遺恨あり 明治十三年最後の仇討ち

2011.2.26テレビ朝日/東映

キャスト
臼井六郎/藤原竜也 なか/松下奈緒 一瀬直久/小澤征悦 一瀬さと/戸田菜穂 山岡松子/芦名星 上野四郎兵衛/相島一之 渡辺助太夫/田口浩正 萩谷伝之進/岡田浩暉 臼井清/濱田万葉 大木/温水洋一 臼井つゆ/井村空美 臼井儀左衛門/平井成 山岡英子/松原智恵子 吉田悟助/石橋蓮司 上野あき/栗田よう子 臼井冬/石井トミコ 中田/桑原和生 六郎(幼少期)/桑代貴明 なか(幼少期)/浅見姫香 守衛/福本清三 秋月家用人/峰蘭太郎 臼井亘理/豊原功補 中江正嗣/吉岡秀隆 山岡鉄舟/北大路欣也

脚本/後藤法子、源孝志
音楽/溝口肇
擬斗/清家三彦

取材協力/秋月郷土資料館

撮影協力/東映太秦映画村、随心院、妙心寺、聖母女学院、大覚寺、愛善みずほ会、滋賀大学、平安女学院、日本ラインフィルムコミッション、滋賀ロケーションオフィス、京都市フィルムオフィス、龍谷大学、明治村

∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵

 あまりに酷い、両親の死に様を見た少年の心は凍てつく。仇討ちが禁じられようと、侍そのものが無くなろうと、世情をよそに彼の暗い意思はひたすら親を殺した男たちを追いつづけるのだった。

聖母女学院藤森キャンパス

ロケ地

  • 慶応4年5月、執政である六郎の父が帰国するシーン、九州・秋月藩領の山道、不明(植林杉の林道、レンブラント光が美しい)。城下を遠望するピークは谷山林道、分岐道を入ったところ。見下ろす里は合成か。
  • 臼井邸、民家中庭ほか(中門、母屋?)。室内はセット撮り、後段亘理の首が投げ入れられるシーンでは、座敷から見た塀が映っている。
  • 干城隊が集結する夜の秋月八幡宮、鳥居本八幡宮。舞殿前に篝火を焚き、家老から届けられた斬奸状を掲げるシーンは本殿前。このあと臼井邸へ殺到。
  • 臼井夫婦が斬殺された翌朝、急を聞き駆けつけてくる親戚一同、民家南塀際。
  • 下手人の遺留品を携え訴えて出る秋月藩庁、毘沙門堂薬医門。衛士あしらい、木の根方ナメて石段と門を望むアングル。
  • 明治5年、真剣を抜いて型をつかう一瀬を凝視する六郎、鳥居本八幡宮。一瀬は舞殿上に。この時点で六郎役は藤原竜也にチェンジ、髪は総髪。
  • 訪ねてきた伯父・上野四郎兵衛と家を出て話す六郎、摩気神社本殿裏手。自分は忌まわしい地を捨てて東京へ出る、遺恨を忘れよという伯父に仇討ちの遺志を述べるくだり、木漏れ日が美しい。
  • 太政官の役人になるという一瀬、その旅立ちを狙うも、怖じて果たせず逃げ帰る六郎、不明(竹まじり雑木林に巨岩露出のアレ)
  • 明治7年、小学校の代用教員をしている六郎が下校するくだり、摩気神社境内・社務所門。このあと、仇の一人・萩谷と遭遇するが、相手は西郷発つの知らせに行ってしまう道、摩気神社裏手・谷地田の土手。
  • 明治9年10月、秋月の乱、不明(山中、巨杉の林間)。参加していた不平士族・萩原は傷ついた朋輩に乞われ止めをさしたあと、一人逃走。
  • 明治9年・東京、上京した六郎がゆくま街路、不明(赤煉瓦の蔵や立派なホールのエントランスなど)。一瀬の消息を尋ねる役所、外観イメージは聖母女学院・藤森キャンパス本館(赤煉瓦の広壮な二階建て)。衛士に話を聞く、建物内の階段下も同所か。
  • 町歩きの最中、たまたま竹刀の音を聞いた六郎が訪ねる道場、随心院長屋門と周辺。あとでここが山岡鉄舟の道場・春風館と知れ、以降住み込むことに。
  • なかからの文で一瀬が司法省の役人になったと知る六郎、様子を窺いに行くシーンは聖母女学院藤森キャンパス本館、フェンス越し(見返りの絵、六郎の背後に見える、窓がたくさんある白い洋館は不明)
  • 明治10年、愛知裁判所、明治村か(瀟洒なバルコニーのある白い洋館、室内もロケと思われる)。西南戦争について話す判事・中江と、同僚である一瀬のくだり。中江を自邸へ夕飯に誘う一瀬、屋敷イメージは上賀茂社家町(夜景、左岸に灯篭あしらい、瀬音も演出)。室内はセット撮り。
  • なかが就職する福岡県庁、滋賀大学経済学部講堂(頂きにドームを持つ二階建て、手前の門はあしらいものか)。給仕として働くなかのシーンもロケと思われる(古風な廊下、給湯室)
  • 師に必殺の間合いを教示されたあと、道場を去り仇を求め彷徨い歩く六郎、雨の中様子を窺う白い洋館のエントランス、不明。他日見て回る街路、不明(木造の洋館の裏手、段差あり。上がると白い大きな洋館がある)。この間、なかが妾奉公して資金援助。
  • なかの情報で一瀬を求めて赴く甲府裁判所、不明(白い広壮な玄関、木の枠が印象的。入ってすぐ階段がある)。行き違いになり、六郎が迫っていることを一瀬に知られてしまうくだり。
  • 明治13年、遂に一瀬の姿を確認する六郎、一瀬が出てくる東京上等裁判所、龍谷大学大宮キャンパス
  • 帰宅する一瀬を尾行する六郎、疏水分線付近。以降も登場する一瀬邸と周辺は、大豊神社御旅所や前の橋、橋を渡ったところの右岸側の邸宅などを使って撮られている。
  • 一瀬が現れると知らせてきたなかの文を受け、黒田の殿様の屋敷へ赴く六郎、門前へ出てくる路地の表現は妙心寺寿聖院、秋月邸は天祥院門。室内もロケと思われるが不明(座敷には古いタイプのガラスの建具、一瀬を討ち取る裏口?は重厚な作りの「台所」)
  • 六郎の公判が行われる東京上等裁判所、龍谷大学大宮キャンパス(前の石畳に人待ちの人力車あしらい)。松子が裁判を傍聴させよと守衛(福ちゃん、台詞あり)に詰め寄るシーンは、カメラ建物内から。その後同じ目的で来たなかと遭遇、そこを離れて二人が話す水辺は大覚寺放生池堤(紅葉)
  • 結審後、中江に謝辞を述べる鉄舟、不明(階段が三方から来ているホール)
  • 明治14年、終身刑で六郎が収監される東京集治監、明治村金沢監獄正門
  • 恩赦で出獄、萩谷の縊死を見たあと故郷へ戻る六郎、道中の山道は保津峡落合崖道〜落下岩。「形見」の短刀を投げ捨て歔欷する渓谷は保津峡(左岸側巌)。このあと冒頭に出たのと同じ山道や城下の路地が出て「生家」←なかと再会。

疏水分線


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ