第140話 「男涙のおけさ節」 1979.6.24
食中毒で頓死した男を看取る桃さん、そいつの兄貴分という男と知り合う。コメディタッチではじまる話だが、故郷へ帰れなかった者たちへのエレジーとしておけさ節が流れる哀話で終わる。
ロケ地
- 寅松の墓に参る桃さんと五郎蔵、くろ谷墓地か(丘の中腹、木の茂り具合や墓石ひしめきあうさまは小谷墓地とも思える)。このとき、おけさ節が漏れ聞こえて五郎蔵が走り寄るが、今年の盆踊りのおさらいが行われている広場は金戒光明寺東坂下石畳。あとから来た桃さんの背景に、禅道場下の神社。
- 桃さん相手に五郎蔵が語る故郷の思い出、両親の顔も知らず雑用をして暮らす棄児が天秤棒を担いで荷運びの海辺、および無宿人を葬る浜辺の塚、間人付近か(奇岩と砂浜、遠景に柱状節理の崖)。荒波かぶる巌なども出る。
- 夜、盆踊りの櫓が組まれている神社に立ち寄り、おけさの手振りをしてみるおりは姐さん、大覚寺五社明神鳥居裏手に櫓設営。祠の陰から見ていた桃さんが声をかけ、五郎蔵の居場所を問うがおりはは逃げ去り。直後、黒イカ軍団が出て桃さんを襲う。
- 百本杭の漁師小屋で待機する五郎蔵たち、広沢池東岸土手上に設営。土手下の草叢で五郎蔵が草笛を吹くところに、おりはが来て佐渡の話に加わり、同郷と知れる。
- おりはが語る、故郷を出奔せざるを得なかった経緯、男から逃げるも追いつかれ刺してしまった浜辺、間人海岸。背景に立岩が来ている。
- 「仕事」の場に向かうため五郎蔵たちを乗せて船を出すおりは、広沢池東岸。目指す佐倉屋の寮は大覚寺望雲亭、船が近づくシーンでは池から北側外観を見る図、蔵を破ったおりはたちが金箱を担いで出てくるシーンは西側門。出てすぐ勘定奉行配下の侍にブツを渡すが始末されかかり、桃さん介入/五郎蔵が桃さんを銃弾から庇う。
- 縄を打たれ罪人として引かれてゆくおりは(役人つき)に、祭りを見せてやる桃さん、大覚寺五社明神。祠裏から、舞殿前にしつらえた櫓を見る図。このシーンは昼間の撮影。
桃太郎/高橋英樹 玉川つばめ/野川由美子 彦助/谷村昌彦 仁兵ヱ/深江章喜 お光/西川ひかる おえい/関悦子 おみよ/吉本真由美 とん太/北野清治 長門勇 北原義郎 山本昌平 出水憲司 秋山勝俊 広瀬義宣 寺下貞信 森下鉄朗 伊東亮英 大月正太郎 遠山二郎 多田和生 宮園純子 蛙の田之助/山城新伍
脚本/和久田正明 監督/山下耕作
※五郎蔵は長門勇、仲間のごろつきは出水憲司ら。おりはは宮園純子、五郎蔵たちにヤバいヤマを持ちかける。その「仕事」の依頼主の殿様は北原義郎、勘定奉行で、札差が老中に献上する予定のブラックマネー三千両を横取り。銃も扱う強面の家来は山本昌平、顔が怖い。ラス立ち福ちゃん入り、けっこう映る。
※寅松の通夜につきあわされた田之助、香典を出さぬ大家のところで死体を担がされ、かんかんのうならぬ阿波踊りを披露。また、笛を吹けと強要され口真似で「ひゃらりひゃらりこ」、これを受け五郎蔵が「昔聞いたことあるな」と呟く。
★役名、役者についての記述は間違っている可能性があります。
→ 桃太郎侍 表紙
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