120〜139話
1978-1982テレ朝/東映
第120話 花咲ける女武士道 1980 本放送時の話数は121話
上様が認可した私塾が気に食わぬ高家衆、御前で嫌味を言うだけでなく、塾潰しを画策し御政道にシミをつけようと図る。め組のおまちが通う伊勢塾にも高家の手先の女史が乗り込んできて大騒動、しかしすったもんだのすえその師範は生徒たちにほだされ毒気を抜かれてしまう(このへんちょっと学芸会ふう)。そしてお役を免じて貰うよう高家に申し出た女師範は始末されかかり、おまちはじめ生徒たちは仇討ちに高家乗り込み「中条出て来ーい」の、いかにも暴将展開。
ロケ地
・伊勢塾に中山邸(通用門、参道)。
・門前に乱暴な荷車で突っ込まれ妨害を受ける私塾、走田神社社務所前。
・藤里が角兵衛獅子の女の子を養育していることを上様に報告するおその、走田神社本殿前。
*藤里先生に江崎英子、高家衆は高野真二を筆頭に中田博久や大東俊治など。
第121話 知るや南のうらみ節 1980 本放送時の話数は122話
暴将で定期的にある琉球もの。今回はいきなりお姫様を助けて、島津の苛政を知る趣向。姫を連れて薩摩藩邸に乗り込んだ上様、詭弁を弄して琉球への賦課を減額させる。ラス立ちは、姫を見送りの際かかってくる忍の一党と浜辺でチャンバラ、首領をマジ斬りする上様が見られる。
ロケ地
・安南姫と従者が襲われるのを見て助ける新さん(辰五郎を連れて遠乗り、お昼つかい中)、河原か湿地か(背景に富士山合成、水辺の林は竹林。安南が上様の馬で逃げるのは竹林際の堤)。
・薩摩藩邸、門は興正寺阿弥陀堂門、庭は相国寺大光明寺石庭。
・助けた女のことを話す上様トリオ、枳殻邸印月池畔。
・姫から聞いた琉球の惨状を忠相に話す上様、枳殻邸回棹楼。
・姫を見送る浜辺で開聞党とラス立ち、琵琶湖西岸(対岸に富士山合成もあり、立ち回りは砂浜で植生はヤナギ。一部、対岸に低い丘陵が見える。ボートに乗り沖の船に向かう姫のシーンでは、高島の岬が映り込む。真野川河口州か)。
*島津の殿様は井上昭文、開聞党の首領に汐路章、手下に福ちゃん。首領にのみ峰を返しマジ斬り。*開聞党のことを聞いた加納じい、「開門だか閉門だか知らんが」と親父ギャグ。お庭番も切腹がどうのと妙なギャグ、漏れ聞いた上様が「乳がどうした、乳が」もオヤジくさい。しかし「青年吉宗」というナレーションもある。
第122話 女親分!め組のおさい 1980 本放送時の話数は123話
町火消し創設に猛反対して失脚した老中が定火消しを使嗾し、め組に陰謀を仕掛けてくる。ハメられたのはおさい、女侠客気取りで喧嘩の仲裁していて過って人を死なせてしまい入牢、しかしこれが仕組まれた罠だった。
ロケ地
・元老中・能勢愚庵の寓居、大覚寺望雲亭(野点の庭は不明)。張り込んでいた南町回り方同心の宗方が消されるのは望雲亭と有栖川の間の細い路地。
・おさいが与作の茶店で乱暴を働くガエンの一人を池ボチャ、大覚寺放生池堤。
・茶店の親子がガエンの意を受けていたと報告のおその、大覚寺聖天堂。
*愚庵は滝田裕介、パシリの定火消役は千葉敏郎、ガエンの頭は有川正治、茶店の親爺は河合絃司。*元老中の悪企みを暴くきっかけとなった南町回り方に火野正平。小っこい真ん丸眼鏡をかけた、真面目そうな小役人態。「私の記録の集大成から算出しますと間違いなく裏で何かが行われていると確信し尾行しましたところ」云々と立て板に水の口説、開始十分で消されてしまう役ながら存在感たっぷり。通夜には上様も来てくれるし。おとなしく死んでる正ちゃんの枕頭に置かれた真ん丸眼鏡が可愛い。*大根持って喧嘩に介入し乱暴者をやっつれるおさい、以降いい気になってブイブイ…きっかけはおそのの援護射撃で大笑い。
第123話 溺れて手柄をたてた奴 1980 本放送時の話数は124話
水練のできぬ御徒歩組にハッパをかける上様、組頭以下ほとんどの者は取り合わないが、奮起する真面目な若侍も。彼の練習につきあう新さん、調練の場所は越中島で、ここに抜け荷を沈めて隠してあった悪党どもは焦りまくるのだった。
ロケ地
・御狩場、不明(狩りのシーンは松など生えた台地、女が溺れている池は高台の溜池か)。
・禁制品出回る件を協議の上様トリオ、枳殻邸印月池畔。
・徒歩組の真下小平太が水練の稽古をしようと褌一丁で飛び込む川、中ノ島橋上手堰堤下(見物衆は橋上、彼を助けに来る魚とりの子らは橋下手河原)。
・真下に泳ぎを教える越中島、琵琶湖岸(沖ノ島の「くびれ」が右に見えたり左に見えたりで特定は難しい。岩場と砂浜混在、湖中に岩が顔を見せる場所も)。
・徒歩組頭となった小平太が教練の先頭に立つのは中ノ島橋、堰堤に徒歩組が並んで湛水区間に飛び込むシーンもある。
*真下にうえだ峻、妻女は梶三和子、抜け荷の回船問屋は神田隆でグルの浦賀奉行は葉山良二。
第124話 男の門出の燈篭流し 1980 本放送時の話数は125話
天文方の小役人・渋川平助は極度のマザコン、何につけても母が母が。そんな彼が遠眼鏡で殺しを目撃したことから、運命は動き出し「乳離れ」となる。事件の裏には、贋金作りで私腹を肥やす新御番頭がいた。
ロケ地
・贋金作りの工房を屋敷内にこさえている野尻弾正邸、大覚寺大門。屋敷近くの石橋は参道石橋。平助が見た、植木職人が殺された庭は嵐亭延命閣。
・贋金の情報を取りに水戸へ走る半蔵、木津堤か。
・弾正に消された植木職の死体が上がる大川、見物衆は中ノ島橋上、死体は中州下河原。
・野尻邸を探っていて襲撃される平助、広沢池東岸堤道。
・野尻邸から出た贋金の荷駄がゆく道、広沢池畔か(手前に水田)。
・ラストの燈篭流しは広沢池東岸汀に桟橋あしらい。
*マザコンの天文方に高橋元太郎、新御番頭は山本麟一で悪徳両替商は南道郎。
第125話 二万両で売った恋 1980 本放送時の話数は126話
甲州からの御用金二万両が奪われ、警護の人数のうちただ一人生き残った同心が内通を疑われてしまう。あくまで父を信じる娘はめ組に助力を要請、新さんも加わったこの動きは敵方に知られ、何度か危ない目に。そして、父からルートを聞き出し一味に売ったのは出世欲に目が眩んだ許婚者と知れる。
ロケ地
・御用金が奪われる道(四谷大木戸手前)、広沢池東岸汀。
・父が疑われていると許婚者の同心に聞く多恵、柊野堰堤落差工下。
・お庭番たちが御用金を積み替えた大八を発見する小屋と付近、不明。
・おそのが新さんに事に関わっている札差の件を報告、大覚寺勅使門前太鼓橋(新さんは欄干に腰掛け、おそのは御殿川の中で手拭を洗う。橋を渡る通行人もあしらい)。
・御用金襲撃犯のアジトになっている札差・大和屋の別宅、広沢池東岸の建物か。
・大和屋と黒幕の若年寄が密談の屋形船、大沢池北西岸に係留。船を下りたワルの前に立ちはだかる新さん→ラス立ちは五社明神。
・事後、釣りの新さんに非礼を詫びに来る多恵、広沢池観音島(新さん鮒釣り上げ)。新さんをひやかすめ組の衆は広沢池西岸の公園付近(ランニング中)。
*内通者と疑われてしまう同心は左右田一平、娘は栗田ひろみ、許婚者の同心は小林尚臣。悪徳札差は梅津栄、グルの若年寄は唐沢民賢で用心棒の親玉は黒部進。
第126話 狼の里に罠を張れ! 1980 本放送時の話数は127話
尾張の刺客が大挙して上様を狙う。大御番頭が抱きこまれていて大ピンチなのだが、遠乗り先でトラバサミ(御丁寧に毒塗り)にかかって重傷を負った供のため、刺客には目もくれず薬を求めて東奔西走。命をとりに来た者どもは、先を急ぐ上様にさくさくっと始末されてしまう。
ロケ地
・石神井村の野道野原、不明(井尻や饗庭、竜王みたいな地形)。
・石神井村の与平宅、酵素か。
・半蔵が尾張の刺客を張り込む品川の浜、琵琶湖東岸(長命寺山の見え方からおそらく牧町の砂浜)。
*馬の口取りの小助に伊藤敏孝、村の親子に牧冬吉と仁和令子、裏切者の大御番頭は岩尾正隆、尾張の手の者に石橋雅史や出水憲司に峰蘭太郎、首魁の尾張の元家老は名和宏。新さんを捜すめ組の衆に袖をちぎられる侍に小船秋夫(ギャグ要員)。朝右衛門も駆り出され。*結束・松尾コンビ作品。
第127話 あわれ、忍びの恋 1980 本放送時の話数は128話
伊賀での師匠が尾張の刺客となって上様を襲うのに苦悩する半蔵。しかも師匠の娘は半蔵と相愛の仲だったが、庭番となるにあたって尾張の恩を受けている師匠と決裂、別れ別れになっていた。半蔵を案じる上様は庭番をやめて伊賀に帰り幸福をと言い出すが、半蔵は聞かず夜叉となった師匠に向かってゆく。
ロケ地
・伊賀の里遠景、美山か。里を見やる半蔵、北嵯峨か(松の根方)。
・伊賀の里、半蔵の恋人・こずえが起居する千徳院を訪ねる半蔵、梅宮大社神苑(池中亭、咲耶池)。
・将軍参詣の増上寺を爆破のため下見に来る室田の手下・二の源太、半蔵に見露されるお堂脇は仁和寺観音堂。逃げた二の源太を斬って捨てる上様、御室桜林。
・江戸に入り込んでいる忍者を捜していて当身を食らわされるめ組のおまち、相国寺鐘楼(袴部分、忍者が出てくるのは碑裏の塀の溝口)〜法堂脇回廊。
・江戸入りしたこずえが訪ねる尼寺・妙光院、中山邸門。出てきたこずえを呼び止め話す新さん、湯豆腐嵯峨野塀外の朝鮮石人像前。
・半蔵が師匠の計画をシミュレートする船番所から南掘割、広沢池東岸(汀〜船上)。
・室田の死後妙光院に駆けつけ、こずえが自刃しているのを発見の半蔵と上様、中山邸参道、門(尼僧が耳打ち)〜梅宮大社神苑門内側の池端。
*師匠は佐藤允、娘は服部妙子。将軍暗殺を命じる尾張の要人は近藤宏、室田の配下で上様の居室近くに入り込み失敗後顔を焼いて果てる忍者に宍戸大全。*上様、襲ってくる忍者はためらいもせずマジ斬り。
第128話 父よあなたは偉かった 1980 本放送時の話数は129話
先天性の病で余命幾許もない息子のため、禄を離れ市井に生きる浪人。金のため悪徳商人の用心棒をつとめるが、或る日取り立てに入った店は、息子が将来嫁にと思う娘の家だった。
悪党は横流しの公金を元手に阿漕な貸付を行う、文句なしのワル。
ロケ地
・悪徳両替商に財を根こそぎにされ娘を売り飛ばされ身投げした小間物問屋夫婦の土左ヱ門が上がる大川、中ノ島橋北詰中州岸(橋脚越しのアングル)。
・仲のよい娘の店が蹂躙され父を厭い駆け出す幼い息子、追いついた父をなじるのは上賀茂神社御所舎前。
・両替商・佐渡屋は長崎で現勘定奉行と腐れ縁と報告の庭番、今宮神社東門内石橋上。
*佐渡屋用心棒は大山勝巳、池田藩士時代に龍虎を助けた設定。殺陣が見逃せない。勘定奉行は北原義郎で悪徳両替商は高桐真、上様差し回しの名医は玉生司朗、佐渡屋の手下に妹尾和夫や志茂山高也などお馴染みの面々。*坊の病は心臓、しかし治療風景はなんかの熱病みたい。医師を手配の上様、「良庵が診ても駄目なものならあきらめがつくと思ってな」はちょっとブラック発言。
第129話 幼なじみは大奥の女 1980 本放送時の話数は130話
大奥の老女と御広敷御用人が結び、重代のお道具を破損したとして腰元を陥れ、親から大金を毟り取るという悪行を重ねる。狙われた一人はめ組の久ちゃんの幼馴染、彼女を密かに慕っていた久ちゃん、身を案じて訪ね、見張りのワルに斬られたり。お女中はお城に戻り恋は実らず終るが、男らしく堪える久ちゃんなのだった。
ロケ地
・おそのとツナギ・大奥潜入を命じる新さん、御室八十八ヶ所大窪寺前池の石橋上。
・半蔵に今津屋探索を命じる新さん、御室霊場のお堂。
・今津屋にお澄を訪ね気晴らしにと外へ連れ出す久ちゃん、上賀茂神社ならの小川畔(刺客に斬られて川落ち)。
・今津屋が要求された一万両を荷車に乗せ持ってゆく本所小梅光雲寺、仁和寺九所明神。新さんが騎馬で駆けつける道に塔前と九所明神鳥居。
*お澄は金沢碧、御広敷用人に船戸順、今津屋は岩城力也。ラス立ち福ちゃん入り。
第130話 蜆汁から弾丸が出た! 1980 本放送時の話数は131話
突如巻き起こる「浅草辰巳堀鉱毒事件」、堀で採れた蜆食った連中が腹下しで大騒動、め組の面々から加納じいまでやられる。蜆売りの少年は腐った蜆を売ったかどでとっ捕まり窮地、父亡きあと母を養っていた孝行息子の難儀に新さんが立ち上がる。
そもそも少年の父が死んだのは、悪徳商人が大身の武家を呼びつけての新式弾丸の試し撃ちのお披露目。そのうえ邸内で弾丸作ってて鉛毒を川に流し、少年を無実の罪に落とすひっでぇ話、半蔵の身を挺しての証拠ゲットで上様乗り込み。
ロケ地
・駕籠舁きが狙撃され死亡する本所界隈、大覚寺五社明神。
・正太が蜆とりの浅草・辰巳堀、上賀茂神社ならの小川(神事橋下)。
・庭番に正太の蜆の調査を命じる新さん、今宮神社境内。
・辰巳堀を調べる庭番たち、ならの小川から場面は大覚寺御殿川にスイッチ、武家屋敷の樋から濁水発見は有栖川。その屋敷、物部刑部邸、大覚寺大門(半蔵が蜆売りに扮して入る際には式台玄関と門内が映る)。
・物部邸の件を報告の半蔵が狙撃される神社、今宮神社合祀摂社前〜稲荷社前。
*物部刑部は南原宏治、悪徳商人は高木二朗。正太に一旦所払いの裁きを下す北町奉行は中村錦司。*事後、正太が礼にくれた蜆を密かにおそのに調理させ食う上様、書見台の前で匂いを嗅ぐのが笑える…おその、茶釜で蜆炊いてるし。
第131話 駆けろ!天下の紀州号 1980 本放送時の話数は132話
外国から馬を入れて改良しようとの上様のプランは、利権まみれの諸大名や野馬奉行、御用達の馬師が阻止の動き。輸送途中に襲われ行方不明となったアラブ種の駿馬は、箱根山中に暮らす元南部藩士の馬医者に拾われ保護される。
このあと、異種導入の議論は馬競べにて決することとなり、レースがたっぷり描かれる。もちろん紀州号の乗り手は新さん、途中わらわらと出てくる妨害者を始末して、この間のブランクもはねのけてゴール。馬医者は帰参叶い、上様から紀州号を託されて南部へ帰ってゆくのだった。
ロケ地
・輸送中箱根山中で襲われる紀州号、酵素ダート(上の山からの見下ろし)。
・紀州号を保護する馬医者の寓居、酵素河川敷。
・馬医者が紀州号を江戸へ届ける道、竹林は北嵯峨か。狙撃される山道、不明(馬ではなく医者の娘が撃たれる)。
・南部藩盛岡城イメージ、彦根城天守。
・レース、スタートとゴールは下鴨神社馬場。川沿いの道、園部の本梅川堤(手前に若森廃橋が映り込む。このあと医者が道に出て応援する地道は現在のR372か)。河原は大堰川河川敷か(礫河原)。紀州号が鬼沢の馬を追い抜く畦道、大内辻堂前(地道)。堀越らがやって来た二頭を見て隠れる茶店、大内亀岡道(八木への道別れ際にあしらい)。折り返し点、藪田神社(鳥居前に役人、舞殿は萱葺き。紀州号は参道を来てチェックを受けて戻り、鬼沢とすれちがうのは外鳥居集落へ入る道)。先行する紀州号を阻む堀越ら、大内辻堂前(馬をおりてチャンバラ)。悪党を倒し紀州号で駆け去る道は亀岡道(登り道の崖に赤土露出)。このあとはまた医者のいる堤道を通り下鴨の馬場へ。
*馬医者は内藤武敏、外国産馬導入を進言し失職、南部を追われた設定。南部藩家老の鬼沢は浜田晃、野馬奉行は五味龍太郎で馬師の頭領は伊達三郎。外国産馬導入に反対しじいに詰め寄る大名の一人に永田光男、め組の聞き込みのくだりの馬方は平沢彰。
第132話 聞いてちょ!爺ちゃん(とっちゃん)若様評判記 1980 本放送時の話数は133話
尾張柳生が、家老の使嗾で三河の天領を我が物にと謀る。最初のターゲットは、あろうことか加納じいの知行地・西大平。じいを若様扱いの矍鑠たる田所甚兵衛が亡くなった後にちゃっかり入り込み、跡継ぎを決め込む自称隠し子の正体は、柳生の穴沢帯刀。代官も丸め込むが、加納じい立会いの書付披露の際、爺さんの昔の名を取り違えているというしょーもない不備を問い詰められ、野望潰える。
ロケ地
・尾張国イメージ、亀岡盆地遠景か(山から見下ろし)。名古屋城、本物。
・尾張柳生新當道場、大覚寺明智門。三河へ出陣の柳生衆がざっざっと行進の川、勅使門橋下の御殿川(…なんでわざわざそんなとこ歩くの…)。
・三河へ赴く新さんと加納じい、潮見坂の飛脚殺しの噂を聞く天竜川渡しの茶店、広沢池東岸(北西岸に富士山合成、二人は輦台でやって来る/茶店で休んでいると柳生の襲撃)。
・お伊勢参りと称し東海道をゆくめ組一行、北嵯峨か。
・三河国イメージ、亀岡盆地か(田んぼ越しに小丘や山なみ)。領地入りした加納じいが代官所役人に誰何される道、大覚寺大沢池堤。
・じいの菩提寺と墓、不明(寺は眠狂円月殺法2話や仕舞人8話と同じ所、墓地は亀岡か←緑濃い丘の斜面に疎らに墓標)。
・田所邸、民家門。
・甚兵衛の養女・お妙に逃げるよう促す代官所役人の和田、広沢池北岸。
・尾張の国を遠見し宗春譴責の決意を胸にする上様、ここから尾張領の峠、不明(尾張国イメージに冒頭と同じ山上からの遠望)。名古屋城イメージ、本物の天守と小天守遠望に続く寄った絵は小田原城天守。
*尾張柳生の穴沢に菅貫太郎、書付披露の際や代官をだまくらかす際には頓狂な猫撫で声、事が露見し新さんに痴れ者と縁先から突き落とされるや一転、すっくと立ち上がり配下に「構わぬ斬れ!」上様との一騎打ちの殺陣もある(成敗は庭番)。*代官には江幡高志、田舎代官を好演、尾張なまりのにゃーぎゃーが笑える。短か目の袴が可愛い。菅貫に騙されてるだけで、悪人ではない設定。
第133話 油地獄のバカ踊り 1980 本放送時の話数は134話
油問屋・越後屋の若旦那がしたたかに遊蕩と見えたはお芝居、彼は謀殺された父のため悪党の正体を探っていた。一味に加担するものの次第に若旦那を慕う花魁の話もからみ、ワルが退治られたのち祝言になだれ込み。
ロケ地
・弓のお稽古/後段では鯉に餌やりで油の高騰について報告を受ける上様、枳殻邸印月池畔。
・越後屋の乳母と話す新さん、金戒光明寺放生池極楽橋上。
・越後屋先代の百箇日法要が行われる寺、金戒光明寺永運院門。
・庭番のツナギに三門を複数回。
・越後屋の墓、黒谷墓地(バックに文殊塔/イカが出てチャンバラもあり)。
*放蕩芝居の若旦那は森次晃嗣、太夫は水原麻記、乳母は日高澄子。北町奉行に川合伸旺、油売り惜しみの鴻巣屋は永野辰弥、敵に通じる番頭は田中弘史。
第134話 湯けむり地獄の決闘 1980 本放送時の話数は135話
別府温泉で採れる硫黄を用いて強力な火薬を作り大儲けを企む一味あり、調査に入ったおそのが戻らぬことから、上様九州乗り込み・ひと月江戸を留守という無茶設定の旅もの。加納の爺さまやめ組の衆も別府入り(辰五郎と久ちゃんお留守番)。
平和主義者の湯の華製造元が、頑として硫黄精製を断り密殺されたと知った上様、跡継ぎの娘を圧力に屈せぬよう励まし、出てきた代官以下のワルを叩きのめす。
ロケ地
・田野倉屋の湯の花小屋、明礬温泉の湯の花小屋。
・ラス立ちの薄原、大平山山腹。
*次回予告には投宿したホテルなど映ったり。*田野倉屋の娘は山本みどり、西国代官は田口計で悪に通じる手代は遠藤征慈。
第135話 火の山に賭けた女 1980 本放送時の話数は136話
続いて九州、別府から熊本へ。今回は、将軍暗殺を企む加藤家の忍びの残党という物騒なお話。背景には薩摩と通じる細川家の家老、世の転覆を目論んでいる。暗殺実行犯には熊本城下に潜む「草」のくの一が使われるが、夜中に宿に侵入した女はあっさり上様に見破られ、情をもって説得され失敗。しかし懲りない面々は女の家族を盾に取り再び阿蘇に上様を襲撃、今度は悪家老もまとめて成敗されてしまうのであった。
ロケ地
・熊本城に本物(天守、石垣等)。
・加藤忍びのツナギに仁和寺九所明神。
・庭番のツナギに仁和寺観音堂前。
・ラス立ちに阿蘇火口、草千里。
*くノ一は珠めぐみ、亭主は柴田p彦。陰謀の主の家老は江見俊太郎で加藤忍びの首領は外山高士、配下の忍者に福本先生、切り下げ髪のポニーテールで役名は「野田」。*上様、どこで調達したか草千里を白馬で駆ける。
第136話 江戸育ち女棟梁 1980 本放送時の話数は137話
芝・増上寺の工事をめぐる陰謀、御用の棟梁が事故を装って消されるのが発端。忠相は儲からないのにと首を傾げるが、ワルどもときたら寺に火を放ち全面建て替えを企んでいやがるという悪辣さ。上様は残された寡婦が店をしょって立つのを助け、襖絵の絵師の手配もしてやる。この際、事情ありクサっていた老絵師を更生させる挿話もあり。そして、女棟梁と絵師を始末しようと拉致った寺社奉行屋敷へ乗り込む上様、逆臣を成敗。
ロケ地
・増上寺、今宮神社楼門のあと映るのは本物か不明(林繁りすぎ)。
・鹿野屋吉太郎が輪禍に遭う道、渡る橋は疏水分線・大豊神社参道橋、路地は大豊神社参道(吉太郎の背後に鳥居二種映り込み)。
・鹿野屋で川田屋に皮肉を言った新さんが帰路襲われる神社、今宮神社稲荷社脇。
・寺社奉行・神崎備前守邸、金戒光明寺瑞泉院。
・絵師・司馬岳堂が改心し新さんとお斗代を追ってくる水辺、広沢池東岸堤道(池からのショットあり、アオコまじりの池水が大映しに)。
*女棟梁は高田美和、悪企みの分家は西沢利明、グルの寺社奉行は唐沢民賢。司馬岳堂は原健策。*増上寺で上様に声かけられて舞い上がる鹿野屋、先祖が神君にお声頂いて以来だもう死んでもいいなどとやっていると事故、お声がかり思いっきりフキツ。だいたい、増上寺に一人で来てる設定の上様、その大名ルックでどこをどう歩いて来たんだか。
第137話 箱根小しぐれなさけ雨 1980 本放送時の話数は138話
加納じい平癒の願ほどきと後養生にとじいを連れて箱根へゆく、プチ旅もの。で、お話は湯治に行った加納さまそっちのけで、沼津藩の後継騒動へ。ひそかに育てられていた若君の双子の片割れが、我が孫を跡目に据えようと謀る老中の奸計に陥ちるのを阻む上様、ワルを退治て少年が養父と暮らせるよう計らう。
ロケ地
・じいの平癒祈願を仰せつかった半蔵が走る箱根路、谷山林道か。
・箱根をさして橋を渡る上様一行、木津川流れ橋(右岸側のコンクリ橋脚部分を見上げのショットで。水量多し)。
・おくめ婆さんの茶店がある箱根路、不明(植林杉の林道)。
・馬子の少年に過分の代金を渡し断られる新さん、広沢池東岸。
・馬子の小三郎の家、不明(竹林)。
・小三郎の病平癒を祈し滝行の養父、およびラス立ちの滝、琴滝。
・帰途、上様とじいが駕籠で渡る橋、流れ橋(茶店の婆さんと行き会うシーンがあるので、早川設定と思われる。遠景に書割っぽい富士山合成)。
*馬子の坊の「父」は中野誠也、殺すに忍びず連れて逐電の次第。老中は稲葉義男で悪い次席家老は早川保。おてつそっくりの茶店の婆さんは津島道子の二役。*め組が江ノ島弁天に来ていてついでに箱根に湯治とかいうのもあるが、新さんとの接点はナシ。代わりに新さんに似た後姿の侍を呼び止めてうひゃあなギャグ入りで、いつかやったのと同じ小船秋夫。*め組の代わり?のおちゃらけ要員に浪花のおもろいアベック、一応筋にはからむ。*じいの病気騒動で、麻疹に罹った幼い上様のため諸神にした薬断ちエピソードが出てくる。
第138話 口説いた相手が悪かった 1980 本放送時の話数は139話
上様が抜擢した代官の致仕願いが出る。おそのの珍騒動もあり怪しんだ上様、甲州入り。そこには検見をめぐり賄賂とりまくりの役人たち、生真面目な代官は着任早々監禁されているという仕儀、背後には勘定奉行まで噛んでいやがる始末なのであった。タイトルは、鳥追い姿で村を通りかかったおそのを役人の饗応に使おうとして大失敗のエピソードから。
ロケ地
・甲州八代郡西箕沢村(天領)、本梅川右岸の田んぼ(検見に目こぼしを願う村人)。
・身延山近くの郷士に嫁した妹の出産を手伝った帰りのおそのがゆく八代郡の街道、大内亀岡道の坂(道端に祠あしらい、村人がおそのに目をつける)。
・おそのをつけてくる村人、藪田神社南方の集落を望む道(おそのに怒られ)。
・東箕沢村の鎮守、藪田神社(鳥居、舞殿、社務所、参道)。
・甲州入りのお庭番たち、温泉に代官を探しに行くと半蔵が別れる道隈は大内亀岡道八木道分岐(祠は映らず)。
・役人の様子を見に出た新さんが不正を目の当たりにする村、走田神社社務所前(前の田で検見が行われ、社務所は村役宅)。
・逃散しかけた百姓を止める村役の娘、本梅川若森廃橋。
*代官は岡崎二朗、村役の娘は吉沢京子。勘定奉行は睦五郎で代官所手付の悪いのは鶴田忍(おそのに投げられるスケベ役人)に清水健祐。村役は河合絃司、村人に武田てい子、重久剛一や波多野博。ラス立ち福ちゃん入り。
第139話 天下御免のあばれ槍 1980 本放送時の話数は140話
岡山藩の家老が抜け荷で私腹肥やし、告発しようとした船手組同心は江戸入り直後消される。逃避行には妻子を伴っており、二人は槍使いの浪人に助けられるが、彼もまた岡山藩の抜け荷の一件で国を出奔した郷士なのだった。
ロケ地
・船手組同心・中丸辰之進が斬られる夜道、大覚寺有栖川畔(河床から見上げ)〜五社明神。
・杢兵衛が俵突き芸を披露する神社、石座神社参道石段。
・岡山藩下屋敷、大覚寺大門。
・庭番が報告を上げる神社、赤山禅院本殿(内側)。・杢兵衛に過去の経緯を聞く新さんは本殿脇の池畔(本殿内側から玉垣越しに池を見るアングルも)。
・中丸の未亡人が娘をさらわれてしまう道、中山邸参道。
*槍使いは長門勇、言葉を聞いた新さんは即座に「備前岡山の人」。「桜京十郎」がらみで出た設定?しかし「おえりゃあせんのう」とかは言わない。悪家老は高城淳一、船手組頭は千葉敏郎で用心棒に山本昌平。平謝りの池田少将は北原将光。ラス立ち福ちゃん入り、ポニーテールの浪人。
話数は、時代劇専門チャンネルで再放送時に打たれたナンバーに準拠しています。
これにはスペシャル番組やフィルム亡失分が含まれていないので、本放送時と異なります。
私的資料をここに挙げたナンバーで作ってしまっているので、ここはこのままにします。
全話リストを別に作りましたのでご参照下さい。
→吉宗評判記 暴れん坊将軍 表紙へ
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