ドドンパ酔虎伝

田中徳三監督作品  1961.6.7大映

原作/川内康範 脚本/銀座八郎 音楽/宮川泰 美術/太田誠一

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 ストーリーの主幹は決闘高田馬場、主人公は呑んべの安っさん。
気ままな長屋暮らしの安兵衛は、隣人の大高源吾と一緒に作ったヒットソングを盗用されても意に介さない豪傑ぶり。
しかし、そのパクった相手が叔父の仇という奇縁、顛末を知った抜かずの安は、一目散に高田馬場へ。

本法寺

ロケ地

  • ドドンパ音頭の発表会開催を告知するチラシが派手に配られる境内、本法寺。町衆が大挙してくぐる門は楼門、境内には露店が多数しつらえられていて、朗々と歌いながらチラシをまく男たちは多宝塔と本堂の間にいて、大勢の踊る人々に囲まれている。
  • 女性艶歌師がドドンパ音頭を歌い上げる発表会、本法寺南塀をバックにした「広場」。いま裏千家の諸施設があるあたり、塀越しに本法寺の鐘楼や塔が見えている。
  • 高田馬場、山裾の台地か(なだらかな山、まわりの林は針葉樹まじり)
  • 高田馬場へ駆けつける安兵衛、セット町なみから竹林、並木のある土手道を走り、嵐山自転車道を走りぬけ高田馬場へ。
  • 同じく高田馬場を目指し走る長屋衆、谷地田の地道(画面奥に丘陵、湖西か)

 安兵衛は勝新太郎、ボリュームのあるムシリ頭に黒の着流し、豪奢な酔態も見もの、高田馬場での二刀流も必見。壁の穴から安兵衛の部屋にやって来る友達の大高源吾は小林勝彦、まじめな感じ。安っさんと意気投合する、酒肆女将の情夫・赤垣源造は水原弘、渋い声で歌いまくり。安兵衛のおじさんは荒木忍、お付きの若党は沖時男。おじさんを窮地に陥れた悪党は山路義人、江戸ではドドンパをパクって怪しの新興宗教を主宰。このワルとつるむ男に伊達三郎。悪党に騙されて安っさんを逮捕に来て間抜けな目に遭う岡っ引は、由利徹と南利明。堀部弥兵衛は益田喜頓。出てきた意味がいまいちわかんない清水一角は、千葉敏郎。
歌関係では、女艶歌師に渡辺マリ、伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ。

 元禄15年6月とはっきり時間は示されているわりに、刃傷のあとらしいのに安っさんはまだ中山安兵衛だし、おじさんの名前も藩の名前も微妙に違うし、弥兵衛が安っさんを婿に望む話も出てこないなど、なかなか面白い作り。

 写真は本法寺、本堂前から南望、塔越しに鐘楼付近を見る図。映り込むビルは茶道総合資料館。


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