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キャスト 河内山宗俊/勝新太郎 お滝/草笛光子 片岡直次郎/ヒデ 丑松/火野正平 お千代/桃井かおり 金子市之丞/原田芳雄 森田屋清蔵/大滝秀治 遠山金四郎/若山富三郎 鳥居耀蔵/岸田森 水野忠邦/山村聡 三十俵二人扶持の軽輩ながら天下のご直参の御数寄屋坊主。役目柄、権力中枢にダイレクトに接する機会も多い彼らは、聞き込んだ情報をネタにせっせと小金を稼ぎ蓄財に励むのが通例。しかしここに希代の快男児あり、金も欲しいが浮世の義理と人情捨ててはおけぬ熱いハートの河内山。下谷練塀小路に屋敷を構え、弱きを助け、強きからはゆすりたかりの無頼漢の痛快一代記。 第1話 一世一代の大芝居 1975/10/6 監督・三隅研次 一斉店立てを食らい難渋の長屋衆のために、一肌脱ぐ宗俊。 ロケ地、屋形船のシーンやお千代を隠す小舟、嵐山公園中州まわりと思われるが確証なし。ラスト、雨の夜襲撃される宗俊、上賀茂神社ならの小川畔にぼんぼりセット。 第2話 ねり塀小路がひと肌脱いだ 1975/10/13 監督・工藤栄一 心中の生き残り女が晒される場面から始まり、差し金の悪徳商人が晒され返すシーンで終わる。 ロケ地、晒しの石段、神護寺金堂前石段。能登屋が入水未遂の浜や、越後屋ハメる屋形船繋留の池之端、広沢池東岸(汀、堤道)。 第3話 ここ一番の大勝負 1975/10/20 監督・黒田義之 商家の息子を養子にとっては、その家の財を吸い取りポイを繰り返すたちの悪い徒歩目付あり。 ロケ地、荒井の養子が子供集めてこけし彫ってる金子市と出会う、今宮神社高倉下。養子が無用組にボコボコにされるのは高倉脇の坂。荒井邸、相国寺大光明寺(門、南塀)。事後、EDに被せて元養子が味噌の行商、伏見・松本酒造酒蔵を東高瀬川挟んで対岸から。 第4話 祭ばやしに男が賭けた 1975/10/27 監督・森一生 倹約令で鳴り物禁じられ、囃子をさらう音も聞かれぬ江戸の町。冥加金を安請け合いの宗俊、儲け口を探すうち抜け荷話に行き当たる。 ロケ地、松前藩の奥方を招聘する料亭、中山邸門。水野老中に「狸」囃子を見せる、鳥居本八幡宮舞殿。 第5話 親孝行なさけのかけ橋 1975/11/3 監督・三隅研次 故郷から出て来た母に今の身分を偽りいいカッコするというおきまりの話も、河内山一家にかかればこの上なく猥雑で荒っぽいことに。 ロケ地、船着きに丑之進様の御母堂様を迎える裃姿の直次郎たち、大沢池畔。伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門。御母堂を迎える屋敷、中山邸通用門。去った母を遠目に見送る丑松、桂川松尾橋下手。 第6話 米が仇の八百八町 1975/11/10 監督・太田昭和 米の流通を滞らせ値を吊り上げる悪徳商人と一派を懲らしめる一話。 ロケ地、賭場の証文を破り捨てる丑松、中ノ島橋上(正ちゃん欄干またぎ)。札差の女将と奉行の密会を見張る丑松、背後に桂川大堰映りこみ。事後、米を積んだ船を遣る直次郎と丑松、広沢池東岸。 第7話 御祝儀放免 1975/11/17 監督・三隅研次 牢屋敷が改築。これを嘉して行われる御赦免のしきたりあり、赦される囚人の指名は担当の棟梁が行う。 ロケ地、相模屋の駕籠を役人と地回りに襲わせ奉行に見せる橋、中ノ島橋(下方から側面を望む、水面に影落すシンメトリの大胆な図柄と、橋上)。伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門(赦免された男を迎える家族の手前に門前で叩刑受ける丑松を配置)。 第8話 三途の川は空っ風 1975/11/24 監督・太田昭和 抜け荷商人たちの縄張り争い、古参の森田屋は新参の碇屋の掟破りの独占を力ずくで阻止する。 ロケ地、森田屋の妾・お艶が碇屋に誘拐されかかる神社、今宮神社境内。金子市はこけし売りに高倉下に出ていて行き合わせる。この後、かつての同輩とばったり会うのは楼門。釣りの丑松と直次郎が、通る女の襦袢の色で賭けをしているところへお艶が通りかかる橋、中ノ島橋(釣りは橋たもとの堰堤前、お艶は橋上)。捨て子だった身の上を金子市に語るお艶、罧原堤下汀(夕景)。お艶が拉致され監禁される州崎千本杭河岸の小屋、広沢池東岸にセット。お艶を舟葬の金子市も同所汀(夕景、見事)。 第9話 罠にはまった中仙道 1975/12/1 監督・大洲斎 宗俊が富商の内儀と駆け落ち、と見えたは狐狸の化かし合い。 ロケ地、街道筋各所まことに良い画なれど皆目判らず。途中、金子市一行が刺客に襲われる茶店は広沢池東岸。 第10話 鬼より怖い奴がいた 1975/12/8 監督・工藤栄一 森田屋の頼りない娘婿が弱味に付け込まれ、抜け荷情報を狙われる話。 ロケ地、森田屋でシメられた婿を連れ出し事情聴く宗俊、大覚寺大沢池堤・水門そば。金子市が森田屋の孫娘と鼠逃がす、大沢池畔。 第11話 男が泣いたわらべ唄 1975/12/15 監督・森一生 表で用心棒を世話し、裏で盗賊を差し向けるという、二足の草鞋の梵天一家と河内山一家の丁々発止が描かれ、金子市が先天性心臓疾患の少女のため奔走する哀話が挿まれる。 ロケ地、金子市がこけし彫ってて茶店の孫娘・おつうを見る、今宮神社高倉下。茶店は東門内の塀際にセット。金子市が茶店を訪ねるくだりでは石橋も使用。おつうの死を見たあと立ち尽くす金子市、広沢池東岸汀。 第12話 ぬれ手に油の三万両 1975/12/22 監督・黒田義之 単に行灯油切れてたから買いに行った宗俊、これがもとで押し込みの黒幕と思われてしまう。 ロケ地、金子市が殴られ商売始める縁日、今宮神社境内。千代が仙太と再会の橋は東門内の石橋。千鳥に帰らずほっつき歩く千代が、川を渡って逃げてくる仙太たちと会う、中ノ島橋下河原。千代を探し歩く宗俊が三杉屋の手下に襲われる、中ノ島橋上。追っ手から逃げ回る仙太が走る掘割、中ノ島橋下水路。千代が勤める浅草の水茶屋・かざりや、今宮神社門前茶屋・かざりや(暖簾も提灯もそのまま使用)。 第13話 鯉が命の子守唄 1975/12/29 監督・太田昭和 西の丸が焼亡、再建事業のお鉢回ってこないよう狂奔する大名家の留守居役たち。 ロケ地、勤務先の水茶屋で手討実行犯の侍を引っ掛ける千代、今宮神社かざりや。千代に両国の料亭への道を尋ねるお糸、今宮神社東門内の石橋。梅本は大覚寺望雲亭か。 第14話 鉄火肌一番まとい 1976/1/5 監督・黒田義之 町火消しと定火消しの諍いのお話。 ロケ地、纏持ちの銀二とおしんが逢引の水辺、嵐山公園中州舳先(右岸側)。 第15話 地獄に花をつみに行く 1976/1/12 監督・勝新太郎 通い髪結いの身分を蔑まれ、亡き兄まで誹謗されるも愛想笑いの男が牙をむく。 ロケ地、集金の金を強奪され入水の平戸屋の番頭、嵐山公園中州岸。長次が番頭をハメて殴り倒す池之端の桜並木、広沢池西岸(水無)。長次の長屋から平戸屋の娘を救出し、岸で待つ宗俊のところへ船をつける丑松たち、嵐山公園中州湛水域。宗俊が置いていった百両を叩き返しに来る長次、殴り合いになる林、大沢池堤水門前。 第16話 夜明けに消えた男星 1976/1/19 監督・安田公義 宗俊が出会った謎めいた浪人、蘭学の件でお上から追われ、藩主との関わりで国元から追われる。 ロケ地、大樽転がしてある浜をゆく宗俊たちが竜岡浪人と出会う、罧原堤下河原。千代の水茶屋にみかじめ料取りに来る地回りの前に立ちはだかる竜岡、今宮神社門前茶屋・かざりや。この後、尾行の直次郎をまく(帯解かれてあーれー)竜岡、今宮神社高倉脇坂、楼門。 第17話 火と燃えよ恋のかよい路 1976/1/26 監督・太田昭和 異国への渇望を抱く青年に惚れこんだ森田屋、金子市と丑松に依頼し牢から出そうとする。 ロケ地、小伝馬町から浅草溜へ送られる大次郎が救出されてくるのを待つ森田屋、金戒光明寺石段上(御影堂大屋根バック)。金子市の働きで解放されるも、一瞬の邂逅の女の顔が脳裏をかすめ、鎌倉橋の宮津屋へ走り出す大次郎、桂川罧原堤下付近河床。大次郎と雪を中川の船小屋に隠し、森田屋へ船の手配に走る金子市、捕り方と交錯は中ノ島橋(橋上、中州料亭裏岸)。乞食を集め踊らせ誘導する宗俊、遠ざかる船を見て浜を走る捕り方が踊る乞食集団に阻まれる、琵琶湖西岸汀。 第18話 雪に舞う女の絵草紙 1976/2/2 監督・太田昭和 母を捨てた父に言いたかった、ただひとことのの恨みごとは口に出せずに終わる。 ロケ地、理恵を連れお参りの宗俊とお滝、木島神社(本殿、舞殿)。千鳥を辞し龍谷宅へ赴く理恵が渡る雪の橋、中ノ島橋(下からアオリ/橋上)。「本物」の龍谷の喚き声にいたたまれず耳を塞ぐ理恵を連れ出す金子市、松尾大社手水場(楼門バック)。 第19話 見果てぬ夢の宝の山 1976/2/9 監督・斎藤武市 河内山一家に持ち込まれる埋蔵金ばなし、夢のある話スキな森田屋が出資し、親子孫三代で探し続けているという青年を案内に秩父の山中へ。 ロケ地、千代の茶屋に文読んで貰いに来る丑松、今宮神社(東門、かざりや)。こけし彫りの金子市が埋蔵金掘りの男に声をかけられる、今宮神社高倉下。登城イメージ、彦根城(天守閣、佐和口多聞櫓)。秩父天目山尼寺跡のガレ場、いずこかの砕石場と思われるが著しく風化している。 第20話 おれとあいつの忘れがたみ 1976/2/16 監督・工藤栄一 宗俊の元隣人・船倉の板八が20年ぶりに江戸に帰還、昔惚れた女を訪ねたがとうに亡く、忘れ形見の娘がいるという。 ロケ地、再開した板八と宗俊がしんみり話す大川端、嵐峡汀。足抜け女郎が駆けて来る坂、今宮神社高倉脇坂。千代の水茶屋へ駆け込み、かざりや。廓の用心棒に打ち据えられる女郎を庇う千代、東門内の石橋。河豚買って帰ってくる宗俊の渡る橋、足抜けした千代たちが逃げて隠れる橋に中ノ島橋。 第21話 妻恋い、母恋い風ひとつ 1976/2/23 監督・太田昭和 重役の息子に踏み躙られ藩を追われ、別れ別れの母と父子。 ロケ地、千代が丑松と直次郎に上月浪人の妻探索を提案する水辺、嵐山公園桂川右岸(中州)。中津奥平藩領、重役の息子に陵辱される上月の妻、大覚寺天神島。宗俊に諭されるも諦めぬ千代が再び丑直コンビと図る、渡月橋上手桂川左岸(大堰と橋バック)。直次郎が探索中上月と行き合わせる、大覚寺護摩堂。娘を抱えて走り出す、大沢池堤。丑松が上月の妻を女郎屋から連れ出し同行を迫る、中ノ島橋上。母子の再会、大覚寺五社明神と広沢池観音島を併用。上月が金子市に斬られる、広沢池底。 第22話 桃の節句に雪を見た 1976/3/1 監督・黒田義之 経費捻出のため貨幣改鋳を図る水野老中、材を産する浜北藩を籠絡するため姪を藩主に縁付かせようとする。 ロケ地、地震騒ぎで屋敷を抜け出した夕姫がナンパされる橋、渡月橋。 第23話 真っ赤に咲いた想い花 1976/3/8 監督・勝新太郎 宗俊が一目惚れ?の女堕胎医、暗い影のある不思議な女。 ロケ地、ラスト、女医とデキてたかと宗俊に聞く金子市、そこへ女児が助かったと報告に来る丑直コンビ、激しい流れのしぶき越しに描かれる、桂川大堰前左岸。 第24話 手玉にとられた鬼三匹 1976/3/15 監督・安田公義 鬼三匹は宗俊・森田屋・金子市の三人。 ロケ地、金子市が店を広げていてお菊に声を掛けられる、今宮神社高倉下。森田屋不在で行われる抜け荷、町方に邪魔される夜の浜辺、広沢池東岸。事後、羊羹にゲップの男たちが水を飲みにゆきお菊に絡まれる、松尾大社亀の手水場。宗俊を残してそそくさと立ち去る男たち、楼門。 第25話 桜吹雪江戸の夕映え 1976/3/22 監督・勝新太郎 さんざん儲けたすえ森田屋を切る上つ方、捕縛の指示が遠山金四郎に下され、「いい顔」した悪党をお好みの北町奉行は河内山に下駄を預ける。 ロケ地、遠山奉行がスリの親方と引き合わされる、粟生光明寺石段(大屋根映り込み)。事後宗俊が割符を消化するためランニングの石段も同所。遠山が宗俊を呼び出す汀、怪我したおまきを匿う夜鷹の苫船、出頭するという森田屋、広沢池東岸。スリの親方に追われるおまきのくだり、中ノ島橋上〜河川敷。 第26話(終) 無頼六道銭 1976/3/29 監督・太田昭和 別れの予感を孕みつつ進行するストーリィは、水野失脚の仕上げを図る鳥居耀蔵との対決を描く。 ロケ地、宗俊とお滝のラブラブ堤道、伏見・松本酒造前東高瀬川左岸堤。金子市が捕り方を斬ってしまう浜辺、広沢池東岸。千代がねちねちと話しかけて金子市に逃げられる、嵐山公園桂川右岸・栗石の河川敷。 *放映日データ参考文献 別冊太陽「勝新太郎」1998年平凡社刊 ISBN4-582-94313-6 |