第132話 「男の別れに散る桜」 1979.4.29
おみよに妻の面影を見て懊悩する浪人、むごい記憶から逃れることかなわず、桜花咲き初める春に「友」の刃にて散る。
その「過去」をタテに暗殺を強要される浪人、的は桃さんの兄上という次第であった。
ロケ地
- おみよと田之助がゴロツキにからまれる萱場町の住吉神社、今宮神社石橋まわり。田之助がぼこぼこにされピンチのところ、多門浪人が出て撃退。
- 若年寄・建部邸、相国寺大光明寺門・夜景。後段では昼の絵も出る。
- 松平備前守の駕籠行列が襲われる夜道、相国寺鐘楼前。
- 桃さんが兄上と話す庭、不明(池泉際の築山)。賂をとって商人を苦しめる若年寄の探索を、水野老中から依頼されている件について。
- プロポーズの理由を多門に問うおみよ、罧原堤下汀。妻と重ね思わず抱きしめる多門だがすぐ正気に戻り「帰れ」と突き放し、その後おみよが振り返りつつ行く川べりは桂川・臨川寺地区側汀(左岸側・堰堤脇/かなり増水している)、多門の帰り道は大覚寺望雲亭北・有栖川畔小径(住吉神社でやっつけたごろつきが仕返しに出るが、撫で斬りにされる/この腕前を網干が見ているという寸法)。
- 備前守の駕籠行列を襲う虚無僧軍団、下鴨神社馬場。参道からのアングルもあり。桃さんが出て阻止。
- 建部邸を探っていた田之助、網干と多門が話すのを目撃するシーンは相国寺大光明寺通用門、湯屋角に隠れて見る。
- 老中・水野と会う備前守に殺到する刺客・多門、青龍苑。まず茶亭が映り、警備の侍がうようよしているのを見せてカメラ「下」へパン、池泉前の庭にも警護が詰めているさまを見下ろす。多門は萱葺門(この門は現存するか否か怪しい)から乱入、庭にいた護衛を撫で斬りにしつつ築山を駆け上がる。最後、茶亭からは桃さんが出てくるという構図。
- 墓参り帰りの桃さん一行、金戒光明寺墓地。石段を降りつつ桃さん、優しくおみよを慰めるが、止めはつばめのどたばたギャグ。
桃太郎、松平備前守/高橋英樹 玉川つばめ/野川由美子 彦助/谷村昌彦 仁兵ヱ/深江章喜 お光/西川ひかる おみよ、さよ/吉本真由美 おえい/関悦子 とん太/北野清治 藤巻潤 下元年世 吉中六 壬生新太郎 嶋田秀雄 疋田泰盛 滝田裕介 曽根晴美 蛙の田之助/山城新伍
脚本/和久田正明 監督/山下耕作
※多門は藤巻潤、妻のさよを不義密通のかどで斬るが、あとで間違いとわかる悲惨。建部の物頭・網干はもとは多門の朋輩で、さよの兄。建部の殿様は滝田裕介、能が趣味。
※ラス立ち、能舞台の猩々の中の人が桃さんという趣向、松平鶴次郎名乗りもあり。建部の家来で福ちゃんがいて、それはみごとな斬られっぷり・必見。
★役名、役者についての記述は間違っている可能性があります。
→ 桃太郎侍 表紙
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