140〜159話
1978-1982テレ朝/東映
第140話 春遠し凶賊の母 1980 本放送時の話数は141話
上様が書庫で見つけた綱吉に贈られた万葉歌の短冊からはじまる、哀れな女の話。将軍の気まぐれで子を宿し、世に出ることなく産み育ててきた女は、老いて尚家業に黙々と精を出すが息子は身を持ち崩し、凶行の果て獄門となる。
ロケ地
・愛宕下の娘手踊り見物に赴くめ組と新さん、石座神社。
・綱吉との経緯を語る団子屋の女将、大覚寺天神島。
・息子の処刑後姿を消した母を追って馬を遣る上様、大内辻堂前。
*賊は誠直也、母は谷口香。賊の上前をはねていた北町奉行は小沢象、賊一味に中田博久。*賊の名「春雨小僧」がちょっとした笑いツボ。
第141話 年の暮れ新さん巷の煤払い 1980 本放送時の話数は142話
一年の終わりに、家臣を集めて「今年の不祥事」をがみがみ叱責の上様、これを聞いた脳天気なワルが、上司が失脚してワシが若年寄にと、風が吹いて桶屋が論法で猟官運動の資金を集めようとする。狙った先は、学費値上げ反対などでバリスト中の私塾。ここの婿養子が韜晦のすえ気抜けになっているのに喝を入れ、悪企みはばっさり斬って捨てご夫婦のカウンセラーまでする上様、ラストはめ組で餅搗いて幕。
ロケ地
・昌平黌の学生が騒ぐと報告を受ける上様、枳殻邸印月池畔。
・沈んだ様子の伊織に声をかける新さん、大覚寺大沢池堤下・畑地への道。
・伊織の心底を見るため真剣で斬りかかる新さん、中ノ島橋。このあと話を聞くのは桂川堰堤脇の中州河川敷(茶店越しのアングルも)。
*婿養子の伊織に浜田光男、妻女は久保にしき、大先生はじいの二役。黒幕の大御番頭は名和宏、ラス立ち後見苦しく振る舞い上様に髷を落とされ。その手下の与力は剣持伴紀で、道場乗り込みの名和宏についてくる下っ端に福ちゃん。うどん屋の親爺に村田正雄、直参にボコられる笹売りに小船秋夫なども。
第142話 俺は天下の鼻つまみ 1981 本放送時の話数は143話
一度も定職に就いていない前科二犯の無頼、車坂の権九郎。ゆすりたかりで日銭を稼ぐ放埓な男だが、陰では孤児を養うなど妙な可愛げを見せる。ある日彼の弟分がやばいヤマに突っ込んでしまい消され、頭にきた権九郎は相手が殺し屋だろうが大身旗本だろうが一直線に殴り込み。これを助けに入ったかたちでワルを成敗の上様、正体を知った権九郎萎れまくり。
ロケ地
・新さんと権九郎が出会う縁日の宮、石座神社参道石段と踊り場。
・権九郎のことを調べてきて報告の忠相、枳殻邸印月池畔。
・弟分の死体が上がる大川、広沢池東岸。
*権九郎は志賀勝、ヤクザ映画そのままの口調で暴れまわる。上様と知ったあと身を竦めて蚊の鳴くような声で「…ハィ」も傑作。弟分のうえだ峻もいい味、女殺し屋は北川恵、権九郎をシメにくる吉原の男衆の一人に福ちゃん。
第143話 お命焼酎一升にて候 1981 本放送時の話数は144話
上様出先で腸重積を発症し大ピンチ、これを救った医師は偏屈のヒューマニスト。上様は、医師の元同僚が無体を働きに来るのを成敗し、ついでに医師の家庭問題にも介入。
ロケ地
・上様が庭番とお出かけの密談をする庭、不明(築山の向こうに萱葺)。
・亀戸の梅屋敷イメージ、北野天満宮三光門(白梅越しに獅子口)。
・薬持ちの六助が痛めつけられているところへ駆けつける上様、下鴨神社河合社塀際。殺陣は池跡へ移動してゆく。
*医師・斉宮圭斉は高橋悦史、元相馬藩典医で悪党に讒訴され失職、江戸へ出て貧しき民を診る暮らし。娘は西崎みどりで相馬節を披露。悪辣な元同僚は神田隆、こやつが御目見得医師になるため賄賂を贈っていた小普請支配は森幹太で典薬頭は谷口完。*同趣向のお話が大川橋蔵の銭形平次403話「八五郎病中記」に。脚本はどちらも迫間健で医師の名も同じ。
第144話 男は黙って三下り半 1981 本放送時の話数は145話
よく尽くす妻に難癖をつけ去り状を放り投げる横暴な夫、と見えたは表向き。火盗改同心・島田は近頃のさばる凶盗の正体を同僚と気づき、南町奉行失脚を目論む巨悪に立ち向かうため妻子を安全な場に置き、一命を賭して職責を全うしようとしていた。
ロケ地
・庭番たちが凶盗出現ポイントと火盗の出動場所について話す町角、大覚寺勅使門前(おそのは太鼓橋を渡ってくる)。
・島田に刺客が放たれる道、大覚寺五社明神。
・事件の黒幕たちが集う浅草の料理茶屋、嵐山公園内料亭・錦。
・盗っ人要員の浪人たちを飼ってある下谷の博多屋の寮、中山邸門。
・新さんが島田の真意を聞くお堂、大覚寺護摩堂前。
*島田同心は工藤堅太郎、妻女は一柳みる。博多屋は中井啓輔で若年寄は高野真二、火盗改長官は小林勝彦で逆手斬りの名手の与力は原口剛。ラス立ち、わらわら出てくる若年寄配下の侍に福本先生、おそのに後ろ手で刺されるも、直後何食わぬ顔で上様の背後に立つ。雇われ浪人の一人に小峰さん。
第145話 ああ!成敗涙あり 1981 本放送時の話数は146話
妖刀・村正のお話。刀屋で村正を目にした若侍はたちまち怪しの刀に取り込まれ、師匠に引き合わされた徳田新之助への軽い反発が引き金となり暴発。手始めに刀師を斬り、そのことを難詰した師匠も斬ってしまう。これに不祥事を誤魔化し忠相を失脚させたい勘定奉行の思惑が乗っかり、事態は最悪の方向へ転がり落ちてゆく。
ロケ地
・焼け出された人々の暮らしを見つつ淡島神社界隈をゆく新さん、金戒光明寺経蔵前。
・一心斉の墓、黒谷墓地。
・新さんが預けた寺で手習いを教えている一心斉の娘・美佳神光院中興堂。池に落ちた子を助ける久ちゃんは金戒光明寺放生池と極楽橋(ここで騒いでるうちに美佳連れ出され)、一心斉の弟子で勘定方与力の藤島が仇討ちにと美佳を迎えに来るのは神光院西門。
・仇討ち場所に設定された護持院ヶ原、木津川流れ橋下の河原。これに騎馬で駆けつける新さんは堤を走る(見上げ)。殺陣は河原から川中、橋下も使う。
*工藤源三郎は大場順、婚約者・美佳は相原友子、父の師匠は水島道太郎で刀匠は内田稔。勘定奉行は井上昭文で配下に岩尾正隆、使嗾を受ける門弟は唐沢民賢・有川正治・五十嵐義弘・白川浩二郎。ラス立ち福ちゃん入り・勘定奉行配下、戸田道場の稽古でも出ている。*村正に取り憑かれる源三郎のビジュアルが凄い。憑依されるやいきなり白塗りとなり、目許に紅の隈取り入り唇は真っ赤っか。加えて、髪が電髪あてたみたいにびょんびょん左右におっ立つという悪乗りぶり、ライト後ろから来ててざんばら髪がシルエットになってブキミ。これは、上様に斬られ刀を取り落とした途端に元に戻る。という訳で今回上様は刀憑きをマジ斬りの真っ向割り。斬りたくないのに刀を振るってしまった上様の怒りは勘定奉行に向けられるが、こちらはいつも通り峰打ち。共死にする覚悟で護持院ヶ原にやってくる許婚者は花嫁衣裳を着込み派手。
第146話 め組が架けた恋の橋 1981 本放送時の話数は147話
芝の掘割を埋め立てて利権ウハウハを目論む若年寄、千石屋を抱きこみ金を供出させるほか、人をやって堀に不法投棄させ埋め立て正当化を図る。しかしこの企ては、千石屋の娘の一途な恋を支援の新さんが介入して悪さバレバレ、真底からの悪人ではなかった千石屋の離脱と、幕閣・諸侯に働きかけ若年寄を孤立化させた忠助の工作に阻まれ、失脚→切腹。
ロケ地
・汐留〜芝の漁村を見回り新さん、琵琶湖西岸(イメージカット)。芝口の掘割の情景には中ノ島橋と周辺を様々なアングルで多用、渡月小橋も使う。千石屋は中州料亭、外観に萱葺きのほか座敷から堀を望む場面も。
・若年寄の埋め立て申し出の件について報告を聞く弓のお稽古上様、枳殻邸印月池畔。
・恋人と密会していて用心棒に捕まる千石屋の娘、大覚寺天神島。
・若年寄が千石屋に堀に油を流すよう迫ったとの半蔵の報告を聞く新さん、大覚寺有栖川畔(御殿川流れ込みと築地が背景に)。
・目論み悉く潰え国へ帰って再起とばかり道を急ぐ若年寄と配下の前に立ちはだかり大暴れ上様、大覚寺大沢池堤水門そば。
*若年寄・坂部下野守に梅津栄、総体的にコミカルな演技なれど処々に阿部怪異テイスト。でも扱うのは毒薬ではなく、オットセイの陽物を黒焼きにした強壮剤でこれが賄賂。気風のいい船宿の女将は清川虹子、千石屋は高品格で角突き合わすが子らが恋人同士、遠藤真理子と伊庭剛。
第147話 日本一の小泥棒 1981 本放送時の話数は148話
若年寄の陰謀に利用され殺されかかるコソ泥を助け、更生させるお話。このなっさけないお人好しの盗っ人を遠藤太津朗が好演、夢の中で大泥棒として町方に見得を切る映画村日本橋上の姿が傑作。
ロケ地
・商人が賄賂を持ってきたと弓のお稽古中の上様にボヤく加納じい、枳殻邸印月池畔。
・おさいとおまちが休む茶店、今宮神社門前茶屋・一和。おさいの荷物を置き引きしたコソ泥・めだかの吉兵衛が常に追いかけられ捕まるのは東門〜石橋たもと。来合わせた新さんにグーで殴られたり。
*若年寄は川辺久造、吉兵衛に越後屋を狙った盗み話を持ちかける実は若年寄配下の髭面は西田良、悪党に内通している越後屋の大番頭は牧冬吉。吉兵衛の女房は大和撫子、権力に媚びぬ越後屋は永井秀明。
第148話 偽りの絆が廻す夫婦独楽 1981 本放送時の話数は149話
乱行の噂が上様にも聞こえる堺奉行、継子が夭折するや、九年前手をつけてポイした侍女の産んだ子を、忸怩たる気持を抑え育てた親から無理矢理取り返しにかかる。手荒な手段に訴える彼だが、病みついて余命がなかったり面白くない家庭の事情など気の毒な要素も。
ロケ地
・通行人を蹴散らし馬を駆る朽木左馬之介、下鴨神社参道。
・大工・巳之助の子として育つ正太が通う深川来光寺の寺子屋、神光院中興堂。以降、正太に文が言付けられる本堂裏手、朽木の手を逃れた母子が逃げてくる際には蓬月庵・石橋・蔵・本堂前とフルに使われる。
・朽木の行状について庭番の報告を受ける上様、下鴨神社泉川畔。
・おしなと正太が朽木の配下に拉致されかかる市中、下鴨神社河合社塀際〜裏手。
*朽木は藤巻潤、巳之助は川地民夫、おしなは倉野章子。悪役陣、朽木の叔父の小普請支配に山岡徹也、悪徳商人は田中浩、叔父に内通する朽木の部下に丘路千、半蔵に「いかつくあまり人相がよくない」と表現されている部下は小峰隆司。脚本/今村文人、監督/荒井岱志
第149話 花も恥じらう白浪渡世 1981 本放送時の話数は150話
脳天気な手下を持つ女賊は、せっかく「引き込み」に入っていたお店で妙な賊に入られ馘首されるが、彼女の身の上を知らず気の毒がった辰五郎の世話で就職した絵草紙屋は当の賊のアジト。絵草紙屋に押し込みを働く彼女だが、ゲットした大金を前に悦に入っているところを全てを調査済みの上様に踏み込まれ、絵草紙屋のバックにいたワル旗本成敗の手先をつとめることとなる。
ロケ地
・鳥越町の備前屋からまんまと大金をせしめ船で逃走する霞の宇三郎一味を見る「下女」のお蝶、罧原堰堤上手桂川(下流望、設定は大川か)。
・事件の報告を受ける上様、枳殻邸傍花閣前の遣水畔。霞の宇三郎について報告を受ける際は縮遠亭の切石橋。
・宇三郎の裏にいる無役の旗本・分部雅楽頭邸、大覚寺大門。
・十文字屋へお蝶を訪ねた新さんが彼女と話す海辺の茶店、広沢池東岸(水無、貝掘りの人々あしらい)。
*お蝶は栗田洋子、手下は小島三児。彼女らの登場場面にはおちゃらけモードのBGMが流される。宇三郎は汐路章でグルの旗本は葉山良二。
第150話 山吹色の佐渡おけさ 1981 本放送時の話数は151話
江戸へ送る金を強奪された咎で切腹して果てた佐渡奉行、残された娘は江戸へ出て父の遺言の「不審」を調査。また、彼女の婚約者で奉行に恩を受けた若侍は仇に阿るふうをつくろい真相を究明しようと動く。新さんは彼らの行動を助け、奪った金でニセ小判を作っていやがった現佐渡奉行はじめ悪徳商人も、後ろ盾の老中も成敗。
ロケ地
・御用金強奪の三国峠、大内(里へ行く畦道、亀岡道)。
・仕事帰りのめ組の衆が倒れている美津を拾う道、大覚寺大沢池堤。
・庭番に調査を命じたり報告を受けたりするお城の庭、阪口青龍苑。
・前佐渡奉行の娘・美津が婚約者の右京に話を聞くも佐渡へ帰れと突っぱねられる神社、今宮神社若宮社前。
・その帰途美津を襲う浪人たち、大覚寺大沢池堤。
・市中で庭番と忠助の報告を受ける新さん、仁和寺鐘楼(袴の塗りは黒)前。
・右京に真意を問うも白ばっくれられる新さん、仁和寺九所明神。
・美津の回想の佐渡の海辺、琵琶湖岸(砂浜に岩)。
・火傷だらけの鍛冶職人の死体が上がったことを話し合う新さんと忠助、仁和寺観音堂裏手に茶店セット。御影堂前を右京が通りかかり、追った新さんが彼を問い詰めるのは塔基壇際。
・右京が美津を連れ出し望月家再興の話をしたあと別れを告げる橋、今宮神社石橋上。
・祝言を挙げた美津と右京が佐渡へ戻る道、大内辻堂手前(祠は映らず)。
*美津は服部妙子、右京は佐々木剛、腹切った佐渡奉行は中村錦司。悪いほうの佐渡奉行は亀石征一郎、黒幕の老中は北原義郎で悪徳両替商は長谷川弘、用心棒は国一太郎で手下のチンピラ・宇吉(クレジットあり)に福ちゃん。
第151話 将軍と馬泥棒とガキ大将 1981 本放送時の話数は152話
上様に献上された三春駒は、悪代官が領民から無理矢理取り上げたもの。丹精して育てた愛馬を取り返しに単身江戸へやって来た出羽の少年を助けて動く新さん、苛政をしく代官と、これと結託し私腹を肥やす若年寄を成敗、黒鹿毛の駿馬・蔵王(サブ)を少年に返してやるのだった。
ロケ地
・上様に駿馬を献上する松倉備前守、嵐亭延命閣(止めるじいの言うことも聞かずいきなり乗ってくぐり戸を行ったり来たり)。
・駿馬を見て喜んだ上様がさっそく遠乗りに出る野道、下鴨神社馬場。ひとしきり駆けさせて小休止は泉川畔。「サブ」を取り返した三吉が葵紋の馬具を捨てて乗り入れる林、池跡。
・三吉がサブを隠していた小屋、赤山禅院境内(今は無い)。代官の手下に追われた三吉が逃げる道、赤山禅院参道。その後本堂裏の朱玉垣前を通り、十六羅漢でお供えの餅をちょろまかしに来ていた隣家のツブレ百姓・伍兵衛と会う。
・ワルを追い詰めるため若年寄に供をさせ遠乗りを企画の上様、下鴨神社馬場。トリカブトを飲まされた「蔵王」が猛るのをようやく制し馬をおりる上様、河合社塀際。ここでラス立ち。
*三吉がサブを取り上げられる口実に使われたツブレ・逃散農民の伍兵衛に小林昭二、ごく短い登場なれど、みちのくの寒村の匂いを感じさせる好演。三吉は伊藤康臣、悪代官は宮口二郎でグルの大名は小笠原弘。通行人で福ちゃんチラリ。*はじめ事情を知らず、馬を盗られて激怒の上様が可愛い。
第152話 男が火花を散らすとき 1981 本放送時の話数は153話
加賀藩江戸留守居役と寺社奉行がつるみ、町火消しを出し抜いて大岡越前の面目を潰し失脚を狙う。この留守居役、年甲斐も無く若い娘にコナをかけしまいに付け火を企む始末、騒動の過程で落命した正義漢の加賀鳶の仇を討ってやる上様だが、帰らぬ命に心は沈むのであった。
ロケ地
・庭番が寺社奉行と加賀藩留守居役の関係を上様に報告する庭、嵐亭延命閣。
・留守居役に目をつけられた松五郎(加賀鳶の纏持ち)の妹が「皿割り過失」で罠に落とされかかる、今宮神社高倉脇坂。
・加賀鳶のことや留守居役の悪事について半蔵の報告を受ける釣りの上様、大覚寺大沢池木戸脇、溢水口の石垣上。
・松五郎が刺客に遭う辰巳の妙泉寺境内、広隆寺塀際か(映画村内?)。
・松五郎の墓、招善寺墓地と墓地参道(参道は帰途の新さん)。
*松五郎は伊吹吾郎、妹は叶和貴子。加賀藩留守居役は田口計、加賀鳶の束ねは浜田晃で手下の奴に小田部通麿。寺社奉行は唐沢民賢。
第153話 棺桶の中に咲いた恋 1981 本放送時の話数は154話
上方言葉の頼りなさげな桶屋が、恩人の娘にしてマドンナの苦境を救う話。彼女が苦界に身を沈める羽目になった裏には松前藩家老の陰謀、こやつの企みとは、藩をぶっ潰して乗っ取り蝦夷地を支配して外国貿易でウハウハというとんでもないもの。民を苦しめるワルに、上様の鉄槌が下る。
ロケ地
・桶屋の善六に盗った砂金を託した中間が殺され見つかる大川、罧原堤下汀。
・沈船の果て潰れた松前藩御用達の江差屋について忠助の報告を受ける弓のお稽古上様、枳殻邸印月池畔(今日は片肌脱いでない)。
・松前藩士たちを尾行するお庭番、罧原堤下河原(渡し場、茶店あしらい)。
・松前藩家老・森川内膳正の佃島寮、大覚寺大門。善六の弟分が届け物とたばかって入る通用門に明智門。見張りのお庭番が潜むのは御殿川のなか。
・責め問いの果て死んだ弟分の死体が大八で運ばれる道、大沢池堤。
・内膳正が砂金を積み込もうとする港、大沢池畔(大きい船着きに祠あしらい)。ラス立ち、五社明神鳥居前付近。家老は船着(大)で自刃。
・事後、お鈴の気持を確かめてやり祝福の茶店、梅宮大社神苑汀(池中亭にお休み処の幟、汀に緋毛氈の床机セット、胴上げをクレーンショットで)。
*善六は岸辺シロー、弟分は小野川公三郎、お鈴は丸山秀美。江戸家老は江見俊太郎、悪い配下に田中弘史と中村孝雄。お鈴が出ていた品川の女郎屋の亭主は秋山勝俊、身請けされるお鈴に優しい言葉をかける善人。
第154話 将軍の花嫁なんていや! 1981 本放送時の話数は155話
定期的にあるお姫様もの、今回は上様の嫁取り話。加納じいが密かに計らったそれに付け込み、じいの失脚を企む一味に花嫁は拉致されるが、見張りを命じられた「石頭のかちかち」侍は姫と恋に落ち上様方に寝返りメデタシ、縁談をご破算にして二人を結び付けてやる上様なのであった。
ロケ地
・庭の水仙を愛でていて加納じいに嫁取り話を持ちかけられる上様、枳殻邸傍花閣前遣水。
・姫がさらわれる箱根山中の道、北嵯峨か。
・姫の駕籠を担いでいた供が死体で見つかる水辺、大沢池堤下汀。
・姫が「江戸見物」に出る縁日のお稲荷さん、長岡天神境内・稲荷社。そこで会った新さんと話す茶店、長岡天神八条池畔にあしらい(背景に錦水亭)。
*京から来た公家の姫に西川峰子、キンキン声でお転婆姫を好演、長屋ではねーちゃんキックで手鞠を蹴り上げ大混乱を引き起こしたりする。石頭は村嶋修、黒幕の老中は高野真二で手先の元寺社奉行は待田京介。長屋の女将さんに武田てい子。
第155話 子連れじょんがら無念流 1981 本放送時の話数は156話
津軽出身の浪人・錣(しころ)勘兵衛は、幼い息子を連れ道場破りの日々。父子と知り合い語らううち彼らが仇持ちと知る新さん、三味の名手だった勘兵衛の妻を死に追いやった大目付こそ、近頃町道場に官許を与える策を言上し何やらキナ臭い動きを見せている神尾右京。これの息のかかった道場に助っ人した新さんを消そうとするのに乗るかたちで誘い出し断罪ののちラス立ち移行、妻の仇は逆縁ゆえ討ってはならぬところを、止めを刺すよう命じ勘兵衛に仇をとらせてやる上様なのだった。
ロケ地
・吉宗にならい尚武のふう高まるとのナレーションに被り、弓の上様は姫路城西の丸、巻き狩りの荒地は饗庭のような荒地、木刀での立会いは枳殻邸傍花閣前(このくだりはバンク映像)。
・勘兵衛が道場破りして看板を持ち去る柳沢虎之助道場、相国寺大光明寺門。
・神尾右京邸、不明(よく使いまわされる門見上げ)。
・勘兵衛父子が馬鹿侍たちにからまれるのに介入の新さん、相国寺湯屋前に茶店あしらい。
・丹波道場で俄か助っ人の新さんに敗れとぼとぼと帰る父子、相国寺大光明寺南路地(奥に墓地の門映る)〜庫裏。これを追いかけ立会いの切所で「勝たしてけろ」の依頼を無視したことを弁明の新さん、法堂基壇。
・勘兵衛の回想、大目付の行列が渡る橋、不明(バンク映像)。津軽の荒海も挿まれる。妻の形見の三味線を持ち子の手を引いて旅ゆく勘兵衛は相国寺仏殿跡林間。渡船に乗る情景は罧原堤下あたりの桂川。
・事後、勘兵衛のその後を上様に尋ねる忠助、枳殻邸印月池畔。
・新さんが宙に三味の音を聞く春の野道、北嵯峨農地。
*勘兵衛さんに長門勇、暴将ではお馴染のゲスト、酒飲みぶりもいい人ぶりも田舎臭さもいつも通り(今回は東北弁)。新さんに助っ人頼んだダメ道場で働くことになり馴染む姿も一興。神尾右京は菅貫太郎、姑息風味満点。勘兵衛の妻に悪さのくだりでは、漸次ヤラしくなってゆく表情が見もの。情けない道場主は谷村昌彦、師範代は横山あきら。
第156話 呪われた千両箱 1981 本放送時の話数は157話
新さんが見つけた釣りの穴場、そこで知り合い意気投合した船頭には秘密の過去があり、人生の苦さを聞かされる。そして彼は過去の兇状から暗い運命に追いつかれ、妻子に裏切られて死んでゆく。
ロケ地
・深川の釣宿・弁慶、大沢池堤に小屋セット。大川という設定で池に船を出す。
・弁慶へ父を訪ねた吉兵衛の娘・おくみが雨宿りしてゴロツキに拉致される神社、五社明神(舞殿で雨宿り、早桶に籠められ連れ去られ)。
・おくみの身代金のため千両箱を掘り出す吉兵衛、広沢池西岸湿地の葦原。
・吉兵衛がお手配の大盗ではと上様に告げる忠相、嵐亭延命閣。
・人質交換の采女ヶ原、酵素河川敷(吉兵衛夫婦は木のそば、ゴロツキたちが現れるのは現在民家セットの建っている川上のヤブ)。
*哀愁漂う口の悪い偏屈船頭・吉兵衛に岡田英次、渋い役どころ。事後、日本橋に釣宿を見つけて赴いた新さんが、芝口屋の船頭に吉兵衛を重ねてもの思うシーンがあるが、この船頭に福本先生。ちょんの間の出演ながら棹使いが非常に決まっており、カッコいい。吉兵衛の女房は根岸明美、娘は岡本ひろみ。娘の情夫で公金横領の勘定吟味役は草薙幸二郎、女房に使嗾されるコソ泥は佐藤晟也と重久剛一。
第157話 地獄の鐘は暮六つに鳴る 1981 本放送時の話数は158話
火事で牢払いとなった男が、め組に保護され無実を訴える。みんなしてアリバイを証明してやろうとするが、後ろに巨悪が控えていて証拠は悉く揉み潰される。時を過ごすうち囚人の出頭時刻を逃してしまい、その上恋人をワルに拉致され始末されかかる男だが、新さん危機一髪乗り込みでメデタシの大団円。
ロケ地
・囚人・清次の件で忠助とツナギの新さん、湯豆腐嵯峨野朝鮮石人像前。
・清次とともにアリバイの証人探しのめ組、大覚寺五社明神。
・当夜接触のあった夜鷹を探す柳原土手は大沢池堤に小屋あしらい。
・作事奉行・堀田対馬守邸、大覚寺大門。
・利助と夜鷹が心中に偽装され見つかる柳原土手、大沢池北西畔、そこへ報告に現れるおその、木戸。
*無実の大工は立原啓裕で棟梁の娘は竹井みどり、棟梁は北村英三。作事奉行は川合伸旺でライバルの棟梁は守屋俊志、手先の悪い大工はきくち英一。
第158話 お仲成仏灯籠ながし 1981 本放送時の話数は159話
これでもかと不幸に見舞われる星回りの悪い女、おさいと新さんが計らった幼馴染との新所帯もワルの横槍で失い、芸者に戻り仇を狙うも失敗・返り討ち。彼女を救い得なかった上様の怒りの剣が外道どもに振り下ろされる。
ロケ地
・縁談話から逃げる上様、不明。
・お仲と亭主の供養に灯籠流しの新さんとおさい、上賀茂神社ならの小川神事橋たもと。
*薄幸の女・お仲は三林京子、幼馴染の大工は森次晃嗣。お仲に執着する旗本は遠藤征慈でグルの大目付は永野辰弥、悪徳商人は汐路章で用心棒が千葉敏郎、お仲を庇って殺される親方に内田稔、言い寄る番頭は中井啓輔。*斬られたお仲を抱いた上様、怒りに震え「八つ裂きにしても飽き足りん」→手ずから成敗でマジ斬り。*大目付とともに一旦は畏れ入る旗本、即効で顔を上げ「違う!上様を騙る痴れ者だ」、頭上げるタイミングが大笑い。
第159話 春を待たずに散った花 1981 本放送時の話数は160話
白昼押し込みに入るは賭場は荒らすはの男女二人組、女のほうは短筒持っててとても乱暴。あろうことか、押し込みを止めた新さんを逆恨みして包丁で刺すという無茶をやらかす始末。しかし女には、自分のために苦界に身を沈めた姉を請け出すという目的があった。そして新さんの計らいも空しく、強盗男女は大目付が諸大名を脅迫しているネタで大金を巻き上げようとしてしくじり、若い命を散らしてしまうのだった。
ロケ地
・新さんがおように刺される飛鳥神社、不明。
・賭場荒らしのあと逃げる佐吉、大覚寺有栖川河床〜天神島(ここで大目付がどこかの藩の留守居役を脅しているのを目撃)。
・おようの回想、姉と門付けをして歩いた雪の里、不明(萱葺民家、田んぼなど一面の雪)。
・刺された女の素性や大目付の悪行について報告を受ける上様、枳殻邸印月池畔。
・市中でまた強盗を働いていたおようをヒネり水ぶっかけたあと、河原で服を乾かし話を聞いてやる新さん、桂川罧原堰堤下右岸河原(派流側)。
・おように約した身請けの金を持って町をゆく新さんにならず者を仕掛ける佐吉、大覚寺護摩堂前。
・屋敷前で大目付の駕籠に脅しをかける佐吉、大覚寺大門前。
・事後、妹の遺骨抱き陸奥へ帰るおようの姉を見送る新さん、罧原堤下汀。
*おようは三浦リカ、おときは一柳みる。おようの相棒は片桐竜次。大目付は山岡徹也で配下に曽根晴美。*後ろから脾腹刺される上様、メチャ痛そうに昏倒してそのあとも寝込んでるのに、後段には何事もなかったかのように町をうろうろ。止めないのか側近。
話数は、時代劇専門チャンネルで再放送時に打たれたナンバーに準拠しています。
これにはスペシャル番組やフィルム亡失分が含まれていないので、本放送時と異なります。
私的資料をここに挙げたナンバーで作ってしまっているので、ここはこのままにします。
全話リストを別に作りましたのでご参照下さい。
→吉宗評判記 暴れん坊将軍 表紙へ
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