マキノ雅弘監督作品 1954.4.21東宝
キャスト
河津清三郎 水島道太郎 小堀明男 小泉博 田中春男 田崎潤 久慈あさみ 若山セツ子 濱田百合子 澤村宗之助 山田巳之助 横山運平 森啓子 三好栄子 澤村貞子 堺左千夫 村上冬樹 清水元 森健二 恩田清二郎 小杉義男
脚本/小国英雄
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希代の豪傑・河内山宗俊とその仲間が、哀れな娘を手に掛けた悪旗本をみごと退治る、痛快娯楽作。
札差に奉公している娘を訪ねてきた老爺は、店の用心棒に叩き出される。途方にくれた親爺が頼ったのが、両国橋たもとで八卦見をしていた宗俊。失せものを当てたことからすっかり頼られ、仕方なく乗り出した彼は、当の娘がお手討ちになった無残な姿を見せられる。敵いそうにない相手ゆえ沈む一同、しかし黙っておれず宗俊は駆け込み訴えという非常手段に打って出る。以降、愉快な仲間たちの奔走と、評判の遠山奉行の名裁きで、胸のすいた民人は英傑たちにやんやの喝采を浴びせかけるのだった。
ロケ地
- 両国橋と広小路、回向院の門は大がかりなセット。回向院境内は清凉寺境内、本堂前に露店を多数あしらい、参詣人もたくさん入れてある。直侍と丑松がたむろするシーンには鐘楼を使ってあり、三千歳が伊勢屋の用心棒たちを追い越してゆくシーンには鐘楼のほか西門も出てくる。境内のセットも組まれていて、ロケと併用。
- 伊勢屋の用心棒どもと立ち会う金子市之丞、不明(鳥居があって舞殿は萱葺きで半ば破損していて、奥に経蔵っぽい建物なども映る。塀囲いがあり、大きな露仏も見える。九所明神にちょっと似ているが、奥のほうが落ち窪んでいるのか、大きな破風が沈んだように覗いている。下は草地、松の疎林)。
- 旗本・神谷の屋敷へ乗り込んだ宗俊を待つ、お七の父・武平、待ちきれず出迎えてみる宗俊宅の門(内側)、妙心寺涅槃堂か(前の路地は少し傾斜、向かいの塀際には松)。この前に出る、宗俊宅の表構えはセット。
- いよいよお裁きが行われる北町奉行所、青蓮院長屋門。石段の中ほどや下に民衆が詰めかけ、伊勢屋の娘が来てみたり、武平を伴って三千歳がやって来たりする場面も。
※武平に頼られるきっかけは、丑松が財布を掏ったゆえ。
※直はお七にコナかけていて、彼に惚れたためお七は神谷を拒否。直はこのほか伊勢屋の娘にも色仕掛け。
※金子市、設定は南部浪人で、いちおうトーホグ訛りで「まんずまんず」とか喋る。「お七」の発音でのしつこいギャグあり。
※遠山奉行、最後に袖ちょっとまくって刺青チラ見せ。
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