡は、吉良さま顔負けの意地悪ばばあ。嫌がらせどころではなく、将軍の世子も暗殺してしまう凄さ。過ぎた行為は、耐え忍ぶ者を遂に暴発させ、文字通りの「刃傷お鈴廊下」の変となる。

ロケ地

  • 暗い世相のなか、ただ一つの明るい希望と語られる家基(前髪)、弓のお稽古シーンは二条城二の丸御殿書院縁先と前庭。設定は江戸城西の丸。
  • 田沼意次邸イメージ、西本願寺大玄関門。内部はセット撮り。
  • 家基(元服後)が野駆の道、不明(広野)。慈念和尚と会う東海寺、大覚寺。駒が水を貰うのは式台玄関前石畳、家基が和尚と話すバルコニーは観月台、白湯に毒を盛った典医が湯呑を運ぶ小坊主を凝視する庫裏は阿弥陀堂、馬の乗り寺を出てゆく家基は大門(内側)を背に。このあと往路と同じ野原でうぐぐ↓落馬でそのまま落命。
  • 毒を盛った医者が土左衛門で浮く池、大沢池か(睡蓮繁茂)

キャスト
浦路/久保菜穂子 お知保の方/小畠絹子 環/清水まゆみ 徳川家基/太田博之 九重/白木マリ 千絵/城野ゆき 芳野/伊藤幸子 瀬川/南風夕子 田沼意知/杉田康 田安定信/穂高稔 二条の方/桂麻紀 阿部備後守/山岡徹也 池原雲伯/池田忠夫 慈念和尚/市川男女之助 田沼意次/河津清三郎 藤岡/浪花千栄子

脚本/高岩肇、高橋稔 監督/倉田準二

※家基亡き後、藤岡の嫌がらせはますます募り、しまいには「尼寺へ行け」と知保の方の髪を手ずから剃刀でざっくり切り落とす始末→お知保の方ブチ切れ。このあとは内匠頭の始末を忠実になぞってあって笑えるが、自裁のためお預けになった屋敷の幔幕の紋が違鷹羽なのには噴いた。浪花千栄子の鉄漿が効果的で、意地悪ばあさんの憎たらしさを引き立てる。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第三十三回 「鮮血の誓い」 1968.11.16

 お知保の方付きだった女たちは、復讐を誓い団結する。それを恐れた藤岡は、大奥から刃物を駆逐するほか、リーダー格の浦路を勅使饗応役に任じ、失脚させる企みを進行させていた。

ロケ地

  • お鈴廊下御襖替え完遂の朝、イメージに姫路城はの門下坂、水二門。

キャスト
浦路/久保菜穂子 環/清水まゆみ 千絵/城野ゆき 九重/白木マリ 弥兵衛/十朱久雄 おかね/赤木春恵 芳野/伊藤幸子 瀬川/南風夕子 田沼意知/杉田康 竹の宮順子/堀みどり 二条の方/桂麻紀 伊之吉/林彰太郎 田沼意次/河津清三郎 藤岡/浪花千栄子

脚本/高岩肇 監督/倉田準二

※無念の剃刀を包んだ血染めの布に血判、法事に来る宮さまに対する勅使饗応役、畳ならぬ襖総張り替え、お料理違いとパロてんこ盛り。
※襖替えは環が実家に頼み込み、父は弥兵衛で母はおかね、許婚者の職人は伊之吉。
※膳部の責任をとり、箸で胸を突いて死んだ千絵に縋り嘆く浦路たちで終わるが、そのさまを物陰から見ている白木マリの顔怖すぎ。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第三十四回 「仇討ち神田祭」 1968.11.23

 内通者が消えたことで、藤岡の疑心暗鬼はつのり、強固な警備がつく。大奥内での仇討ちを断念した浦路は、藤岡の他出を狙う。その日、町は神田祭で賑わっていた。

ロケ地

  • 吹上の庭で野点をする藤岡、それを狙う伊吹とお琴、大覚寺天神島祠。九重の裏切りにより失敗、忍びが出て膾に。
  • 田沼邸を訪問する藤岡の駕籠が出る平河門、彦根城天秤櫓
  • 仇討ちのため大奥を下がる環、これを最後と城を見返る坂は彦根城天秤櫓内側の坂、先立って天守が映し出される。
  • 手古舞の衣装をつけ藤岡に殺到する浦路たち、藤岡が逃げ込む田沼邸の門は西本願寺大玄関門。内と外を使う。

キャスト
浦路/久保菜穂子 環/清水まゆみ 千絵/城野ゆき 九重/白木マリ 源兵衛/清水元 おかね/赤木春恵 芳野/伊藤幸子 瀬川/南風夕子 田沼意知/杉田康 楓/水科慶子 しのぶ/沢阿由美 伊吹/松村康世 お琴/岡田千代 二条の方/桂麻紀 百合/弥永和子 小夜/北口千春 越前屋番頭/唐沢民賢 静香/加納美栄子 お美代/赤松正子 おちか/忠垣雅子 長庵/波多野博 田沼家用人/野村鬼笑 田沼意次/河津清三郎 藤岡/浪花千栄子

脚本/高岩肇 監督/倉田準二

※源兵衛は研師、しのぶの父で、お知保の方の父上に大恩あり+田沼大キライ。仇討ちの得物を仕上げるほか、現場にも同行し田沼邸で討ち死に。
※藤岡が逃げ込んだため、仇討ちの場は田沼邸に。寝所の床の間に仕掛けあって、BFの宝物蔵に田沼と藤岡逃げ込み。田沼は逃走。お知保の墓前に白髪首ならぬ白髪の束を供え、浦路以下六人打ち揃って自刃。


第三十五回 「十八番目の御側室」 1968.11.30

 度外れた子福者の家斉、大奥は生き死にのラッシュ状態なほか、妬み嫉みも数限りなし。しかし御寵愛著しいお喜久の方には御子の気配なし、彼女は意図的に懐妊を避けているが、酷い事情が秘められているのだった。

ロケ地

  • お喜久の方と太一が鷹狩りの将軍一行に追い詰められ囲まれる野原、不明(広大な薄原)
  • 懐妊したお喜久の方を調伏しようとして、僧に呪わせるお蝶の方、不明(室内、宝塔寺や妙顕寺に似る)
  • 安産祈願に日枝神社へ詣でる、お喜久の方付きの中臈・磯乃、吉田神社。お供が控えるのは本殿前垣根と鳥居脇、急ぎ戻る際は参道石段の車道を駕籠で下りてくる。

キャスト
磯乃/高森和子 お喜久の方/野口ふみえ まつえ/大川栄子 お蝶の方/三原葉子 深草/清川玉枝 俊斉/浅野進治郎 太一/島田景一郎 徳川家斉/西村晃

脚本/西沢裕子 監督/佐々木康

※磯乃は、許されぬ恋をして大奥で子を産むが発覚、処断されるところをお喜久の方に救われる。お喜久の方は略奪されて連れて来られたばかり、磯乃を救うため褥に上がる。

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第三十六回 「涙の馬子唄」 1968.12.7

 お喜久の方は毒を盛られ、お産は済むものの力尽きて儚くなる。姫を託された磯乃は、立派な御輿入れを実現させるが、意地の悪い妨害の手が伸びてくる。

ロケ地

  • 磯乃が安産祈願に詣でる神社、吉田神社。前話とアングルが違い、参道石段を上るところ。
  • 数多い家斉の御子たちが各地へ片付いてゆくイメージ、行列がゆく街道は溜池土手。
  • 姫の縁談をまとめるため、お喜久の方毒殺に関わった元腰元を訪ねる磯乃、駕籠がゆく道は永観堂弁天社鳥居前(池端)
  • 嫁ぐ清姫が水戸へ向う街道、不明(林道や溜池端、切通しは「さむらい飛脚」でも出たアレ)

キャスト
磯乃/高森和子 お喜久の方/野口ふみえ まつえ/大川栄子 お蝶の方/三原葉子 捨吉/雷門ケン坊 正吉/桑山正一 深草/清川玉枝 吉山/利根はる恵 清姫/斉藤浩子 俊斉/浅野進治郎 良造/宮土尚治 竹生越前守/東千代之介 徳川家斉/西村晃

脚本/西沢裕子 監督/佐々木康

※磯乃が手放した子は、馬子として養父を世話し健気に生きているが、母に会いたい心を利用され、清姫輿入れを阻む道具にされかかる。輿入れを裁量する越前守は事情を察し、最悪の事態は避けられるものの、母子が抱きあえる機会は与えられない。涙を抑えて歌う馬子唄が、行ってしまう母の耳に届く運び。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第三十七回 「美女と悪僧」 1968.12.14

 晩年の家斉が寵愛した側室、その実家は下総の寺。父の生臭坊主は、娘の権威に縋り将軍家祈祷所を作ろうと目論むが、己よりもっと悪い外道を誘い込む結果となる。

ロケ地

  • 下総・中山、お美代の方の父・日啓が住持する智泉院、龍潭寺。以降、山門、参道のほか境内各所を使う。
  • 里帰りするお美代の方の行列が渡る橋、犬飼川下河原橋(旧の木橋)。波奈ら村娘が橋たもとで見ている。後段、お波奈の方の生んだ若君の平癒を知らせる早馬が走り抜ける際は、濃い霧が立ち込めている。
  • 釣りに興じる家斉、勧修寺池畔。奥に観音堂が映り込む。池畔の芝地には毛氈が敷かれ、休む将軍のまわりを鴨が喧しく鳴いてうろつく。釣りの獲物はスッポン。
  • 大奥の雛祭り、家斉が波奈を見初める甘酒接待所は勧修寺か(お堂脇と芝地)
  • 祈祷の報告のため、大奥へやって来る智泉院の御坊「日詮」、門は泉涌寺大門。奥に堂宇が望まれ、門には衛士が配される。このとき参道坂は映らず。

キャスト
お美代の方/稲垣美穂子 お波奈の方/市川和子 つの字/村井国夫 日順/林真一郎 日啓/藤岡重慶 お楽の方/富永美紗子 中野清武/徳大寺伸 三吉/田村保 甚七/海老江寛 佐野/月丘千秋 徳川家斉/西村晃

脚本/西沢裕子 監督/倉田準二

※つの字はもとからマトモでない寺男、お波奈の方の盲目の赤子平癒に関し、鬼畜の所業を提案し、智泉寺を牛耳ることに成功、日詮となりおおせる。

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第三十八回 「野望と愛欲」 1968.12.21

 法力高い僧になりおおせた悪党は、お美代の方の心の隙に付け入り、愛欲の渦に引きずり込む。しかし、さらなる野望の完遂が近づくと、哀れな御方はたちまち見返られてしまうのだった。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守。日詮を大奥に入れる許可を出す御台所のくだり。
  • 日詮と庭を逍遥するお美代の方、勧修寺池端。アングルは光圀の灯篭ナメてロング。
  • 将軍家祈祷所設立の認可書を携えた使者が騎馬で渡る橋、犬飼川下河原橋(旧の木橋)。後段、大奥女中の智泉院詣での駕籠が行ったり来たり。
  • 祈祷所の件で家斉に不服を申し立てるお楽の方、勧修寺池端(将軍は釣り)
  • 祈祷所の普請で大賑わいの智泉院、龍潭寺。山門前と参道に、大工や民衆あしらい。
  • お美代の方が将軍の名代で参列する祈祷所開き、大覚寺心経宝塔前。
  • 雑司が谷の安藤対馬守下屋敷に建立される新たな将軍家菩提寺・鼠山感応寺、不明(林)。お美代の方が浮気坊主を呼び止める境内はセット撮り。

キャスト
お美代の方/稲垣美穂子 日詮/村井国夫 お波奈の方/市川和子 日順/林真一郎 日啓/藤岡重慶 お楽の方/富永美紗子 御台所茂子/伊吹友木子 三吉/田村保 甚七/海老江寛 ひで/津島道子 水野越前守/竜崎一郎 安倍伊勢守/江見俊太郎 佐野/月丘千秋 徳川家斉/西村晃

脚本/西沢裕子 監督/倉田準二

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第三十九回 「感応寺事件」 1968.12.28

 将軍が重篤というのに、日詮の頭の中は己のことばかり。しかし無理は通らず、破滅の日が来る。

ロケ地

  • 造営中の感応寺、得意げな顔をした日詮は泉涌寺仏殿前に立つ。
  • 家斉の臨終間際に出た遺言書が日詮の企みとして、寺社奉行が調査に入るくだり、下総の橋は犬飼川下河原橋、江見俊太郎は騎馬で橋上。
  • 御子のことで日詮を問い質しに行った波奈の方、それを追ってやって来るお美代の方、雑司が谷感応寺は泉涌寺。参道坂から仏殿を望む図、陵へ通じる道から堂宇を見返る図が出る。内部は前回同様セット撮り。
  • お美代の方のその後が語られるくだり、泉涌寺参道坂より仏殿を望む図が出て、お堂前に美代の方と思しき姿が配され、崩れ落ちる。ズームはなし遠景のまま、美代の方終焉の地となった寺についての説明が被るが、絵は感応寺イメージと思われる。

キャスト
お美代の方/稲垣美穂子 日詮/村井国夫 お波奈の方/市川和子 日順/林真一郎 日啓/藤岡重慶 お楽の方/富永美紗子 広大院/伊吹友木子 三吉/田村保 甚七/海老江寛 ひで/津島道子 水野越前守/竜崎一郎 安倍伊勢守/江見俊太郎 佐野/月丘千秋 徳川家斉/西村晃

脚本/西沢裕子 監督/倉田準二


第四十回 「陽気な新参者」 1969.1.4

 水野忠邦の打ち出す緊縮策に、大奥の女たちはしたたかに対応してゆく。そんななか、古狸の御老女のところに、とんでもないお転婆が入ってくる。

ロケ地

  • 悪童に男女とからかわれたおゆき、追い回す市中、相国寺境内か(生垣やお堂)
  • 将軍の夢に現れた女を捜す役人たち、若い娘を呼び止める市中、御香宮境内か(摂社らしき鳥居、石柵あり)
  • おゆきを呼び止め、条件のほくろをチェックするため袖をまくって蹴られる役人、相国寺鐘楼脇。
  • 大奥の正月、高木に引っかかった羽根突きの羽根を、木に登って取ってやるおゆき、勧修寺池畔芝地。

キャスト
おゆき/緑魔子 姉小路/河原崎しづ江 金さん/沢本忠雄 水野忠邦/御木本伸介 吉野/仁木多鶴子 文蔵/美川陽一郎 おかね/市川寿美礼 歌川/水戸光子 徳川家慶/池辺良

脚本/宮川一郎 監督/佐々木康

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第四十一回 「おゆきの初手柄」 1969.1.11

 気難しいはずの上臈・姉小路はすっかりお転婆がお気に入り、おゆきの機転で歌川の嫌がらせも躱し対立もなんとか解消に向かう。
一方、実家のよ組から金さんが消えたことで萎んでいたおゆきだが、大奥の火事に飛び込んできた若き新任奉行の顔を見てしまうのだった。

ロケ地

  • おゆきが大奥の女たちに健康体操を教授する庭、勧修寺庭園芝地・観音堂前。
  • 和子を授かる夢のお告げがあったと称し、家慶を仕込みの女に会わせる歌川、勧修寺庭園池畔。おみつが水を汲んでいる泉は不明(窪地に樋が設けられ、石積みがなされている。随心院の小町井戸に形態が似る)
  • 宿下がりのおゆき、鼻歌を口ずさみながら実家へ向かう道、相国寺大通院南塀際路地〜鐘楼脇。

キャスト
おゆき/緑魔子 姉小路/河原崎しづ江 遠山金四郎/沢本忠雄 水野忠邦/御木本伸介 吉野/仁木多鶴子 千草/高毬子 都築清一郎/佐々木功 おみつ/新井茂子 おこと/小柳冴子 文蔵/美川陽一郎 おかね/市川寿美礼 歌川/水戸光子 徳川家慶/池辺良

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/佐々木康

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第四十二回 「江戸っ娘繁盛記」 1969.1.18

 歌川の魔手は遂に姉小路とその周辺に伸びるが、おゆきと「金さん」を娶わせてやりたい老女の「賭け」がみごとに当たり、全ては解決。
風のように来て去っていった娘のことを、人々は長く懐かしんだと語られる。

ロケ地

  • 宿下がりしたおゆきが「金さん」を問い詰める茶店、神泉苑境内生垣際に設営。なんとか誤魔化すものの、今度は女のことでがみがみお説教を食らう金さんのシーンは善女竜王社前に移動。鳩多数群がる。
  • 歌川に姉小路の容態を注進する吉野、勧修寺庭園池畔。
  • 姉小路の名代で中臈に化けて北町奉行所へ赴くおゆき、勧修寺山門(左手から狭間ナメて)
  • 事後、町場でデートの金さんとおゆき、神泉苑法成橋上〜善女竜王社前(売っている鳩の餌を求める)

キャスト
おゆき/緑魔子 姉小路/河原崎しづ江 遠山金四郎/沢本忠雄 水野忠邦/御木本伸介 吉野/仁木多鶴子 千草/高毬子 都築清一郎/佐々木功 おみつ/新井茂子 おこと/小柳冴子 文蔵/美川陽一郎 おかね/市川寿美礼 歌川/水戸光子 徳川家慶/池辺良

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/佐々木康

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第四十三回 「お琴あわれ」 1969.1.25

 貧ゆえ大奥へ勤めに出た人妻、仕事は最下級の水仕で、将軍のお手がつくはずもなかったが、節分の椿事が運命を変えてしまう。

ロケ地

  • 葛飾代官所、大覚寺明智門。手代の小平次が郡代に呼ばれてやってくるくだり。
  • 葛飾の情景、西の湖。湖畔には積み藁、湖水にはエリが見える。
  • 桜田御用屋敷、青蓮院長屋門

キャスト
琴/南田洋子 りく/弓恵子 水之江/三条美紀 中山喜一/小林勝彦 たい/高橋とよ 伊奈半左衛門/伊豆肇 中山佐市/木田三千雄 三河屋三右衛門/須藤健 山村関之進/小笠原弘 中山小平次/小池朝雄 徳川家慶/池辺良

脚本/西沢裕子 監督/倉田準二

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第四十四回 「比丘尼の館」 1969.2.1

 夫と離別させられてまで仕えた将軍に死なれてしまい、帰るも儘ならず陰惨な環境におかれる「寡婦」。夫であった小平次への思慕絶ち難く、秋月院は館を脱出する。

ロケ地

  • 桜田御用屋敷、青蓮院長屋門と、金戒光明寺禅堂を鎧掛の松越しに見た図(クレーンショット)
  • 比丘尼・恵心が秋月院を連れ出す石庭、不明(石は波心の庭に似る)
  • 御用屋敷へ入り込み探る喜一、金戒光明寺。植木職として松を手入れしていると、本堂脇回廊の下をくぐって恵心が出てくる。そこから入り込み、先に出た石庭を通り秋月院の部屋(セット)へ。
  • 喜一とりくが仕組んで秋月院を連れ出すくだり、金戒光明寺方丈唐門前に駕籠が待つ。このあと三門が映り、中山邸へスイッチ(参道、無畏庵前←小平次が待っている)
  • 逢瀬の数日後、もう一度夫に会いたいとしたためた秋月院の文を読むりく、金戒光明寺参道坂。思い詰めている二人を案じる喜一のシーンは三門下にスイッチ。
  • 抜け出してきた秋月院を乗せた駕籠が走る夜道、金戒光明寺金光院北塀際。小平次が待つ、かつて二人暮らした陋屋はセット。
  • 三月後、男女の土左衛門があがる葛飾在、西の湖

キャスト
秋月院/南田洋子 りく/弓恵子 水之江/三条美紀 中山喜一/小林勝彦 恵心/三島ゆり子 順庵/東郷晴子 安徳院/香月京子 色街の酔客/小田部通麿 佐代/小島恵子 冷安院/岡嶋艶子 中山小平次/小池朝雄

脚本/西沢裕子 監督/倉田準二

※先々代の御側室・冷安院や、秋月院と同時に御用屋敷入りした安徳院の狂態が凄絶。


第四十五回 「第三の正室」 1969.2.8

 二人の正室に先立たれた将軍・家定のもとに、新しい御台所が輿入れしてくるが、総取締は何かにつけ辛くあたる。老女は最初の御台とともに京から来た女で、亡きあるじを病的に崇拝しているのだった。

ロケ地

  • 将軍の褥にあがる敬子の方、その夜吹きすさぶ嵐のイメージの塀と木、広隆寺東塀か。
  • 大奥泊りを触れだした将軍に、本当の御台は亡き御方一人だけと釘をさしに来る岡野、勧修寺庭園芝地(奥に観音堂)
  • 先の御台所二人の法要を企画するものの将軍は欠席、仏間に籠もったまま嘆く敬子の方、時間経過を表す夕刻の鐘のシルエット、本法寺鐘楼(多宝塔映り込み)
  • 子種が無いと将軍に告白されたあと、子ができなくても幸せになれるとひとりごちる敬子の方、彦根城玄宮園龍臥橋を望む小橋上。

キャスト
敬子の方/三田佳子 徳川家定/早川保 水無瀬/浅茅しのぶ 岡野/荒木道子

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/鳥居元宏

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第四十六回 「疑惑の局」 1969.2.15

 岡野の行動を見るにつけ、ある疑問が敬子の方の胸にきざす。生前のままになっている任子の方の居室、綱吉の代の凶事により開かずの間となっている宇治の間、どうにも解けぬ謎は、突然の地震により明らかとなる。

ロケ地

  • 敬子の方の誕生祝いに出席する家定、任子の方の打掛をまとった敬子の方を見て激怒する廊下、大覚寺か(手前に回廊)
  • 鷹司家の接待のため大奥を出る岡野、駕籠がゆく橋は大阪城極楽橋、背景に天守。
  • 家定に詰め寄り、任子の方の死の真相を聞かされる敬子の方、勧修寺観音堂脇芝地。
  • 家定が後継問題を岡野に愚痴る茶室、勧修寺庭園茶亭(開口部から観音堂がちらり)
  • 事後、和やかに庭を逍遥する家定と敬子の方、彦根城玄宮園龍臥橋〜池畔。最後は対岸からのロングとなり、遠景に天守も映り込む。

キャスト
敬子の方/三田佳子 徳川家定/早川保 水無瀬/浅茅しのぶ 任子の方/崎山陽要 岡野/荒木道子

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/鳥居元宏

※任子の方の死の真相、および岡野との関係は、いつもそこにいたお坊主によって語られる。岡野が隠匿していたグロい一件は宇治の間に。


第四十七回 「大老の遺書」 1969.2.22

 井伊大老に請われ、家茂を守るため大奥入りした浦路。一橋を推していた天璋院からは、予想通りのプレッシャーがかかり主従を苦しめる。そんななか、当の大老が殺害されてしまうという大事が出来する。大老は浦路に文を残しており、それには家茂の御台についての秘事がしたためられていた。

ロケ地

  • 家定亡き後空白の将軍位、議論喧しいなか決意を問われた井伊大老が、攘夷派に断固たる処置をとると安藤対馬守に話す廊下、二条城二の丸御殿書院廊下。後段でも出る。
  • 浦路大奥入り、お城イメージに姫路城天守
  • 天璋院の嫌味をくらった家茂が佇み嘆く池泉、勧修寺庭園池畔。観音堂や宸殿が映り込む。
  • 井伊大老下城の道、仁和寺参道
  • 井伊大老の葬儀が行われる寺、不明(甍と仏間、廊下が映っている。けっこうな大寺)。直弼の妻女・お浦の方から浦路に、生前託されていた文が渡される段。

キャスト
浦路/森光子 徳川家茂/石坂浩二 お浦の方/三宅邦子 久之助/近藤正臣 天璋院/北城真記子 安藤対馬守/根上淳 井伊直弼/高田浩吉

脚本/西沢裕子 監督/松村昌治

※浦路は井伊直弼の乳兄弟、いまは寡婦で、倅・久之助が家督を継いでいる。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第四十八回 「嵐に立つ花」 1969.3.1

 和宮降嫁実現のため、命がけで京へ赴く浦路。将軍の母代わりとして懸命な女がいる一方、天璋院は情勢も見ずイケズに励むのだった。

ロケ地

  • 家茂個人の幸せを思い、大老の遺言である皇妹降嫁について悩む浦路、勧修寺庭園池畔。ここへ家茂が来て大老を悼む。
  • 幕閣と浦路が、家茂に政略結婚を強いる模様と告げ口しに来る天璋院、弓のお稽古中だった家茂は勧修寺宸殿前芝地。
  • 家茂の願いを受け、和宮のもとへ使いに出る浦路、駕籠が出る門は西本願寺大玄関門。その後行列がゆく道は西本願寺唐門(北小路通を南から東望の図、ローアングル)仁和寺参道(奥に中門がちらり、その後カメラは松籟にパン)
  • 浦路が京へ発って二ヵ月後、婚約者の家へ、祝言の延期を申し入れに来る浦路の息子・久之助、相国寺大光明寺門
  • さらに時は過ぎ夏、交渉が難航し幕閣困り果てのシーン、イメージに姫路城天守
  • 降嫁について兄帝に話をしにゆく和宮、宮中廊下は大覚寺御影堂前縁(このシーンの前に宸殿横手が映し出される)
  • 浦路の使いと偽り、久之助の婚約者・ゆきを連れ去る天璋院付きの腰元・天川、田辺家の門は相国寺大光明寺、駕籠がゆく道は南路地。

キャスト
浦路/森光子 徳川家茂/石坂浩二 お浦の方/三宅邦子 ゆき/吉田日出子 孝明天皇/山内明 天川/三田登喜子 久之助/近藤正臣 室田達之/森塚敏 田辺朝右衛門/伊沢一郎 天璋院/北城真記子 安藤対馬守/根上淳 和宮/美空ひばり

脚本/西沢裕子 監督/松村昌治

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第四十九回 「和宮降嫁」 1969.3.8

 悲しいまでに己を捨てている浦路を見て、和宮の心は動き江戸へ下向。それでも天璋院の意地悪は止む気配を見せず、遂に家茂の命が的になる。
北城真記子の演技は凄すぎて、他の事象が霞んでしまう。

ロケ地

  • 和宮降嫁の行列がゆく街道、不明(広大な田圃の中に通じる土手道、遠景に細長くのびた丘陵が見える)
  • 江戸城イメージ、姫路城天守
  • 和宮を江戸へ連れ来たものの、当の家茂が逃げ回っている事態に、浦路が物思いに沈んで佇む池畔、勧修寺庭園池端。侍女の非礼を詫びに来た和宮の背後に、堂宇が映り込んでいる。
  • 和宮に勧められ、息子とその婚約者の墓に詣でる浦路、永観堂墓地(鐘楼脇、石垣下)
  • 遠乗りの家茂が狙われる野、湖南アルプスか(広大な砂河原、幼松が目立つ山地など)。森光子の立ち回りが見られる。

キャスト
浦路/森光子 徳川家茂/石坂浩二 ゆき/吉田日出子 天川/三田登喜子 久之助/近藤正臣 田辺朝右衛門/伊沢一郎 常盤井/寺島信子 万里小路/藤里まゆみ 天璋院/北城真記子 安藤対馬守/根上淳 和宮/美空ひばり

脚本/西沢裕子 監督/松村昌治


第五十回 「最後の将軍とその妻」 1969.3.15

 将軍になったものの、大奥どころかお城にもいない慶喜は、京にあって困難な政情に立ち向かう。
その間、御台は大奥で権高なお局さまに辟易しつつ暮らしていたが、情勢はめまぐるしく移ってゆく。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守(菱の門の庇越し)。二条城は書割。
  • 札差に資金調達を断られ、怒って去った数馬を追う菊絵(札差の娘、大奥勤め中)大覚寺天神島(対岸の様子が今と大きく異なる)
  • 鳥羽伏見の戦い、バンクフィルムか。

キャスト
徳川慶喜/天知茂 菊絵/高田美和 美賀子/谷口香 近藤数馬/河原崎長一郎 板倉勝静/中山昭二 美濃屋/天草四郎 西尾/萬代峰子 柳川/加賀まりこ

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/中島貞夫

※この回の慶喜、洋装軍服に身を包む。頭は月代ちゃんと剃って髷を結っているので、天知茂の愁いを帯びた顔とあいまってなかなか珍妙。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

第五十一回 「幕末の恋人たち」 1969.3.22

 恭順の意を示す慶喜は、御台をも使い工作を続けるが、情勢は翻らない。
また、許されて大奥を下がった御台付きの腰元は、恋人の悲愴な覚悟を知る。

ロケ地

  • 東征軍がゆく街道、不明(湖南アルプスと思しき「河原」、バンクフィルムか)

キャスト
徳川慶喜/天知茂 菊絵/高田美和 美賀子/谷口香 近藤数馬/河原崎長一郎 板倉勝静/中山昭二 美濃屋/天草四郎 勝安房守/夏目俊二 永井尚志/藤沢薫 小栗上野介/芦田鉄雄 榎本武揚/波多野博 西尾/萬代峰子 柳川/加賀まりこ

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/中島貞夫

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■

最終回 「華麗なる終焉」 1969.3.29

 若き旗本たちの一挙は人心を動かし、有志は上野の御山に籠もり慶喜の命を待つ。しかし慶喜は勝の意見を容れ、自ら最後の将軍となることを選択する。
大奥も混乱するが、身ごもった御台を一橋家へ送り出した柳川は、粛々と後始末をしてのけるのだった。

ロケ地

  • 倒幕軍がゆく街道、前回と同じ。
  • 薩摩藩江戸屋敷、京都御苑管理事務所長屋門。勝が西郷と会見するくだり、内部はセット撮り。
  • 柳川の通達を受け、身分の上下に関わらず退去してゆく女たち、城門は大阪城桜門。西側からスロープを見るアングル、このとき門に屋根無し。
  • 開城を控えたお城イメージ、姫路城天守
  • 錦の御旗を掲げて入城する官軍、大阪城極楽橋を渡る。画面奥に天守。
  • ピストルで頭を撃ち抜いた柳川の亡骸が兵士に運び出される門、京都御苑東門(内側から。戸板が出たあと、門は閉じられる)

キャスト
徳川慶喜/天知茂 美賀子/谷口香 板倉勝静/中山昭二 勝安房守/夏目俊二 西郷吉之助/鈴木金哉 永井尚志/藤沢薫 小栗上野介/芦田鉄雄 榎本武揚/波多野博 西尾/萬代峰子 柳川/加賀まりこ 語り手、怨霊/岸田今日子

脚本/高岩肇、宮川一郎 監督/中島貞夫

※誰もいなくなった大奥に、白装束の岸田今日子が現れ、狂気じみた一人芝居を繰り広げる。


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