大西秀明監督作品 1964.6.20東映
キャスト
近衛十四郎 東千代之介 北条きく子 千原しのぶ 三島雅夫 阿部九州男 植村謙二郎 須賀不二夫 田中春男 沢村宗之助 佐藤晟也 河村満和 藤木錦之助 小田部通麿 国一太郎 竹内満 尾上華丈 佐藤洋 島田秀雄 鈴木金哉 坂口祐三郎 相原昇 東竜子
脚本/大西秀明、河合勝己、西村政治 音楽/津島利章 擬斗/上野隆三
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めっぽう腕のたつ、盲目の破戒坊主・鉄心。中身は気のいい情け深い人物だが、己が目から光を奪い、恩人を殺した男を許すことができない。その執は業深く、念晴らしはさらなる憎悪の連鎖を呼ぶばかり。
そして、鉄心の影ともいえる恐るべき男もまた、消えぬ妄執にとらわれた哀れな魂の持ち主なのだった。
ロケ地
- 路傍の石仏に放尿してしまい落ち込む鉄心、そこへ銀蔵親分の仇と斬りかかるヤクザ、南禅寺水路閣際。
- 創立三十周年記念の武道大会が開催されている名古屋警察署、龍谷大学大宮キャンパス。フェンスのところに蔦のアーチを施し、大会の看板なども架けてある。
- 大会に優勝した帰りの鉄心が「負け組」に襲われる坂、不明(踊り場のある石段、立地は丘の上。建勲神社に似る)。ここで初めて死神と出会う。
- 大阪イメージ、通天閣を望む町なみの手前の洋館、不明(チャペル?)。
- 大阪・常念寺、宝塔寺。父の七回忌にお参りに来るお園のくだり、導入は楼門越しに本堂を望む図。お園と別れた死神が卒塔婆(女房のものか不明、裏には「俊枝」と書いてある)の前に立ち尽くすシーン、墓地(集合墓の近く)。突っ伏して和尚の説教を聞く鉄心、本堂縁先。回想シーン、刺客・武平太に鉄心が目を斬られ市兵衛親分が殺された墓地、集合墓近く・近寄る刺客の背後に多宝塔が見えている。このほか、本堂から楼門を見る構図なども出てくる。
- 鉄心が九州へ行ったと知ったお園、間に合うかと駅に向かうも、途中で汽車が走り去るのを見る道、山陰本線沿い日本食糧倉庫の塀際(レンガ造り、線路の土手ナメて塀を望む図、夜間撮影で屋台などあしらい。再開発がかかり建物は現存せず。SLは本物で、迫力)。汽車が去ったあと、死神がお園の肩を叩き、自分が九州へ送って行くと申し出る。
- 死神の回想、ようやくお俊と所帯をもった頃、荷役の若いのが姐さんと浮気していると知らされる駅頭(荷揚場)、不明(本物の鉄道施設と思われる)。
- 鬼熊が経営する九州・飯塚の炭鉱、不明(本物のボタ山、町なみやトロッコなどもある)。
※鉄心の得物は仕込み杖、技は逆手斬り。
※死神のいでたちはキザそのもの、三つ揃えにマントを着込み、金時計の鎖を垂らしている。髪は総髪のロングヘア。くわえ煙草は、死神と化す前からの習慣。得物はステッキに何やら妙な仕掛けの一件。
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