1〜19話
第1話 春一番!江戸の明星 1978
紀州藩主から八代将軍となる、起こりの一話。
喧嘩友達の将軍就任に浮かれ騒ぐ「鳶辰」、入城の行列に駕籠訴の少女、のっけから事件の香り。訴えの筋は油の値吊り上げ目的の放火犯として捕われた伊勢屋の無実を晴らさんがためのもの。上様、初手から城を抜け出て市中を調べまわる。ワルの正体は高値で油を売りつける商人ではなく親切ごかしに安値で売るほうで少し捻り。結託していた南町奉行以下は断罪され、空いたポストに大岡忠相を据え、吉宗の治世が始動する。
ロケ地
・紀州藩江戸屋敷、大覚寺(一大事とじいが走るのは回廊、弓の「殿様」は五大堂前白州)。
・江戸城イメージ、姫路城天守。
・諸士ゆく城中の御廊下、仁和寺書院。尾張宗春にお追従の南町奉行は宸殿前廊下。
・断罪の場から逃げ出した南町奉行が観念し切腹、仁和寺南庭。
*次期将軍になれと勧めるじいに「嫌だナー」「やってミルか」(発音ほんとにこんな感じ)も傑作。二分ほどで済んでしまう「徳田新之助」成立の瞬間も、焦れた辰五郎の「やい新公」も微笑ましい。ラス立ちと成敗は別、ワルに顔見せは御簾がするする上がり、ちょっと軽い目の「カーン」。*南町奉行に金田龍之介、配下のワル同心に天津敏、牢で伊勢屋を密殺しかける囚人の一人に福ちゃん。
第2話 素晴らしき藪医者 1978
高い医療費を払えず難渋する庶民の現状を見た上様が、小石川養生所を設立する動機となった事件を描く。
医師・小川笙船の悪評を耳にした新さん、さっそく行くが何度か接するうち阿漕な富商からは恐喝までしてふんだくり、貧しい者には無償で治療を施すという笙船の真の姿を知る。笙船はその行為を煙たく思う典医筆頭・桜井玄石の陰謀で投獄されるが、南町に乗り込み事情を聞いた新さんが玄石と手下の集う座に黒イカ頭巾かぶって殴りこみ。後日上様に召し出された玄石は、御簾内に黒イカ頭巾で座ってる上様を見せ付けられる。
後付は養生所設立と、初代責任者に笙船が任命されたことを描く。
ロケ地
・お城の池で褌一丁になり鯉とり上様(上は着ている)、枳殻邸印月池。
・笙船の薬草畑、北嵯峨農地。
・巴屋が笙船を脅す現場に割って入る新さん、大覚寺護摩堂前。
・玄石が茶坊主に導かれ進むお城の廊下、仁和寺宸殿廊下。
*笙船に天知茂、人情医者設定なので強面ではなく、御朱引き外の棺桶寺に屯する大酒呑みとは違い刀は振り回さない。玄石は南原宏治、巴屋に藤岡重慶で手下は宮口二郎。*今回もおわい船でお城を抜け出す上様だが、出るときにはまだ理由付けをしていく。鰊の蒲焼を珍味とほめたり、飲み代に小判置いてったりと世間知らずぶりも挿まれる。
第3話 命を的の一番纏 1978
火事が頻発するうえ火事場が泥棒出て困窮する江戸の庶民。町火消しが採用されるに至るプロセスを描くお話、その間鳶辰は何度も暴発しかける。
新さんは悪所に入り込み火事場泥棒を働く一味と接触、懐に飛び込んで探りゴロツキに便宜をはかる加賀鳶とやりあい懲らしめる。晴れて町火消しが結成され、木遣歌いつつ日本橋を降りてくるめ組の晴れ姿で幕。
ロケ地
・忠相と城内の「誰も来ないところ」で火消しについて内緒話の上様、仁和寺宸殿庭先仕切りの前。のちにゴロツキ虎五郎のことを忠相に話すのは同所縁先。
*柳の局登場、上様を田舎者と侮りじいにねちねち嫌味。*今回は言い訳もせず湯殿から逃走の上様、じいのギャグつき。*町場で要るからと忠相に「金を貸せ」と財布ごと持っていった上様、飯盛女に小判出したりしている。*加賀鳶に誼を通じ火事場でぼろ儲けを企むヤクザに小松方正、これと通じるチンピラに江幡高志。火事場泥棒を見つけるもボコられ重傷を負う鳶の新吉に和崎俊哉、その女房に今出川西紀で終始泣き顔。柳の局は白木万理。
第4話 遥かなる遠き日の母 1978
旗本・大角が娘を使い商家に強請りを繰り返す。手口は娘に小銭を盗ませ、追いかけてきたところを身分明かして凄むというもの。或る日、いつものように銭を掴んで逃げた娘は老婆と行き当たり捕まる。しかし居直り老婆が犯人と強弁、二人して南町の牢へ。娘は大角が無理に引き取ってゆき、老婆はめ組に保護される。その老婆が鳴らすデンデン太鼓の音に古い記憶を呼び覚まされる上様、死んだと聞かされていた産みの母の微かな思い出。
このことを嗅ぎつけた宗春が陰謀を巡らし上様を辱めようとするが、ねちねちと宗春にいたぶられる母の姿にたまらず評定の場に飛び出した上様のうるうる涙顔に、大角の娘や偽証を強いられていた商家の番頭が陥落し一件落着。
ロケ地
・お城の庭で大角の所業について庭番の報告を受ける上様、枳殻邸侵雪橋上。
・尾張藩江戸屋敷、大覚寺大門。
・上様の実母「とり」がうろつくお城近く、知恩院黒門道。
*大角に井上昭文、御生母は丹阿弥谷津子。大立ち回りなし。
第5話 大奥に咲いた春 1978
大奥改革に手をつけるに至るプロセスを描く一話。また、側室の話断り25年独身上様の起こりともなる。
「徳田新之助」も助力し、やっと所帯を持った若夫婦に災難がふりかかる。ある夜、市中で殺しを見てしまい、殺された女を抱き起こしため組の弥七は犯人にされてしまう。このとき一緒にいた娘あり、しかし彼女は秘密で大奥を下がってきたため証言できず逃げ去る。娘が城を抜け出た因は、柳の局の道具として将軍の褥に上がることを強要されたためだった。娘を説得し弥七の無実を晴らしてやる上様、返す刀で女殺しも解決、大奥緊縮にも着手。
ロケ地
・お庭御目見得の庭、枳殻邸印月池畔、傍花閣前。
・城を抜け出て恋人と会うお静、大覚寺放生池堤。
・思い詰め心中を図ろうとする、中ノ島橋たもと堰堤前。
・城付近でお静をつかまえ説得の新さん、知恩院黒門道。
*冒頭の辰五郎と木場政の喧嘩に割って入った新さん、顔を殴られ「ついカッとなって」殴り返し老人を昏倒させる、大奥改革を忠相に提案されるも方策は自分で考えてちょと言われ、剣を振り回して熱を散らし「やってやるぞ」、女殺しの件では庭番に自重求められるも「ひと暴れしたいのだ」…若いなー、上様。
第6話 天晴れ!芋侍 1978
甘藷栽培をはじめる起こりを描く一作。
巻き狩りの途中エスケープ上様は茶店で振る舞われたふかし芋にいたく感激、由来を聞き「甘芋先生」を訪ねてゆく。しかし甘藷栽培は妨害を受けており、裏に長い蔓が伸びていた。
ロケ地
・御狩場、茶店のある野原、不明。
・ゴロツキが荒らしに来る目黒の青木の畑、広沢池北西岸。
・甘藷について御言葉を受けた関東代官が勘定奉行へ注進に及ぶ奉行所の廊下、大覚寺宸殿裏手回廊。
・弓のお稽古上様、枳殻邸印月池畔、上様諸肌脱ぎ。
・新しく甘藷を植えつける畑、北嵯峨農地。
・じいにがみがみ言われる御庭の橋、枳殻邸侵雪橋。
・上様に呼び出された関東代官らが茶坊主の案内で行く廊下、仁和寺宸殿(使い回しか)。
*青木文蔵は左右田一平、土臭いヒューマニストを好演。勘定奉行に神田隆、関東代官は勝部演之、雑穀問屋に北村英三で弟がヤクザの汐路章。*逃散百姓の息子が白米を見たこともない現実を目にした新さん、やりきれない思いを胸に夜の闇に剣振りかざし薄を「斬る」暴れん坊の熱さまし。また、黒砂糖で引っ掛けたワルどもに「そなたたちのようなワルを見るとつむじ風のように大暴れしたくなる江戸の暴れん坊さ」…素で暴れているのか。*代官と奉行ははじめお褒めの言葉を頂いてほくほく、しかし褒美の三宝に乗っているのはふかし芋「余の手作り食べられぬと申すか」と強要の上様が笑える。畏まる二人のうしろに既に来ている三宝から白布越しに湯気立ってるし。
第7話 賽の河原に立つ男 1978
公共工事の不正を糺す話、大川の普請場に乗り込んだ新さんは隠し目付と間違われ、馬鹿な接待攻勢を受けて悪習を目の当たりにする。
ロケ地
・普請奉行を召し出し大川堤の工事について下問の上様(弓のお稽古中)、大覚寺五大堂前。
・大川堤の普請場、罧原堤下河原(庭番にやられた見張りが転がるのは嵐山公園か←蛇籠などあしらい)。
・普請奉行・根岸左近将監邸、相国寺林光院(門)。
・普請奉行の不正について庭番の報告を受ける新さん、大覚寺五社明神。
*新さんをカモる騙りになべおさみ、身を持ち崩したのは洪水で全てを失ってのことで、汚職役人に啖呵を切る一幕もある。騙されたことに全く気付かない新さんのくだりに「ダバダバダー」のBGM。お間抜け風味の接待役人、材木奉行は中井啓輔、石奉行は梅津栄。*ラス立ちは段々完成形に近付く。今回は連行されてきた新さんを見て驚愕のフラッシュバックの普請奉行に「カーン」音が入り、「こやつらは騙り者斬り捨てい」で殺陣開始と同時に例のテーマが鳴り響く。
第8話 黒い十手を握る男 1978
目明しの大物が奉行所役人や悪徳商人と結託する悪弊を一掃するお話。回船問屋の娘の許婚者の南町同心で正義漢の早瀬数馬をサポートする上様、何度も懲りずに傷を増やす彼を再三救い、最後はワル一堂に会する座敷に乗り込み大立ち回り。ここでは忠相の制止で首魁は手にかけず寸止め。後日南町へ呼び出された彼等の前に「お成り」、「この顔に見覚えがあろう」で「カーン」、上様と心中ならとかお命頂戴などとほざき向かってくるワルは取り押さえられて幕。
ロケ地
・父の獄死後自刃しようとする湊屋の娘(大奥勤め)を止めるお園、大覚寺宸殿中庭。
・婚約者と話す早瀬同心、大覚寺天神島北の汀。
・忠相に目明しと称する無頼を退治すると宣言する新さん、五社明神祠脇。
*ワルの評判聞いてたまらず市中に出る際の「じい、風呂だ」が笑える。じいが風呂桶から蜜柑ネット引き上げてのギャグつき。
第9話 義賊江戸を走る 1978
天誅小僧と称する賊が跋扈、富商から盗り民に金をばら撒く。これを奇貨とした宗春は、捕縛の期日を約したと強弁し忠相追い落としをはかる。忠相の危機に走り回る上様、当の賊を突き止めるが、彼の背後には悲しい事情があり、彼が好いた娘は天誅小僧のせいで不幸になっているという錯綜した事情が。改心する天誅小僧だが、裏にいた連中は黙っておらず、娘が拉致されてしまう。これを叩きのめす新さん、天誅小僧は自首し忠相ピンチ脱出。
ロケ地
・弓のお稽古上様が「約束」の経緯を聞く庭、枳殻邸芝地に幔幕張り。
・天誅小僧のことで幸内と言い合う新さん、大覚寺有栖川畔(御殿川合流点)、大沢池船着。
・尾張藩上屋敷、大覚寺大門。
・拉致されたおはるが押し込められる上野の森の小屋、および立ち回りの周辺の林、広沢池北西岸か(起伏のある林、僅かに水面が見える)。
*義賊の太助に工藤堅太郎、尾張に通じる黒幕の普請奉行は横森久、グルの南町同心に牧冬吉。*今回ラス立ちの際に「正義」の扇初登場、使用方法は今までと同じ立会い前半の武器。大ぶりのもので、白と青のグラデーション。
第10話 花開く目安箱 1978
対馬藩に後嗣を巡っての騒動あり、また大火の救援に公儀より送られた米が千石も行方知れず。これを糺さんと訴状持ち江戸へ来た対馬藩士がゴロツキに斬られてしまう。行き合わせ、連れの養女を保護した幸内は上様に向け批判まじりの書状を差し出す。乗り出した上様は賭場にまで潜入し探索の末ワルを焙り出し対馬藩邸に乗り込み大立ち回り。
ロケ地
・じいが上様を探しに来て渡る橋、枳殻邸侵雪橋。上様が訴状を読んでいるのは印月池畔。
・対馬藩邸、大覚寺大門。
・庭番とツナギに護摩堂、斬られた対馬藩士の遺児を背負い目安箱へ向かう新さん、有栖川畔(河床から見上げ)。これを襲う仁王一家とのチャンバラは五社明神。
・救済米について聞くため召し出された榊原豊後守が進むお城の廊下、大覚寺宸殿前縁。
*対馬の悪家老に今井健二、私腹肥やしのほか己の子を次期藩主にと画策。往生際悪く、上様に斬りかかるが助八が躍り出て成敗。ヤクザに木村元で手下に西田良、中盆に福ちゃん。
第11話 日本一の木遣唄 1978
富商のどら息子が金に物を言わせて旗本の養子に入ろうとするが、それまで仕出かしてきた悪行が上様の知るところとなり、野望を阻止される。加担した旗本たちはもちろんこてんぱんにやられ、以後持参金目当ての旗本の養子縁組が禁じられることとなる。
ロケ地
・鶴吉の慰み者にされ入水を試みるおとせ、大覚寺大沢池畔(助八が阻止)。
・助八が乱行旗本の首魁は作事奉行と報告、枳殻邸傍花閣内部。
・屋形船を仕立てて騒ぐ旗本たち、大覚寺大沢池。これに突っかかっるおとせの恋人・又八、船着(小)付近の池端。旗本を追い散らしたあと猛る又八を宥める(鉄拳もアリ)新さん、五社明神。逃げた旗本たちを追った助八と口入屋の若い衆がやり合う町角、相国寺湯屋前。
・馬鹿息子が養子に入る旗本・有村瀬左衛門邸、相国寺大光明寺(門)。
*有村邸へ乗り込むに際して、め組から人数借り受け「強盗」に入る新さん…べつにフツーに入ればよかったのではと思うが、まだルーティン化していない初々しさも良し。鶴吉は髷を落とされておしまい、お咎めの有無などの描写はなく、身分ばらしもやらない。
第12話 紀州から来た凄い女 1978
上様がまだ紀州の殿様の三男坊だった頃の知人・紀州屋のお奈津が江戸に。良質の材木を売りに来た彼女だが、阿漕な相模屋にさんざんな妨害を受ける。表だった援助はできぬという上様だが、「個人」として奔走、彼女の苦境を助ける。
ロケ地
・紀州時代の回想、お奈津たちと相撲をとる広場、走田神社参道。
・お奈津と懇意の棟梁が観音寺一家に殺される、大覚寺五社明神。そこへ駆けつけるお奈津、放生池堤。
・お奈津の窮状を弓の稽古の上様に告げるじい、枳殻邸印月池畔。
*お奈津を演じるは美空ひばり、気風のよい女将設定、歌はうたわない。ゲストの意向もあったのか、今回福ちゃん出まくり、役名も台詞もありの観音寺一家の手下・紋次。美空ひばりに匕首で斬りかかるなど大活躍。*タイトルの「凄い女」の「女」には「やつ」とルビ。
第13話 嵐を呼んだ江戸土産 1978
紀州へ帰るお奈津らに土産を渡そうと日本橋へ来る新さん、茶店で包みをすり替えられ、中味が麻薬だったことから町方に捕縛されてしまう。たまらず新さんの身分を口にするお奈津だが、爆笑されるのみで牢に。また、忠相はお灸を据えるよい機会と放置する。お奈津らの奔走で牢から出て真犯人を探す新さん、黒幕の大目付を突き止め叩きのめす。新さんに破牢された定年間近の牢番のじいさまのエピソードなんかも挿まれる。
ロケ地
・お奈津が上様の無事を祈る祠、大覚寺五社明神本殿。
・お城の庭で忠相に皮肉を言う上様、枳殻邸印月池畔。
・お奈津に牢番の難儀を告げる佐吉、相国寺宗旦稲荷裏。
・お奈津が新さんをハメた編笠浪人を見かける、相国寺(庫裏、渡廊、法堂)。
・大目付・大沢采女正邸、相国寺林光院。
第14話 黄金のからす札 1978
富籤で不正を働き大儲けの山伏と寺社奉行配下の大検視を断罪し、富籤を公認する上様。小頭と同じ長屋に住むご浪人の仇が、山伏に姿を変え悪さを働く。
ロケ地
・富籤で大賑わいの牛込・紀州仙岳別院、大覚寺大門。
・庭番の助八に富籤の実態調査を命じる上様、大覚寺宸殿階。
・偽札を源三に売った相州の神官の息子・有馬市之進が妹の治療を新さんに謝す、広沢池観音島(妹を入所させた小石川養生所を眺めて、という設定。池は水無)。市之進の回想、相州荻野在で浅間神社から盗んだお札を売る岩田(鬼参坊)、広沢池西岸農地。岩田に殺された市之進の父の野辺送り、東岸汀(水無)。在所を発つ市之進と妹、東岸堤。
*鬼参坊に山本麒一、市之進に石山律雄。
第15話 春を呼ぶ藪医者 1978
養生所に患者がさっぱり来ず閉鎖の危機というお話。閑古鳥のわけは市中に流された悪い噂で、笙船が新薬の実験で患者を死なせたなど事実を歪曲したもの。養生所が繁盛しては困る町医者たちが画策したもので、裏には勘定吟味方の役人。窮地に陥る笙船だが、新さんはめ組の力も借りて真相を突き止め、始末されかけた小者は笙船の手術で助かり、ワル一堂に会す座敷に乗り込んだ新さん成敗の嵐。
ロケ地
・庭番に指示を出し忠相に養生所入所手続き簡素化を促す上様、大覚寺回廊、宸殿廊下。
・評定で笙船に手鎖処分が決まったあと、死んだ患者の殺害方法について話す上様と忠相、大覚寺の庭か。
*ラス立ち、ヤクザの手下に福本先生。
第16話 対決!花の吉原 1978
災害続きで困窮する下野在、幕府は徳政令を発布し年貢を五割カット。しかし民の窮状はやまず、娘の身売りや餓死者も相次ぐ。そして吉原の花魁から徳政令の裏にからくりが、との訴状が忠相のもとに。この花魁が殺されたことから、新さんは吉原に乗り込み調査、敵娼から事情を聞き真相に迫る。
ロケ地
・弓のお稽古上様に忠相が投げ文の報告、大覚寺御影堂前。
・新さん襲撃犯の金蔵について報告のお園、大覚寺五社明神。
・下野・芳賀郡の浦里花魁の実家、不明。下野・真岡代官所、民家長屋門。
・助八が下野での悪事を上様に報告する庭先、大覚寺回廊下。
・御用米と救済金が運ばれてゆく街道、亀岡か。
*勘定奉行に藤岡重慶、悪徳商人に武藤英司、悪代官に穂高稔、地回りに長谷川弘、吉原の男衆に北見唯一。*吉原で財布をめ組の若い衆に持って帰られちゃっていた新さん、一時桶伏せにされる一幕も。
第17話 恋とおとぼけ地蔵 1978
若い恋人達の仲を裂き、無体を働くサドっ気の薩摩藩留守居役を断罪する上様、忠相は地蔵を小道具にワルの口を割らせる大芝居を打つ。
ロケ地
・島津藩主謁見のあとじいと談笑する上様に切り替わる個所に流れ橋夕景挿入。
・恋人の柳橋芸者・音羽からの別れの文を見て走り出し橋上で再度文を見る丹波屋の若旦那、中ノ島橋上。木の陰で見ていた音羽は直後入水、橋下手の川中(新さん川に入って止める)。助けたあとの焚き火は河川敷。
・丹七が伊集院から預かった名刀をならず者に盗られる地蔵の祠、大覚寺五社明神に祠をあしらい(このお地蔵さまがお裁きの小道具に。以後「縛られ地蔵」として信仰を集めたという後日談つき)。
・丹波屋の番頭が奉行所から薩摩藩上屋敷へ向かう道、大覚寺有栖川畔(遠景に勅使門橋)、屋敷は明智門。
*丹七に柴田p彦、大旦那に永田光男、どスケベの留守居役に滝田裕介で藩主忠茂に御木本伸介。*めちゃエラソーな薩摩を横紙破りで屈服させる上様、謁見し上様の顔見て留守居役が逃げやがるという情けなさに島津候もガクー。
第18話 江戸一番の乱れ打ち 1978
「はじめてのおまつり」にうきうき上様、加納じいの許し得て宵宮の町へ。しかしめ組へ急ぐ途中商人の駕籠に走りより突き飛ばされる男を助け、事情を聞くとなにやら不穏な空気で祭りはお預け。駕籠の男は信州の寒村で飢饉に苦しむ百姓たちを騙し、お上から下された見舞金を持ち逃げした詐欺師なのだという。調べるうち、その詐欺師は江戸の口入屋で当時の代官と結託していたことが判明、今は勘定吟味役となっている旗本の屋敷へ乗り込み更なる悪企みをしているワルどもを成敗の上様、農民たちには改めて見舞金が下されメデタシ。
ロケ地
・信州水沢村、16話の花魁の実家と同じ民家、救済金を巻き上げられる畑地は亀岡か・畔にはさ木が連なる。
・庭番の報告を受ける上様、大覚寺回廊。
*水沢村の百姓に中野誠也、元悪代官で現勘定吟味役は菅貫太郎、悪徳商人は穂積隆信で手下に西田良。*じいに許可貰い「行ってもイイのかー」とはしゃぐ上様、でも帰りが遅れて怒ったじいに勝手口も不浄口も閉められてしまい、助八が井戸の抜穴を探してくる。百年以上使われていないそれは出口が変化していてタイヘン、でもこれが今回の黒幕の旗本屋敷に通じていて、ここからがばあっと新さんが出現するという演出、これでは「曲者」呼ばわりは当然。
第19話 纏持おとこの詩 1978
世話になった御家人から小頭を養子にと望まれた辰五郎。頭の立場を察し自ら申し出て戸田の家に入った弥八郎だが、町人あがりと朋輩に軽侮され辛い日々を送る。
御目見得も適わぬ低い地位と、綱吉以来続く側近政治に不満を募らせる鉄砲組の御家人たちは弥八郎にますます強く当たり、ロシアンルーレット(但し火縄銃)を強要したり人斬りの稽古と称して辻斬りをさせたり。しまいに組屋敷に放火し弥八郎の仕業として切腹を迫る始末、意地を見せ割腹して果てる弥八郎、駆けつけた上様は見事な切腹と称え家名存続を許すが、空しいばかりの結末となる。
ロケ地
・戸田について庭番の報告を受ける鯉に餌やり中の上様、阪口青龍苑か。
・戸田が辻斬りに出る夜道、大覚寺有栖川畔〜五社明神。
・戸田の詰腹、下鴨神社河合社裏。見届けた上様が馬をやる、大沢池堤。
*弥八郎に森次晃嗣、ねちねち養子をいびる後家に菅井きん、鉄砲組の意地悪な先輩に亀石征一郎。
話数は、時代劇専門チャンネルで再放送時に打たれたナンバーに準拠しています。
これにはスペシャル番組やフィルム亡失分が含まれていないので、本放送時と異なります。
私的資料をここに挙げたナンバーで作ってしまっているので、ここはこのままにします。
全話リストを別に作りましたのでご参照下さい。
→吉宗評判記 暴れん坊将軍 表紙へ
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