第105話 「北の岬の渡り鳥」 1978.10.15
ふと思い立ち、乳母の故郷・出雲崎へぶらり旅の桃さんは、鄙びた旅籠へ泊まり、悲しい人間模様を見る。
桃さんを恋い慕う娘との出会いと別れが詩情たっぷりに描かれ、彼女の語る渡り鳥と命棒の話が哀切極まりない。
ロケ地
- 街道をゆく桃さん、三味線を弾く老婆と行き会い道を譲る田畦は亀岡あたりか(谷地田)。
- 出雲崎の浜辺、丹後地方と思われる。けっこう広い砂浜にはいかめしい巌が露出し、柱状摂理の崖も見える。ラス立ちは、汀で裾を濡らしながらの大立ち回り。
- 桃さんのあとを追ってきたつばめ一行、休む茶店は丹波国分寺山門前に設営。田之助が三度笠で来る道も門前かどうかは不明。
- 出雲崎の旅籠・小竹屋(女あるじは清川虹子)へ投宿した桃さん、囃子につられ行ってみるお祭りの神社は日吉神社(河原林町)。石鳥居の扁額はそのまま、参道に露店あしらい。境内の「壁」や大木が印象的。
- 出雲崎の町へ差し掛かったつばめ一行、ヤクザの検問に行き会う町角は民家塀際。
- 気をわるくしたつばめ一行が道を変えると、刃傷沙汰真っ最中の男女に出くわす野道、酵素ダート(六地蔵あしらい)。男女は酵素河川敷にいて、はじめダートから見下ろす構図。落ち着かせ話を聞く段では、小川べり。この男(佐藤仁哉)が小竹屋の家出息子で、親分の情婦と逃げてきている次第。
桃太郎/高橋英樹 玉川つばめ/野川由美子 彦助/谷村昌彦 仁兵ヱ/深江章喜 お光/西川ひかる おえい/関悦子 おみよ/吉本真由美 とん太/北野清治 清川虹子 中川七瀬 森秋子 佐藤仁哉 千葉敏郎 有川正治 原田力 五十嵐義弘 芦田鉄雄 蓑和田良太 志茂山高也 壬生新太郎 岡嶋艶子 木谷邦臣 玉川すずめ/西川峰子 蛙の田之助/山城新伍
脚本/和久田正明 監督/山下耕作
※つばめたちに、おみよもついて来ている。
※ラス立ち、旅先ゆえか着替えなし、それまで着ていた黒の着流しで。
※命棒というのは、大海を渡る鳥が波間で休むために持っているという小枝。桃さんも乳母から聞いていたという設定。
★役名、役者についての記述は間違っている可能性があります。
→ 桃太郎侍 表紙
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