綱渡り見せ物侍

加戸敏監督作品  1955.9.6大映

キャスト
力太郎、丹羽鉄之丞/市川雷蔵 お小夜/水原真知子 お蝶/阿井美千子 信乃/峰幸子 蘭々斉天花/清川虹子 市助/益田キートン 加島文太夫/坂本武 和田外記/香川良介 江口源十郎/杉山昌三九 折井源庵/東良之助 丹羽左京太夫/南部彰三 谷甚左ヱ門/光岡竜三郎 廣瀬主膳/大邦一公 廣瀬数馬/高倉一郎 三吉/上田寛 半次/大国八郎 丹羽菊丸/西岡タツオ

原作/陣出達朗「道化獅子」 脚本/賀集院太郎

∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵

 軽業師の力太郎は、さる藩の若様に容貌が酷似していたことから、お家騒動に巻き込まれる。そして、悪党の企みを暴くため雌伏していた当の若様は、奇しくも力太郎の一座に転がり込む羽目に。
以降、立場を取り替えた二人はともに国元の二本松へ向かい、土壇場で鮮やかに入れ替わるのだった。
取り替わる二人は、もちろん雷蔵の二役。互いの環境に馴染めず仕出かす、お笑いエピソードがお約束ながら面白い。

妙心寺

ロケ地

  • ゴロツキ侍にからまれた女掏摸・お蝶を助けてやる力太郎、浅草寺は清凉寺、大提灯をあしらった山門から、露店を多数あしらった境内、本堂脇などが使われる。
  • 浅草寺から逃げたお蝶、金を抜き取った財布を捨てる町角は妙心寺玉鳳院前蓮池端(西望の図、水音演出)
  • 同じく逃げてきた力太郎、相棒のお小夜に剣突を食らう道は妙心寺桂春院前路地(南望の図。向かいに小夜が出てくる並木あり、西日が差している)、その後二人が別れる道は妙心寺雲祥院前路地(北望の図。小夜は東・長興院の方へ、力太郎は南・桂春院の方へ)。江戸家老・文太夫がつけてきて「若様」と拝跪する石畳は、妙心寺蟠桃院通用門前クランク(蟠桃院の門や、養徳院前に以前はあった溝が映り込んでいる。力太郎は東の大雄院方向へ走り去り、北の空き地の方へ直角に曲がる)
  • 丹羽家江戸屋敷、不明(門のパーツのみ)
  • 一座に押しかけてきたゴロツキ侍から逃げた力太郎、曲がってくる路地は妙心寺蟠桃院通用門前クランク。文太夫の爺さまにとっ捕まり駕籠に籠められてしまうのは妙心寺養徳院前路地、養徳院と蟠桃院の両方から藩士が出てきて囲まれる(俯瞰、養徳院前には顕著に溝が見える)
  • 文太夫に頼み込まれ、若様としてお国入りの力太郎、街道は不明(丘の裾の地道、田畔、遠景に山なみ、湖西か)。用足しに立ち寄る民家、不明(門は萱葺き、母屋も映っている)。このあとの街道は池端なども。
  • 阿蘭陀座が二本松さしてゆく街道、琵琶湖畔松並木際の地道。
  • 二本松のお城、不明(異様に高い石垣、彦根城に似た天守など、寄せ集めの合成と思われる。後段、総触れの際には城門と橋が出てくるが何か不自然)。「若様」の駕籠が付けられる玄関、仁和寺大玄関(中からの絵もあり)
  • 本物の若様・鉄之丞に文を託されたお小夜、城代邸へ行く途中お蝶にばったり会い、懐中をやられる堀端、八幡堀堀端(白雲橋・明治橋間の左岸側、下段は草ぼうぼう)。掏った文を出して見るお蝶は、白雲橋たもと大燈籠に腰掛け。堀端で途方に暮れる小夜の絵から、燈籠へカメラ引いてゆく。
  • お蝶が掏った文を持って入ってゆく城代・和田外記邸、青蓮院長屋門(出格子の前に木あしらい?)
  • 事後、若様たちに見送られ帰ってゆく力太郎とお小夜、不明(二条城本丸西虎口に似た石垣)

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ