2013年、テレビ朝日/東映 金曜深夜枠
原作/西村ミツル 漫画/梶川卓郎 芳文社刊 ナレーター/来宮良子
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第一話 「平成のシェフが戦国時代にタイムスリップ!?」 2013.1.11
若き料理人が、天下を窺う勢いの信長に会う、起こりの話。いかにも青年マンガらしく、初手から対決シーンが入れられている。ほわんとした感じの若者が、意外と鋭く思慮深いあたりがミソ。時代劇としての作りはちゃちいけど、勢いがあっていい感じ。
ロケ地
- 同僚らしき三原に手を引かれ市街戦から逃げたケン、一息つく崖地は保津峡落合崖際、野伏に見つかり追い詰められドボンは落下岩、落ちる先は保津峡。真砂採りに来ていた夏と出会い拾われるのは落合河口汀。
- 夏の家へ追っ手かかり、秀吉とともに逃げ危機一髪のところお屋形さまたちが来て助かる林、不明(雑木に竹林まじりの「山腹」、林間に巨岩のアレ)。ケンは連行されてしまう。
- 岐阜城、彦根城。天守のほか、天秤櫓で料理頭が搬入作業をしている。荷駄に夏が潜んでいて、楓により露見。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 木下藤吉郎秀吉/ゴリ 森可成/宇梶剛士 楓/芦名星 井上恭之介/きたろう ルイス・フロイス/ダニエル・カール 三原/酒井敏也 謎の女/香椎由宇 明智光秀/稲垣吾郎 織田信長/及川光博
脚本/深沢正樹 監督/兼崎涼介
※鍛えた包丁を渡した夏が「いざ参らん」と励ます台詞が、「戦国のキュイジーヌ」を足してケンの決め台詞に。
※保津峡落合の設定だが、ドラマでも原作でも漠然と「京都」とされていて、夏が真砂を採っている川。ドラマでは、見たとおりケンは断崖絶壁から身を躍らせるが、原作に描かれた川は中〜下流部の川相で河川敷もあり堤はけっこう高い。原作では夏の住まいは醍醐、どこへ砂を採りに行ったかは記されていないが、ドラマで夏が「ウチは近く」と言っているのでほぼ淀川水系と思われる。しかし伏見近辺の宇治川にはまだ槙島堤は築かれておらず、汀は巨椋池続きの湿地のはず。砂を採るなら木津川とも思われるが、確証は持てない。漫画の堤が妙に近代的なのも少し気になる。
第二話 「平成のシェフが戦場に!敵の台所に潜入」 2013.1.18
伊勢侵攻を描く回、料理は行軍中にインスタントのアレが出て、メインは北畠具教の「心を折る料理」。
大鍋担ぐのを実写化してあって大笑い、博太郎存在感凄し。
ロケ地
- 南伊勢へ向け行軍する織田軍、不明(雑木林の山腹、植生と林床は酵素や鳥居本に似る)。後段、秀吉とともに行動する際の夜の林も同所と思われる。
- 行軍の途中小休止、料理のため水を汲みに行くと夏が体を拭いているところに遭遇する谷川、保津峡落合河口汀。前回とは微妙にアングルを変えてある。
- 阿坂城攻め、遠景の天守は彦根城天守を合成、前景に使ってある林は酵素付近か。
- 大河内城、ケンと夏が食材を持って入る城門、彦根城太鼓門櫓。和議成ったあと、喜ぶ民を見下ろすのも同じ櫓、ケンと夏に信長が楼上に。
- 伊勢参拝の際、ケンが作った折詰を食す夏、彦根城内坂。楓と信長がからむ。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 木下藤吉郎秀吉/ゴリ 森可成/宇梶剛士 楓/芦名星 井上恭之介/きたろう 北畠具教/本田博太郎 三原/酒井敏也 北畠具房/水上剣星 森蘭丸/永瀬廉 謎の女/香椎由宇 織田信長/及川光博
脚本/深沢正樹 監督/兼崎涼介
第三話 「テリヤキの乱!!将軍VS平成のシェフ」 2013.1.25
足利義昭を屈服させる話、信長はケンをエサに使う。バイキングを思いつくエピソードを将軍の策謀にからめてあるが、部屋が狭くて立食パーティになってて笑える。
みどころは福ちゃん、将軍の家臣。義昭に命じられケンを拉致りに来るほか、バイキングを貶そうとするも頓挫のくだりなど、台詞もたっぷり。
ロケ地
- 伊勢からの帰途、陣を張り昼食をとる信長軍、酵素河川敷。元の隠宅セットがあったあたりで、草は刈り込まれている。料理は大鍋で海鮮リゾット。設定は伊賀上野。
- 家臣団と別れ京へ向かう信長と供揃い、酵素付近か(山中の林)。この旅の途中、森可成がケンに問われ語る13年前の回想(舅・道三に援軍の戦い)、酵素崖際・可成を援護の信長はダート待避所にいて見下ろし。
- ケンたちが入る義昭の御所(二条城)、二条城北大手門。
- 岐阜城、二条城本丸西虎口に彦根城天守を合成。イメージだけでなく、登城シーンもある。急に増えた来客のため、不足する器に悩むケンのシーンは二条城二の丸御殿内庭。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 木下藤吉郎秀吉/ゴリ 森可成/宇梶剛士 楓/芦名星 井上恭之介/きたろう 福本清三(将軍家家臣、クレジットはベタ) 徳川家康/カンニング竹山 足利義昭/正名僕蔵 謎の女/香椎由宇 織田信長/及川光博
脚本/倉持裕 監督/田村直己
第四話 「家康の裏切り!?信長の危機を天ぷらで救え!」 2013.2.1
金ヶ崎退き陣がメイン。重大な岐路にあたり、ケンの料理が突破口をひらく。
鯛の天ぷらを旨そうにパクつく家康、知っててやってるのかケン。
ロケ地
- 二条城、本物の北大手門。衛士つき。
- 金ヶ崎城を落としたあと、この先の展望について秀吉に語る信長、罧原堤下汀。対岸の嵐山東公園の木を望む図。
- 朝倉軍の進撃、およびケンを伴い退却する信長、酵素付近林間か。農夫宅を出てきた一行が通る山道も同所か(ここは谷筋っぽい)。
- 殿軍をつとめ岐阜城へ帰還する秀吉、入る門は大覚寺明智門、上に彦根城天守を合成してある。
- 京・家康の宿館の寺イメージ、大覚寺南塀。
- 家康懐柔の料理を作るべく京へ赴くケン、小休止する水辺は嵐峡、メニューに悩む段。
- 岐阜城、二条城本丸西虎口に彦根城天守合成の図。戦がはじまると顔を曇らせるケンと夏、城内庭は二条城二の丸御殿内庭、ケンは木に凭れている。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 木下藤吉郎秀吉/ゴリ 森可成/宇梶剛士 楓/芦名星 新吾/相島一之 よね/中島ひろ子 酒井忠次/池田政典 徳川家康/カンニング竹山 謎の女/香椎由宇 織田信長/及川光博
脚本/倉持裕 監督/田村直己
第五話 「平成のシェフがスパイに!!信長の妹を暗殺せよ!?」 2013.2.8
小谷城へ潜入したケンは、謎を解き目的を果たすが、お市は脱出を拒む。
ケンの脳裏にフラッシュバックする謎の女の名が知れ、ケンのストーリーが動き始める。
ロケ地
- ケン一行が小谷城へ向かう街道、酵素ダート。
- 小谷城イメージ、郡山城址追手向櫓。
- ケンを逃がし、包丁を返してくれるお市の方、北嵯峨竹林か(明るい林床)。
- 織田・徳川軍と、浅井・朝倉軍が対峙する姉川、大堰川河川敷。モブシーンあり。
- 織田軍へ戻る途中、刃を突きつけられるケン、酵素ダート。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 木下藤吉郎秀吉/ゴリ 楓/芦名星 井上恭之介/きたろう お市/星野真理 浅井長政/河相我聞 徳川家康/カンニング竹山 三原/酒井敏也 謎の女/香椎由宇 織田信長/及川光博
脚本/深沢正樹 監督/藤岡浩二郎
第六話 「姉川の戦いを焼肉で勝利せよ!最凶の敵登場!!」 2013.2.15
ケンをめぐる女たちにスポットが当てられる一方、本願寺や堺の町衆とのからみが出て「歴史」も進んでゆく。
初めてバナナを食った日本人・信長とか、おおまじめに映像化してあって笑える。
ロケ地
- 織田軍へ戻るケンに刃を突きつける楓、酵素ダート。このあと二人が乱破にからまれピンチの野原は酵素河川敷、「隠宅」跡の笹藪の前。
- 姉川合戦、大堰川河川敷。
- 石山本願寺イメージ、西本願寺甍。アングルは西側から。
- 岐阜城イメージ、彦根城天守。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 木下藤吉郎秀吉/ゴリ 森可成/宇梶剛士 楓/芦名星 今井宗久/渡辺いっけい 浅井長政/河相我聞 お市/星野真理 千宗易/大和田獏 顕如/市川猿之助 瑤子/香椎由宇 織田信長/及川光博
脚本/倉持裕 監督/藤岡浩二郎
第七話 「本能寺の変…明智光秀と平成の恋人の陰謀!?」 2013.2.22
惨劇を回避させるべく、親睦のための料理をつくるケン。一方、信長の運命を顕如に教えていた瑤子は、ケンの存在を知り出奔するのだった。
ロケ地
- 本能寺、光秀が前に立つ門は随心院薬医門。後段、信長を迎える段では大玄関、光秀がケンを厨に案内する段では回廊、光秀が茶を点てたり信長と食膳を囲むシーンは書院が使われている。
- 岐阜城イメージ、彦根城天守。ケンが作った餡パオンを井上が捧げ持ち行くシーンは大覚寺大沢池北辺並木、信長が仕入れた鉄砲を試射している広場は遣水跡(幔幕めぐらせ。後段、可成が出来てきた槍を振り回すシーンも同所)。
- 宇佐山城イメージ、不明。どこかの石垣に櫓を合成?
- 二条城、本物の北大手門。砂糖を寄越せという信長の意向を、光秀が将軍に伝えるくだり。衛士配置。
- 顕如の回想、瑤子を拾った夜の山中、鳥居本か(雑木林、林床に落ち葉みっしり)。
- ケンが本能寺にいると知った瑤子が出奔するシーン、不明(どこかの境内?)。
- 可成への下賜品の長槍を見る信長、大覚寺聖天堂階に腰掛け。ここで、ケンと夏に宇佐山行きを命じる運び。
- 石山本願寺外観イメージ、不明(山裾に堂宇点在。合成っぽい)。
- 近江へ向かうケンと夏、街道に見立てた土手は公園か。野営する野は酵素河川敷。この間、瑤子が彷徨う夜の林も同所か。
- 顕如の指示で鳴らされる、攻撃の合図の早鐘、西壽寺か。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 森可成/宇梶剛士 井上恭之介/きたろう 黄金濱之助/濱口優 森蘭丸/永瀬廉 顕如の僧兵/峰蘭太郎 足利義昭/正名僕蔵 顕如/市川猿之助 瑤子/香椎由宇 明智光秀/稲垣吾郎 織田信長/及川光博
脚本/深沢正樹 監督/兼崎涼介
第八話 「最愛の人死す!別れのディナーはチョコ料理」 2013.3.1
タイトルの人は可成、お館さまの盾となって散るのだが、森さまのことを大好きだったケンの悲嘆は大きい。
泣かせる趣向なのに、瀕死の男にチョコレートの滋養を説くケンが可笑しい。平手の爺の葬儀の際の逸話を想起させる信長、べそかき顔が可愛い。
ロケ地
- 瑤子と会えたもののすぐに別れざるを得なかった山中、酵素河川敷、崖。
- 宇佐山城イメージ、前回と同じ。兵士や逆茂木が演出された城内描写は正伝寺、獅子の児渡し庭園の外壁越しに本堂屋根を望む図。
- 石山本願寺イメージ、西本願寺甍。6話と同じ。
- 可成のもとへ急ぐケンと夏、走る道は正伝寺参道、池越しの図。このあとの山道は酵素か、楓のシーンも同様か。
- 重傷を負った可成を連れて戻るケンたち、宇佐山城門に辿り着いたところで可成が膝を折るシーンは正伝寺参道中門。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 木下藤吉郎秀吉/ゴリ 森可成/宇梶剛士 楓/芦名星 森蘭丸/永瀬廉 顕如の僧兵/峰蘭太郎 足利義昭/正名僕蔵 顕如/市川猿之助 瑤子/香椎由宇 織田信長/及川光博
脚本/倉持裕 監督/濱龍也
第九話 「運命の料理対決!平成に帰れるのか!?」 2013.3.15
帝の御前での、「瑤子との戦い」も無事済み、光秀の示唆により「平成」に帰還するかに見えたケンだが…。
ドラマオリジナルの区切りをつけての最終回、お館さまと「夏さん」の吸引力はとてつもなく大きいのだった。
ロケ地
- 御前試合を前に悩むケン、光秀が来て声を掛け、「帰り方」について示唆する宇佐山城内は随心院本堂階。夜設定、お堂の中に灯り演出。
- 摂津石山本願寺イメージ、随心院薬医門。篝火と僧兵あしらい。
- 人見山の黄泉の祠、吉田神社神竜社。参道と鳥居周辺を使う。
- 御所イメージ、仁和寺勅使門。内部描写はセット撮り。
- 夏の願いにより、信長・ケン・夏・瑤子の四人で黄泉の祠へ向かう道、仁和寺参道。僧兵に取り囲まれてしまい立ち回りとなるのは経蔵前。
- ケンが戻ってくる宇佐山城イメージ、既出の砦イメージ(不明)と正伝寺。
ケン/玉森裕太 夏/志田未来 木下藤吉郎秀吉/ゴリ 楓/芦名星 井上恭之介/きたろう 下間頼廉/峰蘭太郎 宮司/北村明男 帝/森本レオ 足利義昭/正名僕蔵 顕如/市川猿之助 瑤子/香椎由宇 明智光秀/稲垣吾郎 織田信長/及川光博
脚本/深沢正樹 監督/兼崎涼介
※最終回は3/8に放送の予定だったが、野球中継が押して休止。
→ 信長のシェフ2
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