キャスト 「かまいたち」と異名をとった女医の鳴滝忍、鏡研ぎを生業とする惣太は市井に暮らすが元は凄腕の渡し人、忍の長屋に住む隣人の大吉が加わり、渡し人稼業に舞い戻る。大吉は怪力系、出陣の際には砂の入った樽で鍛錬してから出かける。殺しの際はレントゲンが映る。惣太は手鏡に仕込んだ針で仕掛け、出陣前に念入りに研ぐのが決まり。忍の得物は水晶の指輪、これで相手の喉元を切り裂く。出陣に際し斎戒沐浴し、人体模型に嵌めてある指輪をとり赴く。 第1話「涼みの夜に渡します」1983.7.8 「渡し」チームが結成される経緯を描く重い「起こり」の一話。 ロケ地 第2話「秘密の宴で渡します」1983.7.15 夫婦交換会なる怪しげな集りを主宰する札差が二組、町の評判を聞き青い悩みを抱える渡し人・惣太と大吉は釣り込まれそうになる。あまりの淫靡さに逃げ帰る渡しチーム夫婦たち。得意先からの依頼断れず参加の担ぎ呉服屋の夫婦が破綻寸前に追いやられ、悩んだ挙句断りに行った先で密殺されるのに行き合わせ恨みの渡しを依頼される惣太。涼みの遊びと洒落こむ札差たちを始末。 ロケ地 第3話「大元締の前で渡します」1983.7.22 辛い記憶を取り戻してしまうお沢の話と、上方からさらわれた女の怨嗟を晴らすべく出てくる大元締の依頼が重ねて語られ、仕事をお沢に見られたことでの始末が描かれる一話。西崎みどりがこうした形でチーム入りするのは仕舞人と同様。 ロケ地 第4話「花火の夜に渡します」1983.7.29 花火を恐れ、誰かが見ていると怯える沢、不安定な心情が描かれる。しかし幻想ではなく危機が迫る。花火の夜拉致される沢、背景には花火師・玉屋の職人の主家乗っ取りの陰謀。沢は奉公先でその職人・与吉が火薬を爆発させるのを目撃していたのだった。 ロケ地 第5話「矢切の渡しで渡します」1983.8.5 家出娘が江戸へ行くのに必ず通らねばならぬ矢切の渡し、きっちりチンピラに引っ掛かる秩父から出て来た宿無し娘たち。女郎に仕立てるため飲まされたヤクで一人はオーバードーズで死亡、残る一人は逃げ出し忍のもとに保護されるも飛び出してしまい、結局捕まる。大吉がポン引きに十五六のいい女がと聞き、確かめに行った時には既に少女はいっぱしの女郎に仕立て上げられていた。その後少女は入水を企て付いていたチンピラに刺されてしまう。その直前銀平を通じお沢に託された渡し人への依頼状と小銭。背後にいた抜け荷で麻薬を扱う岡っ引と回船問屋に改役を矢切の渡しに浮かべた屋形船に襲う渡しチーム。 ロケ地 第6話「精霊流しに渡します」1983.8.12 惣太が美人局にかかったことから当のお甲・音松夫婦の家へ乗り込むお直、そこで彼らの事情を聞いてしまい同情しきり。しかし音松はヤクザの一家に入ってしまい、抜き差しならぬ深間にはまってゆく。親分にいいところを見せようと張り切る音松だが、美人局のセレクト誤り相手は彫り物したヤクザで返り討ち。お直の説得などあり足を洗おうとした夫婦は一家とグルの町方に仲間割れの喧嘩を装い始末されてしまう。二人の死体の前で殺されたと口走るお直にヤクザの手が伸び、お甲が忍に預けた小銭が渡し料として置かれる。 ロケ地 第7話「お化け屋敷で渡します」1983.8.19 両国のお化け屋敷で失踪するお直の幼馴染み・お妙。夫の伊助は半狂乱で探し回るが杳として知れず。小屋の座頭も知らぬと言い、調べに来た役人も自ら消えたものと決めつける。この小屋がとんだ食わせ物で座頭の妹は大奥のお局、役者買いに飽きたその局の慰み者を供給するほかさらった女を女郎屋に売り飛ばすという悪行を繰り返していた。そのうち女郎屋に売られたお妙は耐え切れず自ら縊れ、その死を噂で聞いた伊助は小屋に乱入し出刃を振り回すが敢無く返り討ちに遭い井戸に投げ込まれてしまう。そして伊助から惣太に託されていた金が渡し料として置かれる。 ロケ地 第8話「祭り囃子で渡します」1983.9.2 渡し人たちに罠が仕掛けられる一話。以前に惣太が渡しを請け負ったことのある薄幸そうな女が再度の渡しを依頼するが、これが盗賊・暗闇の喜平次の仕込み、女の肌についていた折檻されたと称する傷はSM趣味でついたもの。喜平次の目的は渡し人に殺された兄の仇討ちと、盗みの罪を彼らに着せること。女が渡し料として託した櫛は喜平次が初仕事の際金と一緒に小間物屋から奪ったもので、これが人の手から手へ渡る紆余曲折が話の柱となる。 ロケ地 第9話「無縁墓地で渡します」1983.9.9 スパルタ教育の私塾・赤松道場、武家の親たちは跡取りの鍛錬と競って息子を送り込む。塾長と密通の旗本・萩原の後妻は腹を痛めた実子に跡を継がせるため道場へ長男を送り込み謀殺させる。さすがに息子の死に不審を抱いた萩原は奉行所に訴えようとするがこれも密殺されてしまう。関わった萩原の息子に香華を手向けようと来ていた大吉に、瀕死の萩原から渡し料が託される。 ロケ地 第10話「湯女風呂で渡します」1989.9.16 上方の元締から入った「渡し」のターゲットは大吉の幼馴染だった。調べてから、と猶予を願い出る大吉だが、迫る日数にいらつきお沢をスパイと思い込んだりする。しかし忍が診ていた患者の息子夫婦が借金のためその男の嬲り者になりのちに心中、ケジメを迫られ渡し料は置かれる。 ロケ地 第11話「浮世絵の舞台で渡します」1983.9.23 得心のゆく画を描きたいと精進する絵師、それをけなげに支える妻。惣太らと同じ貧乏長屋に住み、ささやかに生きる二人に変態目付夫婦の魔手が忍び寄る。絵師がむかし勉強のためにと描いた春画「色暦」を職権乱用し入手する目付だが、八月の欠落が惜しく絵師に描かせる運びとなり、目付に輪をかけて好色な奥方が鬼くさい仕掛けを思いつく。それは絵師の妻をモデルとすることであった。 ロケ地 第12話「二人がかりで渡します」1983.10.7 忍の手術で死の淵から生還した大野屋だが、身代を狙う弟夫婦に謀殺されてしまう。この際両親の殺害現場を目撃した幼い娘は失語症に陥り、その後これも密殺され、弟夫婦に疑いを持っていた番頭は奸計に陥ち罪に落とされる。引かれてゆく際惣太に投げた視線を依頼とし、大野屋夫婦が治療代とは別に置いていった心尽くしの金子が渡し料となる。 ロケ地 第13話「秋雨の中で渡します」1983.10.14 大奥へ上がることとなった大黒屋の娘、これと関係のあった男が次々と消される。忍の患者で、やっと子を授かったと喜んでいた夫婦も惨殺される。 ロケ地 |