2012.1.2TX/松竹
キャスト
堀部安兵衛/内野聖陽 堀部ほり/常盤貴子 色部又四郎/内藤剛志 吉川山右衛門/村田雄浩 吉川かや/板谷由夏 奥田孫太夫/榎木孝明 吉良上野介/柄本明 高田郡兵衛/山田純大 片岡源五右衛門/金子昇 毛利小平太/伊嵜克則 堀部わか/平淑恵 吉田忠左衛門/若林豪 奥野将監/田中隆三 貝賀弥左衛門/合田雅吏 大高源吾/眞島秀和 原惣右衛門/大石吾朗 大石主税/有岡大貴 磯貝十郎左衛門/池田努 神崎与五郎/宮下裕浩 大野九郎兵衛/水上保弘 安井彦右衛門/谷口高史 前原伊助/関貴昭 菅谷半之丞/石井英明 松原多仲/内田健介 梶川与惣兵衛/片岡弘鳳 柳沢吉保/斉藤歩 井坂新助/金田明夫 小萩/木下あゆみ 蟹沢横梅/ベンガル 椎葉喜十郎/宍戸開 志乃/遊井亮子 小林平八郎/東根作寿英 内田三郎右衛門/西岡徳馬 菅野六郎左衛門/綿引勝彦 村上庄左衛門/峰蘭太郎 明石太夫/中山忍 阿波野屋利助/石丸謙二郎 吉五郎/石倉三郎 吉良家付人/福本清三 大石りく/萬田久子 あぐり(瑤泉院)/田中美里 細井広沢/中村梅雀 堀部弥兵衛/橋爪功 浅野内匠頭/市川染五郎 大石内蔵助/舘ひろし
脚本/金子成人 監督/松原信吾、木本克英
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堀部安兵衛を主人公に据え、赤穂事件の顛末を描く。
気ままな暮らしが染み付いていた豪傑は、内匠頭の人となりに感銘を受け仕官するが、不幸な経緯は主従を引き裂く。他の士はいざしらず、安兵衛はごく個人的な感情から仇討ちを志し、辛苦に耐え本懐を遂げる。
江戸方の雄・安兵衛をメインに描くゆえ、わりなき事情で脱落してゆく者たちの逸話が多く散りばめられているのが特色。ここのところよくあった、似た逸話をつないだ作りではなく、オリジナル要素が強い忠臣蔵。
ロケ地
- 叔父・菅野の危機に駆けつける安兵衛、走る街路は妙心寺大庫裏脇路地。高田馬場は山上の広場か。
- 友人と団子を食べに入った茶店で、高田馬場事件に批判がましい意見を述べるほり、仁和寺茶店。当の安兵衛がそこにいて、二人の出会いとなる。
- 赤穂浅野家江戸屋敷、随心院長屋門。留守居役・弥兵衛が奥田孫太夫に安兵衛のことを聞く座敷も随心院か。
- 鍛冶橋吉良邸、大覚寺大門。柳沢に茶を献じる茶室も境内か。
- 婿入り話について奥田らと話す安兵衛、妙心寺大通院裏路地。内匠頭が会いたいと言っている件を切り出すのはラウンド塀際。
- 安兵衛が内匠頭と会う座敷、不明。内匠頭に望まれ、高田郡兵衛と試合う庭、萬福寺法堂前白州。内匠頭の見所は回廊にしつらえ。
- 安兵衛の長屋へ届け物を持参するも受け取りを断られ立ち去るほり、彼女を追ってきた安兵衛が溺れる子を見て飛び込み助ける堀は八幡堀。
- ほりと祝言を挙げ、堀部姓となった安兵衛が初出仕の浅野邸、随心院長屋門。安兵衛がパーキングの方から来ると、迎えが出ている。
- 赤穂の海イメージ、不明。赤穂城、二条城本丸櫓門(天守を合成)。内匠頭が大石に安兵衛のことを話す座敷、不明。
- 安兵衛が内匠頭に昼酒を飲ませる縁側、不明。
- 江戸へ出立する内匠頭を見送る大石、随心院大玄関。
- 江戸屋敷、安兵衛を見かけ子はまだかと問う内匠頭、不明。
- 勅使饗応役を仰せつかる内匠頭、吉良に挨拶して帰るさ、伊達左京亮と行き会う廊下、随心院書院廊下。浅野の音物に不快感を示す吉良、随心院か。
- 京で病を得て寝込む吉良、伊達左京亮のお使いが見舞いに赴く京の吉良邸、聖護院門屋。
- 江戸、接待について慌しく指示を出す吉良がゆく廊下、不明。内匠頭が御畳替えのことを知るくだり、宸殿縁先か。
- 夜を徹して畳替えが行われる増上寺、不明(蔀戸のお堂)。
- 江戸城イメージ、姫路城天守。菱の門ナメた図も。松の廊下の屋根はCGか。
- 内匠頭刃傷を知らされる、城外に控えていた藩士たち、不明(冠木門あり)。
- 内匠頭の亡骸が泉岳寺へ運ばれると聞いた安兵衛、駆けつけて追いつく坂は金戒光明寺永運院下坂。「駕籠の中」を見せられ号泣するのは石垣際。
- 色部又四郎が、小林平八郎に浅野家家中の心情を忖度し話す座敷、不明。
- 第二の早が駆け入る赤穂城城門、二条城本丸櫓門。内外を使う。
- 片岡ら生え抜きの側近に新参者呼ばわりされた安兵衛、思いに身分の上下は無いと憤慨して歩く小道、妙心寺福寿院道。
- 赤穂・紛糾の大広間、不明。
- 安兵衛らが赤穂へ向かう街道、琵琶湖東岸松原。大石と会う座敷、粟生光明寺方丈(開口部、下手に屋根がのぞく)。
- 赤穂開城のくだり、大手に二条城本丸櫓門、上使の武具検分が行われる蔵は二の丸御殿土蔵。
- 大石一家が赤穂を離れ京へ向かう街道、山室堤。
- 安兵衛らが、刃傷に関する町衆の声を聞く町角、上御霊神社舞殿まわり。金魚を死なせた町人が役人に引っ立てられるシーンあり。
- 密偵に浅野の動向を探るよう命じる色部、不明(縁先)。
- 内匠頭の千日供養が行われる泉岳寺、宇治・興聖寺本堂。墓前のシーンはセット撮り。
- 片岡らがフライングして吉良を襲うくだり、屋敷を出る吉良の駕籠を確認する前原伊助が潜むのは大覚寺御殿川河床(駕籠は大門を出る)。武装した片岡らが潜む林、不明。襲撃現場の坂、参道か。待ち伏せに遭い危ないところへ安兵衛が駆けつけてチャンバラ、一部は随心院南塀際(鐘楼付近)。
- 大石が浅野家再興のため運動するくだり、京東山・智積院の僧に会って帰る玄関は毘沙門堂宸殿玄関。安芸訛りの刺客が出る夜道、薬医門石段下、参道。
- 縁日の神社で毛利小平太が恋人といるのを見る安兵衛夫婦、上賀茂神社ならの小川畔に露店あしらい。その後安兵衛が刺客に遭うシーンは北神饌所裏手(あとで三次浅野家の手の者と知れる)。
- 屋敷替えについて色部を相手に駄々をこねる吉良、不明(座敷)。
- 屋敷替えについて安兵衛らに自論を述べる広沢、広沢池東岸(船着あしらい、「四人」は舫った船に乗り込み酒盛り)。
- 江戸同士の動揺をおさめるため原と潮田を遣わす大石、二人がゆく街道は琵琶湖東岸松原。その二人に食ってかかる安兵衛、興聖寺か(お堂内部座敷)。
- 大石が江戸下向と色部に報告する密偵、不明(回廊)。
- 大石が瑤泉院と会う赤坂・三次浅野家下屋敷、門は聖護院山門。会見の座敷は東福寺光明院、苔庭をナメて廊下を映すほか、座敷から庭がのぞくアングルも。
- その帰りの大石を待ち伏せて「見る」色部、路傍の茶店は仁和寺観音堂脇に設営、大石らは水場横の坂をおりてきて、御室桜林の方へ去る。
- 叔父の養子になる件で兄と言い争う郡兵衛、随心院裏塀際。脱盟を余儀なくされ号泣するシーンも同所。
- 元禄15年正月、初詣の安兵衛夫婦、上御霊神社本殿。舞殿前石畳際に、露店華やかにずらり。
- 色部又四郎邸、妙心寺天祥院。「吉良家用人」の吉川が報告に来ていて、赤穂浪士の困窮ぶりを漏れ聞く。
- 内匠頭の一回忌法要が営まれる泉岳寺、宇治・興聖寺本堂。瑤泉院も来ての式はお堂内部も使って撮られる。吉田忠左衛門が、江戸組に吊るし上げをくらう。
- 大石を監視する一味のあることを知る安兵衛、山科寓居付近の描写は酵素河川敷、「隠宅セット」のあったあたりに畑や小柴垣つけて演出。上杉の密偵どもは竹林に逃げ込む。
- 安兵衛宅からの帰り道、蟹沢横梅に赤穂浪士の置かれた立場を説く広沢、妙心寺福寿院道。
- 神文を返却してまわる大石の使い、西へ向かう街道は大堰川堤。赤穂の海イメージにどこかの荒磯。
- 京・円山イメージ、仁和寺宸殿前から茶亭越しに塔を望む図。神文返却で篩にかけられ残った浪士が集められ、大石の存念を聞かされるお堂、萬福寺大雄宝殿(内部を使用、羅漢のシルエットが印象的)。
- 大石が江戸へ向かう東海道、大堰川堤。
- 瑤泉院に会った大石が傘をさして出てくる雪の夜の三次浅井家通用門、聖護院宸殿冠木門。他家に仕えると言って怒らせる段。
- 安兵衛たちが預けられる、伊予松山松平家中屋敷、金戒光明寺方丈座敷(座敷から前庭がちらり)。
- 大石が切腹する細川家の庭、聖護院宸殿前白州(南塀際)。
- 安兵衛が切腹する松平家の庭、大覚寺宸殿前白州(勅使門そば)。
- 届けられた大石の辞世を読むりく、鹿王院客殿前縁。但馬・豊岡の実家。
- 旅姿の吉川母子がほりに声をかける茶店、仁和寺茶店。見送るほり、母子は中門をくぐって去るが、南側には町なみが合成されていて、遠景には富士。
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