1973年、NET/東映
キャスト
天下太平/近衛十四郎 御坊のお仙/加茂さくら うづ巻の勘太/佐々木剛
ナレーター/平井道子、松田明
第1話 「さくらの花が咲く頃に」 1973.4.5
ツケをためてトンズラこいた太平のダンナは旅の空、借金を取り立てに追ってくる芸妓と、へっぽこ旅がらすと、珍道中はじまりのお話。
とある城下に立ち寄ったダンナは、幼女を斬ろうとしていた侍を見咎め、事件に関わってゆく。悪いのはまるっと成敗されるが、当てにしていた報酬はもちろん貰えずトホホ、ゲットした別口は哀れな母子にまいてしまい、結局文無しのダンナなのだった。
ロケ地
- お城出入りの実直な商人・備前屋が雇われ浪人に暗殺される夜の橋、日吉大社二宮橋。
- 大槻伝四郎に金を持ってこさせる約束の場所、日吉大社東本宮境内。高低差をうまく用い、ダイナミックな絵になっている。
- 事後、備前屋の娘と番頭がダンナに寸志を渡す坂、日吉大社宇佐宮下石段。
ゲスト
西国屋/稲葉義男 居酒屋亭主/遠藤辰雄 染香/藤江リカ 志津/松谷紀代 吉辺/佐藤京一 儀兵ヱ/岩田直二 職人/神戸瓢介 大槻伝四郎/葉山良二
脚本/結束信二 監督/荒井岱志
第2話 「ここは江戸から何十里」 1973.4.12
とうてい悪人には見えない、貧相な浪人に頼られてしまうダンナ。しかし手伝う「仕事」は物騒なので、斬る相手を自分の目で判断しにゆくと、仕置きせねばならぬ悪家老なぞ存在しないのだった。
ロケ地
- 城下へ通じる街道、不明(丘陵地の田んぼ道、開発前の亀岡か)。ラストシーンも同所。
- 城代家老の屋敷、相国寺大光明寺。屋敷から出てきたお仙とダンナたちがばったり会うシーンは湯屋角。
- 家老を斬ったと称し、暗殺依頼者を連れてこさせる鎮守、鳥居本八幡宮。蓆をのせた「家老の死体」は鳥居前に置かれていて、悪事暴露ののち大立ち回りは舞殿、広場、石段などで展開される。お仙が駆けてくるのは小柴垣道から。
ゲスト
おみよ/菊容子 田川主水/富田浩太郎 小山田左内/木田三千雄 吉辺/千葉敏郎 市太郎/山田秀樹 大山伝内/左右田一平
脚本/結束信二 監督/井沢雅彦
※伝内が仕事の内容を打ち明けようとすると、しつこく邪魔が入るベタなお笑いあり。緊縮財政を敷く城代家老は、江戸で「鴨奴」の馴染みだった元江戸家老の田ぁさん。
第3話 「金の亡者を笑う鬼」 1973.4.19
ダンナに用心棒の口をかけたのは、皆が嫌う因業金貸しの婆。辟易しつつ守ってやるダンナだが、金のありかも言わぬではやりようも無し。しかも、とんだ虫も一匹引きずり込んでいるのだった。
ロケ地
- おとく婆に薪ざっぽで殴られた勘太、水で頭を冷やすところへお仙が来て声をかける町角、赤山禅院池端。里人が婆の倅に事態を告げているのを見るシーンは、延命地蔵前。
- 用心棒を求めて窮したおとく婆が地団駄を踏む町角、赤山禅院参道石段(石灯篭が映り込み、赤山大明神の「赤」という字が見えている)。通りがかりの御用途中の侍たちを呼び止めて縋り、怒らせて突き飛ばされる街道筋は参道。
- おとく婆が住む寺(亡き住職からカタにとって住まいするもの)、神光院。山門まわり(駐車場付近には目隠しあしらい)、中興堂(珍しい東側側面も映る)、回廊、本堂階など各所を使用、夜間撮影もあり。
- 盗賊・天狗連一味の男が、かしらとツナギをとる神社、赤山禅院本殿。かしらは中から声がするだけで、この時点では姿を見せず。
- 天狗連一味が金を船に積み込む現場、広沢池東岸。汀に船小屋あしらい。
ゲスト
赤沼玄蕃/人見明 清吉/二瓶秀雄 徳兵ヱ/中村錦司 おとく/野村昭子
脚本/森田新 監督/荒井岱志
※勘太が婆に殴られたのは腕試し、ダンナもやられるが躱す。清吉は婆の倅、縁切りは反省を促すため。
第4話 「山のお寺の怖い鐘」 1973.4.26
とある宿場町で、嫌々ながらヤクザの抗争に関わるダンナ。女だてらに仁義を通すのも、お忍びで来る大親分も気に食わないが、セコい悪党に嵌められるとあっては、放っておけるはずもないのであった。
ロケ地
- ダンナが投宿する寺、西壽寺。導入は南東方向からの外観、かなりの遠景。ダンナは鐘楼で鐘を撞いている。石塔も映り込んでいる。和尚と話していると、お蝶がお参りに来て、墓地も映る。
- ダンナを探し街道をゆくお仙たち、不明(山道)。寺から帰りのお蝶と行き会うシーン(勘太はお蝶と旧知で、そのまま羽衣一家へ)。
- 羽衣一家が里人の入会地にしてある天神山、不明(山中)。
- 福田屋の大親分とお蝶たちが、鳴神一家に殺されかかる野原、酒屋神社広場。碑や摂社鳥居、本殿石積の端っこや、参道付近の石灯籠など映り込む。
- 堅気になるため旅立つお蝶、天神山から聞こえる太鼓の音に振り返る道、不明(薄の地道、池端か)。
- お仙が団子食って腹痛を起こす茶店、それを横目で見てゆくダンナ、不明(谷地田沿い田畔か、竹林が見える。溜池や小屋のある例の情景も)。
ゲスト
福田屋英五郎/村上冬樹 鳴神の五郎兵ヱ/高品格 和尚/明石潮 由松/土屋晴雄 羽衣お蝶/三条泰子
脚本/迫間健 監督/井沢雅彦
第5話 「額に汗して空財布」 1973.5.3
お仙の根回しで引き受けた人斬り仕事だが、行ってみると斬れる相手ではなく、その場で雇い主を裏切るダンナ。事はお家騒動がらみ、ヤクザとつるみ私腹を肥やす悪党どもを血祭りにあげ、新しい愛の成就をみて一行は去ってゆく。
ロケ地
- 江戸へ七十三里の街道をゆくダンナ、防賀川源流部の三ッ池堤か。
- ヤクザに追われる若侍から財布を預けられてしまうダンナ、酒屋神社広場。本殿の石積み、摂社の祠、碑が映り込む。
- 「仕事」で三浦鉄之助を斬りにゆく八幡宮、大覚寺五社明神(夜)。後段、人質交換に指定される際は昼間、材木奉行一味は本殿から出てきて、大立ち回りは舞殿まわり、背景に大沢池も映っている。
- 事後、殿様のお国入りを見て旅立つダンナたち、行列がゆく街道は不明(丘の裾の田畔、人数等大層なのでバンクフィルムと思われる)、ダンナたちがいる「丘の上の街道」は大覚寺大沢池堤(導入は見上げ、法面に幼松)。
ゲスト
竜神の為五郎/桑山正一 笈川十太夫/原健策 藤井軍兵ヱ/戸上城太郎 三浦鉄之助/坂口徹 寅吉/玉生司朗 あや/亀井光代
脚本/飛鳥ひろし 監督/井沢雅彦
※若侍・鉄之助は、亡き友の意思を継いで材木奉行の不正を暴くための書付を所持、これがダンナに託される運び。友の妻は彼に思いを寄せ、ダンナの働きで亡夫の仇を討ったあと恋は成就。
※お仙のもとに江戸の女将から催促が来て、ダンナに稼がせるため用心棒の口を求める次第。
※お仙を拉致し監禁する、奉行の家来に福ちゃん。
第6話 「空にきらきら金の星」 1973.5.10
とある城下町、江戸ふうおでんを食べ損ねるダンナ。その屋台を出していた青年がとんだ騒動に巻き込まれ、牢にぶち込まれるのを見過ごしにする筈もなし。悪党成敗の見返りに、大枚ゲットと見えて夢なのも、いつもの通りなのだった。
ロケ地
- 渡世人・銀次郎に強要された清吉が、権藤浪人を呼び出して連れてゆく八幡、鳥居本八幡宮。広場に蓆掛けの茶店しつらえ。通りかかって権藤の死体を見つける勘太は、小柴垣沿いをやって来る。
- 千両箱を運んできて仲間を待つ伝五郎、大覚寺護摩堂。箱は縁先に置いてある。
- 城下の宿を出て街道筋の茶店で餅を食うお仙、北嵯峨農地竹林際・大石積んであるところ。銀次郎たちが通りかかるのを見た勘太が後をつけてゆき、直後に彼らを捜しに出ていたダンナが通りかかる。
- 銀次郎たちをのしたあと、ついでにとっちめた賭場の貸元に金箱を掘らせるダンナ、大覚寺護摩堂脇。「盗金」を目明しが持ち去ったあと、ダンナは放生池堤をひとり去ってゆく。
ゲスト
虎造/富田仲次郎 おゆう/川島育恵 清吉/花上晃 権藤源八/五味竜太郎 茜の半蔵/西山辰夫 伝五郎/国田栄弥 酒肆親爺/北見唯一 弥五郎/森章二 銀次郎/長谷川明男
脚本/結束信二 監督/井沢雅彦
※江戸ふうおでんと燗酒にフラれたダンナ、これ幸いと見つけて入った酒肆がはずれでお気の毒。出されたのがくそまずい「関西ふうおでん」とヌル燗、北見唯一の親爺の接客もアレで笑える。
第7話 「往きはよいよい怖い道」 1973.5.17
いやな感じを嗅ぎ取ったダンナの勘は的中、懐に密書を持った者が狙われる物騒な事態に。終盤まで筋の見えぬやきもき展開は、ダメ男とがちゃがちゃ女房の泣き笑いでめでたく締められる。
ロケ地
- 通りかかって亀吉夫婦の大喧嘩を見かけるダンナ、田舎家はありものか。
- 家を追い出された亀吉を追ってきて、「就職斡旋の添書」を渡す弥助(弥次郎の兄)と茂八(小峰さん)、亀岡・宮前町の田畔。奥に天王神社の鳥居が見える。
- お仙が山田村へ向かう道、不明(砂がちの浅川に欄干の無い小橋、その後の道は水溜りの多い野道)。橋たもとや、道端の仏のそばに怪しの浪人がたむろしていて、お仙をじろじろ見る。
- 勘太が村人に腕試しされたあと、頼みごとをされる野道、先に出た宮前町の田畔。
- 雲水が寺から出てくるのを、監視するようにじろじろ見る浪人、浄念寺。雲水は参道石段をおりてくる。石段や石垣に映っている植え込みは今は無い。鐘の音演出で寺設定。
- 雲水が行く道の下にお仙がいてクロスのくだり、天王神社前の地道。お仙は道端に蹲っていて、村の名を彫った碑が演出されている。雲水が去ったあと、溜池の方から勘太が上がってくる(村人に祭り上げられて舞い上がり中)。
- 浪人が三人集まり、事態を報告し合う神社、天王神社。境内も使い、下の道をやって来たダンナとお仙を見下ろすシーンも。
- 勘太が休む路傍の茶店、不明。ダンナたちがやって来て、勘太が行ったあと亀吉が現れる寸法。茶店の屋根が瓦なので、一部ありものかも。
- 亀吉がおむつを洗う川、本梅川(ダンナが土手から声をかける、その背後に半国山に連なる山並み。水は湛水、位置は若森廃橋付近と思われる)。
- 勘太が浪人たちに襲われるくだり、不明(田畔の野道、砂がちの浅川、林脇の野道など)。なんとか逃れた勘太がダンナに泣きつく道、松林際の野道。
- 託された訴状の正体がへのへのもへじで、自分は囮だったと知った勘太、わざと浪人たちにそれを見せて厄払いのくだり、不明(酒屋神社広場に似る←石積や祠)。それをダンナに報告するシーンは大覚寺天神島祠(見返りのショットには鳥居越しに大沢池堤も映っているが、並木が少ない)。
- ダンナと別れて就職先の村へ向かう亀吉、名主と浪人たちに囲まれて危機一髪の鎮守は藪田神社。鳥居前を主に使い、四方を望む絵が出る。鳥居前から南望の絵(山裾の里を望む構図、フェンス等は無し)、鳥居越しに境内を見る図(舞殿はまだ萱葺き、チャンバラシーン)、亀吉女房が駆けおりてくるのは北の土手(遠景に「対岸」の民家が映り込んでいる)、ダンナたちが去ってゆく絵に参道東望の絵(銀杏の大木は葉を落としきっている)。
ゲスト
山田吾右ヱ門/見明凡太朗 荒/滝恵一 おたけ/小倉弥寿子 俵田/芦田鉄雄 藤岡/川浪公次郎 弥次郎/田中直行 亀吉/谷村昌彦
脚本/松村正温 監督/井沢雅彦
第8話 「夕焼け小焼けの子守唄」 1973.5.24
悪いことをする奴にきっちり辛辣な運命が、よい子にはちゃんとラッキーが降ってくる、お星様は見ているよという結束節。珍しく歌なんかも入っている。
ロケ地
- 太郎坊やが蛇に咬まれた藪、不明。
- ダンナが野宿するため入る荒れ寺、不明(石段の上にお堂?の扉)。先客の清吉は脅えてそそくさ立ち去り。
- 地回り・鬼五郎に殺しを依頼してきた伝吉、姐御が待つ茶店は小椋神社境内に設営。摂社や蔵、今宮神社へ続く参道坂などが使われる。
- 勘太が姐御一行をつけてゆく川べり、大宮川か。
- 勘太をやり過ごした一行、鬼五郎らが待っている鎮守は藪田神社。同刻、鬼五郎の乾分に追いかけられている清吉、薄原〜若森廃橋。逃げ込む小屋は橋近くのありものか(今度はダンナが先客で入っている)。
- 勘太とお仙が茶店にいると、金づる(清吉)をつかんだダンナが駕籠で通過してゆくシーン、小椋神社境内か(巨杉あり)。
- ダンナに権造の女郎屋で証文をまいてもらったおせつ、故郷をめざし駆けてゆく坂不明(基壇石積みの家並み、かなりな傾斜地)。お仙たちが土産を持たせようと追ってくる「見返り」のシーンでは、背景に日吉三橋に似た石橋が映っている。
ゲスト
熊蔵/山岡徹也 おえん/森秋子 清吉/和田一壮 おせつ/大木智子 権造/梅津栄 陣之助/丘路千 鬼五郎/小田部通麿 黒沼重太夫/北原義郎 伝吉/田口計
脚本/結束信二 監督/荒井岱志
※くらいこみ中の親分が熊蔵、伝吉は貸元で親分の女房の姐御とつるみ中。二人は、大店の番頭・清吉が大金を運ぶのを狙っている。
第9話 「山の彼方の悪を断つ」 1973.5.31
唐丸破りを仕掛ける少年を、放っておけないダンナたち。山奉行を殺したかどで城下に連行されてゆく親爺は、果たして冤罪。役人どもの汚い所行が明らかとなる。
ロケ地
- 唐丸がゆく街道、不明(棚田の地道。小休止の茶店で丘の上とわかる)。ラストシーンの街道も同所と思われる。
- 勘太が材木商・松崎屋を助ける道、不明(山腹の杣道)。
ゲスト
佐野伊左ヱ門/江見俊太郎 松崎屋儀助/五島雅博 作兵ヱ/寄山弘 千吉/小松陽太郎 氏原左門/守田学哉 石原源三郎/楠年明 お春/御影京子
脚本/森田新 監督/井沢雅彦
第10話 「はぐれ鴉の流れ唄」 1973.6.7
とある宿場町で、幼馴染と再会するダンナ。土地の親分にも一目置かれる渡世人になっていた男は、脛にたくさんの傷を負っているのだった。
ロケ地
- 橋が落ちていたため仮橋を渡りドボンのお仙、犬飼川下河原橋(橋は木橋で破損している。流れは浅川)。
- お仙が濡れた衣を乾かしてもらう茶店、不明(谷地田畔の地道)。
- 井熊の衆が、通りかかった銀次にアヤをつける道、不明(棚田の畔、石積みが見える。田んぼには積み藁、水路際に小屋)。
- 銀次が井熊一家に乗り込み、佐太郎を連れ出して父だと告白する、宿場はずれの神社、酒屋神社。鳥居、割拝殿、本殿前を使う。父子の会話を、ダンナは拝殿の陰で、井熊一家の男(平沢彰)は本殿石垣際で聞いている。
- ダンナを見送る銀次と佐太郎、不明(棚田の奥、山裾に里居。萱葺あり)。
ゲスト
流れ星の銀次/水島道太郎 井熊の助五郎/富田仲次郎 新田の惣兵ヱ/河村弘二 おかよ/京春上 儀十/鈴木康弘 佐太郎/目黒祐樹
脚本/森田新 監督/井沢雅彦
第11話 「鈴が鳴ります母恋い唄」 1973.6.14
馬子の少年と道連れになるダンナ、その子の出自には秘密があった。「瞼の母」が悪者に陥れられ危ないところへ、事情を知ったダンナが駆けつける。
何も食ってないダンナに、きつい鳥の突っ込みが降ってくる。
ロケ地
- 谷水を飲むダンナ、天神川支流若布谷河口の岩。
- 谷に馬子唄響き、正吉と馬がやって来る道、湖南アルプス(切通し)。怪しい浪人ばらも出る。
- 仕事中の正吉に土地のヤクザのことを聞く勘太、大覚寺大沢池堤。勘太は農地から上がってくる。海野宿の道標があしらわれている。
- 母の言いつけで和田村へ向かう正吉、腹を減らしてへたりこんでいたダンナと遭遇する道は大覚寺大沢池堤、この際は池が見えている(劇中、正吉と母は桜ヶ池近くに住むという設定が出てくる)。
- 正吉が和田村へ差し掛かる道、不明(坂道?)。
- ダンナが野宿するお堂、不明(行列が来るのを見張っていた設定)。同じ頃、正吉が彼方を見遣る峠、湖南アルプス。
- 事後、母の行列が行くのを見る正吉、 湖南アルプス(行列は別撮り、丘の裾を行くロングショット、バンクフィルムか)。その正吉を見守る三人も湖南アルプス、正吉のいる道は川沿いで、デ・レーケの堰堤に似た護岸もちらり。
ゲスト
桜井玄馬/外山高士 正吉/五島義秀 弥八/山村弘三 浅吉/杉山昌三九 後藤/有川正治 和尚/雲井三郎 田島/松田明 さわ/八木郷子 文吉/石沢健 浦辺/長谷川待子
脚本/西沢裕子 監督/小野登
第12話 「白い月夜の悪い夢」 1973.6.21
悪女に惚れ、お仙姐さんやダンナにさんざん説教されても、健気な妹に泣かれても懲りない、世間知らずで宇宙人のような男。悪妻のほうは報いが来てたいへんな目に遭うが、最後にほろりとさせて逝く。
ロケ地
- 女を運んだ駕籠屋を問い詰める勘太、不明(林の中の道、奥に建物。林の外にも建物)。
- 政造が売り飛ばす女たちを監禁してある小屋、琵琶湖岸。女衒が船をつける汀には、石積が見える。遠景には、エリや湖成三角州上の林が見える。小屋は有りものっぽい。
- ダンナたちが庄吉兄妹を見送る道、琵琶湖畔の田畦(片方はススキ原、河畔か)。
ゲスト
庄吉/石山律 阿野の政造/野口元夫 お花/小谷悦子 伊佐次/西田良 おゆう/青柳三枝子
脚本/松村正温 監督/井沢雅彦
第13話 「父ちゃんの土産は千両箱」 1973.6.28
強盗殺人事件に関わりあうダンナたち、妻子を顧みず義憤にかられ暴走した男を、ダンナと役人は阿吽の呼吸で見逃してやる。
前後にお調子者のごまのはえが現れ、懲らされたうえ奢らされて笑わせる。
ロケ地
- お仙に追われ逃げてきたごまのはえ・熊吉がダンナに縋る街道、御室霊場参道坂。
- 雲助にからまれて難儀していた海門源太郎の妻子を助けてやるダンナたち、仁和寺経蔵前。内儀はここで儚くなり、子を託す。
- 新八と源太郎が籠もる蔵、不明(ここへ至る坂が映っている。蔵は庇も立派な造り)。蔵の中から外を見る景色は、御室霊場(ダンナが子を連れてやってくる)。
- 新八らが逃げ回る山、湖南アルプス。尾根道や急斜面、切通しが使われる。尾根は、捕り方が連なって走るシーンでロングの印象的な絵が出る。
- 新八らが、まだ医者も連れたまま入り込む山小屋、鳥居本八幡宮広場に設営。逃げた新八が追っ手の卯月と対峙、斬られるシーンは小柴垣道。
- 子の手を引いて逃げる源太郎、保津峡落合落下岩。後で卯月が来るが、ダンナは「斬った」と伝える。
- 新八の卒塔婆に額づき、竹馬の友を斬った苦衷を語る卯月、湖南アルプス頂上付近。
- また熊吉と遭遇する街道、北嵯峨農地竹林際。例の、石がたくさん置いてある「辻」、かなりな量の石が積まれている。
ゲスト
村井道庵/河野秋武 大野新八/小林勝彦 卯月平馬/外山高士 粂/野口ふみえ 熊吉/大泉滉 三太郎/加賀爪芳和 三河屋/石浜祐次郎 海門源太郎/亀石征一郎
脚本/朝比奈峰 監督/荒井岱志
第14話 「雨降り花嫁さんどこへいく」 1973.7.5
仲人を頼み込まれてしまうダンナ、行ってみると嫁ぎ先では主が首吊り。他殺と看破したダンナは、行きがかり上乗り出して、怪しの新興宗教と対決することに。
悪党ばらはダンナに一掃され、晴れて祝言のカップルは、福の神のダンナに再び仲人を要請するのだった。
ロケ地
- 雲助の喧嘩に介入するダンナ、小幡神社舞殿前、脇参道。この采配を見ていた商人が、娘・おみのの仲人を頼んでくる。
- 婿の清治郎たちが連れ込まれている、怪しの新興宗教・日光末法教本山、常寂光寺。仁王門や参道石段を使う。お仙らが潜入の際遭遇した、手代密殺のくだりで映る石段や、樋から落ちる「滝」は不明。
ゲスト
清治郎/和田一壮 おみの/鷲尾真知子 日光尊/近江輝子 月光/山岡徹也 七兵衛/原健策
脚本/松村正温 監督/佐々木康
※福ちゃん二態、冒頭の駕籠舁きと、ラス立ちの用心棒の浪人。
第15話 「めんない千鳥が惚れた女」 1973.7.12
人違いで按摩の恋人にされかけるお仙、もちろん誤解なのだが、袖にされたと思い込んだ按摩は死ぬの吊るのと大騒ぎ。そんな取り込み中に、怪しの男どもが押しかけて、前の住人のことを根掘り葉掘り。そやつらこそ、城下を不穏な状況に陥れた御金蔵破り一味なのだった。
ロケ地
- ダンナが茶店で茶を啜っていると、行商女の荷物を持ってやっているお仙が来る街道筋、北嵯峨農地竹林際。茶店は、道隈の石の置いてあるところに設営。
- 勘太が道端にいた渡世人に人違いされる街道、不明(溜池汀、松林沿い。汀の砂は白い)。
- 富の市の回想、三年前漁師に因縁をつけられ暴行を受けた銚子の町はずれ、広沢池東岸。汀に漁具あしらい。ここで盲目に。
- ごろつきどもが伝蔵兄貴と合流する祠、不明。
- お仙を人質にとられ、掛軸を持ってダンナが出向く城下はずれの森、不明(林の中の野原?)。
- 掛軸に記されていた、賊が金を隠していた辻堂、大覚寺護摩堂。はじめ、絵に描かれていたのと同じアングルで裏が映る。役人が中から金箱を運び出すのを見ていると、行商女が現れて富の市と運命の再会を果たすのは石仏前。鳥の声に従いそそくさとその場を去るダンナ、放生池堤。
ゲスト
伝造/今井健二 仙次/唐沢民賢 行商の女/松島和子 富の市/多々良純
脚本/森田新 監督/井沢雅彦
第16話 「子を取ろ子取ろの悪の里」 1973.7.19
幼児誘拐犯に間違えられてお冠のダンナとお仙、しかし事が事なので子捜しには協力。出てきたのは常から悪辣と評判のヤクザ、富商から大金を毟る手立てに、いたいけな坊を取り込んでいた。
ロケ地
- お仙をまいて上機嫌で街道を来るダンナ、本梅川畔・若森の里。道は若森廃橋の北の田畔で、道隈に茶店しつらえ。里の家や、橋も遠景にちらりと映り込む。
- お仙に見つかり引っ張っていかれるダンナ、藪田神社参道。鳥居前で村人に子さらいとして取り囲まれ、抜くもならず追い詰められ境内〜本殿へ。中へ入り込み心張り棒をかうが、助っ人で勘太が来てひとしきりお笑いのあと誤解は解ける。
- ダンナとお仙が犯人と証言した男が殺されて見つかる河原、犬飼川下河原橋下河川敷。橋は落ちていて、両側に残骸が残っている状況。
- 怪しの証言者が消されたことも知らず、山中を探し回る勘太、平和台公園。導入は、斜面を上がってきた勘太が鶯橋上で思案していると、北側の坂から子をおぶったいかにも怪しい渡世人が来て言い争いとなる。その後勘太が追い立てられるシーンでは、中山池汀なども出てくる。
ゲスト
おかね/高森和子 大和屋/増田順司 伝蔵/幸田宗丸 伍作/谷川昌彦 三本松の伊助/柳沢真一
脚本/森田新 監督/荒井岱志
※伝蔵一家の用心棒に阿波地大輔、同じく手下に西田良。
第17話 「晴れたら金の鈴鳴らそ」 1973.7.26
勘太たちは健気な坊と知り合って、ダンナは訳ありげな夜鷹を見て、それぞれ阿漕なヤクザに苦しめられる一家と関わってゆく。この動きに気弱だった目明しも加わり、悪いのがそっくり成敗されたあとは、みんなメデタシの爽快な結末。
ロケなしセット撮り
ゲスト
山谷の多三郎/藤岡重慶 喜兵ヱ/森健二 吉次/柳生博 幻の伝造/汐路章 大熊 浜伸二 常/滝譲二 松吉/山瀬洋 喜一/佐野伸義 お絹/小畠絹子
脚本/森田新 監督/小野登
第18話 「本物偽物三度笠」 1973.8.2
勘太のニセモノが出没し賭場で荒稼ぎ、正体は代官とヤクザに虐げられた百姓の青年。幼馴染の目を治そうと、ヤバい橋を渡る青年に感激した勘太は助っ人志願。そもそもダンナが代官とその一味に怒り心頭なので、悪党の行く末は知れているのだった。
ロケ地
- 村の入口の街道筋、不明。切通しから出たところが緩い坂、一本道は山裾の集落に続いていて、両側は田んぼで棚田。また、切通しの裾には石積あり、龕があって石仏が祀られている。用心棒シリーズなどで頻出のアレ。このお話では、いろんなアングルで各所が詳細に映っている。お千代の家も棚田にありこの付近と目される。事後、有り金そっくりあげてしまったダンナたちが腹を減らして歩く街道も谷地田沿いの地道、これも近くにあると思われる。
ゲスト
吉五郎/高品格 服部修理/江見俊太郎 お千代/川島育恵 黒馬の伝造/阿波地大輔 大沼陣内/千葉敏郎 白狐の丑松/秋山勝俊 お松/新屋英子 伊坂兵衛/浜田雄史 赤不動の岩吉/森章二 源八/高並功 親爺/熊谷武 青蛙の権太/岩尾正隆 弥市/長谷川明男
脚本/飛鳥ひろし 監督/松尾正武
第19話 「黒い風吹く城下町」 1973.8.9
とある小藩の城下、勘定方の若侍が三人も横死したり、親無し子があふれたりしている裏には、とんだ大ねずみ。
太平ダンナの活躍で悪は懲らされ、子らの感謝の声が響くのだった。
ロケ地
- 腹を減らした親無し子を見る山道、不明。このあと勘太と遭遇する峠も不明。
- 勘太の軽口で試合うはめになる町道場、民家長屋門。セット併用。
- ダンナを道場へ置き去りにしたとお冠のお仙が勘太に詰め寄る町角、相国寺弁天社。前を笹部と井上が通り、どこかで見た顔?とお仙。
- ダンナが重職に滞在を勧められた、町はずれの源光寺、一様院。山門を入ると、前庭に死屍累々。その後、一夜を明かして出てくるシーンでは本堂が映る。
- 重職の三宅の屋敷、相国寺大光明寺。出入りの際、方丈塀や湯屋角など映る。
- 笹部が井上を始末しに連れ出す野原、不明。ダンナが出て笹部とチャンバラ。
- 当地を発つダンナ、背後から襲う井上を仕留めるのは冒頭と同じ山道。
- さっさと行ってしまったダンナを追って街道を来るお仙、不明(溜池端の土手か)。
ゲスト
笹部伊織/亀石征一郎 三宅作左ヱ門/永井秀明 辰五郎/谷口完 井上軍八/五味竜太郎 長松/加賀爪芳和 由美/中田喜子 立花曲軒/永野達雄 おかよ/那智映美 富田兵馬/河原崎健三
脚本/迫間健 監督/井沢雅彦
※笹部はお仙の店で50両踏み倒しの借金王「サーさん」。少禄のくせに正宗持ってたりする。
※井上を仕留めるシーンはトリッキーでかっこいいが、鳥に即キザとか突っ込まれている。
第20話 「からすなぜなく遠い空」 1973.8.16
怪しいやつをつけた勘太、若い女が埋められているのを発見、しかもその仏が息を吹き返しギャー。しかし別段の不思議はなく、出てきたのは女工哀史。殺したくもない男を斬ってしまったぶん、ダンナの怒りは深い。
ロケ地
- 深更、裏戸から白布に包んだ怪しの「荷物」を運び出す男たち、途中通る水辺、不明(水門あり)。持って入る荒れ寺、不明(前に鏝仕事を施した狭間を見せた造り、画面奥は林)。
- お仙が訪ねてゆくおちよの実家(武州田中村)、萱葺民家か。
- 墓地から姿を消したおちよが機織をして働いていた農家、イメージは藪田神社社叢(遠景、大銀杏がみごとに黄葉。半国山の山並みからパン)。
ゲスト
熊五郎/福山象三 弥十郎/上野山功一 彦兵ヱ/永野達雄 岩松/畠山麦 おちよ/梶三和子
※弥十郎は劇中呼称寺沼弥八郎、一本筋の通った凄腕の浪人で熊五郎の食客。
脚本/松村正温 監督/井沢雅彦
第21話 「親星子星の見る夢は…」 1973.8.23
十五年ぶりの友に出会うダンナ、しかし道場まで開いていた剣士は病み、悪党の群れに身を投じていた。
遺された娘が気丈に振舞うのが救いの、やるせないお話。
ロケ地
- 上州屋の使いが斬られる街道、藤ヶ崎龍神境内琵琶湖岸。島影や岬、河口州が映り込む。参道を街道に見立ててあり、お仙やダンナが「通りかかる」。
- お仙が託された手紙を持て余し結びにゆく神社、不明(巨木あり、拝殿を入るとステップあり)。後段、佐野を説得する段でも出る。
- 抜け荷買いの取引がなされる予定だった、船井宿はずれの墓地、不明(立地は丘の上、古びた墓石が見える。小さな池もある)。
ゲスト
美代/小野恵子 伝次/国一太郎 安五郎/阿波地大輔 上州屋/西山嘉孝 川辺の政吉/古川ロック 笛造/徳田実 佐野大三郎/水島道太郎
脚本/森田新 監督/井沢雅彦
※宿場名は、件の手紙に書かれている。具体的設定は不明。
第22話 「日暮れの道は遠い空」 1973.8.30
道に迷って入り込んだ野中の一軒家、妙に勘太をもてなす老婆に下心あり。どたばた喜劇は、凶悪な一団の闖入で水入りとなる。
ロケ地
- 道標がいい加減で道に迷う道隈、不明(大きな溜池あり、道は土手か)。このあと、細い山道に。
- お熊婆さんの家、不明(山中に小屋を設営)。
ゲスト
氷川弥平次/北原義郎 おみの/菊容子 仁造/梅津栄 辰/江幡高志 銀次/西田良 お熊/桜むつ子
脚本/小滝光郎 監督/井沢雅彦
※役人が追う凶悪犯は、牢破り一味。凶賊に殺し屋に辻斬りと取り揃え、爆薬抱えた物騒なのもいるがブツはにせもの。
第23話 「あの町、この町影法師」 1973.9.6
勘太が思わず助けた首縊りは、甲斐もなく遂に吊る。おかしな因果あるを覚ったダンナたちは、欲深い外道どもを薙ぎ払うのだった。
ロケ地
- 宿場はずれで仙次の吊りを止める勘太、岩倉陵参道(子犬に凄む)〜大雲寺閼伽井屋形と周辺の坂(ここの林で吊りかけ)。
- 具合を悪くしたお菊の面倒をみるお仙、不明(街道に茶店、山腹の松並木)。
- ダンナと勘太が妙な男に連れられて行く夜道、金戒光明寺東坂下石積脇(南東角)〜極楽橋上(刺客に両側を固められ)。撃退後、憤慨した勘太が走り去る坂は墓地石段。ダンナが鳥の声を聞く「灯」は墓地の照明か。
- 丹波屋の主におさまっている元番頭・清太郎を連れ出し、髷切って脅すダンナ、不明(神社境内か、舞殿あり)。
- 当地を発つダンナと勘太、冒頭の街道に同じ。
ゲスト
お菊/珠めぐみ 仙次/住吉正博 了庵/山村弘三 吉兵ヱ/西山嘉孝 清太郎/武周暢 お梅/武田禎子 お君/藤田千代美 安川惣右ヱ門/御木本伸介
脚本/森田新 監督/松村昌治
※くろ谷で出る刺客の一人に福ちゃん、ダンナたちを連れてきたアレな男をばっさり。
第24話 「どんぐりころころ一人旅」 1973.9.13
家出ガキを拾うダンナ、薪割りまでして飯も食わせてやる。その子が二度までも犯行を目撃した追い剥ぎ野郎どもは、彼のおっかさんにまで魔手を伸ばしているのだった。
ロケ地
- 銀造ら、お手配の賊が旅人を殺す山道、不明(前にも出た、山腹の地道。下の斜面は疎林で葉を落としている)。
- お仙が茶店で休んでいると、子を捜す老婆が出て喚く街道、興戸の池堤か(溜池端の地道、対岸に竹林)。
- 三太が入り込むとダンナが入っているお堂、大覚寺護摩堂。三太が賽銭泥棒をやらかす鎮守、大覚寺五社明神本殿。この夜は護摩堂泊。
- 中津宿イメージ、不明(木の陰から里を遠望の図)。
- おさとが三太を人質に呼び出される本妙寺、酒屋神社広場。本殿石積脇や、明治帝御座所の碑が映る。
ゲスト
銀造/田口計 おさと/金井由美 越後屋/春日俊二 茶屋女房/武田てい子 伊佐次/大木晤郎 鹿松/伝法三千雄 おかね/初音礼子
脚本/松村正温 監督/小野登
第25話 「大ボラ小ボラで日が暮れた」 1973.9.20
駄法螺吹きの渡世人に乗せられ、無銭飲食をやらかしてしまうダンナたち。しかし女将はさして驚かず、それというのもこの宿場では、桁違いの性悪どもが横暴の限りを尽くしているのだった。
悪党成敗のおまけには、でまかせ兄ちゃんの更生もついてくる。
ロケ地
- 女掏摸と、被害者の旅人が揉めているところへ仲裁に入る大前田小五郎、不明(神社境内、参道橋あって参道は踊り場つきの石段で両側に疎林。社殿は石積みの上にあり階がついている。鄙びた風情のやしろ、山城か丹波か近江か)。
- 小五郎の振る舞いに感心した勘太がまとわりつく街道、および路傍の茶店、不明(林際の地道)。
- 儀十らが小五郎を人質にしてダンナを呼び出す河原、不明(河床だとすれば枯れ川、土手上には松林で地面は砂がち。草津川源流部みたいな感じ)。
- 実は吾作なんていう名だった小五郎と別れる街道、不明(竹林際)。
ゲスト
芋田の儀十/高木均 十津川玄馬/上野山功一 郷田/玉生司朗 おつた/武田禎子 お花/佃和美 大前田の小五郎/工藤堅太郎
脚本/森田新 監督/小野登
第26話 「むすんでひらいて朝が来た」 1973.9.27
いつものように、困った人を助けて悪党を懲らしめるダンナ。しかし、事が終わったあと江戸からの知らせが来て、お仙の姐御は一旦帰還。これを機に、勘太にも旅立ちを促すダンナ、三人はそれぞれの道へ散ってゆく。
ロケ地
- 勘太が身投げ女を助けるくだり、若森廃橋と本梅川汀。橋を渡っていた勘太が、汀に立ち尽くすおきみを見つける次第。止めようと羽交い絞めにしたり乗りかかったりしていると、通りかかったお仙に誤解され「痴漢勘太」呼ばわりされてしまう。ちなみに、おきみは不本意ながらドボン。
- 縁先に腰掛けてお昼を使っていたダンナが、蜆売りの少年・三吉と出会うお堂、赤山禅院本堂(玉垣の内)。後段、おきみの金を拾ったっぽい、三吉の叔父・茂作を問い詰める段でも登場。
- 円月院へ忍び込み、元道を罵る三吉、一様院門前。塀に縄を掛けるところまでロケ、中はセット撮り。後段、仇を討ちに入る段でも登場。
- おきみの回想、切羽詰った様子の旅の女から書付を託された茶店、鳥居本・愛宕参道鳥居下に床机しつらえ。
- おきみに文を託した女が土左衛門で見つかる宿場はずれの池、赤山禅院境内か。
- おきみが財布を落としたという場所へ付き合うダンナ、藪田神社鳥居前。北方の里を遠望する図のほか、境内もちらり(舞殿は萱葺き)。
ゲスト
おきみ/水原麻紀 三吉/小松陽太郎 茂作/瀬良明 徳右ヱ門/五藤雅博 大熊/阿波地大輔 飛脚/笹吾郎 岩松/丘路千 円月院元道/穂積隆信 原町の伝造/小林勝彦
脚本/松村正温 監督/荒井岱志
※領主に取り入った生臭坊主が一帯を領地にして横暴の限りを尽くし、役人も問屋場もヤクザもグルという図。託された文は、寺社奉行に元道の悪行を訴える連判状。宿場は「原町」。
※お仙のもとに来た知らせは、江戸の女将の病状が思わしくないというもの。
オープニングは、ヘタウマ浮世絵ふうのイラストではじまる。立小便こいてる太平のダンナに辟易する「猫ちゃん」や、襲い来る敵の中に赤いハイヒール履いた忍者がいたり、おふざけ満点。
次いでダンナの大立ち回り実写が来て、主題歌が被る。このときは病後と漏れ聞くものの殺陣は豪快そのもの、街道筋に擬えたロケ地は湖南アルプス、天神川河川敷で水飛沫あげてのモブ。
敵を薙ぎ払って一息つくダンナのもとに、キラキラ光線まとった「鳥」が登場、これが本作におけるダンナの「癖」であるところの、「心の友」なのである。この小鳥さんはことあるごとに降臨し、金欠ダンナに「無い袖は振れないねぇ」などとツッコミを入れる。見た目蘇生直後の火の鳥って感じのそれは、実はオープニングにしか出てこないアニメ合成で、劇中は登場を知らせる音と声だけ。ボイス宛ててるのは「魔法使いサリー」の声優さん、平井道子。この鳥はもちろん他の人には見えず、言い返したりぶつくさボヤいたりするダンナを見て、みんなハア?状態なのがお約束。
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