新・三匹が斬る!

山室1992〜1993 テレビ朝日/東映

キャスト
矢坂平四郎/高橋英樹  久慈慎之介/役所広司  燕陣内/春風亭小朝  お蝶/長山洋子


第1話 懸賞首三つ揃って夢道中 1992.7.9 (スペシャル)

 洋学嫌いで学者を投獄と見えた鳥居甲斐守だが、裏には恋の遺恨。男を始末し女を取り戻そうとする奉行に付け込む獅子身中の虫あり、名うての盗賊と組んだ大悪党は、日光普請の七万両をそっくり頂く算段をしていた。三匹は、どうしても妻に会いたいという学者を助け旅するが、遺言を届ける羽目になる。

ロケ地
・酔った山田朝右衛門と事を構える殿様、真如堂参道坂
・赤猫による解き放ちのあと、左内と桜見物に神社へ詣でる殿様、大覚寺心経宝塔前。覆面の襲撃者たちが出現、同じ房にいたおみくじ新之助が出て加勢。
・新之助とツナギをとる鳥居の部下・木島主水、大覚寺五社明神。新之助は外塀脇、主水は内陣にいる構図、カメラ裏手から。
・出頭場所の回向院へ向かう途中足を止め妻に会いたいと言い出す左内、真如堂東陽院前路地。参道坂とクロスするあたり。
・日光へ七万両を持ってゆく鳥居甲斐守一行、谷山林道切り通し。
・戻らぬ者四人の回向院、神光院か。
・七万両を積んだ荷車を預かった殿様にあとの二匹が合流する山道、例の小滝落ちる崖のある岩場。左内を助けて新之助もやって来る。ここへ至る山道も付近か/切り通しの崖は土でなくて岩盤が露出。
・とりあえず七万両入りの金箱を運び込む小屋、酵素河川敷。いま民家セットが建つ場所に掘っ立て小屋あしらい、爆破あり。金箱の中身は金じゃなくて火薬。
・打って出た際新之助を庇って撃たれた左内を運び込む寺、不明(眠狂などで出たアレか/内部はセット、討手が殺到する門がロケ)。三匹各個に斬り抜けるくだり、殿様が立ち回りのすえ投降しかける小川べりは下鴨神社泉川畔。
・三匹合流の夜の東照宮境内、上賀茂奈良社と大覚寺五社明神を組み合わせか。新之助が出て三匹をいざなう渡し場は広沢池東岸
・左内の妻・るいに遺言を伝えたあと討手が出て捕まり連行される夜道、大覚寺五社明神
・悪党を殲滅し奉行と力押しでナシをつけたあと三匹がゆく街道、谷山林道か。
*おみくじ新之助は五木ひろし、正体は隠密同心だが悪者ではなく左内に同情的、最後は瀕死の傷をおして三匹を牢から出す。彼の情婦・お紺は柏原芳恵、たこと相対死芝居をするが主水に嵌められなどもあり。南町奉行・鳥居甲斐守は北原義郎、嫁き遅れで千石にホの字の令嬢は樹木希林。高山左内は石濱朗、鳥居の許婚者だったるいは川島美津子。鳥居の部下で主も裏切る悪党・木島主水は森次晃嗣、グルの賊で表は両替商の伊勢屋喜兵衛は岩尾正隆。酔って役目を殿様に託す山田朝右衛門は長谷川明男、酔態のまま出番終り。


第2話 妖怪の美女に惚れたら命がけ 1992.7.23

 舞台は那須野、殺生石のある大田原藩領。玉藻ノ前の伝説をよいことに、人を嬲り殺す快楽に耽る次席家老がいる。こやつは欲も深く、養女の姪を道具に次々分限者と娶わせ財産を絞るという悪事も働いていた。
千石がその哀れな道具にされている女にメロメロに惚れてしまい、駆け落ちまでするが結末は悲劇に終わる。

ロケ地
・逃避行の千石と玉絵、清滝川の渓流沿い〜谷山林道分岐道(茶店セット・千石はここで一服盛られ昏倒)
*大ワルの犬追物ならぬ人追物を仕出かす次席家老に亀石征一郎、目つきが凄い。これの配下の一人に福本先生、ラス立ちでは殿様にずんばらりと斬られきれいにのけぞる。


第3話 消えた女房、砂金地獄に咲いた花 1992.8.6

 会津藩の金山方が悪徳商人と組み砂金を横流し、私腹肥やしまくり。保管には村名主夫婦の古い過去を暴きたて、蔵に置かせ女房を人質にとるという悪行を働く。行方の判らない母を案ずる娘、金山から逃げ出し斬られた山人足、砂金搬出に一役買わされ始末されかかる旅の一座、三匹それぞれに関わった事情から大暴れ、血の雨が降る。

ロケ地
・会津への街道、茶店で休む殿様、広沢池か沢ノ池か菖蒲谷池か不明(変わったアングル、緑眩しい水の色、汀にヨシ生えまくり)
・名主宅は前に畑の民家
・金山番所はいずこかの砕石場跡か(端っこに小滝落ちてるとこ)
・花菱屋寮・春宵庵、中山邸門。
・旅の一座が砂金運びの最中役人に臨検される山道、酵素ダート待避所
・ラスト三匹がゆく小沼峠、谷山林道


第4話 お相手申す、今宵限りの算盤剣法 1992.8.20

 意気投合した酒友を失う千石、ひとときの教え子を亡くす陣内、歪んだ正義を強制された孤児たちを憐れむ殿様、それぞれに怒りマックスの三匹が、福島藩家老の大狸を粛清してのける。
武士を捨てた自由の天地を夢見ながら、妹の幸福のため自刃して果てる勘定方に目黒祐樹。親切ごかしに孤児を養育し憲兵隊に仕立て上げ、弱者から金を毟り取る悪辣な家老に菅貫太郎と豪華。

ロケ地
・会津・福島境の峠道で喧嘩の千石と勘定方、谷山林道分岐道。
・侍志願の子を殿様に押し付けられた陣内が弁当を使う石段、神護寺金堂下。
・福島城、彦根城天守遠望。
・隼塾の悪評を聞く野良手伝いの殿様、広沢池西岸農地。


第5話 牢破り、女一匹駄賃づけ 1992.8.27

 三春藩特産の水晶を巡る陰謀に巻き込まれる、働き者の駄賃づけの女・お政。出奔した夫は我が子を救うため、善良な山奉行は無実の罪で囚われた女を逃がし、それぞれ落命。非道の輩を成敗すべく、三匹が立ち上がる。

ロケ地
・三春藩領の街道筋、山室堤道(堤外地からのアングルもあり)
・お政が迷子を届ける日笠村庄屋屋敷、長屋門と続きの土塀
・和泉の港、八幡掘新町浜
・陣内が野博打を開帳している、臨時の関所が設置される神社、走田神社(博打は本殿灯籠群前、関所は参道)
・さらわれた息子が見つからず沈むお政と殿様が話す浜、琵琶湖西岸(今津付近か。背景に葛籠尾崎・伊吹山・竹生島・近江八幡の山なみ)
・出羽の行者・竜海坊の正源寺(盗賊のアジト)龍潭寺
*今回もギャグ満開の陣ちゃん、ラス立ち前に爆薬仕込んだ大根投げて「今日のお料理はお大根を使いました悪人のごった煮でございます」


第6話 幸運の汗かき阿弥陀が血を流す 1992.9.10

 奥州・白石、村人に災い来るを汗かいて知らせる有難い仏様が、秋月藩の変態姫に奪われる。これには公家・学僧・医師と偽った食客が加担、しかし本当の顔はお尋ね者の盗賊。仏を返してくれるよう掛け合いに行った堂守を殺害したりする。
賭場で金を盗られた千石、俳人を気取って姫宅に入ろうとしてつまみ出された陣内、仏様がなくなって天災に苦しむ村人を見た殿様、それぞれに怒りをこめた三匹の鉄槌が下される。

ロケ地
・白蓮屋敷、中山邸門。
・阿弥陀の堂、正編第五話で出て来た倉賀野の堂と同じ(菱形の塗り込め格子窓)
・事後、仏様持って村に帰還の三匹、広沢池西岸農地
*公家を騙る西光に田中さま。*陣ちゃんに生き仏に仕立てられる千石、流すのは血でこれがタイトルに。


第7話 座敷童、見たか聞いたか百万両 1992.9.17

 舞台は遠野、民衆から金を巻き上げる大騙り集団が現れ人死にも出るお話だが、舞台ゆえか民話調でどこかほんわかした作り。
騙りのメインは、山に金鉱ありと早池峰の神が託宣と偽り、採掘費用出資すると金が五倍十倍という詐欺。はじめ乗ってこない村人だが、奇跡の巫女との対決イベントで砂金出て信じる者多数、争って金を出すありさま。代官までグルだったり。
村人を抑える篤実な農夫の家に投宿の殿様、巫女にきれいに騙され崇めていた千石、わけも判らず引き込まれワラシさまに仕立て上げられた陣内、金を取り返そうとした隣村の農夫が殺害されるに及び三匹が立ち上がる。

ロケ地
・笛吹峠、谷山林道
・河童淵、大沢池堤
・南部藩遠野代官所、大覚寺明智門
・巫女のおひろめ呼び込みつとめる千石、大覚寺天神島(砂金が出る椎の木)
・滝行の巫女の様子を見にゆく千石、滝は日吉大社飛竜の滝、巫女が詐欺師の親玉・村雨采女といちゃつく湯治場の宿、日吉山荘
・それぞれ得た情報をツナギに集まる三匹、大覚寺護摩堂
・ラスト、旅立つ三匹にワラシさまから握り飯、谷山林道


第8話 密造酒、飲んで飲まれて大作戦 1992.10.15

 禁制のどぶろく密造の村、これを守る立場の殿様と陣内、仕官目的で取締方に与する千石、三匹が二手に別れてやりあう一話。コミカルな闘争の果て、いつものように権力に嫌気さし寝返る千石が加わり、あくどい勘定奉行に三匹の鉄槌が下る。

ロケ地
・封鎖された道を大名行列に偽装して通過した村人たちが荷をほどく、鳥居本八幡宮鳥居下広場。
・事後、一人ゆく千石が村人から貰ったどぶろくの瓢(空)を放る、酵素降り口。
・殿様が乗った船、木津川か。
*殿様の進言を容れ、どぶろくの一件を解決に導く福々しい大目付に品川隆二。


第9話 逃げた女、産めよふやせ悲しき子宝奉行 1992.10.22

 奥州・浅倉藩では、飢饉の折り大量に人死にが出たことから出産を奨励。専門の部署も設けられ、報奨金も出す。
藩主のこの政策を常々快く思わない槍組に、家老が結託。加えて、領内で人を殺した遊山旅の旗本たちが、目撃者の娘を匿った子宝奉行の始末を申し出てくる。これらが大挙して小役人の屋敷に夜討ちを掛けてくるが、迎えうつは三匹、当然の如くワル全員皆殺しの憂き目に遭う。

ロケ地
・浅倉藩領の道、山室堤道各所(堤上、竹林の間の通路)
・庄屋屋敷、走田神社社務所
・子宝奉行邸、勝持寺山門(内部はセット)
・たこが営業の婚礼の百姓家、民家門
・浅倉城、犬山城天守(ロングの絵も)
・城代家老邸、妙心寺大龍院門。
*また出たけったいな役職、たった一人で下役もいない子宝奉行に岡本信人、いい感じ。


第10話 首一つ、賭けてみちのく影武者哀歌 1992.10.29

 ところは奥州・小萩城下。後継ぎ問題で不穏な気配、ほぼ次期と決まっている次男には刺客が放たれる。差し向けるは長子の影虎、人妻に横恋慕の挙句殺傷し勘当の身。左馬之助の身を案じた家老は、たまたま城下で拾った農夫を影武者に仕立てる。
常に危険にさらされ、自由に出歩くこともままならぬ影武者、芸者の小りん姐さんと心を通わすが、最後は無惨な死を遂げる。これを見た三匹、自棄になり武装して城を襲おうとしているトンデモ勘当息子と、取り巻きの「無能の人々」を一人残らず成敗。

ロケ地
・妙法寺で法要に出席の左馬之助を襲う刺客団、神光院中興堂
・千石が影虎の野駆弁当にむしゃぶりつき拾われる林、大覚寺梅林(心経宝塔バック)
・又八の卒塔婆、広沢池西岸(夕景)
*お蝶と再会、合流。


第11話 女一匹!わたしゃ闇の逃がし屋稼業 1992.11.19

 国安藩郡奉行が大ワル、手下をして富商狙いの凶盗を働かしめ、そのうえ関係の無い民を犯人に仕立てて処分するという悪行を重ねる。ここに義憤をもって無実の罪を着せられた者を逃がす稼業の一団あり、鮮やかに逃がしてのける。彼らに奉行の手伸び、括られ危機一髪に三匹、怒りの鉄槌が下される。

ロケ地
・女郎の恋人を取り戻しに来て捕まった男と、役人殴って入牢中の千石が盗っ人として斬首されかかる刑場、酵素河川敷
*逃がし屋チーム、ツナギの方法や金を貰ってする仕事という掟、なんか必殺っぽい。


第12話 非情剣!これが噂のオオカミ男 1992.11.26

 殿様も千石も適わない剣の使い手現る。傾いた衣装を身にまとい、女達の熱い視線を浴び山中に起き伏す美男子、五条小一郎。赤子のうちに山に捨てられ、狼の乳で育った彼は、人の情を解さぬ本能の獣。それゆえに起こすトラブル、これを利用し家老を葬ろうとする次席家老の陰謀が、実母の愛で急速に人の情芽生えかけた彼を死に追いやるのだった。

ロケ地
・山道でたちまち多人数を片付ける小一郎を見る殿様、谷山林道。小一郎と対峙し斬られかかる殿様を救うのに落される荷車、切り通しの際。
・家老がおりきに娘のことでこれ以上血は流せぬと告げる、神護寺鐘楼下。御廟への分岐道も使用。
・おりきが殿様に娘時代生んで別れた子のことを話す、神護寺大師堂前。
・家老令嬢・琴江殺害現場となる鎮守、鳥居本八幡宮鳥居下の大木の根方。
・小一郎が潜む山中の渓流や大石下の滝、天神川


第13話 松島や、義賊に惚れた花一輪 1992.12.3

 己の私腹を肥やすため苛政を強いる松島代官、これを嘲笑うかのように出る義賊。身を削って漁師たちに給金を支払う網元が捕われ、助けに来たところ奸計に陥ち落命する「義賊」海猫の斉太郎、郷里から訪ねて来た許婚者の腕に果てるを見た三匹の断罪の刃がワルどもに下される。
全編通じて斉太郎節が鳴り響くが、元は石巻のたたら踏みの労働歌が転化したものという謂れがストーリーに絡めて語られる。

ロケ地
松島のイメージは空撮の本物、荒磯は高浜町。琵琶湖ロケもあると思われる。


第14話 金儲けのイロハ指南に賭けた首 1992.12.3

 財政逼迫の八戸藩に、鴻池から二十五番番頭・平吉が算勘指南として派遣される。たちまち鮮やかに功績を上げるその平吉は、八戸の寒村で間引きされかけた過去を持ち、豊かな陸奥にしたいと理想に燃えていた。しかし財政洗い直しの作業が進み、公金横領発覚を恐れた側用人の魔手が伸び平吉は罪を着せられ投獄。これを救出した三匹、悪の根源の側室と側用人をぶった斬り。
ワルにそそのかされ平吉を罪に落す道具にされた元勘定方の娘が、平吉のマドンナであったというエピソードが織り込まれる。

ロケ地
・八戸への道中、平吉を刺客から救う殿様、御室八十八ヶ所堂前。
・八戸藩お類(側室)御殿、相国寺(林光院、大光明寺)
・川辺に佇み過去を語る平吉、清滝川(マドンナとの思い出も同所)
・平吉がたばかられ家老殺しの罪を着せられる料亭・鶯屋、中山邸門。
*如才ない平吉を山田隆夫が好演、仕事人の半ちゃんを髣髴とさせる。


第15話 妖怪のカッパ退治は美女と道づれ 1992.12.17

 河童出現に脅える村、寺の和尚や通りがかりの力士など犠牲者も出ているという。しかしその正体は頭をトンスラ剃りした「人間」の男。千両箱を河童淵に隠した盗っ人が人を近づけないよう謀ったもので、代官や寺の現住職もグル。一連の企みで犠牲となった人々の怒りを背に、三匹大暴れ。今回千石は女絡みでさんざん、しかしタイトルの美女は意味深な言葉を遺し千石の腕の中で果てる。

ロケ地
・峠の茶店で河童の噂を聞く殿様とお蝶、谷山林道切り通し。
・トンスラ男が言い遺した寺・竜仙寺へ赴く殿様、西明寺山門。
・名主が河童対策を村人にぶつ鎮守、鳥居本八幡宮鳥居下。
・河童淵、罧原堤下かと思われるが、確信に至る材料無し。


第16話 さいはての恐山、津軽娘が死者を呼ぶ 1993.1.14

 二年ぶりに故郷へ帰った男が、古馴染みの芸者と共に死体で見つかる。それぞれに二人に関わっていた三匹は、心中と片付けられたことに納得ゆかず動く。
殿様の調査は推理仕立て、千石は男の霊をおろす憑坐となり消耗しまくり、陣内は結婚を誓った芸者の死にめそめそしながらイタコに会ったり。積み上げた事実から犯人を割り出した三匹、辻斬り医者と藩目付をおびき出し大暴れ。

ロケ地
・奥州街道の茶店、山室堤道
・千石が追い剥ぎに遭う米吉を助ける、保津峡落合河口(清滝川右岸)
・米吉とお駒の死体が上がる川岸、嵐山自転車道下桂川
・憑坐千石の託宣する山寺の大きなお堂、神護寺(石段、金堂、多宝塔)
・庄屋屋敷と医者登城途中の土塀、。恐山は合成の模様。
*米吉が憑いた千石、にぱーと笑う顔が気色悪くも可愛い。


第17話 母恋し、狐涙の妖怪変化! 1993.1.21

 妖狐騒動の相馬藩、狐憑きと追われる姫、実は飼い狐を騒動に巻き込みたくない一心の健気な行動、騒ぎの裏には藩主にのし上がろうとする側用人がいた。
本物のキツネを使っての演出、今回も千石は怪しの影にひかれる役回り、きっかけはさもしい餌あさりだったり。ポニーテールでむさ苦しい浪人は決まって女と子供と動物に優しい、時代劇の法則のひとつか。

ロケ地
・相馬藩の城、彦根城。イメージに天守上部。殿様が家老以下と会見は天守下、熱血若侍と話すのは天秤櫓下の石垣。鶴姫十五歳の祝いの野点、玄宮園池畔。家老暗殺は天秤櫓の真下。
・狐の化身の娘がいる民家に転がり込む千石、萱葺民家
・城下で物売りの陣内は仁和寺手水場、のちお蝶と茶店で狐の噂聞くのは中門傍の茶店をデコレーション。
・姫のもとへ銀太キツネを持ってゆく千石、廣峰神社(舞殿、中門)
・陰陽師が妖狐を封じた稲荷の祠、大覚寺天神島の祠に朱の鳥居をセット。
・姫が追い詰められる国境の谷、保津峡落合落下岩。姫を庇って銀太キツネが墜死、落合河口
・事後、銀太の墓前で鼓を打つ姫を見届け旅立つ三匹、常寂光寺仁王門


第18話 血槍舞い、死んで咲かせた忠義花 1993.1.28

 奥州椿藩、不審死の前任者から業務を引き継いだ勘定吟味役は、不正調査の仕事も引き継ぐが、密偵ともども借り入れ米を隠匿し私腹を肥やす勘定奉行一派に消されてしまう。
この侍を倅のように思い育てた中間は、主の死に関わる秘密を知り、主の槍を手にワルに立ち向かうが敢無く返り討ち、これを見た怒りの三匹が血煙を上げる。

ロケ地
・椿城外観、彦根城天守
・密偵の女が経営する街道筋の茶店、谷山林道にセット。
・吟味役・菊岡と密偵が心中立てで見つかる水辺、広沢池東岸
・中間・五郎八が殿様と行き合わせ、この道は主との思い出という、仁和寺観音堂前。
・組屋敷を去る吟味役の妻子と中間、建仁寺久昌院
・五郎八が拉致されたと殿様に告げに走ってくる菊岡の妻女、仁和寺塔前。
・飛地の蔵番所、大覚寺明智門
・旅立つ三匹、山室堤道


第19話 羽黒山、天狗も泣いた色と欲 1993.2.4

 天狗騒ぎの鶴岡藩藤島代官領、代官が正体は露人と決め付け追うは陰謀、羽黒山中に隠れ住む元船乗りの露人を抹殺せんがためのもの。裏には家老、その昔前藩主暗殺の毒薬を抜け荷でゲット・その折オロシヤ商人と船員を惨殺、一人逃れた船員・サハロフは山中に潜み、土地の娘をさらい妻としていた。
病を得た父のため金髪碧眼の身を曝し里におりた少年・浦次(ウラジーミル)を助け動く殿様、前藩主頓死の謎を追っていた忠義者の藩士と関わり剣をふるう千石、危機には陣ちゃんも駆けつける。

ロケ地
・雨宿りの殿様が天狗にさらわれた娘を待ち続ける老婆を見る最上川ほとりの山門、勝持寺仁王門。そこから見遣る雨に煙る最上川、桂川(罧原堤上から嵐山東公園を望むアングル)
・陣ちゃんが天狗の温泉の素売ってて捕縛される、仁和寺塔前。
・浦次が殿様についてくる街道筋、およびラスト三匹旅立ちの街道筋、山室堤道
・羽黒山中のサハロフの小屋へ赴く殿様が見下ろす谷、保津峡(大悲閣下)


第20話 越後路は、水燃え人燃え怨み節 1993.2.11

 臭水(くそうず=石油)をめぐり色と欲と、貧しき民の思いが交錯する。
旅役者に拾われ育てられ美しく成長し、故郷に巡業に来た娘が巡り合った父は、18年も探し求めた石油を掘り当てるも悪家老の手にかかって頓死。か弱き者を踏みつけ私腹を肥やすワルに怒り心頭の三匹、根こそぎ成敗。

ロケ地
・一座が小屋掛けの広場、大覚寺大沢池畔。
・旅立つ三匹、山室堤道


第21話 出雲崎、嘘を並べて唐丸破り 1993.2.18

 会津藩家老の悪事を暴いた侍が家老にハメられ罪に落とされ、彼の妻と、妻の亡母に恩を受けた元盗っ人が奪還に動く。元盗っ人の捨蔵は、昔取った杵柄とばかり三匹を騙し利用しようとするがことごとく果たせず。たばかられたことを怒る三匹だが事情を知って協力、しかし捨蔵は証拠の書付を守って落命。三匹の怒りの鉄槌が下る。

ロケ地
・唐丸が渡る橋、木津川流れ橋
・捨蔵が千石を騙す街道筋、谷山林道分岐道。
・騙された千石が唐丸護送の用心棒に斬りかかる、沢ノ池東岸汀とダート。
・書付を隠してある絵馬堂、鳥居本八幡宮(本殿、広場、竹林)
・書付持って逃げる捨蔵、保津峡落合河口。追い詰められて身を流れに躍らせる、保津峡
・榊原夫妻を見送り旅立つ三匹、琵琶湖西岸松原


第22話 さらば三匹、死出の旅への王手飛車 1993.2.25

 三匹の別れは、妖怪じみた姫によってもたらされる。
お話は、隣り合わせた藩の領土をめぐる紛争、実戦の代わりに将棋で勝負の運びとなるが、次々と繰り出される汚い手に三匹の堪忍袋の緒が切れる。将棋のくだりでは、厳格な棋士の父に反発する若者のエピソードが挿まれる。そして、三匹を解散に導く姫の正体は妖怪の娘であることが明かされ、一人捕まってしまう陣ちゃんなのであった。

ロケ地
・永山藩将棋役・生駒仁左衛門邸、妙心寺衡梅院門。
・平沢藩の軍事教練、彦根城二の丸
・永山藩の幼君に将棋での代理戦争を提案の殿様、阪口青龍苑亭庭。
・鳥居甲斐守の娘・小百合姫と元京都町奉行・板倉内膳の行列がゆく海辺、琵琶湖西岸松原


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